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子どもの長引く咳とぜん息|風邪の咳との違い、受診の目安、家庭でできる環境整備

対象の目安: 0〜6歳ごろ

カナデ発達・おでかけ担当
・ 約23分で読めます
子どもの長引く咳とぜん息|風邪の咳との違い、受診の目安、家庭でできる環境整備

熱はとっくに下がったのに、咳だけが残っている。日中は元気なのに、寝入りばなと明け方だけ咳き込む。走り回った後だけコンコンする。園から帰るたびに「今日も咳が出ていました」と言われる——こういう咳は、風邪の名残なのか、それとも別の何かなのか、判断がつきにくいところです。この記事では、咳が「長引いている」といえる目安、風邪の咳とぜん息(小児気管支ぜん息)の咳の手がかりの違い、受診と救急の目安、家庭でできる環境整備までを、公的機関と学会の資料をもとに整理します。診断はあくまで医師が行うものなので、当てはまる・当てはまらないを家庭で決めつけず、相談の材料としてお使いください。

「長引く咳」はどこからか(早見表)

日本小児呼吸器学会の「小児の咳嗽診療ガイドライン2025」では、咳を続いた期間で3つに分けています。3週間というのがひとつの区切りです。

呼び方続いた期間主に考えられること
急性咳嗽3週未満かぜなどの気道感染がほとんど
遷延性咳嗽3週以上8週未満感染後に残る咳、鼻の症状に伴う咳、ぜん息など
慢性咳嗽8週以上感染以外の原因を考えて調べる範囲

熱もなく機嫌もよいのに2週間、3週間と咳が続いているなら、「そろそろ一度みてもらう」ラインだと考えて差し支えありません。反対に、期間が短くても後述の危険サインがあれば、日数にかかわらずすぐ受診してください。

咳嗽の期間による分類(3週未満=急性咳嗽、3週以上8週未満=遷延性咳嗽、8週以上=慢性咳嗽)は、日本小児呼吸器学会編「小児の咳嗽診療ガイドライン2025」(診断と治療社、2025年4月24日発行)の鑑別診断フローチャート(急性咳嗽=経過が3週未満の咳嗽、遷延性咳嗽=3週以上8週未満続く咳嗽、慢性咳嗽=8週以上続く咳嗽)によります。2020年版から改訂されていますが、期間による分類は同じです。受診の判断は日数だけで決まるものではありません。

風邪の咳とぜん息の咳、手がかりはどこか

小児の気管支ぜん息は、発作性にゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴を伴う呼吸困難をくり返す病気です。背景にあるのは気道の慢性的な炎症で、そのために気道が過敏になっており、運動、大泣き、低気圧や台風などの天候の変化といった刺激でも症状が出ることがあります。息を吐くときが特に苦しくなるのも特徴です。

見るところかぜの咳に多いぜん息を疑う手がかり
痰がからむ、コンコン息を吐くときにゼーゼー・ヒューヒュー
時間帯日中も夜も同じくらい夜間・早朝に強くなる
きっかけ発熱・鼻水とセットで始まる運動、大泣き、低気圧や台風などの天候の変化
経過1〜2週間で山を越えるかぜのたびに長引き、何度もくり返す
発熱を伴うことが多い熱がなくても起こる

ただし、これは「疑う手がかり」であって診断ではありません。乳児はもともと気道が細く、かぜをひいただけでもゼーゼーすることがあります。アレルギーポータル(日本アレルギー学会)は、かぜをひいたときなどに胸のあたりから「ゼーゼー・ヒューヒュー」という音が聞こえたり息が苦しそうになったりすることが3回以上起きたことがある、あるいは症状が気管支拡張薬の吸入で改善する場合に「乳幼児ぜん息」と診断される、と説明しています。

ここは「3回ゼーゼーしたらぜん息」と読まないでください。もとになっている小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)の考え方では、5歳以下の反復性喘鳴のうち、明らかな(24時間以上続く)呼気性喘鳴を3エピソード以上くり返し、かつβ2刺激薬(気管支拡張薬)の吸入後に喘鳴や努力性呼吸・SpO2の改善が認められる場合を「乳幼児ぜん息」と診断する、とされています。回数と薬への反応の両方をそろえて見る必要があるので、家庭で判断できるものではありません。反応が乏しい場合には、長期管理薬を1か月ほど使って効果のあらわれ方をみる「診断的治療」がとられることもあります。

