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幼児のおやつの考え方|「第4の食事」としての量・タイミング・内容の目安

対象の目安: 1〜5歳ごろ

レナ食事・離乳食担当
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幼児のおやつの考え方|「第4の食事」としての量・タイミング・内容の目安

「おやつをあげすぎている気がする」「甘いものばかりで、ごはんを食べなくなった」。幼児のおやつは、多くの家庭が一度は迷うテーマです。大人にとってのおやつは楽しみの一品ですが、幼児にとっての間食は位置づけがまったく違います。胃が小さく1日3回の食事だけでは必要な量をとりきれないため、間食は「第4の食事(補食)」として、食事で足りない分を補う役割を持ちます。この記事では、量・タイミング・内容という3つの軸で、幼児の間食の考え方を公的資料をもとに整理しました。

年齢別の目安(早見表)

まずは全体像です。数字はあくまで目安で、体格・活動量・その日の食事量によって前後します。

年齢回数の目安量の目安意識したいこと
1〜2歳ごろ1日2回(午前・午後)1日100〜150kcal程度1回量が少ないので補食の比重が大きい。時間を固定する
3〜5歳ごろ1日1回(午後)1日200〜260kcal程度3食がしっかり食べられれば午後1回に集約していく
共通時間を決めて規則的にうち菓子・嗜好飲料は1日200kcalまでが目安次の食事まで2〜3時間(最低でも2時間)あける。だらだら食べにしない

調布市「幼児食の進め方」。「2歳までは午前と午後の2回、3歳を過ぎたら午後1回、おやつ(補食)でエネルギーや栄養、水分を補います」との記載を参照

東京都「東京都幼児向け食事バランスガイド指導マニュアル」(平成18年12月発行)。同マニュアルの「菓子・嗜好飲料の取扱い方について」の項で、菓子・嗜好飲料は「幼児の推定エネルギー必要量の10〜20%、200kcalまでが望ましい」「おやつは時間と量を決めて与えるように助言する」との記載を参照

なぜ幼児に間食が必要なのか

幼児期は、体が小さいわりに必要なエネルギーが多い時期です。東京都の資料では、体重1kgあたりに必要なエネルギーは30歳の母親が約38kcalなのに対し、3〜5歳児は約81kcalと説明されています。それでいて子どもの胃や腸は大人より小さく、機能も未熟です。一度にたくさん食べられないため、3回の食事だけでは必要な量に届かないことがあります。そこを埋めるのが間食です。

厚生労働科学研究班「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド【確定版】」(令和4年3月)。「幼児期は胃の容量が小さく、消化機能も未熟であるため、3回の食事では必要な栄養素を摂ることが難しいため間食(3食以外に食べるもの)が必要になる」との記載を参照

メモ

同じガイドでは、間食は「食事の一部」であり「1日3回の食事で、補えないエネルギーや栄養素を補う内容が望ましい」とされています。「おやつ=お菓子」ではなく「4回目の小さな食事」ととらえると、選ぶものも量も決めやすくなります。

量とタイミングをどう決めるか

  1. 1

    回数を先に決める

    1〜2歳ごろは午前と午後の2回、3歳を過ぎたら午後1回が目安です。園に通っている場合は園のおやつが1回分に相当するので、家では回数を足しすぎないようにします。
  2. 2

    時刻を固定する

    「10時と15時」のように時刻を決めます。欲しがるたびに出すと量が読めず、食事に響きます。
  3. 3

    次の食事まで2〜3時間あける

    おやつと食事の間隔は2〜3時間(最低でも2時間)あけると、次の食事を空腹で迎えられます。夕食の1時間前のおやつは「夕食が入らない」原因になりがちです。
  4. 4

    器に取り分けて出す

    袋や箱のまま渡さず、1回分をお皿に出します。量が目に見えることで、子ども自身も「これでおしまい」が分かりやすくなります。
  5. 5

    食べ終わりを決める

    10〜15分程度で切り上げ、「ごちそうさま」をします。だらだら食べにしないことが、むし歯予防にも食欲の維持にもつながります。

摂津市「幼児期はおやつが必要!」。「1〜2歳児は1日100〜150kcal、3〜5歳児は200〜260kcalのおやつを1日1〜2回に分けて与え」「おやつは食事の前に2〜3時間はあけ、食事の摂り方に影響が及ばないよう時間を決めて規則的に与え」との記載を参照

