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食物アレルギーと離乳食の進め方|卵の始め方・症状と対応をやさしく整理

対象の目安: 生後5〜6か月ごろ〜

レナ食事・離乳食担当
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食物アレルギーと離乳食の進め方|卵の始め方・症状と対応をやさしく整理

「アレルギーが出たらどうしよう」と思うと、離乳食を始める一歩がなかなか踏み出せない方は少なくありません。けれど、開始を遅らせることでアレルギーを防げるわけではないことが、近年の研究や公的ガイドで示されています。ここでは、よくある原因食物や卵の進め方、気をつけたい症状と受診の目安を、厚生労働省・国立成育医療研究センター・消費者庁などの情報をもとに、不安をあおらず整理しました。判断に迷うときや湿疹・既往があるときは、自己判断をせず必ずかかりつけ医に相談してください。

食物アレルギーとは

食物アレルギーは、特定の食物を食べたあとに、本来は体を守る免疫のしくみが過剰に反応して、体に不都合な症状が起こることをいいます。症状は皮膚(じんましん・かゆみ・赤み)、粘膜(目や口の腫れ)、消化器(嘔吐・下痢・腹痛)、呼吸器(咳・ゼーゼー・鼻水)、そして全身(ぐったりする・血圧の低下)など、さまざまな形で現れます。

多くは食べてから2時間以内に出る「即時型」で、皮膚症状が最も多いとされています。気になる症状があった場合は、自己判断で「これはアレルギーだ/違う」と決めつけず、医師に相談して確かめることが大切です。

日本アレルギー学会「アレルギーポータル(食物アレルギー)」より。症状の種類について

よくある原因食物と特定原材料8品目

乳幼児期にアレルギーの原因となりやすい食物には傾向があります。一般に、乳児期から幼児期前半では鶏卵・牛乳・小麦が多く、年齢が上がると木の実類(くるみなど)や落花生、魚卵なども見られるようになります。原因となる食物は年齢によって変化していくのが特徴です。

食品の表示制度では、症状が重くなりやすい・発症数が多いなどの理由から、容器包装された加工食品に表示が義務づけられている品目を「特定原材料」と呼びます。2023年(令和5年)に「くるみ」が追加され、現在は次の8品目です。

区分品目
特定原材料(表示義務・8品目)えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)

「くるみ」を含む食品の表示は2025年(令和7年)4月から完全に義務化されています。このほかにアーモンドや大豆など、表示が推奨される品目(特定原材料に準ずるもの)もあります。加工食品を選ぶときは、原材料表示を確認する習慣をつけると安心です。

消費者庁「食物アレルギーに関する情報」より。特定原材料8品目とくるみの追加について

メモ

表示が義務・推奨されているのはあくまで「容器包装された加工食品」です。外食やその場で量り売りされるお惣菜などは表示義務の対象外のことがあるため、心配な食物がある場合はお店に直接確認しましょう。

開始時期を遅らせても予防にはならない

かつては「アレルギーが心配な食物は遅らせて」と考えられた時期もありましたが、現在は、離乳食の開始や特定の食物を遅らせることで食物アレルギーを予防できるという科学的根拠は確認されていません。離乳食の開始は、これまでどおり生後5〜6か月ごろを目安に、子どもの発達のサインを見て進めて構いません。

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」より。開始や特定食物の摂取を遅らせることに予防効果は認められていないとされています

むしろ大切なのは、遅らせることより「安全に試す進め方」です。次の基本を守ると、万一のときも落ち着いて対応しやすくなります。

  1. 1

    1日1種類だけ試す

    新しい食材は1日1種類に。複数を同じ日に始めると、症状が出たときにどれが原因か分からなくなります。
  2. 2

    少量から始める

    離乳食用スプーン1さじ程度のごく少量から。問題がなければ数日かけて少しずつ増やします。
  3. 3

    体調の良い平日の日中に

    発熱や下痢などがない元気なときに。万一症状が出てもすぐ受診できるよう、かかりつけ医が開いている平日の午前〜日中が安心です。
  4. 4

    しっかり加熱して試す

    加熱すると抗原性(アレルギーの起こりやすさ)が下がる食材があります。初めては加熱したものを使い、生・半熟は避けます。

ヒント

食べた日・食材・量・そのあとの様子を簡単にメモしておくと、もし症状が出たときに原因を振り返りやすく、受診時の説明にも役立ちます。

鶏卵の進め方

鶏卵は乳児期に多い原因食物のひとつですが、だからといって避け続けるのではなく、適切な時期に少量から加熱した卵を始めることが、予防の観点から大切だと考えられています。国立成育医療研究センターは、湿疹のコントロールを整えたうえで、生後5〜6か月ごろから加熱した卵を少量ずつ始める考え方を示しています。

