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夏に子どもの食欲が落ちたら|乳幼児の夏バテと食事の工夫

対象の目安: 0〜3歳ごろ

レナ食事・離乳食担当
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夏に子どもの食欲が落ちたら|乳幼児の夏バテと食事の工夫

「夏になってから、急にごはんを食べなくなった」「そうめんやアイスばかりで栄養が心配」。暑い季節は、大人でも食欲が落ちます。体が小さく汗もかきやすい乳幼児ならなおさらで、夏に食べる量が減るのはよくあることです。この記事では、夏に食欲が落ちる理由と、無理に食べさせずに乗り切るための食事の工夫、栄養の偏りをやわらげる食材、そして見逃したくない脱水のサインまでを整理しました。暑さや体質によって状況は大きく異なるため、気になるときは早めに相談・受診してください。

夏に食欲が落ちるのはなぜ?

「食べないのは体調が悪いから?」と心配になりますが、暑い時期の食欲低下にはいくつかの理由が重なっています。まずは「よくあること」と知っておくと、必要以上に焦らずにすみます。

  • 暑さそのものによる消耗:高い気温と湿度のなかで過ごすと体力を消耗し、食欲がわきにくくなります。いわゆる「夏バテ」は、暑さに体が対応しきれなかったり、冷たい物で胃腸が冷えたりして起こると説明されています。
  • 睡眠やリズムの乱れ:寝苦しさで夜の眠りが浅くなったり、生活リズムが崩れたりすると、日中の食欲にも影響します。
  • 冷たい飲み物・冷たい物のとりすぎ:のどが渇いてジュースや麦茶、アイスなどをたくさんとると、それだけでおなかが満たされてしまい、食事が入りにくくなります。冷たい物で胃腸が冷えると、はたらきが鈍ることもあります。
  • 活動量の変化:暑くて外遊びが減ると、おなかが空きにくくなることもあります。

夏バテが「暑さに体が対応できないとき」や「冷たい物で胃腸が冷えたとき」に起こりやすいことは、茅ヶ崎市「夏バテ予防の食生活」を参考にしています。

「夏になってから、ごはんを半分も食べない日が続いて。栄養が足りているのか、毎食ヒヤヒヤしてしまう」という声はとても多く聞かれます。
2歳児の保護者

なお、暑さに伴う水分補給そのものの考え方や、室温管理・熱中症の予防は、別記事で詳しくまとめています。本記事は「夏の食事の工夫」に絞ります。

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何を見ればいい?「量」より「水分と機嫌」

夏の食事でいちばん大切にしたいのは、「決めた量を完食させること」ではなく、「水分がとれているか」「機嫌や元気はいつもどおりか」を見ることです。食べる量は日によって波があって当然で、一食ごとの量に一喜一憂しなくて大丈夫です。

見るポイント目安
水分こまめにとれているか。母乳・ミルク・水・麦茶など、月齢に合うもので
機嫌・元気いつもどおり遊べているか。ぐったりしていないか
おしっこいつもと同じくらい出ているか(極端に減っていないか)
体重・成長中長期で見て、成長曲線に沿って増えているか

ヒント

食事は「主食・主菜・副菜」をそろえるのが基本ですが、夏で食欲がないときに毎食きっちりそろえるのは大変です。1日や数日のトータルでバランスがとれていればよい、というくらいの気持ちで見ると続けやすくなります。

主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の考え方は、厚生労働省・国立保健医療科学院「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド」を参考にしています。

食べないこと自体より、「水分もとれない」「ぐったりして元気がない」という状態のほうが心配なサインです。判断に迷うときは、後半の「受診の目安」も参考にしてください。

食べやすくする工夫

食欲がないときは、「食べさせる」より「食べやすくする」発想に切り替えると、ぐっと楽になります。暑い時期に取り入れやすい工夫をまとめます。

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    のどごしよく・さっぱりと

    水分の多いメニューや、つるっと飲み込みやすい形にすると食が進みやすくなります。雑炊やおじや、あんかけ、ゼリー状にした果物など、口当たりのよいものを。酸味のある味付け(少量の酢やレモン、トマトなど)も食欲を後押しすることがあります。
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    小分けにして回数を増やす

    一度にたくさんは食べられなくても、回数を分ければトータルでとれることがあります。間食(おやつ)を「足りない栄養を補う食事の一部」と考え、おにぎりやふかしいも、果物、乳製品などを少量ずつ。
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    冷ましすぎない