何を出すか。内容の考え方

間食は「食事で足りなかったものを足す時間」です。その日の食事をふりかえって、足りていないグループから選ぶと迷いません。

補いたいものおやつの例
エネルギー・炭水化物小さなおにぎり、サンドイッチ、蒸したさつまいも、とうもろこし
カルシウム・たんぱく質牛乳、ヨーグルト、チーズ、きなこを使ったもの
ビタミン・食物繊維季節の果物、蒸し野菜スティック、かぼちゃのおやき
水分水、麦茶

「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド」でも、間食の内容として「果物、野菜、牛乳・乳製品、穀類、いも、豆類など、食事でとりきれない栄養素を補えるもの」を選択できるよう配慮することが示されています。特別なレシピは不要で、朝の残りのおにぎりや蒸しておいたいもで十分です。

厚生労働科学研究班「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド【確定版】」(令和4年3月)。間食の内容について「果物、野菜、牛乳・乳製品、穀類、いも、豆類など、食事でとりきれない栄養素を補えるものを選択できるよう配慮が必要となる」との記載を参照

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、成長期の子どもにとって間食は3度の食事でとりきれないエネルギーや栄養素を補う良い機会になり得るとされています。

厚生労働省e-ヘルスネット「お菓子や間食の取り入れ方」。成長期の子どもにとって間食は「3度の食事でとりきれないエネルギーや栄養素を補う良い機会となり得」ること、乳製品や果物などと組み合わせるとビタミンやミネラルもとれることを参照

ヒント

東京都の資料では「菓子パンは、主食ではなく、菓子である」と整理されています。パンなら食パンやロールパンにチーズを合わせるなど、主食+たんぱく質の組み合わせにすると補食らしくなります。

飲み物は水と麦茶を基本に

飲み物は見落とされがちですが、間食の一部です。ジュースや乳酸菌飲料は糖分が多く、飲むと満腹感が出て次の食事に響きます。基本は水か麦茶にして、ジュース類は「量と回数を決めて」の位置づけにしましょう。

注意

日本小児歯科学会は、哺乳びんにジュースやイオン飲料など糖分の多い飲み物を入れて飲ませたり、寝るときに哺乳びんで飲みながら眠ってしまうと、むし歯のリスクが高くなるとしています。また同学会は、これとは別のリスクとして、市販の清涼飲料(ジュース・炭酸飲料・スポーツ飲料など)は酸性のものが多く、水代わりに頻回に飲んだりマグなどで長時間飲んだりすると、酸が歯に接する時間が長くなり、歯が溶ける「酸蝕」が起きやすくなるとしています。なお、イオン飲料を水代わりに飲み続けた乳幼児のビタミンB1欠乏症は、まれではあるものの報告があり、注意喚起されています。体調不良時など必要な場面以外は、日常の水分は水・麦茶を基本にしましょう。

日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱(産まれてから2歳頃まで)」。哺乳びんでの糖分の多い飲み物によるむし歯のリスク、および「市販の清涼飲料…は酸性のものが多く、これらの飲料を水代わりに頻回飲んだり…酸が歯に接している時間が長くなり、酸蝕が起きやすくなります」との記載を参照

日本小児科学会サイト掲載資料「イオン飲料水の多飲によるビタミンB1欠乏症」(愛知医科大学小児科)。「頻度は稀」としつつ実態調査の結果が報告されている点を参照

むし歯には「量」より「回数」が関わる

甘いものを一切やめる必要はありません。むし歯は、歯の表面の細菌が糖分から酸をつくり、その酸が歯を溶かす(脱灰)ことで起こります。唾液には酸を中和し、溶けかけた歯を修復する(再石灰化)はたらきがあるため、食べる時間が空いていれば回復が追いつきます。ところが糖分の摂取が頻繁だと、この緩衝や再石灰化が間に合わなくなるとされています。つまり気をつけたいのは一度の量よりも、口の中に食べ物がある回数です。