進め方の一例として、厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」は、よく火を通した固ゆで卵の卵黄から始める方法を示しています。卵黄をごく少量から始め、体調の良い日に少しずつ量を増やし、慣れてきたら固ゆで卵の卵白へと加熱した卵全体に広げていきます。なお、卵黄から始めるか加熱した全卵を微量から始めるかなど、具体的な進め方は医療機関によって考え方が異なることもあります。湿疹や食物アレルギーの心配があるときは、自己流で進めず、かかりつけ医に相談しながら進めると安心です。

注意

卵は必ずしっかり加熱します。生卵・半熟卵・温泉卵や、加熱が不十分な料理は乳児には避けてください。加熱が不十分だとアレルギーが起こりやすくなるだけでなく、食中毒の心配もあります。

卵黄から固ゆで卵白へ少量ずつ進める一例は厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」を、湿疹を整えたうえで適切な時期に加熱した卵を少量から始める考え方は国立成育医療研究センター「離乳食における鶏卵摂取の考え方」を参考にしています

卵の具体的な進め方や量・タイミングは、子どもの肌の状態や体質によって最適なやり方が変わります。とくに湿疹がある場合や、家族にアレルギーの心配がある場合は、自己流で進める前に小児科・アレルギー専門医に相談すると安心です。

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湿疹があるときのスキンケア

赤ちゃんの肌に湿疹があると、荒れた皮膚を通して食物に触れることが、食物アレルギーの発症に関わる可能性が指摘されています。そのため、湿疹は「食べ物のせい」と決めつけて自己判断で食物を除去するのではなく、まずは肌の状態を整えることが大切とされています。

具体的には、毎日のスキンケア(やさしく洗って保湿する)で肌を良い状態に保ち、湿疹がなかなか良くならないときは医師に相談して治療を受けることが基本です。良かれと思って特定の食物を勝手にやめてしまうと、必要な栄養がとりにくくなったり、かえって食べ始める機会を逃したりすることもあります。除去が必要かどうかは、必ず医師の判断にもとづいて決めてください。

国立成育医療研究センター「離乳食における鶏卵摂取の考え方」より。湿疹は治療を優先し医師と相談するとされています

気をつけたい症状と、出たときの対応

食物アレルギーの症状は、口の周りやほおの赤み・じんましんといった軽いものから、複数の臓器に同時に強い症状が出る「アナフィラキシー」までさまざまです。次のような症状は注意して見守りましょう。

部位主な症状の例
皮膚・粘膜じんましん・かゆみ・赤み・むくみ・目や唇の腫れ
消化器繰り返す嘔吐・下痢・強い腹痛
呼吸器咳・ゼーゼー・声がかすれる・のどがしめつけられる感じ
全身ぐったりする・顔色が悪い・意識がもうろうとする

注意

食べている途中・食べたあとに上のような症状が出たら、まず食べさせるのをやめてください。とくに、ぐったりする・呼吸が苦しそう・繰り返し吐く・意識がはっきりしないといった重い症状は、命に関わるアナフィラキシーのサインです。ためらわず救急車(119番)を呼び、医療機関を受診してください。

軽い赤みやじんましんだけの場合でも、自己判断せず、できるだけ早めにかかりつけ医を受診し、何をどれだけ食べたかを伝えましょう。一度症状が出た食物は、医師に相談するまで再び与えないようにします。