    冷たい物ばかりだと胃腸が冷えて食欲が落ちることも。汁物やスープ、常温〜人肌くらいのメニューも一品混ぜて、体の中から冷やしすぎないようにします。温かい汁物は水分・塩分の補給にもなります。
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    見た目を楽しく・量は控えめに盛る

    器や盛り付けを工夫し、最初は少なめに盛って「食べきれた」という成功体験を。おかわり制にすると、プレッシャーなく食べ進めやすくなります。

メモ

工夫しても食べないときは、その一食を切り上げてしまって大丈夫です。だらだらと長く食卓に向かわせたり、無理強いしたりすると、かえって食事が嫌な時間になってしまうことがあります。次の食事や間食で取り返す、くらいの気持ちで。

偏りやすい栄養を補う食材

夏はそうめん・うどん・冷やし中華など、のどごしのよい炭水化物に偏りがちです。ジュースやアイスでおなかが膨れると、ますます主菜・副菜が入りにくくなります。「麺だけ」になりそうなときに、ちょい足ししたい食材を押さえておきましょう。

補いたいもの食材の例夏の取り入れ方
ビタミンB1豚肉、大豆・豆腐・納豆、玄米など冷やし中華に豚肉、そうめんに納豆や豆腐をプラス
たんぱく質卵、肉、魚、大豆製品、乳製品うどんに卵、雑炊にしらすや鶏肉、デザートに牛乳・ヨーグルト
ビタミン・ミネラル夏野菜(トマト・きゅうり・なす等)、果物細かく刻んで麺にのせる、すりおろす、果物は小さく切る

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるときに必要な栄養素です。麺やごはんなど炭水化物に偏ると消費されやすいため、豚肉や大豆製品を組み合わせると効率よくとれます。

ビタミンB1・B2・ナイアシンがエネルギー代謝を助けることは、厚生労働省e-ヘルスネット「ビタミン」を参考にしています。

ビタミンB1が豚肉・大豆製品・玄米などに多く含まれること、麺類に偏らず主菜・副菜をそろえる工夫は、茅ヶ崎市「夏バテ予防の食生活」を参考にしています。

汗を多くかく夏は、水分と一緒に塩分などのミネラルも失われやすい時期です。食事からこまめに水分・塩分・栄養を補う意識をもつと、飲み物だけに頼らずにすみます。ただし、乳幼児に与える飲み物の種類・量・濃度を自己判断で濃くするのは避け、心配なときはかかりつけ医や自治体の相談窓口に確認してください。

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冷たい飲み物のとりすぎに注意

夏に起こりがちなのが、「のどが渇く→冷たい飲み物をたくさん飲む→おなかが膨れて食事が入らない→食べないからまた飲み物で…」という悪循環です。とくに甘いジュースや乳酸菌飲料は、それだけで満腹感やカロリーになり、食事量を押し下げてしまいます。

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    食事の直前は飲み物を控えめに

    食前にたっぷり飲むとおなかが満たされてしまいます。のどを潤す程度にとどめ、たくさんの水分は食事と食事の間に。
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    飲み物は水・麦茶を基本に

    こまめな水分補給は大切ですが、甘い飲み物が中心になると食欲にも歯にも影響します。普段の水分は水や麦茶など、糖分の少ないものを基本にします。
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    冷たさは控えめに

    キンキンに冷えた物ばかりだと胃腸が冷えます。常温や、冷蔵庫から出して少し置いたものを選び、氷は少なめに。

メモ

低月齢の赤ちゃんは、水分補給の基本は母乳・ミルクです。離乳が進んだ子に湯冷ましや麦茶を少量ずつ与えるのが一般的ですが、与え方に迷うときはかかりつけ医や自治体の相談窓口に確認すると安心です。

受診・相談の目安(脱水・体調のサイン)

夏の食欲低下は多くが一時的なものですが、なかには体調不良や脱水が隠れていることもあります。「食べない」だけでなく、次のようなサインがあるときは注意してください。

注意

水分も受けつけずぐったりしている、半日以上おしっこが出ない、唇や口の中が乾いている、ぐったりして反応が鈍い、発熱・嘔吐・下痢を伴う、機嫌が極端に悪く元気がない——こうしたときは脱水や別の病気の可能性があります。様子を見すぎず、医療機関を受診してください。意識がはっきりしない・けいれんなど緊急性が高い場合は、ためらわず救急(119)を要請します。

