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子どもの急性中耳炎|乳幼児のサイン・受診の目安・抗菌薬をすぐ使わないことがある理由

対象の目安: 0〜6歳ごろ

カナデ発達・おでかけ担当
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子どもの急性中耳炎|乳幼児のサイン・受診の目安・抗菌薬をすぐ使わないことがある理由

かぜをひいて数日、急に夜中に泣いて起きるようになった。しきりに耳を触る。朝起きたら枕に耳だれがついていた——中耳炎のなかでもっとも多いのが急性中耳炎です。3歳までに50〜70%の子どもが少なくとも一度は経験するといわれます。小さい子は「耳が痛い」と言葉にできないため、機嫌の悪さや夜泣きだけがサインになることも珍しくありません。この記事では、なぜ乳幼児が中耳炎になりやすいのか、どんなサインで気づけるのか、受診の目安、そして「軽症なら抗菌薬をすぐには使わずに様子を見る」という近年の治療の考え方までを、日本耳科学会などによる診療ガイドラインをもとに整理しました。診断は鼓膜を見て行うもので家庭ではわかりません。判断に迷うときは、かかりつけの小児科や耳鼻咽喉科に相談してください。

急性中耳炎とはどんな病気か

急性中耳炎は、鼓膜の奥にある「中耳」に急に起きた感染症です。診療ガイドラインでは「急性に発症した中耳の感染症で、耳痛、発熱、耳漏(耳だれ)を伴うことがある」と定義され、急性の症状が続いている期間は3週を超えないものとされています。

きっかけになるのは、多くの場合かぜです。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、鼻の細菌やウイルスが鼻の奥から中耳につながる耳管を通って中耳に入り、炎症を引き起こすと説明しています。症状は耳の激しい痛み、聞こえの悪さ、耳がつまる感じで、中耳に膿がたまり、進むと鼓膜が破れて耳から膿が出てくることがあります。乳児では痛みを訴えられないので、機嫌が悪くぐずったりする、とも記されています。

中耳炎が鼻の細菌やウイルスが耳管を通って中耳に入り起こること、耳の激しい痛み・聞こえの悪さ・耳のつまり感、膿がたまり鼓膜が破れて耳だれが出ることがあること、乳児では機嫌の悪さとして現れることは、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「耳の病気」を参考にしています。急性中耳炎の定義は日本耳科学会ほか「小児急性中耳炎診療ガイドライン2024年版」、リード文の「3歳までに50〜70%の子どもが少なくとも一度は経験する」は国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター「子供の中耳炎ってどんな病気?」の解説によります。

耳の痛みという点では外耳炎と紛らわしいのですが、外耳炎は鼓膜より手前の外耳道の皮膚の炎症で、耳を引っぱると痛みが強まるのが手がかりです。原因も場所も違うので、下の記事もあわせて参考にしてください。

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なぜ乳幼児は中耳炎になりやすいのか

理由のひとつは耳管の構造です。小児滲出性中耳炎診療ガイドライン2022年版は、小児で急性中耳炎や滲出性中耳炎が多い理由として、成人に比べて小児の耳管がより短く、水平に近い角度にあり、機能も未熟なことから、中耳の換気機能や感染からの防御機能が劣ることを挙げています。国立病院機構の医療センターの解説でも、子どもの耳管は機能が未熟で、頭が小さい分だけ長さも短いため中耳に炎症が及びやすいと説明されています。

つまり、鼻の奥に感染が起きたときに、その菌が耳へ「上がりやすい」構造をしているということ。中耳炎が単独で起こるというより、かぜや鼻づまりの延長線上にあると考えるとイメージしやすくなります。

成人に比べ小児の耳管がより短く水平に近い角度で機能も未熟であり、中耳の換気機能や感染からの防御機能が劣ることは、日本耳科学会・日本小児耳鼻咽喉科学会「小児滲出性中耳炎診療ガイドライン2022年版」の概要(病態)によります。

もうひとつは免疫の未熟さです。急性中耳炎のガイドラインは、乳幼児期は宿主の免疫能が発達の途上にあり、原因菌に対する特異的な免疫応答が未成熟な時期であるため急性中耳炎を繰り返しやすい、と述べています。年少児ほど重症化しやすい傾向も指摘されています。

