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出産費用の無償化はいつから?法律は成立、開始は2028年6月ごろまでに|無料になる範囲と一時金50万円の今後

対象の目安: 妊娠中・これから出産を考えている家庭(2人目以降を含む)

ミナト・編集長 / 生活リズム・時短担当
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出産費用の無償化はいつから?法律は成立、開始は2028年6月ごろまでに|無料になる範囲と一時金50万円の今後

「出産費用が無料になるって本当?」「いつ産めば対象になるの?」「出産育児一時金の50万円はなくなるの?」——2人目を考えている家庭や、いま妊娠中の方から、こうした声をよく聞きます。出産費用の無償化は、2026年5月に成立した改正健康保険法で、制度として正式に決まりました。ただし、開始日や金額はまだ決まっていません。10月からは国の検討会で中身の議論が始まったところです。この記事では、厚生労働省の公表資料をもとに、2026年10月15日時点で決まっていること・まだ決まっていないこと、無料になる範囲とならない範囲、いま出産する人が使える制度を整理します。

決まっていること・まだ決まっていないこと

まず全体像です。法律の枠組みは決まりましたが、家計に直接関わる「いつから」「いくら」は、これから政令や告示で決まります。

項目2026年10月15日時点の状況
法律健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)。2026年5月29日成立、6月5日公布
開始時期公布後2年以内に政令で定める日。具体的な日付は未定
無料になる範囲出産の標準的な費用(保険診療以外の分娩対応の費用)
分娩1件当たりの基本単価国が全国同水準で設定する。具体的な金額は告示で決める(未定)
出産した全員への現金給付定額で支給する。金額は政令で決める(未定)
今の出産育児一時金新制度の開始までは現行どおり(原則50万円)
中身の検討2026年10月1日に国の検討会が始まり、12月ごろにとりまとめ予定

注意

「2027年4月から無料」「〇月以降の出産なら対象」といった情報を見かけることがありますが、2026年10月15日時点で、厚生労働省の公表資料に具体的な開始日は示されていません。開始日は政令で決まるため、正式な発表を待ちましょう。

法律の番号・公布日(令和8年6月5日)と、出産に関する部分の施行期日が「公布後2年以内に政令で定める日」であることは、厚生労働省の検討会資料2「これまでの議論の経緯と検討会の開催について」(2026年10月1日)によります。成立日(5月29日)は厚生労働省「医療保険制度改正法が成立しました」によります。

何が無料になって、何が自己負担になる?

厚生労働省は、出産にかかるお金を3つに分けて説明しています。「無償化」といっても、すべての費用がゼロになるわけではありません。

区分中身の例新しい仕組みでの扱い
(1)出産の標準的な費用正常分娩のための分娩介助や入院など、保険診療以外の分娩対応の費用妊婦の自己負担をなくす。医療保険から施設へ直接支払う
(2)手術などが必要になった場合の追加費用、入院準備に必要な費用帝王切開など保険診療になる処置の自己負担分(3割など)、入院の準備出産したすべての人に定額の現金給付。追加費用に充てることもできる
(3)希望により選択するサービスお祝い膳などのアメニティ自己負担。施設はサービスの内容や費用を示すことが義務になる

(1)は、国が「分娩1件当たりの基本単価」を全国同じ水準で決め、保険者(健康保険組合や市町村の国民健康保険など)から施設に直接支払う「現物給付」になります。施設の体制や役割に応じた加算も設けられる予定です。これまでのように、いったん窓口で高額を立て替えたり、一時金との差額を払ったりする形とは変わります。

3つの区分と、(1)の自己負担をなくす、(2)に出産したすべての方へ定額の現金給付を行う、(3)は納得してサービスを選べる仕組みにする、という説明は、厚生労働省「妊娠・出産に対する支援の強化」によります。基本単価・加算・現物給付化・情報提供の義務付けは同省の改正法概要資料によります。

帝王切開や無痛分娩はどうなる?

帝王切開のような手術は、これまでと同じく健康保険の対象(保険診療)です。新しい仕組みでは、出産の標準的な費用が無料になったうえで、手術の自己負担分などには、出産した全員に支給される定額の現金給付を充てられるようにする、という考え方です。現金給付の金額は政令で決まる予定で、まだ示されていません。保険診療の自己負担が高額になった場合は、今と同じく高額療養費制度も使えます。

無痛分娩の費用が3つの区分のどれに当たるかは、2026年10月15日時点で確認できた厚生労働省の公表資料には示されていませんでした。国会の附帯決議では、安全で質の高い無痛分娩の提供体制を確保する方策を講じるよう求めています。扱いが決まったら、改めて確認してください。

なぜ一時金の増額ではなく、仕組みを変えるの?

