赤ちゃんのミルクの量と回数の目安|月齢別早見表(1回量・1日の回数)と「足りている?」の見分け方
対象の目安: 0〜1歳(ミルク・混合栄養の赤ちゃん)


「ミルクは何ml作ればいいの?」「さっき飲んだのにもう泣いている。足りていないのかな」「缶の表示より飲む量が少ないけれど大丈夫?」——ミルクの量は、赤ちゃんが生まれてからいちばん多く検索する悩みのひとつかもしれません。この記事では、粉ミルクメーカーが示している月齢別の量と回数の目安を早見表にし、こども家庭庁が掲載している「授乳・離乳の支援ガイド」にもとづいて、量が足りているかを見分けるポイント、離乳食が始まってからの回数の変化をまとめます。体重の増え方が気になるときは、自己判断せず健診や小児科で相談してください。
月齢別ミルクの量と回数の早見表
粉ミルクの量と回数の目安は、メーカーが製品ごとに「調乳量の目安」として示しています。ここでは一例として、明治が公開している「明治ほほえみ」の調乳量の目安を表にしました。
| 月齢 | 基準体重 | 1回の量(できあがり) | 1日の回数 | うち離乳食 |
|---|---|---|---|---|
| 生後0〜半月 | 3.0kg | 80ml | 7回 | - |
| 半月〜1か月 | 3.8kg | 80〜120ml | 7回 | - |
| 1〜2か月 | 4.8kg | 120〜160ml | 6回 | - |
| 2〜3か月 | 5.8kg | 120〜160ml | 6回 | - |
| 3〜5か月 | 6.8kg | 200ml | 5回 | - |
| 5〜7か月 | 7.7kg | 200ml | 5回 | 1回 |
| 7〜9か月 | 8.3kg | 200ml | 5回 | 2回 |
| 9〜12か月 | 8.8kg | 200ml | 5回 | 3回 |
明治は、この表について「赤ちゃんの個人差にあわせてつくるミルクの量や回数を加減してください」「離乳食後のミルクの量は、離乳のすすみ具合にあわせて加減してください」としています。表の数字は「この量を必ず飲ませる」というノルマではなく、作る量の目安と考えましょう。
注意
粉ミルクは、メーカーや製品によって1さじ(またはキューブ1個)でできる量が違います。たとえば「明治ほほえみ」は、缶に付いているスプーンすりきり1さじで20ml、キューブ1個で40mlができあがる設計です。ほかの製品の表やさじ数をそのまま当てはめず、必ず使っているミルクの表示どおりに調乳してください。
あわせて読みたい
哺乳瓶の選び方|本数・容量・素材と乳首・消毒・洗浄グッズの基本
表どおりに飲まなくても大丈夫?
授乳のリズムが整うまでには個人差がある
授乳・離乳の支援ガイドでは、生まれて間もない赤ちゃんは昼夜の区別なく授乳と睡眠を中心に過ごし、成長につれてその子なりの授乳や睡眠のリズムが整っていくと説明されています。授乳の間隔や回数、量が安定してくる「授乳のリズムの確立」は生後6〜8週以降といわれますが、子どもによって個人差があるため、あせらなくて大丈夫です。
ガイドは、赤ちゃんが欲しがるサインに合わせて授乳することや、静かな環境で目を合わせて優しく声をかけながら飲ませる関わりも大切にしています。
2〜3か月ごろからは「欲しがるだけ」が基本
明治のQ&Aでは、赤ちゃんの体調や食欲には個人差があるので、作ったミルクをすべて飲ませる必要はないとしています。また、2〜3か月ごろになると赤ちゃんが自分で飲む量を調整するようになるため、欲しがるだけ与えて様子をみましょう、と案内されています。
授乳のリズムの確立が生後6〜8週以降といわれ個人差があること、欲しがるサインに応じた授乳と授乳時の関わりについては、授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)の「Ⅱ-1 授乳の支援」によります。
「足りている?」を見分けるポイント
ミルクの量が足りているかどうかは、1回に飲んだmlの数字だけでは判断できません。授乳・離乳の支援ガイドは、出生体重や生まれた週数、栄養方法、子どもの状態によって発育は変わるとして、次のような点を合わせて見ることを重視しています。
- 1
体重を成長曲線に書き込んでみる
母子健康手帳には乳幼児身体発育曲線が載っています。健診などで測った体重を書き込み、カーブに沿って増えているかを確認しましょう。からだの大きさには個人差があり、一人ひとり特有のカーブを描いて大きくなっていきます。
- 2
おしっこ・うんちの回数を見る
ガイドは、授乳の回数や量に加えて、排尿・排便の回数も子どもの状態を見るポイントに挙げています。おむつがぬれる回数がいつもより明らかに少ないときは注意しましょう。
- 3
機嫌やおなかの調子を見る
明治のQ&Aでは、体重が少しずつ増えているか、下痢や便秘がないか、機嫌が良いかで適量かどうかを判断するとしています。
1か月健診では、生まれたときからではなく産科施設を退院したときからの体重の増え方を計算し、1日あたりの平均が25g未満であれば、授乳の回数や時間、抱き方などを見直すことがガイドの参考資料に示されています。体重の増え方は月齢が進むにつれてゆっくりになっていきます。
メモ
体重が増えずに成長曲線から外れていく場合や、反対に成長曲線から大きく外れるほど急に体重が増える場合は、医師に相談して経過を見ていくことがすすめられています。量を自己判断で大きく増やしたり減らしたりせず、健診や小児科、自治体の保健師に相談しましょう。
あわせて読みたい
乳幼児健診の内容と当日の流れ・準備|1歳6か月児健診・3歳児健診で見ていること
ミルクを飲まない・飲みが悪いときは
いつもより飲まないときは、まず熱が出ていないか、ぐったりしていないかなど体調を確認しましょう。体調に変わりがなさそうなら、明治のQ&Aで紹介されている次の工夫を試してみてください。
- ミルクの温度を見直す(熱すぎると嫌がることがある)
- 哺乳瓶の乳首との相性を見直す(穴のサイズや形)
- 少し時間を空けてから、もう一度あげてみる
- パパや家族など、ほかの人にあげてもらう
- 混合栄養の場合は、母乳の時間は母乳、ミルクの時間はミルクだけを哺乳瓶で、と分けてあげる方法もある
元気がない、おしっこが極端に少ない、吐くことが続くといった様子があれば、早めに小児科を受診してください。
ヒント
授乳期と離乳期の水分補給のために、イオン飲料を与える必要は基本的にありません。授乳・離乳の支援ガイドでは、イオン飲料の多量摂取による乳幼児のビタミンB1欠乏が報告されているとして、必要な場合は医師の指示に従うよう注意しています。
離乳食が始まったらミルクの回数はどう変わる?