メモ

急性中耳炎の主な原因菌には肺炎球菌と「インフルエンザ菌」があります。名前は似ていますが、インフルエンザ菌は冬に流行するインフルエンザウイルスとは別の細菌です。混同されやすいので覚えておくと、説明を受けたときに理解しやすくなります。

言葉で言えない子のサインを見逃さない

診療ガイドラインは、耳痛は急性中耳炎に伴う代表的な症状だが年長児しか訴えられず、発語前の年少児では耳を押さえる・こする・ひっぱるなどの動作や啼泣から耳痛の存在を推測する、としています。ただしこれらは急性中耳炎に特異的な症状ではない、とも明記されています。あくまで「受診のきっかけ」として使い、決めつけないことが大切です。

よくあるサイン気づきやすい場面
耳をよく触る・こする・ひっぱる授乳中、寝入りばな、機嫌が悪いとき
理由のわからない機嫌の悪さ・泣き止まないかぜをひいて数日たったころ
夜泣きが急に増えた・寝つきが悪い横になると痛みが強まりやすい時間帯
発熱かぜの熱が下がりかけて再び上がるとき
耳だれ(耳から膿のような分泌物)朝の枕、寝起きの耳のまわり
呼びかけへの反応がにぶい・聞き返すテレビの音量、後ろからの声かけ
「鼻水が続いていて、そのうち夜中に何度も泣くようになりました。かぜのぶり返しかと思っていたら、耳鼻科で中耳炎と言われて驚いた」という声はよく聞かれます。かぜのあとに夜泣きや不機嫌が急に増えたときは、耳も候補に入れて受診時に伝えると診察の助けになります。
1歳児の保護者

注意

次のようなときは、家庭で様子を見続けず早めに受診してください。

  • 眠れないほど強く耳を痛がる、痛みがだんだん強くなる
  • 耳だれが出ている
  • 高い熱が続く、ぐったりして元気がない、水分がとれない
  • 耳の後ろが赤くはれている、はれて押すと痛がる
  • 呼びかけへの反応がにぶい、聞こえにくそうな状態が続く
  • 生後間もない乳児で発熱している

意識がはっきりしない、けいれんが続く、呼吸が苦しそうなど緊急性が高いときは、迷わず救急(119)を要請してください。夜間・休日の判断に迷うときは子ども医療電話相談(#8000)や日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」も活用できます。

抗菌薬をすぐ使わないことがあるのはなぜか

「中耳炎=抗菌薬」というイメージを持つ方は多いのですが、日本のガイドラインは2006年の初版から、抗菌薬を必要で有用な症例に限定するという方針を貫いています。背景にあるのは薬剤耐性(AMR)対策です。

診断と治療方針は、耳鏡などで鼓膜を見て決められます。2024年版では、年齢(24か月未満)・耳痛・体温・啼泣や不機嫌・鼓膜の発赤・鼓膜の膨隆・耳漏の7項目を点数化し、合計5点以下を軽症、6〜11点を中等症、12点以上を重症と分類します。そのうえで軽症例に限り、抗菌薬を投与せず3日間経過観察することが推奨されています(推奨の強さ:推奨、エビデンスの質:B)。改善しなければ抗菌薬を開始します。

メモ

点数の付け方には「年齢24か月未満で3点」が含まれます。つまり2歳未満はそれだけで軽症の枠に収まりにくく、経過観察の対象になりにくい設計です。「様子を見ましょう」と言われるかどうかは年齢と鼓膜の状態で変わる、と理解しておくと納得しやすくなります。

重症度スコアの項目と軽症5点以下・中等症6〜11点・重症12点以上という区分、軽症例に抗菌薬を投与しない考え方は、林達哉「小児急性中耳炎診療ガイドライン2024年版 改訂のポイント」(日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌)および同ガイドライン本文によります。実際の治療方針は鼓膜所見を含めた診察で医師が判断します。

なお、ガイドラインは抗菌薬非投与の前提として「3日後に臨床所見の評価が可能であること」を挙げ、非投与の際は厳重な経過観察が重要としています。「様子を見ましょう」は放置してよいという意味ではなく、指示された日に再受診することがセットだと考えてください。

痛み止めについても記載があります。耳痛に対する抗菌薬の鎮痛効果は不明とされ、鎮痛を主目的とした抗菌薬治療は推奨されていません。日本では小児の鎮痛薬としてアセトアミノフェンが選択肢になるとされていますが、量や使い方は年齢・体重で異なるため、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。