出産育児一時金は、2023年4月に42万円から50万円に引き上げられました。それでも出産費用は年々上がり続け、厚生労働省は「支給額を引き上げても妊婦の負担軽減につながらないという課題がある」としています。そこで、標準的な費用そのものを国が決めて保険から支払う形に改め、費用の「見える化」と合わせて負担をなくす方向になりました。

出産費用が年々上昇し、出産育児一時金の増額が負担軽減につながらないという課題、給付方式の見直しの目的は、厚生労働省の改正法概要資料「妊娠・出産に対する支援の強化」の趣旨・概要によります。附帯決議の内容は検討会資料2に抄録された衆議院・参議院厚生労働委員会の附帯決議によります。

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子ども・子育て支援金制度とは|2026年4月開始で子育て世帯に何が変わる?

いつから始まる?ここまでの流れと今後の予定

無償化は、2023年の「こども未来戦略」で「2026年度を目途に、出産費用(正常分娩)の保険適用の導入を含めて検討する」とされたところから具体化してきました。主な流れは次のとおりです。

時期できごと
2023年4月出産育児一時金を42万円から50万円に引き上げ
2023年12月こども未来戦略を閣議決定。2026年度を目途に出産費用の保険適用の導入を含めて検討へ
2024年5月厚生労働省のサイト「出産なび」の運用開始
2025年5月国の検討会が「議論の整理」を公表。標準的な出産費用の自己負担無償化に向けた制度設計を進めるべきと整理
2025年12月社会保障審議会 医療保険部会が「議論の整理」を公表
2026年3月13日健康保険法等の一部を改正する法律案を国会に提出
2026年5月29日法律が成立
2026年6月5日公布(令和8年法律第31号)
2026年10月1日「妊娠・出産・産後における診療やケアの内容等に関する検討会」が初会合
2026年10〜11月出産に関わる診療・ケアの体制や内容、施設基準の着眼点などを検討(予定)
2026年12月ごろ検討会のとりまとめ(予定)
公布後2年以内政令で定める日に新制度スタート

10月からの検討会は月1〜2回のペースで開かれ、実態調査の結果も順次報告される予定です。年末のとりまとめのあとも、基本単価(告示)や現金給付の金額(政令)、開始日(政令)が決まっていく流れになります。年末から来年にかけてニュースになる機会が増えそうです。

2026年10月以降の検討の進め方と12月ごろのとりまとめは、第1回検討会の資料1-2「今後の検討スケジュールについて(案)」によります。2023年以降の経緯は資料2、法律案の提出日は厚生労働省「第221回国会(令和8年特別会)提出法律案」によります。

新制度が始まっても、すぐ全部の産院が切り替わるとは限らない

改正法では、新しい給付の仕組みについて「施設の選択により、当分の間、施設単位で現行制度(出産育児一時金)の適用を受けることも可能」とされています。厚生労働省も「新たな仕組みには、準備の整った施設から順次、移行します」と説明しています。つまり、新制度の開始後でも、出産する産院によっては一時金の仕組みのまま、ということがありえます。開始が近づいたら、産院がどちらの仕組みかを確認するのが安心です。

いま妊娠中・近いうちに出産する人は?

新制度が始まるまでは、今の出産育児一時金の仕組みがそのまま使えます。

  • 公的医療保険の加入者が出産すると、子ども1人につき原則50万円が支給されます
  • 「直接支払制度」を使うと、保険者から産院へ直接支払われるため、窓口で払うのは費用の総額から一時金を差し引いた残りだけになります
  • 費用の総額が一時金を下回ったときは、差額を受け取れます
  • 申請の期限は出産日の翌日から2年以内です
  • 直接支払制度を使えるかどうかは施設によって違うため、産院に確認します

「無償化を待ってから」と出産の時期を考える方もいるかもしれませんが、開始日も、自分が使う産院がいつ新制度に移るかもまだわかりません。時期の判断は家族の事情や体のことを優先し、制度は「使えるものを確実に使う」と考えるのが現実的です。

出産育児一時金の支給額(原則50万円)、直接支払制度、差額の受け取り、申請期限は、厚生労働省「出産育児一時金等について」によります。

「無料になるなら待った方がいいのかな」と思っていたけれど、調べたら開始日はまだ決まっていなかった。今は一時金と産院の費用を比べて、差額がどれくらいかを確認するようにしています。
2人目を考えている保護者

妊婦健診の負担も軽くする方向

今回の改正では、妊婦健診の負担軽減も母子保健法に盛り込まれました(こども家庭庁の所管)。妊婦健診は、国が「望ましい基準」として14回程度の健診と検査項目を示し、市町村が受診券などで費用を助成しています。ただ、2025年4月時点で妊婦1人当たりの公費負担額は全国平均11.4万円で、最低8.6万円から最高14.1万円まで自治体によって差があります。医療機関での自己負担も、約3割超の施設で0円の一方、約1割は3万円以上とばらつきがあります。