水分が自分でとれない・ぐったりする・反応がおかしいといった状態が危険なサインであることは、こども家庭庁「こどもの熱中症」を参考にしています。実際の判断は個々の状態により異なります。

受診の必要性に迷うときは、ひとりで抱え込まず相談窓口を頼ってください。

  • 子ども医療電話相談(#8000):小児科医・看護師に相談できる窓口(対応時間は都道府県により異なります)。
  • 日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」:気になる症状から、家庭での対応や受診の目安を確認できます。
  • 緊急時は119番:意識障害・けいれん・呼吸の異常などがあるとき。

受診の目安の確認には、日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」が利用できます。

「夏で食欲が落ちているだけ」なのか「体調を崩しているのか」の見分けに迷ったら、早めに相談するという姿勢が安心につながります。

よくある質問

夏に食欲が落ちるのは心配な状態ですか?
暑さ・睡眠の乱れ・冷たい物のとりすぎ・活動量の変化などが重なって、夏に食べる量が減るのはよくあることです。機嫌や元気がいつもどおりで、水分がとれ、中長期で成長曲線に沿って体重が増えていれば、過度に心配しすぎなくて大丈夫です。気になるときは小児科や自治体の相談を。
そうめんやうどんばかりでも大丈夫ですか?
数日のトータルで考え、麺類だけに偏らないよう一品添える意識をもちましょう。たんぱく質(卵・肉・魚・豆腐)やビタミンB1の多い豚肉・大豆製品、夏野菜を少量でも組み合わせると、栄養の偏りがやわらぎます。
アイスやジュースを欲しがります。あげていいですか?
絶対にだめということはありませんが、冷たい物・甘い物でおなかが膨れると食事が入りにくくなります。食事の直前は控え、量や冷たさをほどほどに。普段の水分は水や麦茶など糖分の少ないものを基本にすると、食欲にも歯にもやさしいです。
食べないときは無理にでも食べさせたほうがいいですか?
無理強いはおすすめできません。かえって食事が嫌な時間になってしまうことがあります。食べやすい形にする・小分けにする・量を控えめに盛るなど工夫し、それでも食べなければその一食は切り上げて、次の食事や間食で補う、くらいの気持ちで大丈夫です。
冷たい物は全部だめですか?
全部を避ける必要はありません。暑い時期はのどごしのよい冷たいメニューも食べやすさにつながります。ただし冷たい物ばかりだと胃腸が冷えて食欲が落ちることもあるので、温かい汁物や常温のものも一品混ぜてバランスをとりましょう。
水分はどれくらいとればいいですか?
一律の正解はなく、月齢・気温・活動量で変わります。のどが渇く前にこまめに、水や麦茶を少量ずつが基本です。低月齢の赤ちゃんは母乳・ミルクが中心です。詳しい水分・熱中症対策は関連記事を、与え方に迷うときはかかりつけ医や自治体の相談窓口を頼ってください。
どうなったら受診すべきですか?
水分も受けつけずぐったりしている、半日以上おしっこが出ない、口の中が乾く、発熱・嘔吐・下痢を伴う、反応が鈍いといったときは受診してください。意識がはっきりしない・けいれんなど緊急性が高い場合は迷わず119番を。判断に迷うときは#8000やこどもの救急も利用できます。

まとめ

夏の食欲低下は、暑さや生活リズムの乱れが重なって起こる、多くの子が通る道です。大切なのは、完食させることより「水分がとれているか」「元気か」を見て、食べやすい工夫で少しずつ進めること。麺やアイスに偏りそうな日も、たんぱく質やビタミンB1の食材を一品添える意識があれば十分です。

夏の食事・チェックリスト

  • 量の完食より、水分・機嫌・元気を見ている
  • のどごしよく・さっぱり・小分け・冷ましすぎないを意識している
  • 麺類に偏りそうなとき、たんぱく質やビタミンB1の食材を一品添えている
  • 食事の直前は冷たい飲み物を控え、普段の水分は水・麦茶を基本にしている
  • 温かい汁物や常温のものも一品混ぜている
  • 水分もとれない・ぐったり・おしっこが出ないときは受診する、迷ったら#8000・こどもの救急

頑張って作ったのに食べてもらえないと、気持ちが沈む日もあります。でも夏が過ぎれば、食欲はまた戻ってくることがほとんどです。肩の力を抜いて、その子のペースに合わせて夏を乗り切りましょう。

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出典・参考

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