膿がたまって症状が強いときには、鼓膜を小さく切って膿を出す鼓膜切開が行われることもあります。ガイドラインでは重症度に応じて推奨される処置と位置づけられています。

家庭でできるケア

治療の主役は医療機関ですが、家庭での過ごし方も回復や再発のしやすさに関わります。

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    鼻のケアを丁寧にする

    中耳炎は鼻の感染に続いて起こります。ガイドラインでは、鼻の病気を併発している場合に鼻処置を併せて行うことが治療の選択肢とされています(エビデンスは十分ではないとの注記付き)。家庭では、鼻をかめる子はこまめにかむ、かめない子は鼻吸引器でやさしく吸う。強くかむと耳に圧がかかるので、片方ずつ静かにかむのが基本です。
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    痛みがつらいときの姿勢と休息

    横になると痛みが強まることがあります。上体を少し高くする、痛がる側を下にしないなど、本人が楽な姿勢を探します。痛み止めの使用は自己判断せず、受診時に相談しておくと夜間に慌てずにすみます。
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    耳だれは拭き取るだけにとどめる

    耳だれが出たら、耳の入り口を清潔なガーゼやタオルでそっと拭く程度にします。綿棒で奥まで拭き取ろうとすると刺激になります。耳だれは受診が必要なサインなので、拭いて終わりにせず耳鼻咽喉科へ。
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    入浴・プールは指示を確認する

    入浴の可否や水遊び・プールの再開時期は、鼓膜の状態(切開したか、穴が開いているか、チューブが入っているか)によって変わります。一律の正解はないので、必ず診察時に確認してください。

注意

処方された抗菌薬は、症状が軽くなっても自己判断で中断しないでください。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、中途半端な使用は耐性菌を作ってしまうため、効果を確認しながらある程度の日数しっかり使う必要があると説明しています。逆に、余った薬を次のかぜのときに自己判断で飲ませることも避けましょう。

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繰り返すとき・聞こえが気になるとき

急性中耳炎を何度も繰り返す状態は「反復性中耳炎」と呼ばれ、ガイドラインでは「過去6か月以内に3回以上、12か月以内に4回以上の急性中耳炎に罹患する場合」と定義されています。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、そのリスク因子として2歳未満、耐性菌感染、集団保育の利用、兄弟姉妹がいること、母乳哺乳をしなかったこと、家族内に喫煙者がいること、おしゃぶりの使用を挙げています。繰り返す場合には、鼓膜換気チューブ留置が治療として推奨されています。

もうひとつ知っておきたいのが滲出性中耳炎です。急性の炎症症状(耳痛や発熱)がないまま中耳に液体がたまり、難聴の原因になる中耳炎で、痛みがないぶん気づかれにくいのが特徴です。就学前に90%が一度は罹患するという報告があり、小児の難聴を引き起こす最大の原因とされています。ほとんどは3か月以内に自然に治りますが、長期に未治療の状態が続くと難聴による言語発達の遅れや学習の妨げが生じることが懸念されています。

滲出性中耳炎が耳痛や発熱のない中耳炎であること、就学前に90%が一度は罹患するという報告があり小児の難聴の最大の原因とされること、ほとんどが3か月以内に自然治癒すること、長期未治療で言語発達の遅れや学習の妨げが懸念されることは「小児滲出性中耳炎診療ガイドライン2022年版」によります。反復性中耳炎の定義と鼓膜換気チューブの推奨は「小児急性中耳炎診療ガイドライン2024年版」、リスク因子は日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「反復性中耳炎」によります。

治療は、鼓膜に病的な変化がなければ発症から3か月間は経過観察が強く推奨され、遷延する場合に鼓膜換気チューブ留置術などが検討されます。チューブを入れておく期間について、ガイドラインは難治化のリスクを伴わない例では留置は通常2年程度とするとしており、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も2年以内に自然に抜けてくることが大半だと説明しています。目的は難聴の改善で、チューブを入れない場合と比べて9か月ごろまでは聞こえが良好ですが、その後その差は徐々に小さくなると報告されています。ことばの発達への効果については、チューブを入れた群と待機した群で有意な差が認められなかったとする研究が複数あり、研究によって結果が分かれています。テレビの音量が大きい、呼びかけに気づきにくい、ことばが増えにくいといった様子が続くときは、性格やペースの問題と決めつけず、一度聞こえの確認を受けておくと安心です。