日本アレルギー学会「アレルギーポータル(アナフィラキシー)」より。重い症状の見分けと救急要請について

診断は医師が行う

「アレルギーかもしれない」と思っても、血液検査の結果だけで食物アレルギーが確定するわけではありません。血液検査(特異的IgE抗体)や皮膚の検査で反応があっても、実際には食べられることも珍しくないためです。診断は、症状の経過と検査結果をあわせて医師が総合的に判断し、必要に応じて医療機関で「食物経口負荷試験(実際に少しずつ食べて反応をみる検査)」を行って確かめます。

そのため、検査結果だけを見て家庭で自己判断し、必要のない除去を始めてしまうのは避けたいところです。除去するかどうか、いつから食べ始めるかは、必ず医師と相談しながら決めましょう。

日本アレルギー学会「アレルギーポータル(食物アレルギー)」より。診断と食物経口負荷試験について

不安なとき・困ったとき

「卵を始めるのが怖くて、つい後回しにしてしまう」「ほおが少し赤くなった気がして、これがアレルギーなのか分からず不安」という声はとても多く聞かれます。
離乳食を始めたばかりの保護者

初めての食材は、誰でも緊張するものです。基本の「1日1種類・少量・体調の良い日中・加熱」を守れば、必要以上に怖がらなくて大丈夫です。それでも進め方に迷うとき、家族にアレルギーの人がいて心配なとき、湿疹がなかなか治らないときは、ひとりで抱え込まず、かかりつけの小児科やアレルギー専門医、自治体の保健センターや栄養相談を頼ってください。専門家と一緒に進めることで、安心して食の世界を広げていけます。

よくある質問

アレルギーが心配だから、卵や乳製品は遅らせたほうがいい?
開始や特定の食物を遅らせてもアレルギー予防にはならないとされています。離乳食は生後5〜6か月ごろを目安に、加熱したものを少量から、1日1種類ずつ進めましょう。湿疹や既往があるときは医師に相談してください。
家族に食物アレルギーの人がいます。進め方を変えたほうがいい?
家族にアレルギーがあると気になりますよね。基本の進め方は同じですが、心配な場合は始める前にかかりつけ医に相談し、必要に応じて方針を一緒に決めると安心です。自己判断で特定の食物を避け続けることは、医師に相談のうえ慎重に考えましょう。
卵はどのくらい加熱すればいい?
中までしっかり火が通った固ゆで卵が基本です。生卵・半熟卵・温泉卵、加熱が不十分な料理は乳児には避けてください。加熱すると抗原性が下がり、食中毒の予防にもなります。
ほおや口の周りが赤くなりました。アレルギーですか?
食べ物が直接ついた刺激でも赤くなることがあり、見た目だけでは判断できません。じんましんが広がる・繰り返し吐く・咳やゼーゼーが出るなどがあれば受診を。判断に迷うときも、何をどれだけ食べたかを控えて医師に相談しましょう。
血液検査で陽性なら、その食べ物は除去すべき?
検査が陽性でも実際には食べられることがあり、検査結果だけでは確定しません。除去が必要かどうかは、症状と検査をあわせて医師が判断します。自己判断で除去を始めず、必ず医師に相談してください。
症状が出たとき、市販の薬を飲ませてもいい?
自己判断での服薬はせず、まず食べさせるのをやめて受診してください。ぐったり・呼吸が苦しい・繰り返し吐くなど重い症状はすぐ救急要請を。以前に医師から薬や対応の指示を受けている場合は、その指示に従ってください。

まとめ

食物アレルギーは心配なテーマですが、「遅らせない・少量から・加熱して・1日1種類・体調の良い日中に」という基本を押さえれば、必要以上に怖がらずに進められます。湿疹や既往があるとき、進め方に迷うときは、自己判断せず専門家を頼ることがいちばんの安心につながります。

安全に進めるためのチェック

  • 新しい食材は1日1種類・少量から始める
  • 初めての食材は体調の良い平日の日中に試す
  • 卵などは生・半熟を避け、しっかり加熱する
  • 食べた食材・量・そのあとの様子をメモする
  • 湿疹があるときはスキンケアを整え、自己判断で除去しない
  • 気になる症状が出たら食べさせるのをやめて受診(重い症状は救急要請)
  • 心配や既往があれば、始める前にかかりつけ医・専門医に相談する

進め方の全体像は離乳食の基本記事も参考にしながら、わが家のペースで一歩ずつ広げていきましょう。

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出典・参考

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