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子どもが乱暴な言葉・汚い言葉を使うとき|理由と年齢別の関わり方

対象の目安: 2〜6歳ごろ

カナデ発達・おでかけ担当
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子どもが乱暴な言葉・汚い言葉を使うとき|理由と年齢別の関わり方

「ばか」「きらい」「うるさい」「うんち」——ある日突然、子どもが乱暴な言葉や汚い言葉を口にするようになって、戸惑ってしまう。そんな経験のある方は少なくありません。「このまま口の悪い子になったらどうしよう」と心配になりますが、多くの場合、これは言葉を身につけていく途中で通る道の一つです。この記事では、子どもが乱暴な言葉を使う主な理由と、2〜6歳ごろの年齢別の傾向、そして家庭でできる関わり方を整理しました。強く叱って抑え込むより、なぜ言うのかを知って落ち着いて向き合うほうが、結果的に落ち着いていくことが多いものです。

まず知っておきたい:多くは成長の一過程

保育所保育指針では、子どもの発達をとらえる5つの領域の一つに、言葉の獲得に関する領域「言葉」が置かれています。子どもは日々の生活や遊びの中で、たくさんの言葉に触れ、聞いて、まねをしながら、少しずつ自分の言葉を増やしていきます。乱暴な言葉や汚い言葉も、その子が新しく出会って「使ってみている」言葉の一つであることが多く、成長の途中で一時的に見られることは珍しくありません。

領域「言葉」が「経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う」という言葉の獲得に関する領域であることは、こども家庭庁「保育所保育指針解説」を参考にしています。乱暴な言葉への具体的な対応方法を指針が定めているわけではありません。

「悪い言葉を覚えてしまった」と身構えるより、「新しい言葉を試している時期なんだな」ととらえると、少し肩の力が抜けます。過度に心配しすぎず、落ち着いて関わることがまず大切です。

乱暴な言葉を使う主な理由

同じ「ばか」でも、その裏にある気持ちはさまざまです。理由が分かると、関わり方の見当がつきやすくなります。

  • 新しい言葉やその響きが面白い:意味よりも、音やリズムそのものを面白がって口にすることがあります。「うんち」「おしり」などが代表的です。
  • 大人の反応を試している:その言葉を言うと大人が驚いたり慌てたりするのが面白く、反応を引き出したくて繰り返すことがあります。
  • まわりの模倣:友達や年上の子、動画やテレビで見聞きした言葉をまねしていることがあります。意味を分からずに使っている場合も少なくありません。
  • 注目されたい・かっこよく見せたい:仲間内で目立ちたい、強そう・かっこよく見せたいという気持ちから使うことがあります。
  • 嫌な気持ちをうまく言葉にできない:本当は「悔しい」「やめてほしい」と言いたいのに、それをうまく表せず、乱暴な言葉で表してしまうことがあります。

教育評論家の親野智可等さんは、こうした言葉遣いについて、子どもは大人の反応を面白がったり友達の影響を受けたりして使うことがあり、大人が過剰に反応するとかえって面白がって繰り返しやすいと指摘しています。まずは大人が落ち着いて受け止めることが出発点になります。

大人が過剰に反応するとかえって面白がって繰り返しやすいという考え方は、ベネッセ教育情報サイトに掲載された教育評論家 親野智可等さんの見解を参考にしています。

年齢別の傾向(目安)

言葉の背景にある気持ちは、年齢や発達によって少しずつ変わります。下表はあくまで一般的な目安で、表れ方には個人差が大きい点を前提にお読みください。

年齢の目安傾向関わりのヒント
2〜3歳ごろ音の響きや、大人が驚く反応そのものが面白い時期淡々と受け流し、大げさに反応しない
4〜6歳ごろ仲間・力関係・かっこよさを意識し、注目を集めたい気持ちも気持ちを聞き、別の言い方を一緒に考える

2〜3歳ごろ:音と反応が面白い

この時期は、言葉の意味よりも音の響きや、口にしたときの大人の反応を楽しんでいることが多いものです。「うんち」「おしり」といった言葉を連発して大人が慌てると、それがゲームのように面白くなって繰り返します。強く止めるほど反応が面白くて盛り上がってしまうので、あえて淡々と流すのが向いています。

4〜6歳ごろ:仲間・かっこよさを意識

友達との関わりが広がるにつれ、仲間内で目立ちたい、強そうに見せたいといった気持ちから乱暴な言葉を使うことが増えてきます。動画やテレビ、年上の子の影響を受けることもあります。この時期は「どうしてその言葉を使ったの」と気持ちに耳を傾けたうえで、別の言い方を一緒に考える関わりが通じやすくなります。

家庭でできる関わり方

  1. 1

    過剰に反応しない・淡々と対応する

    驚いたり笑ったり、大声で叱ったりすると、それ自体が子どもにとって面白い反応になり、繰り返しやすくなります。まずは表情を大きく変えず、落ち着いて対応するのが基本です。
  2. 2

    受け取り側の気持ちを短く伝える

    「そう言われると悲しいな」「その言葉は聞くと嫌な気持ちになるよ」と、言われた側の気持ちを短く伝えます。長い説教にせず、一言で十分です。
  3. 3

    言いたかった気持ちを言葉にする手伝いをする

    「本当は、おもちゃを返してほしかったんだね」と、その子が伝えたかった気持ちを代わりに言葉にし、「かして、って言おうね」と別の言い方を提案します。
  4. 4

    望ましい言葉を使えたら認める

    「かして、って言えたね」と、適切な言い方ができたときにその場で認めると、子どもは「こう言えば伝わるんだ」と実感できます。

ヒント

親や身近な大人自身が手本になることも大切です。大人が「ばか」「うるさい」といった言葉を日常的に使っていると、子どもも自然と取り入れます。まずは家庭の言葉づかいをふり返ってみましょう。

