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子どものあいさつ・礼儀の教え方|無理強いしない年齢別の関わり方と声かけ

対象の目安: 1〜6歳ごろ

サキ知育・あそび担当
・ 約12分で読めます
子どものあいさつ・礼儀の教え方|無理強いしない年齢別の関わり方と声かけ

「お友達には『こんにちは』でしょ」「ちゃんと『ありがとう』は?」——うながしても子どもがなかなか言えず、つい強い口調になってしまう。そんな場面は、多くの家庭でよくあることです。あいさつや礼儀は大切にしたいけれど、無理強いして「言わされるもの」になってしまうと、かえって苦手意識につながることもあります。この記事では、1〜6歳の子どもがあいさつや礼儀を自分のものにしていくための関わり方を、年齢別の声かけや、言えないときの対応、避けたいNG対応とあわせて整理しました。育ちには個人差が大きく、早く言えることが偉いわけではありません。焦らず、その子のペースで身につけていける関わりを一緒に考えていきましょう。

あいさつ・礼儀を育てる関わりの全体像(早見表)

あいさつや礼儀は、覚えさせる知識というより、人と気持ちよくやりとりする心地よさを日々の中で感じながら身につくものです。まずは関わりの軸を表で押さえておきましょう。

場面やってみたいこと避けたいこと
手本を見せる親どうし・家族で「おはよう」「ありがとう」を交わす子どもにだけ言わせて大人は言わない
うながす明るく短く声をかけ、言えなくても待つしつこく強要する・言うまで許さない
言えたときその場で「言えたね」と一緒に喜ぶ当たり前として反応しない
言えないとき「恥ずかしかったね」と気持ちを受け止める人前で叱る・「なんで言えないの」と責める

「良いこと・できていることを具体的に褒める」「気持ちや考えに耳を傾ける」「肯定文で穏やかに伝える」という関わりの考え方は、こども家庭庁のガイドブックを参考にしています。あいさつの身につき方には個人差があります。

大切にしたい3つの土台

年齢別の工夫に入る前に、どの年齢にも共通する土台を3つ押さえておきましょう。

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    まず親が手本を見せる

    子どもにとって一番のお手本は、身近な大人です。家族どうしで「おはよう」「いってらっしゃい」「ありがとう」を自然に交わしていると、あいさつは特別なことではなく、暮らしの一部として子どもに伝わっていきます。「言いなさい」と指示する前に、まず大人が気持ちよくやってみせるのが近道です。
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    言えたら一緒に喜ぶ

    あいさつができたときに「言えたね」「うれしいね」と一緒に喜ぶと、子どもは「あいさつをすると気持ちがいい」と感じられます。あいさつを、義務ではなく心地よい体験として積み重ねていくことが、自分から言える力につながります。
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    言えなくても責めない

    その日の気分や場面によって、言えないこともあります。言えなかったからといって責めたり、言うまで許さなかったりすると、あいさつそのものが嫌な記憶になりかねません。「今日は言えなかったね、また今度ね」と軽く受け止め、次の機会を待ちましょう。

ヒント

親が代わりに「こんにちは、って言ってるよ」とその場で見せるのも有効です。子どもは無理に言わされなくても、大人のやりとりを見て「そういうときに言うんだ」と少しずつ学んでいきます。

年齢別の関わり方(早見表)

同じ「あいさつ」でも、年齢や発達によって伝わり方は変わります。下表はあくまで一般的な目安で、表れ方には個人差が大きい点を前提にお読みください。早く言えないからといって心配しすぎる必要はありません。

年齢の目安関わり方の傾向声かけ・工夫の例
1〜2歳ごろ言葉より見本と雰囲気。手を振るなど動作から「バイバイしようね」と一緒に手を振る
2〜3歳ごろまねっこが増える時期。短い言葉で一緒に「せーの、おはよう」と声をそろえる
3〜4歳ごろ自分から言える子が増える。言えたら喜ぶ「自分で言えたね」と具体的に認める
4〜6歳ごろなぜ言うのかを簡単に理解できる「ありがとうって言われると嬉しいよね」

