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乳幼児の熱中症対策|赤ちゃん・幼児に特有のリスクと予防・応急処置

対象の目安: 0〜6歳ごろ

カナデ発達・おでかけ担当
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乳幼児の熱中症対策|赤ちゃん・幼児に特有のリスクと予防・応急処置

「ベビーカーで散歩していたら子どもが真っ赤な顔に」「ちょっとの間だけと思って車に残してしまいそうになった」——夏の暑さは、大人が感じている以上に乳幼児にとって過酷です。赤ちゃんや幼児は体温調節がまだ未熟で、体の不調を自分でうまく訴えることもできません。この記事では、環境省・こども家庭庁・日本小児科学会の情報をもとに、乳幼児に特有の熱中症リスクと予防、危険なサイン、応急処置の基本を整理しました。月齢や体質によって状況は大きく異なるため、迷ったときは相談・受診を最優先にしてください。

なぜ乳幼児は大人より熱中症になりやすいのか

同じ環境にいても、乳幼児は大人より熱中症のリスクが高いと考えられています。これは気のせいではなく、体の特徴によるものです。

  • 体温調節機能が未発達:こども家庭庁は「こども(乳幼児・幼児)は体温調節機能が未発達」で「特に汗をかく機能が未熟」なため、体温を下げるのに時間がかかると説明しています。
  • 地面の照り返しを受けやすい:身長が低いぶん、地表面からの熱の影響を強く受けます。こども家庭庁は、大人の顔の高さで32℃のとき、こどもの顔の高さでは約35℃になる例を示しています。
  • 不調を自分で訴えにくい:とくに乳児は「暑い」「のどが渇いた」と言葉で伝えられず、保護者が様子を観察して気づく必要があります。
  • 体が小さく変化が急:体格が小さいぶん環境の影響を受けやすく、状態が短時間で変わりやすい点にも注意が必要です。

こどもが熱中症になりやすい理由は、こども家庭庁「みんなで見守り『こどもの熱中症』を防ぎましょう!」を参考にしています。

「自分はそこまで暑く感じていなかったのに、子どもの顔だけ真っ赤になっていて驚いた」という声はとても多く聞かれます。
乳幼児を育てる保護者

地面に近いほど暑い、という点はベビーカーでの散歩でも当てはまります。環境省も、子ども(高さ50cm)を想定した暑さ指数は、大人を想定した高さ(150cm)より平均して高くなると説明しています。

危険な環境を知る(車内・ベビーカー・室内)

熱中症は「炎天下の外」だけで起こるわけではありません。乳幼児にとって特に危険な環境を押さえておきましょう。

環境注意したいこと
車内に残す短時間でも急激に高温になり、命に関わる。短い時間でも絶対に子どもを残さない
ベビーカー地面に近く照り返しを受けやすい。直射日光・アスファルトの熱に注意
室内締め切った部屋では室温・湿度が上がる。屋内でも熱中症は起こる
屋外の遊び夢中になって遊び続け、水分補給や休憩を忘れやすい

注意

夏場の車内は短時間で高温になります。「寝ているから」「ちょっとの時間だから」と、わずかな時間でもこどもを車内に残すことは絶対に避けてください。乳幼児は自分で車外に出ることができません。

車内放置の危険性については、こども家庭庁の注意喚起を参考にしています。

室内でも油断はできません。窓を閉め切った部屋や風通しの悪い場所では気温・湿度が上がります。エアコンや扇風機を活用し、室温・湿度をこまめに確認しましょう。

予防の基本(水分・服装・日よけ・室温・時間帯)

予防は「水分」「服装」「環境」「タイミング」の組み合わせで考えると整理しやすくなります。こども家庭庁が挙げる予防のポイントを軸にまとめます。

  1. 1

    こまめに水分を補給する

    のどの渇きを感じなくても、こまめに水分補給をします。遊びの最中は特に忘れがちなので、定期的に休憩を取らせて水分・塩分を補給しましょう。何をどれだけ与えるかは月齢で異なるため、低月齢の赤ちゃんは母乳・ミルクが基本です(次の章で補足します)。
  2. 2

