子どものクループ症候群|秋から冬に増える犬の遠吠えのような咳、夜中の対応と受診・救急の目安
対象の目安: 生後3か月〜5歳ごろ(特に6か月〜3歳)


日中は軽い鼻水と咳だけだったのに、夜中に突然「ケンケン」と犬が吠えるような、オットセイの鳴き声のような咳が始まる。声はかすれ、息を吸うたびにヒューヒューと音がする——クループ症候群は、こうした「夜中に急に来る」形で親を驚かせる病気です。原因の多くはパラインフルエンザウイルスなどの身近なウイルスで、秋から冬に多くなります。ほとんどは数日から1週間ほどで自然に治りますが、まれに空気の通り道が強く狭くなることがあり、「いま受診すべきか、救急車を呼ぶべきか」の見きわめが大切です。この記事では、厚生労働省・国立成育医療研究センター・日本小児科学会・福岡県の小児救急ガイドブックなどの資料をもとに、クループの特徴、夜中に家庭でできること、受診と救急の目安、病院での治療、登園の考え方を整理しました。呼吸の病気は変化が速いので、迷ったら自己判断せず、かかりつけの小児科や相談窓口を頼ってください。
クループ症候群とはどんな病気か
クループ症候群は、ひとつの病名というより「のどの奥が腫れて狭くなったときに出る症状のまとまり」を指す言葉です。厚生労働省の「抗微生物薬適正使用の手引き第四版」は、主にウイルス感染による喉頭(こうとう)の狭窄に伴って、吸気性喘鳴(息を吸うときのヒューヒュー)、甲高い咳(犬吠様咳嗽)、嗄声(かすれ声)などを生じる疾患と説明しています。急性喉頭炎、急性喉頭気管気管支炎などと呼ばれることもあります。
国立成育医療研究センターは、のどの奥、声をだすための声帯があるあたりが感染により腫れてしまうことで、声がかすれたり、息を吸うときにヒューヒューする音がでたり、犬の鳴き声のようなケンケンするかん高い咳がでたりする病気で、生後6か月から3歳くらいまでのお子さんに多いと解説しています。
なぜ小さい子に起こりやすいのか
同じ「のどの腫れ」でも、大人ならかすれ声で済むところが、乳幼児では呼吸の音が変わるほどの狭さになります。MSDマニュアルプロフェッショナル版は、腫れや炎症による閉塞が声門下(声帯のすぐ下)で顕著になり、吸気性喘鳴はこの声門下の浮腫によると説明しています。もともと細い乳幼児の気道がここで腫れると空気の通り道が一気に狭くなる、というのが起こっていることの本質で、年齢が上がって気道が太くなるにつれクループの形にはなりにくくなります。
秋から冬に増える理由と原因ウイルス
クループを起こすのは特別なウイルスではなく、ふつうのかぜを起こすウイルスです。厚生労働省の手引きは、現在の主な原因となる病原体はパラインフルエンザを主体としたウイルスで、3か月から5歳くらいに多く、ウイルスが流行する秋から冬にかけて多いとしています。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が要因となる場合もあると記されており、こども家庭庁の保育所ガイドラインも、オミクロン株に置き換わった2022年2月ごろから子どもの感染者が増え、熱性けいれんやクループなどの合併症が目立ち始めたと述べています。
MSDマニュアル家庭版によると、原因として最も一般的なのはパラインフルエンザウイルスで、RSウイルスやインフルエンザウイルスもクループを起こします。季節については、パラインフルエンザは秋に、RSウイルスは冬と春に起こる傾向があるとされ、インフルエンザによるクループは特に症状が重く、幅広い年齢の小児に起こると注意されています。ただしこれは海外の資料が示す傾向で、RSウイルスについては国立健康危機管理研究機構(JIHS)が「日本では近年、夏季に流行のピークが認められる」としており、日本では夏から秋にRSウイルスが原因となるクループが起こることもあると考えておくのが実態に合います。
| 原因ウイルス | 起こりやすい時期(傾向) | 手がかり |
|---|---|---|
| パラインフルエンザウイルス | 秋 | クループの最も一般的な原因。1型・2型がクループ症状と関連が深いとされる |
| RSウイルス | 冬〜春(海外資料の傾向)。日本では近年、夏〜秋にピークがみられる年もある | 乳児では細気管支炎(ゼーゼーする下気道の病気)の形をとることも多い |
| インフルエンザウイルス | 冬(海外資料では冬〜春の傾向) | クループになると特に症状が重く、年齢の幅も広い |
| 新型コロナウイルス | 流行期 | オミクロン株以降、子どものクループの合併が目立つようになった |
かかる頻度も知っておくと安心材料になります。厚生労働省の手引きには、毎年乳幼児の2%〜6%に生じ、うち5%で繰り返し罹患するとあります。感染経路は接触および飛沫感染で、MSDマニュアル家庭版も、ウイルスを含んだ飛沫を吸い込んだり、飛沫で汚染されたものに触ったりすることで広がるとしています。つまり「クループがうつる」のではなく、原因のかぜウイルスがうつるということです。
