0〜6歳の予防接種スケジュール|何を・いつ・何回受けるのかを一枚で見渡す
対象の目安: 0〜6歳

生後2か月の予診票の束を前にして、「これ全部、いつ受けるの」と途方に暮れた経験はありませんか。0歳は特に本数が多く、名前も似ていて、1回で覚えきれるものではありません。この記事では、0〜6歳の定期接種を厚生労働省の一次情報をもとに月齢別に並べ直し、同時接種と間隔のルール、当日の流れ、遅れたときの立て直しまでを一枚で見渡せるように整理します。なお、どのワクチンをいつ受けるかの個別の判断は、母子健康手帳と自治体から届く案内、そしてかかりつけ医の指示に従ってください。この記事は、その相談を具体的にするための下準備として使っていただくものです。
0〜6歳で受ける定期接種の全体像
予防接種法に基づく定期接種のうち、集団予防を主な目的とするものはA類疾病と呼ばれ、対象年齢の間は公費負担で受けられます。0〜6歳が対象になるものを、対象年齢と回数で並べると次のようになります。
| ワクチン | 定期接種の対象年齢 | 回数 |
|---|---|---|
| ロタウイルス(経口) | 生後6週から。1価は生後24週まで、5価は生後32週まで | 1価は2回、5価は3回 |
| 5種混合(ジフテリア・百日せき・ポリオ・破傷風・Hib) | 生後2か月〜生後90か月(7歳6か月)に至るまで | 初回3回+追加1回 |
| 小児用肺炎球菌 | 生後2か月〜生後60か月(5歳)に至るまで | 開始月齢により1〜4回 |
| B型肝炎 | 1歳に至るまで | 3回 |
| BCG(結核) | 1歳に至るまで | 1回 |
| MR(麻しん・風しん) | 1期は1歳の1年間、2期は小学校入学前の1年間 | 各1回 |
| 水痘(みずぼうそう) | 生後12か月〜生後36か月に至るまで | 2回 |
| 日本脳炎 | 1期は生後6か月〜生後90か月に至るまで | 初回2回+追加1回 |
0歳の月齢別に見る「この時期に受けるもの」
本数が集中するのは0歳です。標準的な接種期間で並べると、次の順に進みます。
| 月齢 | この時期に受けるもの |
|---|---|
| 生後2か月 | ロタウイルス1回目、5種混合1回目、小児用肺炎球菌1回目、B型肝炎1回目 |
| 生後3か月 | ロタウイルス2回目、5種混合2回目、小児用肺炎球菌2回目、B型肝炎2回目 |
| 生後4か月 | ロタウイルス3回目(5価のみ)、5種混合3回目、小児用肺炎球菌3回目 |
| 生後5〜8か月 | BCG(1回) |
| 生後7〜8か月 | B型肝炎3回目 |
| 1歳の誕生日以降 | MR1期、水痘1回目、5種混合の追加、小児用肺炎球菌の追加 |
ヒント
ロタウイルスだけは期限が厳しく、初回は生後2か月から生後14週6日までに受けます。生後15週以降に初回を受けることは推奨されていません。最初の予約でいちばん先に押さえておきたいのがこのワクチンです。
1歳以降にやることが減るわけではない
1歳の誕生日は、MR1期と水痘、そして5種混合と小児用肺炎球菌の追加接種が重なる、0歳に次いで忙しい時期です。ここを越えると本数は落ち着きますが、3歳の日本脳炎1期(初回2回と、およそ1年後の追加1回)と、小学校入学前1年間のMR2期が残ります。MR2期は5歳以上7歳未満で入学前の1年間という限られた期間しかなく、年長の1年間があっという間に過ぎて受け忘れやすいところです。年度が替わったら、まず母子健康手帳を開いて確認しておきたい項目です。
同時接種と接種間隔の、いまのルール
「1日に何本も打って大丈夫なのか」は最も多い不安のひとつです。日本小児科学会は同時接種について、複数のワクチンを同時に接種してもお互いの有効性に干渉はなく、有害事象や副反応の頻度が上がることもなく、接種できる本数に原則制限はないとしたうえで、「ワクチンの同時接種は、日本の子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為であると考える」と述べています。
接種間隔については、2020年10月1日の定期接種実施要領の改正で、異なる種類のワクチンの間隔の制限が大きく緩和されました。現在は、注射の生ワクチン同士(MR・麻しん・風しん・BCG・水痘)を続けて受ける場合だけ27日以上あけ、それ以外の組み合わせには日数の制限がありません。ただしこれは「異なる種類の間隔」の話で、同じワクチンを規定回数受けるときの間隔は、各ワクチンごとの定めに従います。
当日の流れと、受けられないケース
- 1
案内と予診票を確認する
自治体から届く予診票と接種券、母子健康手帳を用意します。予診票は当日その場でなく、前日までに落ち着いて記入しておくほうが書き漏らしが減ります。 - 2
朝に体温と体調を確認する