厚生労働省e-ヘルスネット「むし歯の特徴・原因・進行」。「人の唾液は、酸を緩衝して中性に近づけることで歯を守ります。また唾液は、カルシウムやリン酸を含んでおり、これらが脱灰された歯を修復(再石灰化)します。糖分の摂取が頻繁で、酸の緩衝や再石灰化が間に合わずに脱灰された状態が続くと、その部分はそのうち崩壊することとなります」との記載を参照

日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱」。「おやつの時間や回数を決めて、甘味飲食物を上手にコントロールすることで、歯や口の健康を守りながら『おやつタイム』を親子で楽しめるといいでしょう」との記載を参照

むし歯を遠ざけるおやつの習慣

  • 時間と回数を決めて、だらだら食べにしない
  • 食べ終わったら水や麦茶で口の中をさっぱりさせる
  • 寝る前の飲食は避ける(特に甘い飲み物)
  • 1日1回はていねいに仕上げみがきをする

窒息・誤嚥を防ぐために

おやつの時間は、窒息・誤嚥(ごえん)が起こりやすい場面のひとつです。ここだけは目安ではなく「守りたいルール」として押さえてください。

注意

消費者庁は、豆やナッツ類など硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもには食べさせないよう注意喚起しています。小さく砕いた場合でも、気管に入り込むと肺炎や気管支炎になるリスクがあります。また、ミニトマトやぶどうなど球状の食品を丸ごと食べさせると窒息するリスクがあります。節分の豆や、きょうだいが食べているナッツにも同じ注意が必要です。

消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故に注意!」。硬い豆やナッツ類を5歳以下に食べさせないこと、球状の食品を丸ごと与えるリスクに関する記載を参照

こども家庭庁の「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」では、誤嚥につながりやすい性質として「弾力があるもの」「なめらかなもの」「球状のもの」「粘着性が高いもの」「固いもの」が挙げられ、過去に事故が起きた食材として白玉風のだんご、丸のままのミニトマト、りんごなどが示されています。食事中に遊ぶ・泣く、歩きながら食べる、口に入れたまま会話をする、早食いといった状況も危険とされています。

おやつのときの安全ルール

  • 硬い豆・ナッツ類は5歳以下には出さない
  • ぶどう・ミニトマトは4等分するなど小さく切る
  • 白玉・もち・飴・こんにゃくゼリーは避けるか年齢を待つ
  • 必ず座って食べる。歩きながら・遊びながらは禁止
  • 口に入れたまま話しかけたり、驚かせたりしない
  • 食べているあいだは大人が同じ空間で見守る

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市販のお菓子との折り合い方

市販のお菓子を完全に避ける必要はありません。ガイドでも「市販菓子の与えすぎには注意をする」と、禁止ではなく量と頻度の問題として扱われています。選ぶときは次の3点を見ると判断しやすくなります。

  • 食塩相当量と砂糖の量。塩味の強いスナックや、砂糖が主体の菓子は「毎日」にしない
  • 食物アレルギーの表示。特定原材料等の表示欄を必ず確認する(消費者庁の食物アレルギー表示のページ)
  • 形状と硬さ。硬い粒状のもの、丸くつるっとしたもの、口の中でばらけるものは幼児には向きません

ヒント

「補食を先、お菓子は少し」の順番にすると折り合いがつけやすくなります。例えばおにぎりと牛乳を出したあとに、小袋のビスケットを2枚。お菓子をゼロにするより現実的で、続けやすい方法です。

こんなときどうする

おやつのあと、夕飯をまったく食べません。おやつを減らすべきなのか、そもそもの量が分からなくて…という相談はとてもよくあります。
2歳児の保護者

食事が入らないときは、まず「量」より「時刻」を見直します。夕食の2〜3時間前までに終えられているか、飲み物で満腹になっていないかを確認しましょう。ガイドでも、飲料は量が多かったり食前に与えたりすると食欲に影響するとされています。それでも食が細いときは、内容を甘いものから補食寄り(おにぎり・いも・乳製品)に切り替えてみてください。