「乳幼児ぜん息」の診断と「診断的治療」についての記載はアレルギーポータル(日本アレルギー学会)「小児のぜん息」によります。気道の慢性炎症と気道過敏性、運動・大泣き・低気圧や台風などの刺激で増悪すること、息を吐くときが特に苦しいことは、厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」の気管支ぜん息の項によります。乳児がかぜでもゼーゼーすることは環境再生保全機構「赤ちゃんとぜん息」によります。上の表は受診時に伝える観点の整理で、診断基準ではありません。

「明らかな24時間以上続く呼気性喘鳴を3エピソード以上くり返し、かつβ2刺激薬吸入後に呼気性喘鳴や努力性呼吸・SpO2の改善が認められる場合を『乳幼児喘息』と診断する」という要件は、日本アレルギー学会誌「アレルギー」69巻8号のガイドライン解説「乳幼児喘息の診断と治療」(獨協医科大学 吉原重美)に示された小児気管支喘息治療・管理ガイドラインの記載によります。回数と薬への反応は「または」ではなく両方をそろえて評価します。

長引く咳の原因はぜん息だけではない

咳が長引く=ぜん息、と決めつけないことも大切です。かぜ自体は治ったのに気道の過敏さだけが残る感染後の咳、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎で鼻水がのどに落ちることによる咳、胃食道逆流に伴う咳など、原因はいくつもあります。日本アレルギー学会も、かぜをひくたびに咳が長引く場合について、鼻副鼻腔炎や胃食道逆流でも咳が長引くことがあり医師の診察が必要だと案内しています。

鼻副鼻腔炎(黄色や緑色のねばっとした鼻汁が出る)や胃食道逆流(食後に動くと咳がひどくなる)でも咳が長引くことがあり医師の診察が必要である旨は、日本アレルギー学会「小児のぜん息/Q&A」によります。

百日咳のように、特徴的な咳が長く続く感染症もあります。国立健康危機管理研究機構の病原微生物検出情報(IASR)によると、2025年は第1〜44週の届出数だけで84,911例に達し、過去の年間届出数を大きく上回りました。全数把握対象疾患になった2018年以降で群を抜いた流行規模です。乳児(特に新生児や乳児早期)では激しい咳が続く痙咳期に重症化することがあり、肺炎や脳症などの合併症を併発し、まれに死亡することもあるとされています。連続した咳き込みや、咳き込んだ後に吐いてしまう様子があるときは、早めに受診してください。

「2025年には第1〜44週の届出数が過去の年間届出数を大きく上回る84,911例に達した」は、国立健康危機管理研究機構「病原微生物検出情報(IASR)」Vol.47 No.551(2026年1月号)「百日咳 2025年11月現在」によります。流行状況は年により変わるため、最新の動向は同機構のサイトでご確認ください。

乳児(特に新生児や乳児早期)で痙咳期に重症化し、肺炎や脳症などの合併症を併発しまれに死亡するという記載と、2018年1月1日以降は5類全数把握対象疾患であることは、国立健康危機管理研究機構「百日咳の発生状況について」(2025年4月22日時点)によります。

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どれくらいの子にあるのか

厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」は、ぜん息と診断されるのは3歳児で8.5%との報告があるとしています。また、小児の気管支ぜん息は90%以上でアトピー素因が認められ、アレルギー反応における抗原として特に重要なものは室内塵中のヒョウヒダニ(チリダニ)であるとされています。学校の健康診断の結果をまとめた令和7年度学校保健統計では、ぜん息と判定された者の割合は幼稚園1.30%、小学校3.22%でした(前年度は幼稚園1.20%、小学校2.87%)。調査の対象も方法も違うため単純比較はできませんが、決してまれな病気ではないことが分かります。

発症は早い時期に多く、環境再生保全機構は、小児ぜん息は2歳までに約6割、6歳までに8、9割が発症し、男児に多く見られると説明しています。一方で、3歳までに治るタイプ、6歳までに治るタイプ、それ以降も続くタイプといろいろあるとも書かれています。今の状態が一生続くと決まっているわけではありません。

3歳児8.5%、アトピー素因90%以上、ヒョウヒダニの記載は厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」によります(8.5%の出典は同ガイドラインが引用する東京都健康安全研究センター「アレルギー疾患に関する3歳児全都調査(平成26年度)」)。

幼稚園1.30%・小学校3.22%(前年度は1.20%・2.87%)は、文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)」(令和8年2月13日公表)の「主な疾病・異常等の推移」で、健康診断でぜん息と判定された者の割合です。中学校は2.14%、高等学校は1.53%です。