    通気性のよい服装と帽子・日よけ

    通気性のよい服装にし、帽子などで日よけ対策をします。ベビーカーには日よけやサンシェードを活用し、地面の照り返しもやわらげましょう。
  3. 3

    室温・湿度を管理する

    気温と湿度をこまめにチェックします。室内ではエアコン・扇風機を使い、室温の上昇に注意します。設定温度は子どもの様子を見ながら、暑がっていないか・冷えすぎていないかを確認して調整します。
  4. 4

    暑い時間帯・場所を避ける

    日差しの強い時間帯の外出はできるだけ避け、木陰や屋内など涼しい場所を選びます。暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒アラートも参考にしましょう。

予防ポイント(こまめな水分補給・通気性のよい服装と日よけ・気温と湿度の確認・休憩)は、こども家庭庁の情報を参考にしています。

水分・塩分の補給で気をつけたいこと

水分補給は大切ですが、月齢によって与えるものが異なります。

  • 低月齢の赤ちゃんは、母乳・ミルクが水分補給の基本です。
  • 離乳が進んだ子は、白湯や麦茶などを少量ずつこまめに与えます。
  • 大量に汗をかいたときは塩分の補給も意識します。ただし、乳幼児に与える経口補水液や飲み物の種類・量・濃度は自己判断で決めず、心配なときはかかりつけ医や自治体の相談窓口に確認してください。

メモ

「たくさん汗をかいたから塩分を」と濃い食塩水などを自己流で作るのは避けましょう。月齢や体質によって適切なものは異なります。経口補水液を使う場合の可否や量は、医療機関に相談すると安心です。

暑さ指数(WBGT)を予防に活かす

暑さ指数(WBGT)は、気温だけでなく湿度や日射・輻射なども考慮した指標で、熱中症の危険度の目安として使われます。環境省の熱中症予防情報サイトで、地域ごとの値や予測を確認できます。

日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」では、WBGTの値ごとに次のような注意事項が示されています。WBGTは気温・湿度・日射を組み合わせた指標で、同じ気温でも湿度が高いと値が上がります。

暑さ指数(WBGT)注意事項(日常生活)
危険(31以上)高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する
厳重警戒(28以上31未満)外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する
警戒(25以上28未満)運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる
注意(25未満)一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある

暑さ指数の区分と注意事項は、環境省熱中症予防情報サイトに掲載の日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」を参考にしています。気温はあくまで参考で、湿度などにより同じ気温でも危険度は変わります。

この区分は主に成人を想定した目安です。乳幼児は前述のとおりよりリスクが高く、地面に近いぶん体感する暑さも高くなりやすいため、表の数値だけで判断せず、より慎重に行動してください。

ヒント

お出かけ前に環境省サイトや天気予報で暑さ指数・熱中症警戒アラートを確認し、「危険」「厳重警戒」の日は外遊びを短く切り上げる、屋内施設に切り替える、といった計画にしておくと安心です。

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危険なサインを見逃さない

乳幼児は自分で不調を訴えにくいため、保護者が様子を観察して気づくことが何より大切です。こども家庭庁は、次のような症状を熱中症のサインとして挙げています。

  • めまい・立ちくらみ、顔のほてり
  • 筋肉のこむら返り(筋肉痛)
  • 体のだるさ、吐き気
  • 汗のかきかたの異常(大量に出る/逆に出ない)
  • 体温が高い、皮膚の異常(赤い・乾いている)
  • 呼びかけへの反応がおかしい、まっすぐ歩けない
  • 自分で水分を補給できない

乳幼児では、機嫌が悪い・ぐったりする・顔が赤い、または逆に青白い、汗が出ない、応答が鈍いといった「いつもと違う様子」が重要なサインになります。

注意

意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が鈍い、けいれんしている、自分で水分が取れないといった場合は、緊急性が高い状態です。ためらわず救急(119)を要請してください。

熱中症のサインは、こども家庭庁の情報を参考にしています。実際の判断は個々の状態によって異なります。

応急処置の手順と受診の判断

「もしかして熱中症かも」と思ったら、まず涼しい環境に移し、体を冷やすことが基本です。こども家庭庁が示す対応をもとに手順を整理します。

  1. 1

    涼しい場所へ移す

    エアコンの効いた室内や、風通しのよい日陰など、涼しい場所へ速やかに移動させます。
  2. 2

    衣服をゆるめて体を冷やす

    衣服をゆるめて熱を逃がし、冷たい濡れタオルで体を拭きます。わきの下・首の周り・太ももの付け根(足の付け根)など、太い血管のあるところを冷やすと体温が下がりやすいとされています。
  3. 3