園でおやつが出るのに、帰宅後も欲しがります。あげていいのか毎回迷います。
保育園に通う3歳児の保護者

こども家庭庁のガイドは、3歳以上児について「1日当たりで示される食事摂取基準の43%程度(昼食33%、おやつ10%)が妥当」とした先行研究の検討結果を、目標設定の考え方の一例として参考に紹介しています(一律に適用するものではないとされています)。数字はさておき、園のおやつがすでに1回分にあたることは変わりません。帰宅後にさらに欲しがるときは、夕食が遅いことが背景の場合も。夕食を少し早める、おにぎり半分など「夕食の先取り」にすると二重取りになりません。

こども家庭庁「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」(令和7年9月)の参考【保育所における給与栄養量の目標設定の考え方について】。「この内容はあくまで参考であり…この考え方を一律に適用する必要はありません」と付記されている点も参照

「お片づけしたらおやつ」と言うのが習慣になってしまって、これでいいのか気になります。
4歳児の保護者

交換条件やごほうびとしておやつを使うと短期的には効きますが、繰り返すうちに「お菓子がないと動かない」形になりやすくなります。おやつは「決まった時間に来るもの」として生活に組み込み、行動への声かけは「できたね」と認める言葉で返すほうが、長い目では扱いやすくなります。

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よくある質問

おやつは毎日あげないといけませんか?
「必ず毎日」というより、3回の食事で足りない分を補うためのものです。3食をしっかり食べられていて体重も順調なら、量は控えめで構いません。逆に1回の食事量が少ない子ほど、補食としての間食の役割が大きくなります。
手作りでないとだめですか?
手作りである必要はありません。市販のおにぎり、蒸したさつまいも、ヨーグルト、バナナなど、手をかけずに用意できるもので十分です。大切なのは調理の手間ではなく、時間・量・内容の3つを決めることです。
おやつを欲しがって泣くときはどうすれば?
その場で足すのではなく、次のおやつの時刻を伝えて待つ経験にしていきます。空腹が理由のことも多いので、その場合は水や麦茶を出したり、次の食事を少し早めたりして調整します。時間を決めておくと、こうした場面での判断がぶれにくくなります。
チョコレートやアイスは何歳から食べられますか?
明確な年齢の線引きはありませんが、糖分・脂質が多く量が増えやすいので、日常の間食ではなく「時々の楽しみ」の位置づけが向いています。与えるなら量を小さくし、時間を決めて、そのあと水や麦茶で口の中をさっぱりさせましょう。
節分の豆は何歳から大丈夫ですか?
消費者庁は、硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないよう呼びかけています。豆まきには個包装の菓子や新聞紙を丸めたものを使うなど、食べない形で楽しむ方法に置き換えるのが安心です。
おやつのあとに歯みがきは必要ですか?
毎回のみがきが難しければ、水や麦茶で流すだけでも役立ちます。回数を決めてだらだら食べにしないことと、1日1回ていねいに仕上げみがきをすることを優先しましょう。気になるときはかかりつけの歯科で相談を。

まとめ・次の一歩

幼児のおやつは、我慢させるものでも、機嫌を取るためのものでもなく、1日3回では足りない分を補う「第4の食事」です。回数と時刻を決め、次の食事まで2〜3時間あけ、食事で足りないものを選ぶ。この3つが決まれば、市販のお菓子とも無理なく折り合いがつきます。

今日から見直せる5つ

  • 回数を決める(1〜2歳は1日2回、3歳以降は1日1回が目安)
  • 時刻を固定し、次の食事まで2〜3時間あける
  • 袋のままではなく、1回分を器に取り分ける
  • 飲み物は水・麦茶を基本にする
  • 硬い豆やナッツは5歳以下には出さない。球状のものは切る

食が細い、体重の増えが気になる、アレルギーが心配といったときは、自己判断で食べられるものを狭めすぎず、かかりつけ医や園の栄養士・保健センターの管理栄養士に相談してみてください。日々の食事の献立に悩んだときは、野菜のとり入れ方をまとめた記事も参考になります。

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