そこで国は、望ましい基準の健診について診療報酬などを勘案した「標準額」を定め、市町村と医療機関はそれを勘案するよう努めることになりました。健診の内容や費用の情報も、国が集めて公表します。開始は出産費用と同じく「公布後2年以内に政令で定める日」です。

妊婦健診の公費負担額(令和7年4月時点の全国平均11.4万円、最低8.6万円〜最高14.1万円)、自己負担のばらつき、標準額の設定と情報の公表、施行時期は、厚生労働省の改正法概要資料「妊婦健診における経済的負担の軽減」と各施行日の一覧によります。

子育て中の家庭に関わるもう1つの改正:国保の子どもの保険料

同じ改正法には、すでに子どもがいる家庭に関わる見直しも入っています。国民健康保険では、子どもに係る均等割保険料(税)の5割を軽減する措置が、いまは未就学児だけが対象です。これが高校生年代まで広がります。施行は2027年4月1日です。自営業やフリーランスなどで国民健康保険に加入している家庭が対象になります。

国民健康保険の子どもに係る均等割保険料(税)の5割軽減の対象を未就学児から高校生年代まで拡充すること、施行日が令和9年4月1日であることは、検討会資料2に掲載の改正法の概要と各施行日の一覧によります。

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国民年金の育児免除制度が2026年10月スタート|自営業・フリーランスの子育て家庭が知っておくこと

いまからできる準備

  1. 1

    出産予定の産院の費用を確認する

    厚生労働省の「出産なび」では、全国の産院の出産費用やサービス内容を調べられます。一時金50万円との差額がどのくらいになりそうか、個室料やお祝い膳などの希望サービスがいくらかを見ておきましょう。

  2. 2

    直接支払制度が使えるか聞く

    健診のときに、直接支払制度(または受取代理制度)が使えるかを確認します。使えない場合は、立て替えのあとに保険者へ申請する流れになります。

  3. 3

    住んでいる自治体の助成を確認する

    妊婦健診の助成の回数や金額、出産に関する独自の助成は自治体ごとに違います。母子健康手帳をもらうときの案内や、自治体のホームページを確認しましょう。

  4. 4

    新制度の正式発表を待つ

    開始日・基本単価・現金給付の金額は、これから政令や告示で決まります。年末の検討会のとりまとめと、その後の厚生労働省の発表をチェックしましょう。

出産施設の費用やサービスの検索は、厚生労働省「出産なび(全国の産院の出産費用とサービスがみえるサイト)」で行えます。

よくある質問

出産費用の無償化はいつから始まりますか?
改正健康保険法(2026年6月5日公布)で、出産に関する部分は「公布後2年以内に政令で定める日」に始まると決まっています。遅くとも2028年6月ごろまでに始まりますが、具体的な開始日は2026年10月15日時点で決まっていません。
出産育児一時金の50万円はなくなりますか?
新制度が始まるまでは、今の出産育児一時金(原則50万円)がそのまま使えます。新制度では、標準的な出産費用を保険から施設に直接支払う形と、出産した全員への定額の現金給付に変わります。ただし、施設の選択により当分の間は一時金の仕組みのままの産院もありえます。
帝王切開でも無料になりますか?
出産の標準的な費用は自己負担がなくなる方向です。帝王切開などの手術は従来どおり保険診療で、その自己負担分には、出産したすべての人に支給される定額の現金給付を充てられる仕組みです。現金給付の金額はまだ決まっていません。
無痛分娩も無料になりますか?
2026年10月15日時点で確認できた厚生労働省の公表資料には、無痛分娩の費用がどの区分になるかは示されていませんでした。今後の検討で扱いが決まると考えられるため、正式な発表を確認してください。
個室代やお祝い膳はどうなりますか?
希望により選択するサービスは自己負担のままです。その代わり、施設が提供するサービスの内容や費用を示すことが義務になり、納得して選べるようにする仕組みが入ります。
里帰り出産や助産所での出産も対象になりますか?
新しい給付の対象施設は病院・診療所・助産所とされ、対象となる助産所・助産師を国が指定・登録する仕組みも設けられます。個別の施設が対象になるかどうかは、制度の開始が近づいてから確認しましょう。

まとめ

出産費用の無償化で押さえておきたいこと

  • 改正健康保険法は2026年6月5日に公布。無償化は公布後2年以内に始まる
  • 具体的な開始日・基本単価・現金給付の金額はまだ決まっていない
  • 無料になるのは標準的な出産費用。手術の追加費用などには定額の現金給付
  • お祝い膳などの希望サービスは自己負担。費用の見える化が義務になる
  • 新制度の開始後も、当分の間は一時金のままの産院がありうる
  • それまでは出産育児一時金(原則50万円)と直接支払制度を確実に使う
  • 出産なびで産院の費用を比べ、自治体の妊婦健診の助成も確認する

制度の中身は、これから年末にかけての検討会と、その後の政令・告示で固まっていきます。当サイトでも、開始日や金額が発表されたら内容を更新する予定です。

出典・参考

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