発症年齢の内訳(2歳までに約6割、6歳までに8、9割、男児に多い)と、治る時期に幅があることは、環境再生保全機構「赤ちゃんとぜん息」によります。

秋に症状が出やすいのはなぜか

季節の変わり目、とくに秋は注意したい時期です。環境再生保全機構は、ぜん息の発作は季節の変わり目に起きやすく、秋が最も多いとしたうえで、その要因として朝晩の寒暖差が大きくなること、ライノウイルスなどの感染が流行しやすいことを挙げています。加えて、高温多湿の夏に増えたダニのフンや死がいが室内にたまるタイミングでもあります。9月から11月にかけては、寝具や床の掃除をいつもより意識しておくと安心です。

発作は季節の変わり目に起きやすく秋が最も多いこと、その要因として朝晩の寒暖差とライノウイルス感染の流行が挙げられること、高温多湿の環境でカビやダニが繁殖しダニのフンや死がいも増えることは、環境再生保全機構「天気とぜん息の関係を知っておきましょう①(全3回)」(WEB版すこやかライフ)によります。9月から11月という目安は編集部の整理です。

すぐ受診・救急を考えるサイン

注意

環境再生保全機構は次の様子を「強いぜん息発作のサイン」として挙げ、これが一つでもある場合にはただちに受診が必要で、救急車を要請してもかまわない、としています。遠くからでも明らかにゼーゼーしているのが分かる、息をすうときにのどやろっ骨の間などがはっきりとへこむ、小鼻が開く、脈がとても速い、遊べない・話せない・歩けない、食事がほとんどとれない、横になれない・眠れない、顔色が悪い(唇の色や爪の色の赤みがない)、ぼーっとしている、または普段よりも興奮して暴れている。一つでも当てはまれば、時間帯にかかわらず様子を見ないでください。

さらに、唇や爪が青白い、顔などの皮膚や粘膜が青紫色になる(チアノーゼ)、苦しくて話せない、呼びかけに反応しない・ぐったりしている(意識レベルの低下)といったときは、強い呼吸困難や意識レベルの低下として救急隊の要請が必要とされています。迷わず119番してください。チアノーゼは血液中の酸素濃度が低下した状態で、唇や指先が青白くなるものと説明されています。「唇が紫色に見える」も同じサインなので、赤みがないかどうかだけで判断しないでください。

処方された発作治療薬を使っても1〜2時間経って改善しない場合も、受診が勧められています。判断に迷うとき、とくに夜間や休日は、子ども医療電話相談#8000に電話するとお住まいの都道府県の窓口につながり、小児科医師・看護師から対処の仕方や受診についてアドバイスを受けられます。

「強いぜん息発作のサイン」(生活の様子・全身の様子・呼吸や脈の様子)と、「これが一つでもある場合には、ただちに受診が必要です。救急車を要請してもかまいません。」は、環境再生保全機構「発作時の対応」の記載によります。救急車を呼んでよい目安は、意識障害があるかどうかまで待つものではありません。「ゼーゼーしていても、ぐっすり眠っている場合には、起こして薬を飲ませたり吸入させたりする必要はありません」も同ページの記載です。

乳幼児の「強いぜん息発作のサイン」に「唇や爪の色が白っぽい」「顔などの皮膚や粘膜が青紫色になる(チアノーゼ)」「ボーッとしている(意識がはっきりしない)」「呼びかけに反応しない、ぐったりしている(意識レベルの低下)」が挙げられていること、および「特に強い呼吸困難や意識レベルの低下(意識低下あるいは過度な興奮)があるときには救急隊の要請をします」は、アレルギーポータル(日本アレルギー学会)「小児のぜん息」(『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023』より補足して引用)によります。

チアノーゼの定義「血液中の酸素濃度が低下した状態。唇や指先が青白くなる」は、環境再生保全機構「発作が起こったら…」(成人ぜん息)によります。

チアノーゼと意識障害が発作の程度を見極める指標であること(大発作ではチアノーゼ「あり」・意識障害「ややあり」、呼吸不全ではチアノーゼ「著明」・意識障害「あり」)は、環境再生保全機構「Q2-1 ぜん息発作の程度は、どのように見極めるのでしょうか?」の判定表によります。

薬を使用して1〜2時間経過しても改善しない場合、呼吸困難感が強い場合は原則として医療機関を受診することが勧められている旨は、国立成育医療研究センター「気管支喘息」によります。#8000は厚生労働省の子ども医療電話相談事業で、実施時間帯は都道府県により異なります。