「年齢や発達によってできること・伝わり方が異なる」という考え方は、こども家庭庁のガイドブックを参考にしています。表の年齢区分は一般的な目安で、身につく時期には個人差があります。

1〜2歳ごろ:動作とまねから

この時期は、言葉であいさつするより先に、手を振る・お辞儀のように頭を下げるといった動作から入ることが多い時期です。親が「バイバイ」と手を振るのをまねしたり、「おはよう」の声かけににこっと反応したりする姿が見られたら、それも立派な第一歩です。言えなくて当たり前と考え、雰囲気を楽しむことを大切にしましょう。

2〜3歳ごろ:まねっこを一緒に

言葉が増え、大人のまねをしたがる時期です。「せーの」と声をそろえて一緒に言ってみたり、お気に入りのぬいぐるみに「おはよう」と言ってみたりと、遊びの延長で取り入れると自然です。まだ恥ずかしがったり、気分にムラがあったりするのは普通のことなので、言えた日は一緒に喜び、言えない日は無理をさせないくらいの気持ちで十分です。

3〜6歳ごろ:自分から・理由も添えて

3歳を過ぎるころから、自分から言える場面が少しずつ増えていきます。とはいえ、知らない大人や慣れない場所ではハードルが上がるものです。うまく言えないときは「お母さん(お父さん)に聞こえる声でいいよ」と、まず身近な人に向けて言う練習からでかまいません。年齢が上がったら「ありがとうって言われると嬉しいよね」と、なぜあいさつをするのかを気持ちの面から簡単に伝えると、納得して身につけやすくなります。

「ありがとう」「ごめんなさい」をどう伝える

「こんにちは」のようなあいさつと、「ありがとう」「ごめんなさい」のような気持ちを伝える言葉は、少しアプローチが違います。

  • ありがとう:何かをしてもらったとき、まず親が「ありがとう」と言う姿を見せます。子どもがしてもらった場面では「よかったね、ありがとうだね」と言葉を添え、言えたら一緒に喜びます。感謝は、うれしい気持ちとセットで覚えると自然に出やすくなります。
  • ごめんなさい:謝罪は、ただ言葉を言わせることが目的ではありません。「お友達、痛かったね」と相手の気持ちに気づけるよう手伝うことが先です。低年齢では気持ちの整理に時間がかかるので、その場で言えなくても、あとから「さっきはごめんねだったね」と一緒に振り返る形でも十分です。
  • こんにちは・さようなら:地域の人やお友達との場面で使います。すぐ言えなくても、親が代わりにあいさつする姿を見せ続けることが手本になります。

メモ

「ごめんなさいは?」と謝罪だけを急がせると、言葉が形だけになりがちです。まず気持ちに気づくこと、そのうえで言葉にすること、という順番を大切にすると、相手を思いやる姿勢そのものが育っていきます。

言えないとき・避けたいNG対応

あいさつや礼儀を教えたい気持ちが強いほど、うまくいかないときに強い対応をとってしまいがちです。次のような関わりは、かえって逆効果になりやすいので気をつけたいところです。

注意

「なんで言えないの」と人前で責める、言うまで先に進ませない、他の子と比べて「○○ちゃんは言えるのに」とけなす——これらは子どもに恥ずかしさや苦手意識を植えつけ、あいさつを嫌なものにしてしまいます。しつけのつもりでも、叩くなどの体罰は法律で禁止されており、怒鳴るといった暴言も子どもの心を傷つける行為です。

体罰や、きょうだい・他児と比べてけなすことが子どもの心を傷つける行為であることは、こども家庭庁「体罰等によらない子育てのために」を参考にしています。

言えない背景はさまざまです。恥ずかしい、人見知りの時期、その日の体調や気分、まだ言うタイミングがつかめていない——どれもごく自然なことです。「言えない=しつけが足りない」ではありません。安心できる関わりの中で、言える場面が少しずつ増えていきます。