RSウイルスそのものの経過や乳児で重くなりやすい理由は、別の記事で詳しく整理しています。
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症状の経過と「夜に悪くなる」特徴
- 1
鼻水・咳・微熱などのかぜ症状で始まる
クループに特有の症状が出る12〜48時間前に、鼻汁、咳、発熱などの先行症状があることが多いとされます。この時点ではふつうのかぜと見分けがつきません。 - 2
夜中に突然、犬が吠えるような咳が出る
金属的な、あるいはイヌが吠えるような異常な響きの咳が現れ、声がかすれます。厚生労働省の手引きは「夜間に急に増悪することが多い」と記し、MSDマニュアル家庭版も、症状は典型的には夜中に悪化するため、寝ているときに目を覚ましてしまうことがあると説明しています。 - 3
息を吸うときにヒューヒュー鳴る(吸気性喘鳴)
腫れで狭くなった部分を空気が通るときの音で、息を吸い込むときに目立ちます。はじめは泣いたり動いたりしたときだけ聞こえ、進行すると安静にしていても聞こえるようになります。 - 4
朝には軽くなり、夜にまた悪化することがある
MSDマニュアル家庭版によると、朝には症状が軽快しますが、夜になるとまた悪化します。もっとも症状がひどい状態は通常3〜4日間続き、その後は咳が残るもののもっと緩やかな響きになる、とされています。 - 5
数日から1週間程度で自然に治る
厚生労働省の手引きは「数日から1週間程度で自然治癒する」「一般的には3日以内に自然軽快する」と記し、MSDマニュアル家庭版も、たいていの患児は完全に回復するとしています。
メモ
熱は出ることも出ないこともあります。MSDマニュアル家庭版は約半数で発熱がみられるとしています。「熱が高くないから大丈夫」「熱があるから危険」とは判断できず、見るべきなのは呼吸の状態です。
夜間に悪化しやすい理由は資料に明記されていませんが、夜は周りが静かで呼吸の音に気づきやすく、親も一番不安になる時間帯です。「昼間はけろっとしていたのに」という落差は、この病気の典型的な経過であって、親の見落としではありません。
夜中に家庭でできること
クループの症状が出たとき、家庭でできることは多くありません。それでも「やらないほうがよいこと」と「意味があること」を知っておくと、夜中の慌て方が違ってきます。
- 1
まず落ち着かせる。泣かせない、疲れさせない
MSDマニュアル家庭版は、疲れたり泣いたりすると症状が悪化するので安静にさせるとし、プロフェッショナル版も、疲労感および啼泣で病状が悪化しうるため、患児の環境を快適に保つことが重要だと述べています。医療機関でも、診察で児を啼泣させると気道の閉塞症状が増悪することがあるため極力避けるとされるほどです。抱っこして声をかけ、まず親が落ち着くことが、いちばんの応急処置になります。 - 2
本人が楽な姿勢で過ごす
横になるより抱っこで上体を起こしたほうが楽そうなら、その姿勢で構いません。福岡県の小児救急ガイドブックは、医師に伝えてほしいこととして「身体の向きによって、症状が改善、または悪化しないか」を挙げています。どの姿勢で楽になったかは、受診時の大切な情報です。 - 3
水分を少しずつ
MSDマニュアル家庭版は、小児をゆっくり休ませて水分を十分与えるとしています。一度にたくさんではなく、少量をこまめに。のどの痛みで飲みにくいときは、冷たすぎない飲みやすいものを。 - 4
加湿・冷たい空気は「害はないが根拠は乏しい」と知っておく
昔から「お風呂場の湯気」「加湿器」「窓を開けて冷たい空気を吸わせる」が語られてきました。MSDマニュアル家庭版は、加湿器などの使用や冷たい空気を吸わせることについて、このような治療に害はないものの、小児の状態に何らかの違いをもたらすという科学的根拠はほとんどないと明記しています。厚生労働省の手引きも「加湿空気の吸入は効果がない」としています。やって落ち着くなら構いませんが、それで安心して受診を遅らせないことが大切です。 - 5
呼吸の様子を観察し、迷ったら相談窓口へ
次の章の目安に沿って、顔色・胸のへこみ・安静時のヒューヒューを見ます。夜間・休日は子ども医療電話相談(#8000)や、日本小児科学会の「こどもの救急(ONLINE-QQ)」で受診の目安を確かめられます。
注意
家に残っている咳止めや、以前に処方された吸入薬・ステロイドを自己判断で使わないでください。クループの治療薬は医師が呼吸の状態を見て量と要否を決めるもので、他の病気のときの薬とは目的が違います。市販の咳止めでクループの腫れは取れません。
受診の目安と救急車を呼ぶサイン