明らかな発熱(通常37.5度以上)がある、重い急性の病気にかかっているときは受けられません。迷う体調のときは、無理に連れて行かず医療機関に電話で相談します。 - 3
気になることを口頭でも伝える
けいれんを起こしたことがある、過去の接種のあとに具合が悪くなった、近親者に先天性免疫不全症の方がいる、といった事情は予診票に書くだけでなく、医師にも口頭で伝えます。 - 4
接種後は医療機関の指示に従って様子を見る
急なアレルギー反応は接種後まもなく起こることが多いため、指示された時間は院内などで安静に過ごします。 - 5
母子健康手帳に記録してもらい、次の予定を決める
その場で次回の予約まで取れると、間隔の計算をこちらでしなくて済みます。
注意
予防接種を受けることが適当ではない状態として、厚生労働省は、明らかな発熱(通常37.5度以上)のある方、重い急性疾患にかかっている方、受けようとする予防接種の成分によってアナフィラキシーを起こしたことがある方などを挙げています。当てはまるか少しでも不安がある場合は、予診の際に医師に相談してください。接種後に高熱やけいれん等の症状が出たときは、速やかに医師の診察を受けます。夜間や休日に判断に迷うときは、子ども医療電話相談#8000も使えます。
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遅れた・受け忘れたときの立て直し
間隔があいたからといって、それまでの回数が消えて最初からやり直しになるとは限りません。日本小児科学会は、標準的な接種時期を逃した子のためのキャッチアップスケジュールを公開しており、残りをどう組み立てるかの目安が示されています。まずは母子健康手帳を持って、かかりつけ医か自治体の予防接種担当窓口に相談してください。
長期の療養で受けられなかった場合には、法令上の特例もあります。免疫の機能に支障を生じさせる重篤な疾病や、臓器移植後の免疫抑制治療、災害やワクチンの大幅な供給不足といった特別の事情により定期接種を受けられなかったと認められる場合、その事情がなくなった日から2年を経過する日までの間、定期接種の対象とすることができるとされています。あわせて、5種混合を使う場合のジフテリア・百日せき・ポリオ・破傷風は15歳、結核は4歳、小児の肺炎球菌感染症は6歳といった年齢の上限も定められています。
引っ越し、記録、接種歴が分からないとき
定期接種はお住まいの市町村が実施するため、転入したら転出入の届出とあわせて予防接種担当窓口に相談します。里帰り中や長期入院中など通常の方法で受けにくい場合についても、実施要領は、居住地以外の医療機関と委託契約を行う、居住地の市町村長から里帰り先の市町村長へ実施を依頼する、償還払いを行うといった配慮をするよう市町村に求めています。「里帰り先では受けられない」と諦める前に、まず住民票のある自治体に確認してください。
記録は母子健康手帳が要になります。乳幼児に定期接種を行った際は、児の母子健康手帳にワクチンの種類と接種年月日を記載することとされており、万一の健康被害救済の請求でも、接種済証または母子健康手帳の写しが必要書類として挙げられています。紛失したときや、海外での接種などで接種歴がはっきりしないときは、自己判断で「受けたことにする」のではなく、自治体の窓口に接種記録が残っていないかを問い合わせたうえで、かかりつけ医と相談してください。
メモ
「うちの子が受けたのはどのワクチンだったか」を保護者が暗記しておく必要はありません。接種のたびに母子健康手帳を持参し、ワクチンの種類と接種年月日を記載してもらうことが、そのまま備えになります。
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定期接種以外の選択肢もある
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)のワクチンは、2026年8月時点では定期接種ではなく任意接種です。日本小児科学会は任意接種としておたふくかぜワクチンの2回接種を推奨しており、接種推奨時期はMRワクチンの定期接種と同じ1歳と小学校入学前1年間としています。子どものインフルエンザワクチンも任意接種です。任意接種は費用が自己負担になるのが原則ですが、自治体によっては助成があるため、住んでいる市区町村の案内を確認してみてください。
おたふくかぜについては、2027年度(令和9年度)からの定期接種化に向けた検討が国の審議会で進められている段階です。まだ決まったものではないため、実際に公費で受けられるようになるかどうか、その時期や対象は、自治体からの案内で確認してください。
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よくある質問
同時接種にしないで、1本ずつ受けることもできますか?