なお環境再生保全機構は、ゼーゼーしていてもぐっすり眠っている場合には、起こして薬を飲ませたり吸入させたりする必要はない、とも説明しています。夜中に不安になったときは、まず「眠れているか」「息をすうときにへこみがないか」を見てみてください。

家庭でできる環境整備

環境整備は治療そのものではありませんが、悪化のきっかけを減らす取り組みとして位置づけられています。効果の出方には個人差があり、これをやれば発作が起きないと保証できるものではありませんが、できるところから続ける価値はあります。

  1. 1

    室内でタバコを吸わない

    タバコの煙は発作の原因となり、これは喫煙者本人だけでなく受動喫煙でも同様とされています。ベランダや換気扇の下も含め、家庭内での方針を家族で共有しておきます。
  2. 2

    寝具を優先して手を入れる

    子どもが長時間顔を近づける場所なので効果を感じやすい場所です。シーツ・カバーをこまめに洗濯し、布団は天日干しや布団乾燥機で乾かしたうえで、1〜2週間に1回は掃除機をかけます。高密度繊維のカバーを使う方法もあります。
  3. 3

    ダニの隠れ場所を減らす

    じゅうたんや布製ソファはダニの生息場所になります。減らせるものは減らし、家具も掃除しやすい配置にしておきます。
  4. 4

    床の掃除機がけを習慣にする

    床は週に1〜2回、1平方メートルにつき20秒以上を目安にかけるとされています。紙パック方式はこまめに交換します。
  5. 5

    換気して湿度を下げる

    定期的に窓を開けて換気し、部屋の湿度を下げます。カビ・ダニが増えにくい環境づくりにつながります。
  6. 6

    毛のあるペット・煙を避ける

    毛のあるペットの飼育は避けるとされています。花火や線香などの煙からも離れます。アレルギー性鼻炎があれば、その治療を並行して行うことも挙げられています。

この節の対策(受動喫煙、寝具の管理、じゅうたんや布製ソファを減らすこと、床の掃除機がけの頻度と時間、換気による湿度低下、毛のあるペットや煙を避けること、アレルギー性鼻炎の治療)は、環境再生保全機構「実践しよう!悪化因子への対策」によります。実施の可否や優先順位は住環境によって異なります。

治療の考え方(役割の違う2種類の薬)

診断がついた場合の薬は、大きく2つに分かれます。ひとつは長期管理薬で、苦しくないときも続けて気道の炎症を鎮め、発作を予防する薬です。もうひとつは発作治療薬で、発作のときに気管支を広げて楽にする気管支拡張薬です。発作治療薬には気道の炎症を抑える効果はないため、炎症が鎮まらない限りまた発作が起こる、という関係にあります。

ここでいちばん誤解が起きやすいのが、症状が落ち着いたときです。環境再生保全機構は、長期管理薬について自己判断でやめないようにしましょう、きちんと使用しても十分に予防できていない場合は医師に相談しましょう、と案内しています。減らす・やめるの判断は必ず主治医と行ってください。具体的にどの薬を使うかは一人ひとりの状態によって変わるため、この記事では薬剤名の推奨はしません。

長期管理薬と発作治療薬の役割の違い、発作治療薬に気道の炎症を抑える効果はないこと、長期管理薬を自己判断でやめないこと、きちんと使用しても十分に予防できていない場合は医師に相談することは、環境再生保全機構「ぜん息の薬」によります。どの薬を使うかは状態により異なるため、本記事では薬剤名の推奨をしません。

園・保育所と共有しておきたいこと

保育所では、特別な配慮や管理が必要な子どもについて、医師が記載する「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を用いて情報を共有する仕組みがあります。気管支ぜん息の欄には、寝具に関して(防ダニシーツ等の使用など)、動物との接触、外遊び・運動に対する配慮といった項目があり、園での過ごし方を具体的に決められるようになっています。

とくに知っておきたいのが運動誘発ぜん息です。ガイドラインには、運動負荷である程度の呼吸困難が生じていても子どもはそれを意識せずに動き、明らかな発作状態に陥ってしまう可能性を考慮する必要がある、と書かれています。日中の様子は保育所のほうがよく把握していることもあるため、走った後に咳き込む、すぐ休みたがるといった気づきは、双方向で共有しておくと役立ちます。