クループは急に悪くなることがある病気です。MSDマニュアル家庭版は、小児がクループ特有の呼吸をしている場合は急激に症状が悪化することがあるため、すぐに医師に連絡する必要があるとしています。福岡県の小児救急ガイドブックは「犬が吠えるような“けんけん”とせきをする」を「すぐに受診(3時間以内)」の項目に置いています。夜中に初めてこの咳を聞いたら、少なくとも「翌朝まで様子を見る」ではなく「今夜のうちに相談する」が基本線です。
| 緊急度 | 目安になる様子 |
|---|---|
| ただちに救急車(119) | 顔色が青白く、くちびるが紫色。意識がおかしい(反応が悪い、眠りがち、興奮している)。苦しくて横になれない、会話ができない。よだれを垂らして飲み込めず、前かがみで苦しそう(喉頭蓋炎の疑い) |
| すぐに受診(夜間でも) | 呼吸の回数が多い。肩で息をしている、肋骨の下・鎖骨の上・のどの下がくぼむ(陥没呼吸)。息を吸うときに鼻を広げる、吐くときに唸る。安静にしていても息を吸うときにのどのあたりで音がする。犬が吠えるような「けんけん」という咳 |
| 今日中に受診 | 咳が止まらない、咳き込んで吐く。家での対応で咳やゼイゼイが改善しない |
| 翌日に受診 | ゼイゼイはあるが苦しそうではなく、食事や哺乳ができ、眠れている |
注意
特に注意したいのが、クループに似ていてクループではない病気です。厚生労働省の手引きは、切迫した気道閉塞をきたす急性喉頭蓋炎、細菌性気管炎、喉頭異物、アレルギー性喉頭浮腫などを除外することが重要だとしています。次のような場合はクループと決めつけず、救急を検討してください。
- 高い熱とのどの強い痛みで、飲み込めずによだれを垂らし、前かがみで苦しそう(急性喉頭蓋炎の疑い)
- 遊びや食事の途中に突然咳き込み、苦しそうになった(おもちゃや豆などの誤嚥の疑い)
- 急にじんましんとともに咳き込み、呼吸が苦しそうになった(アレルギーの疑い)
- 犬が吠えるような咳ではないのに、ぐったりして重症感が強い
急性喉頭蓋炎は、のどの入り口にある喉頭蓋が細菌で腫れ上がる病気で、MSDマニュアル家庭版は、症状が出始めてから数時間以内に喉頭の狭窄が起こり死に至ることがあると警告しています。厚生労働省は、原因菌であるHib(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)による急性喉頭蓋炎は高熱、咽頭痛で発症し、嚥下困難、流涎(よだれ)がみられ、気道閉塞による死亡も多いと説明しています。手引きにあるとおりHibによる急性喉頭蓋炎はヒブワクチンの普及で激減しましたが、ゼロではないため、「よだれを垂らして飲み込めない」「前かがみで座って苦しそう」というクループらしくない様子は救急の対象として覚えておいてください。
夜間・休日に迷ったときは、子ども医療電話相談(#8000)に電話すると、小児科医師・看護師から症状に応じた対処の仕方や受診する病院などのアドバイスを受けられます(実施時間帯は都道府県で異なります)。日本小児科学会の「こどもの救急(ONLINE-QQ)」の「せき・ゼェゼェする」のページでは、「呼吸があらく、苦しそう」「口唇の色が悪い」「胸が凹むペコペコした呼吸をしている」「かすれて声が出せない」「生後3か月未満である」といった項目にチェックを入れると、受診の目安が表示されます。
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病院での診断と治療
診断は基本的に、症状と診察による臨床診断です。厚生労働省の手引きは、原則として臨床診断であり、頸部レントゲン検査は必須ではないとしています。MSDマニュアル家庭版も、クループは症状が特徴的で、特にせきの音が手がかりになると述べています。家で咳の音を録音しておくと、受診時に「あの咳」を伝えやすくなります。診察の際、医師が子どもを泣かせないように配慮したり、のどを無理に見ないようにしたりするのは、泣くと閉塞が悪化しうるためです。
治療は重症度で変わります。厚生労働省の手引きによると、軽症では治療は必要なく、安静時に吸気性喘鳴が聴取される場合に、喉頭の浮腫を改善する目的でアドレナリン吸入やデキサメタゾン(ステロイド)の経口投与が行われます。発熱やのどの痛みには、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤を適宜使います。
メモ
「ステロイド」と聞くと長期の副作用を心配する方が多いのですが、クループで使うステロイドは、腫れを引かせるための短期間の投与です。MSDマニュアル家庭版は重症例でコルチコステロイドの単回投与が勧められることがあると記し、厚生労働省の手引きも1回あたりの量(0.15〜0.6mg/kg)で示しています。アドレナリン吸入は症状を速やかに和らげますが、MSDマニュアルプロフェッショナル版によると効果は一時的とされ、家庭版も観察と治療のために入院させる場合があると記しています。どの治療をどこまで行うか、入院が必要かは医師の判断です。