離乳食を始めても、母乳やミルクがすぐに不要になるわけではありません。授乳・離乳の支援ガイドでは、離乳の時期ごとに次のように示されています。
| 時期 | 離乳食の回数 | 母乳・育児用ミルクの目安 |
|---|---|---|
| 離乳初期(生後5〜6か月ごろ) | 1日1回 | 授乳のリズムに沿って、子どもの欲するままに |
| 離乳中期(生後7〜8か月ごろ) | 1日2回 | 離乳食のあとに与え、このほかにミルクは1日3回程度 |
| 離乳後期(生後9〜11か月ごろ) | 1日3回 | 離乳食のあとに与え、このほかにミルクは1日2回程度 |
| 離乳の完了(生後12〜18か月ごろ) | 1日3回+補食1〜2回 | 離乳の進み具合に応じて |
ガイドは、離乳の完了は「母乳又は育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではない」としています。離乳食をよく食べる日も食べない日もあるので、離乳食後のミルクの量は、食べた量に合わせて加減しましょう。
離乳の時期ごとの離乳食の回数と母乳・育児用ミルクの与え方は、授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)の「Ⅱ-2 離乳の支援」によります。
あわせて読みたい
離乳食の進め方|初期・中期・後期・完了期の早見ガイド
調乳と液体ミルクのポイント
- 調乳は、使っているミルクの缶や箱に書かれた方法・量どおりに行う
- ペットボトルの水で調乳する場合は、赤ちゃんの腎臓への負担や消化不良などのおそれがあるため、硬水(ミネラル分の多い水)は避ける
- 飲み残したミルクは取っておかずに処分する
乳児用液体ミルクは、2018年8月に国内で製造・販売できるようにするための省令改正などが行われたもので、常温で保存でき、調乳の手間がなく、消毒した哺乳瓶に移し替えてすぐに飲ませられます。外出時や夜間、災害への備えとして知っておくと安心です。使い方や保存方法は、製品の表示に従ってください。
硬水を避けること、残ったミルクを処分することは、授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)の災害時の授乳に関する記載、乳児用液体ミルクの説明は同ガイドのコラム「乳児用液体ミルクについて」によります。
よくある質問
新生児のミルクは1回何mlですか?
表の量より少ししか飲みません。大丈夫ですか?
表の量より多く欲しがります。あげてもいいですか?
ミルクの間隔は何時間あければいいですか?
離乳食が始まったらミルクは減らしますか?
メーカーを変えたら量はどうすればいいですか?
まとめ
ミルクの量と回数で確認したいこと
- 使っているミルクの缶・箱に書かれた調乳量と方法を確認した
- 表の量は目安。作った量を全部飲ませなくてもよい
- 母子健康手帳の成長曲線に体重を書き込み、カーブに沿っているか見ている
- おしっこ・うんちの回数と機嫌も合わせて見ている
- 飲まないときは、温度・乳首・時間・あげる人を変えてみる
- 離乳食が進んだら、離乳食後のミルクは食べた量に合わせて加減する
- 体重の増え方や飲み方が気になったら、健診・小児科・保健師に相談する
ミルクの量は、表の数字どおりにいかないことのほうが多いものです。毎回のmlを細かく比べるよりも、体重の増え方や赤ちゃんの様子を長い目で見ていきましょう。不安なときは、ひとりで抱え込まずに健診や自治体の相談窓口を頼ってくださいね。
出典・参考
関連する記事
哺乳瓶の選び方|本数・容量・素材と乳首・消毒・洗浄グッズの基本
哺乳瓶は何本必要か、容量と素材(ガラス/PP/PPSU)の違い、乳首のサイズと穴の形と交換の目安、消毒方法の比較といつまで続けるか、洗い方、70℃以上での調乳と2時間ルールまで。公的ガイドラインとメーカー情報をもとに整理しました。
離乳食の進め方|初期・中期・後期・完了期の早見ガイド
離乳食はいつから、何を、どれだけ?初期(ゴックン期)から完了期まで、厚生労働省ガイドにもとづく月齢別の固さ・回数・量の目安と、アレルギー・窒息の注意点をまとめました。
卒乳・断乳の進め方|時期の目安・方法・おっぱい/ミルクのやめ方
卒乳と断乳の違い、時期に決まりはないという考え方、授乳回数を少しずつ減らすステップ、夜間授乳のやめ方、乳房ケアの注意点を、厚生労働省やWHOの情報をもとに整理します。