そして、頭ごなしに強く叱ったり罰を与えたりするのは、逆効果になりやすい関わりです。恐怖で一時的に止まっても、なぜその言葉が相手を嫌な気持ちにさせるのかは伝わりにくく、大人の見ていないところで使うようになることもあります。

避けたいNG対応

注意

大笑いして面白がる・動画に撮ってはやし立てる、体罰や「本当にダメな子」といった人格を否定する叱り方、そして完全に無視し続けること——これらは避けたい対応です。面白がれば反応を求めて繰り返し、強く罰すれば気持ちの行き場を失い、無視されすぎれば「どうせ分かってもらえない」と感じてしまいます。しつけのつもりでも、叩く・怒鳴るといった体罰や暴言は子どもの心を傷つける行為です。

大切なのは、面白がらず・厳しく罰しすぎず、その中間の「淡々と受け止め、気持ちを言葉にする手伝いをする」関わりです。極端に反応しないことが、結果的に一番落ち着いていきます。

言葉を覚える環境も見直してみる

子どもは、身のまわりで見聞きする言葉を吸収します。動画やテレビ、ゲームの中に乱暴な言葉が多いと、それを取り入れやすくなります。すべてを避けるのは難しいですが、視聴する内容を一緒に選ぶ、見る時間を決める、できるだけ一緒に見て気になる言葉には「これは使わない言葉だね」と声をかけるなど、環境を少し整えるだけでも影響は変わってきます。

「動画で覚えたのか、急に『しね』なんて言い出してドキッとしました。強く叱るより、悲しい気持ちを伝えて、見る動画を一緒に選ぶようにしたら、少しずつ言わなくなってきました」という声も聞かれます。あわてず環境から見直すのも一つの方法です。
4歳児を育てる保護者

長く続く・エスカレートするとき

多くは一過性ですが、乱暴な言葉が長く続く、友達をくり返し傷つける、注意してもエスカレートしていくといった場合は、その言葉の裏に、うまく表せない困りごとやストレスが隠れていることもあります。そんなときは、家庭だけで抱え込まず、園の先生と様子を共有し、連携して見守るとよいでしょう。集団の中での姿を知る先生の視点は、家庭では気づきにくいヒントをくれます。気になる状態が続くときは、自治体の子育て相談窓口などに相談してみるのも安心につながります。

よくある質問

乱暴な言葉を使うのは、しつけが足りないからでしょうか?
そうとは限りません。乱暴な言葉は、多くの場合ことばを獲得していく成長の一過程で、響きの面白さや大人の反応、まわりの模倣などから使うことがあります。しつけの不足と決めつけず、まずは落ち着いて理由に目を向けることが大切です。
強く叱ってやめさせるのはダメですか?
頭ごなしに強く叱ったり罰したりするのは逆効果になりやすい対応です。恐怖で一時的に止まっても理由は伝わりにくく、見ていないところで使うようになることもあります。淡々と対応し、言われた側の気持ちを短く伝え、別の言い方を一緒に考えるほうが効果的です。
『うんち』『おしり』を連発して困ります。どうすれば?
とくに2〜3歳ごろは、音の響きや大人が慌てる反応そのものを面白がっていることが多いものです。大げさに反応するほど盛り上がってしまうので、あえて淡々と受け流すのが向いています。多くは成長とともに落ち着いていきます。
友達の影響で覚えたようです。友達と遊ばせない方がいい?
遊びを制限する必要はありません。友達や年上の子の言葉をまねするのは自然なことです。使ったときに『その言葉は聞くと悲しいな』と気持ちを伝え、別の言い方を提案する関わりを続けましょう。家庭や動画など、他の環境も一緒に見直すと安心です。
いつまで様子を見ていいですか?相談の目安は?
多くは一過性ですが、長く続く・友達をくり返し傷つける・注意してもエスカレートするといった場合は、園の先生と様子を共有して連携するとよいでしょう。気になる状態が続くときは、自治体の子育て相談窓口などに相談すると安心です。

まとめ

子どもの乱暴な言葉に、決まった一つの正解はありません。ただ共通して言えるのは、多くは言葉を身につけていく途中の姿であり、過度に心配しすぎなくてよいということです。面白がらず、強く罰しすぎず、淡々と受け止めながら、伝えたかった気持ちを言葉にする手伝いをする。この関わりを続けるうちに、その子なりの言葉で気持ちを表せるようになっていきます。

乱暴な言葉への関わりチェックリスト

  • 驚いたり笑ったりせず、淡々と落ち着いて対応する
  • 「そう言われると悲しいな」と言われた側の気持ちを短く伝える
  • 言いたかった気持ちを代わりに言葉にし、別の言い方を提案する
  • 望ましい言葉が使えたら、その場で認める
  • 大人自身の言葉づかいや、動画・テレビなどの環境を見直す
  • 面白がる・体罰や人格否定・無視しすぎは避ける
  • 長く続く・エスカレートするときは園や自治体の窓口と連携する

乱暴な言葉が出た日も、その子が新しい言葉と向き合っている成長の途中です。あわてず、その裏にある気持ちにそっと目を向けながら、一緒に言葉を育てていきましょう。

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