抗菌薬(抗生物質)は原則として使いません。手引きは「クループ症候群に対しては抗菌薬を投与しないことを推奨する」と明記し、ほとんどがウイルス性感染症で抗菌薬の適用はないとしています。「抗生物質を出してもらえなかった」と不安になる必要はなく、それが標準的な対応です。ただし急性喉頭蓋炎が疑われた場合は別で、入院して静注抗菌薬が必要になります。
入院を考える状態について、MSDマニュアルプロフェッショナル版は、呼吸窮迫の増悪または持続、頻脈、疲労感、チアノーゼまたは低酸素血症、脱水を挙げています。手引きも、クループで気道の閉塞による呼吸不全は稀だが、切迫する気道閉塞症状がある場合は速やかに気道確保を行うとしており、重い状態は稀であるぶん、稀な状態をきちんと見つけることが医療機関の役割になっています。
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登園はいつから
クループ症候群そのものには、インフルエンザのような法令上の出席停止期間はなく、こども家庭庁の保育所における感染症対策ガイドラインにも登園のめやすは定められていません。考え方は「原因になっているウイルスの扱い」と「呼吸の状態」の2つで決まります。たとえば原因がRSウイルスであれば、同ガイドラインが示す登園のめやすは「呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと」です。インフルエンザや新型コロナウイルスが原因なら、それぞれの出席停止の基準に従います。
ヒント
実務的には次の順で確認するとスムーズです。
- 診断時に、原因として何が考えられるか(検査で分かった場合はその結果)を医師に確認する
- 犬が吠えるような咳と、息を吸うときのヒューヒューが安静時になくなっているかを見る
- 熱がなく、食事や水分がとれ、機嫌よく過ごせているかを見る
- 園の規定(登園届の要否など)を確認し、迷ったら主治医に登園の可否を聞く
夜だけ咳が残る時期は判断に迷いますが、日中の呼吸が落ち着いていて全身状態が良ければ登園を検討できる段階です。ただしクループは夜間に急に悪化しうるので、「昨夜まで安静時にもヒューヒューしていた」ならもう一日待つ慎重さも大切です。
家庭でできる予防
主な原因であるパラインフルエンザウイルスにはワクチンがありません。原因はかぜのウイルスなので、予防はかぜの予防と同じです。加えて、クループの形で重くなりやすいインフルエンザと、クループと紛らわしい急性喉頭蓋炎については、ワクチンで備えられます。
秋から冬に向けてできること
- 帰宅後・食事前の手洗いを習慣にする。感染経路は接触と飛沫
- 咳をしている家族はマスクを着け、タオルや食器の共用を避ける
- インフルエンザワクチンの接種を検討する。インフルエンザによるクループは特に症状が重いとされる
- 5種混合(または4種混合とHib)の定期接種を予定どおり進める。Hibによる急性喉頭蓋炎はワクチンで予防できる
- 受動喫煙を避ける。たばこの煙は気道の刺激になる
- 一度クループになった子は繰り返すことがある。かぜの引きはじめに『夜の咳』を意識しておく
インフルエンザの家庭でのケアと登園の目安は、別の記事で整理しています。
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困ったとき・迷ったとき
この迷いには、「受診の目安と救急車を呼ぶサイン」の表の「すぐに受診」「ただちに救急車」の項目をそのまま当てはめてください。ひとつでも当てはまれば夜間でも受診が答えです。福岡県のガイドブックは、犬が吠えるような咳そのものを「すぐに受診(3時間以内)」に挙げています。抱っこで落ち着いて見えても「朝まで待つ」と自己判断せず、#8000に電話してその指示に従ってください。夜のうちに再び悪化することがあるので、親が交代で様子を見られると安心です。
もうひとつよくあるのが、「ぜん息と言われたことがあるが、これはぜん息の発作なのか」という迷いです。ぜん息の喘鳴は息を吐くときのゼーゼー・ヒューヒューが中心で、クループは息を吸うときの音と犬が吠えるような咳が特徴です。とはいえ家庭で聞き分けるのは簡単ではなく、日本小児科学会「こどもの救急」の「せき・ゼェゼェする」のチェック項目にも「気管支が弱い、ぜんそくと言われたことがある」が含まれています。受診時に必ず伝えてください。
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よくある質問
クループ症候群は人にうつりますか?