つまずき・困ったとき

「家では言えるのに、外や知らない人の前だと固まってしまう。周りの目が気になって、つい『ちゃんと言って』と急かしてしまう」という声はとても多く聞かれます。うまくいかない場面があるのは、あなたのお子さんだけではありません。
幼児を育てる保護者

外や知らない人の前で言えないのは、家より緊張する場面だからで、成長とともにやわらいでいくことが多いものです。急かすより、まず親が笑顔であいさつする姿を見せましょう。子どもが小さな声でも言えたら「聞こえたよ、言えたね」と拾ってあげると、次への自信になります。

文部科学省は、家庭でのしつけや子育てのヒントをまとめた「家庭教育手帳」を、就学前から中学生まで年代別に用意しています。関わり方に迷ったときの参考として、こうした公的な資料に目を通してみるのもよいでしょう。

文部科学省が家庭でのしつけ・子育てのヒント集「家庭教育手帳」を年代別に提供していることは、同省のページを参考にしています。

よくある質問

あいさつはいつごろから言えるようになりますか?
個人差が大きいですが、一般には3〜4歳ごろから自分から言える子が増えていくとされます。1〜2歳では手を振るなどの動作から、2〜3歳ではまねっこから始まることが多く、言えなくても心配しすぎる必要はありません。その子のペースで身についていきます。
何度うながしても言いません。無理にでも言わせるべき?
無理強いはおすすめしません。言うまで許さない・人前で責めるといった対応は、あいさつを嫌な体験にしてしまいがちです。まず親が手本を見せ、言えたら一緒に喜ぶ関わりを続けるほうが、結果的に自分から言えるようになりやすいと考えられます。
家では言えるのに外だと言えません。大丈夫でしょうか?
よくあることです。外や知らない人の前は家より緊張する場面なので、ハードルが上がるのは自然なことです。急かさず、まず親があいさつする姿を見せ、小さな声でも言えたら認めてあげましょう。成長とともにやわらいでいくことが多いです。
『ごめんなさい』をなかなか言えません。どう教えれば?
謝罪は言葉を言わせることが目的ではありません。まず「痛かったね」と相手の気持ちに気づけるよう手伝い、そのうえで言葉にする、という順番が大切です。その場で言えなくても、あとから一緒に振り返る形でかまいません。気持ちに気づくことを優先しましょう。
親が手本を見せているのに身につきません。焦るべき?
焦らなくて大丈夫です。手本の効果はすぐには見えにくく、時間をかけて積み重なっていきます。身につく時期には大きな個人差があるので、他の子と比べず、その子の様子に合わせて続けることが大切です。気になることが続くときは、園の先生や自治体の相談窓口に相談すると安心です。
あいさつを教えるのに、ごほうびやシールを使ってもいい?
きっかけとして使うのは悪くありませんが、ごほうび目的が中心になると、もらえないと言わなくなることもあります。基本は『言えたら一緒に喜ぶ』という気持ちのやりとりを土台にし、シールなどはあくまで補助と考えるとよいでしょう。

まとめ

あいさつや礼儀に、決まった正解や近道はありません。共通する軸は「言わせる」より「手本を見せて、言えたら一緒に喜び、言えなくても責めない」という関わりです。育ちには個人差が大きいので、他の子や理想と比べて焦る必要はありません。安心できる毎日の積み重ねの中で、あいさつは少しずつその子のものになっていきます。

今日から試せるあいさつの関わりチェックリスト

  • 子どもに言わせる前に、まず家族どうしであいさつを交わす
  • 言えたら「言えたね」とその場で一緒に喜ぶ
  • 言えなくても責めず「また今度ね」と軽く受け止める
  • 『ごめんなさい』は言葉より先に相手の気持ちに気づく手伝いを
  • 年齢に合わせ、低年齢は見本、年長は理由や気持ちを添える
  • 人前で叱る・他の子と比べる・強要するはしない
  • 気になることが続くときは園や自治体の窓口に相談する

あいさつが上手にできた日も、できなかった日も、どちらも子どもの育ちの途中です。「今日は自分から言えた」が一つあれば十分。子どもと一緒に、気持ちのよいやりとりを少しずつ増やしていきましょう。

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出典・参考

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