定期接種の対象年齢を過ぎたらどうなりますか?
接種のあとに熱が出ました。副反応でしょうか?
副反応で健康被害が起きた場合の制度はありますか?
スケジュール表はどこで見られますか?
まとめ
0〜6歳の予防接種は、生後2か月に始まって1歳と小学校入学前に山が来る、6年がかりのスケジュールです。全体像さえつかめれば、あとは1回ごとに次の予約を取り、母子健康手帳に記録を積み上げていくだけになります。うまくいかない月があっても、それで無駄になるわけではありません。
スケジュールを組む前に確認したいこと
- 自治体から届いた案内と予診票、接種券がそろっている
- 生後2か月に受けるもの(ロタウイルス・5種混合・小児用肺炎球菌・B型肝炎)を予約した
- ロタウイルスの初回を生後14週6日までに受けられる日程になっている
- 同時接種にするかどうか、不安な点をかかりつけ医に伝える準備をした
- 母子健康手帳を毎回持参し、接種のたびに記載してもらう習慣にした
- 1歳の誕生日と、小学校入学前1年間のMR2期をカレンダーに書き込んだ
- 遅れたときの相談先(かかりつけ医・自治体の予防接種担当窓口)を控えた
受けるかどうか、どう組み立てるかを決めるのは各家庭です。この記事は判断を急かすためのものではなく、かかりつけ医と自治体に相談するときの材料としてお使いください。気になることが出てきたら、その場でメモしておいて、次の受診で聞いてみてください。
出典・参考
- 予防接種・ワクチン情報/厚生労働省
- 定期接種実施要領(改正後全文・令和8年6月1日改正)/厚生労働省
- 5種混合ワクチン/厚生労働省
- 子どもの肺炎球菌ワクチン/厚生労働省
- ロタウイルスワクチン/厚生労働省
- B型肝炎ワクチン/厚生労働省
- BCGワクチン/厚生労働省
- MRワクチン/厚生労働省
- 水痘ワクチン/厚生労働省
- 日本脳炎ワクチン/厚生労働省
- 予防接種を受けることが適当ではない状態の方/厚生労働省
- 予防接種健康被害救済制度について/厚生労働省
- 予防接種法施行規則(昭和二十三年厚生省令第三十六号)/e-Gov法令検索
- 予防接種法施行令(昭和二十三年政令第百九十七号)/e-Gov法令検索
- 日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方(2026年6月3日改訂)/日本小児科学会
- 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 2026.4.1版/日本小児科学会
- 日本小児科学会が推奨する予防接種キャッチアップスケジュール(2026年4月改訂)/日本小児科学会
- おたふくかぜワクチン接種回数に関するお願い/日本小児科学会
- 第35回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会 資料(令和8年7月22日)/厚生労働省
- 予防接種スケジュール/KnowVPD!
- 子どもの症状は♯8000/厚生労働省
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