    水分を補給する

    意識がはっきりしていて自分で飲めるなら、冷たい水分を少しずつ与えます。意識がはっきりしない・嘔吐があるときは、無理に飲ませないでください(誤嚥の危険があります)。
  4. 4

    改善しなければ受診・救急

    応急処置をしても症状が改善しない、ぐったりしている、意識がおかしいといった場合は、ためらわず医療機関を受診するか救急(119)を要請します。

応急処置(涼しい場所へ移す・太い血管のあるところを冷やす・意識障害があるときは水分を与えず救急要請)は、こども家庭庁の情報を参考にしています。

判断に迷うときは、ひとりで抱え込まず相談窓口を活用してください。

  • 子ども医療電話相談(#8000):小児科医・看護師に相談できる窓口。受診の必要性に迷ったときに(対応時間は都道府県により異なります)。
  • 日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」:気になる症状から、家庭での対応や受診の目安を確認できるウェブサービス。
  • 緊急時は迷わず119番:意識障害・けいれん・呼吸の異常などがあるとき。

受診の目安の確認には日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」が利用できます。子どもの急病・事故への対応は同学会の「救急」ページも参考になります。

「こんなことで連絡してよいのか」とためらう必要はありません。乳幼児の状態は急に変わることがあるため、迷ったら早めに相談するという姿勢が安心につながります。

よくある質問

赤ちゃんに水やお茶で水分補給してもいいですか?
月齢によって異なります。低月齢の赤ちゃんは母乳・ミルクが水分補給の基本です。離乳が進んでいれば白湯や麦茶を少量ずつ与えることが一般的ですが、与え方に迷うときはかかりつけ医や自治体の相談窓口に確認してください。
エアコンの設定温度は何度がいいですか?
一律の正解はありません。締め切った部屋では室温・湿度が上がるため、エアコンや扇風機で室温の上昇を抑えつつ、子どもが暑がっていないか・冷えすぎていないかを見て調整します。気温と湿度をこまめに確認することが大切です。
曇りの日や夕方なら外遊びは安全ですか?
曇りや夕方でも気温・湿度が高ければ熱中症は起こります。暑さ指数(WBGT)は気温だけでなく湿度なども考慮した指標なので、環境省の熱中症予防情報サイトや熱中症警戒アラートを確認して判断しましょう。
車にほんの数分なら子どもを残しても大丈夫ですか?
短時間でも避けてください。夏場の車内は短時間で高温になり、命に関わります。子どもは自分で車外に出られません。短い時間であっても車内に残さないことが大切です。
汗をたくさんかいたら塩分も必要ですか?
大量に汗をかいたときは塩分の補給も意識されますが、乳幼児に与える飲み物の種類・量・濃度を自己判断で決めるのは避けましょう。経口補水液を使う場合の可否や量は、心配なときに医療機関へ相談すると安心です。
熱中症かどうか分からないとき、どこに相談すればいいですか?
受診の必要性に迷うときは子ども医療電話相談(#8000)や日本小児科学会「こどもの救急」が利用できます。意識がはっきりしない・けいれん・呼吸の異常などがある場合は、迷わず119番を要請してください。

まとめ

乳幼児の熱中症対策で大切なのは、「大人より暑さに弱い」という前提に立って先回りで環境を整えること、そして「いつもと違う」と感じたら早めに動くことです。

夏のおでかけ・暮らしのチェックリスト

  • 短時間でも子どもを車内に残さない
  • 出かける前に暑さ指数(WBGT)・熱中症警戒アラートを確認した
  • のどの渇きを感じる前にこまめに水分補給をしている
  • 通気性のよい服装・帽子・日よけ(ベビーカーのサンシェード)を用意した
  • 室内はエアコン・扇風機で室温と湿度を管理している
  • 顔色・機嫌・汗のかきかたなど『いつもと違う様子』を観察している
  • 迷ったら#8000・こどもの救急・かかりつけ医、緊急時は119に連絡する

完璧に管理しようと気負いすぎる必要はありません。「子どもは大人より暑さに弱い」ことを頭の片隅に置き、涼しく・こまめに・早めに、を合言葉に夏を過ごしましょう。

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出典・参考

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