毎晩ではないし、日中は普通に走り回っているので、大げさに受診していいのか迷ってしまいます。
4歳児を育てる保護者

こうした迷いはとてもよく聞かれます。結論から言えば、「迷っている」こと自体が受診してよい理由になります。迷ったときは、咳の様子を1週間ほどメモしておくと相談がスムーズです。何日目から続いているか、出る時間帯、ゼーゼーの有無、きっかけ(走った後・泣いた後・かぜのあと)、眠れているか。スマートフォンで夜の咳を数十秒録音・録画しておくのも、診察室で再現できない症状を伝える手段になります。

よくある質問

熱がないのに咳だけ2週間続いています。受診したほうがよいですか
一度みてもらってよい時期です。2週間続いているなら、遷延性咳嗽の目安である3週に近づいています。ガイドラインの分類では3週未満は急性咳嗽で感染に伴う咳が多い時期ですが、日数は原因を絞るための目安であって受診を待つ基準ではありません。夜間に眠れない、ゼーゼーする、食事がとれない、走った後に強く咳き込むといった様子があれば、日数にかかわらずすぐ受診してください。判断に迷うときは#8000でも相談できます。
ゼーゼーしていればぜん息、していなければ違う、と考えてよいですか
そう単純ではありません。乳児はもともと気道が細く、かぜをひいただけでもゼーゼーすることがあります。一方で、喘鳴がはっきりしない咳が主体の出方もあります。診断は問診・診察に加えて必要な検査を組み合わせて医師が総合的に行うもので、家庭で判断できるものではありません。
何歳から検査で分かりますか
国立成育医療研究センターは、診断には問診や診察に加えて血液検査、胸部X線検査、呼吸機能検査などを行って総合的に判断するとしたうえで、乳幼児(5歳以下)はもともと気管が細くやわらかくぜん息以外でも症状が起きやすく、呼吸機能検査や呼気NO検査などを低年齢で行うのは難しいと説明しています。そのため小さい子では、一度ぜん息の治療を開始して発作が減るかをみる方法(診断的治療)がとられることもあります。年齢で線を引くというより、年齢に応じて確かめ方が変わると考えてください。
掃除や布団の対策で、ぜん息はよくなりますか
環境整備は悪化のきっかけを減らす取り組みで、症状を起こりにくくすることが期待できるとされていますが、効果の出方には個人差があり、これだけで治ると保証されるものではありません。薬による治療と組み合わせて、続けられる範囲で行うのが現実的です。
症状が出なくなったので、薬をやめてもよいですか
自己判断でやめないよう案内されています。長期管理薬は症状がないときも気道の炎症を抑えるための薬で、落ち着いて見える時期こそ効いている、という関係にあります。減量や中止のタイミングは必ず主治医と相談して決めてください。
秋になると毎年咳が出ます。季節性のものと考えてよいですか
秋は寒暖差、ウイルス感染の流行、夏に増えたダニのフンや死がいが重なる時期で、発作が起きやすいとされています。ただし秋の草花粉によるアレルギー性鼻炎や、後鼻漏による咳など別の原因が重なっていることもあります。毎年くり返しているという情報自体が診断の手がかりになるので、受診時にそのまま伝えてください。
園にはどう伝えればよいですか
保育所では、医師が記載する「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を用いて情報を共有する仕組みがあります。寝具の配慮、動物との接触、外遊び・運動への配慮などの欄があるので、受診時に園で困っていることを伝え、必要に応じて記載してもらいます。園と家庭のどちらか一方だけが気づいている情報も多いので、双方向のやりとりが役立ちます。

まとめ

咳が長引くとき、家庭でできるのは「診断すること」ではなく「伝えられる形に整理して受診すること」です。何日続いているか、いつ強くなるか、ゼーゼーがあるか、きっかけは何か。この4つがそろっているだけで、診察の精度は変わります。

受診前にメモしておきたいこと

  • 咳が始まった日と、今日で何日目か(3週・8週が区切りの目安)
  • 強くなる時間帯(夜間・早朝・日中)と、眠れているかどうか
  • 息を吐くときのゼーゼー・ヒューヒューの有無(あれば録音・録画)
  • きっかけ(走った後、大泣きの後、かぜのあと、天候の変化)
  • 家族にぜん息・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎の人がいるか
  • 住まいの環境(ペット、じゅうたん、布製ソファ、室内での喫煙の有無)
  • 園で言われている様子(咳の回数、外遊びの後の様子)

強いサインがあるときは様子を見ないこと、落ち着いてきても薬を自己判断でやめないこと。この2つを押さえておけば、あとは主治医と一緒に調整していけます。気になる咳が続くときは、迷ったままにせず小児科で相談してみてください。

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