夜中に犬が吠えるような咳が出ましたが、今は落ち着いています。朝まで待っていいですか?
お風呂場の湯気や加湿器は効きますか?
ステロイドを処方されました。副作用が心配です。
抗生物質は出ませんでした。大丈夫でしょうか?
何度も繰り返します。体質でしょうか?
登園はいつからできますか?
まとめ
クループ症候群は、かぜのウイルスでのどの奥が腫れ、犬が吠えるような咳・かすれ声・息を吸うときのヒューヒューが出る、乳幼児に多い病気です。夜中に急に悪くなるのが特徴ですが、多くは数日から1週間で自然に治ります。家庭でできるのは泣かせず落ち着かせることと水分で、受診は呼吸の状態で決め、クループらしくない様子があれば救急を選びます。
クループ症候群で押さえておきたいこと
- 犬が吠えるような咳・かすれ声・息を吸うときのヒューヒューが特徴。主な原因はパラインフルエンザウイルスで秋から冬に多い
- かぜ症状の12〜48時間後に、夜中に急に始まることが多い。朝には軽くなり夜にまた悪化しうる
- 家庭では、泣かせない・疲れさせない・水分。加湿や冷たい空気は害はないが根拠は乏しい
- 安静時のヒューヒュー、胸やのどの下のへこみ、顔色の悪さがあれば夜間でも受診
- 顔色が青白く唇が紫、意識がおかしい、よだれを垂らして飲み込めない、前かがみで苦しそうなら救急車(119)
- 治療は重症度に応じてステロイドやアドレナリン吸入。抗菌薬は原則使わない
- 登園はクループ自体の基準はなく、原因ウイルスの扱いと呼吸の状態で判断。園と主治医に確認
- 予防は手洗いと咳エチケット、インフルエンザワクチン、Hibを含む定期接種
夜中に初めてあの咳を聞いた夜は、誰でも心臓が縮む思いをします。それでも、この病気のほとんどは自然に治り、重い状態は稀です。稀な状態を見逃さないための目安だけを頭に入れて、迷ったら#8000やかかりつけの小児科を頼ってください。
出典・参考
- 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編(PDF)/厚生労働省 健康・生活衛生局 感染症対策部 感染症対策課
- クループ/MSDマニュアル家庭版
- クループ/MSDマニュアル プロフェッショナル版
- 喉頭蓋炎/MSDマニュアル家庭版
- コロナ禍の今、あらためて伝えたいお子さんと妊婦さんのためのQ&A/国立成育医療研究センター
- 2026年度版 福岡県小児救急医療ガイドブック「せき・ゼイゼイ・けんけん」(PDF)/福岡県
- 小児救急医療ガイドブック/福岡県
- こどもの救急(ONLINE-QQ)「せき・ゼェゼェする」/日本小児科学会
- 保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版・2023年5月一部改訂・PDF)/こども家庭庁
- 5種混合ワクチン/厚生労働省
- ヒトパラインフルエンザウイルス3型感染症の臨床像(小児感染免疫Vol.35 No.2・2023・PDF)/日本小児感染症学会
- RSウイルス感染症/国立健康危機管理研究機構(JIHS) 感染症情報提供サイト
- 子どもの症状は♯8000/厚生労働省
- 子ども医療電話相談事業(#8000)について/厚生労働省
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