留置期間を「難治化のリスクを伴わない例では通常2年程度とする」とすること(CQ8)、チューブ留置により9か月ごろまでは聴力が良好でその後その差が徐々に小さくなること、言語の理解・表出に有意な差が認められなかった研究があること(CQ6)は「小児滲出性中耳炎診療ガイドライン2022年版」によります。2年以内に自然に抜けてくることが大半という説明は日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「滲出性中耳炎」Q3によります。手術の適応や抜去の時期は、聴力と鼓膜の状態をみて主治医が判断します。

予防のためにできること

完全に防ぐことはできませんが、リスクを下げる方向の工夫はあります。

中耳炎を繰り返しにくくするために

  • 家庭内でたばこの煙にさらさない。家族内の喫煙は反復性中耳炎のリスク因子として挙げられている
  • かぜのときは鼻のケアを丁寧に。鼻水をためこまず、かめない子は吸引器も活用する
  • 小児用肺炎球菌ワクチン(PCV)を含む定期接種のスケジュールを守る
  • おしゃぶりの使用はリスク因子のひとつとして挙げられている。卒業の時期を家族で話し合っておく
  • 集団保育ではかぜをもらう機会が増える。手洗いなど基本の感染対策を家庭でも習慣にする
  • 受診時は『いつからのかぜか』『耳を触りはじめた日』を伝えられるようにしておく

ワクチンについては、ガイドラインが肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)は小児急性中耳炎の予防に有用であると推奨しています(推奨の強さ:推奨、エビデンスの質:B)。一方で、ワクチンに含まれない血清型の肺炎球菌やインフルエンザ菌による急性中耳炎の増加といった限界も指摘されており、「ワクチンを打てば中耳炎にならない」わけではありません。それでも、中耳炎の軽症化や反復化の予防といった恩恵が期待できるとされています。

肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)が小児急性中耳炎の予防に有用であること、非ワクチン血清型やインフルエンザ菌による中耳炎の増加という限界、中耳炎の軽症化・反復化予防の恩恵は「小児急性中耳炎診療ガイドライン2024年版」CQ2-1によります。接種の判断は個々の状況によるため、かかりつけ医にご相談ください。

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よくある質問

かぜのあと何日くらいで中耳炎になりますか?
決まった日数はありません。急性中耳炎は先行する呼吸器感染、とくに鼻や副鼻腔の感染に続いて起こることが知られており、かぜをひいて数日たったころに耳の症状が出てくることが多いとされます。かぜが治りかけているのに機嫌が悪い、夜泣きが増えた、熱がぶり返したというときは、耳の可能性も考えて受診時に経過を伝えてください。
「抗菌薬なしで3日様子を見ましょう」と言われました。放っておいて大丈夫?
放置してよいという意味ではありません。ガイドラインは軽症例に限って3日間の抗菌薬非投与を推奨していますが、その前提として3日後に医師が症状と鼓膜を評価できることを挙げ、非投与の際は厳重な経過観察が重要としています。指示された日に必ず再受診し、その前でも痛みが強まる・熱が上がる・耳だれが出るなど悪化のサインがあれば早めに連絡してください。
耳だれが出ました。鼓膜が破れたということですか?
中耳にたまった膿の圧で鼓膜が破れ、耳から膿が出てくることがあります。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、症状が進むと鼓膜が破れて耳から膿が出てくることがあると説明しています。多くは治療とともに落ち着きますが、耳だれは受診が必要なサインです。綿棒で奥を拭かず、入り口をそっと拭いて耳鼻咽喉科を受診してください。
お風呂やプールはどうすればいいですか?
鼓膜の状態によって変わるため、一律の答えはありません。鼓膜切開をした場合、耳だれが出ている場合、鼓膜換気チューブが入っている場合で扱いが異なります。参考までに、滲出性中耳炎のガイドラインではチューブ留置中に耳栓を常時使用することは勧めるべきでないとされる一方、湖や海での水泳、プールでの深い潜水などは避けるよう指導すべきとされています。実際の可否は主治医に確認してください。
何度も繰り返します。体質でしょうか?
乳幼児期は免疫応答が未成熟で繰り返しやすい時期とされています。過去6か月以内に3回以上、12か月以内に4回以上の急性中耳炎があると反復性中耳炎と定義され、2歳未満・集団保育・兄弟姉妹の存在・家族内の喫煙者・おしゃぶりの使用などがリスク因子として挙げられています。治療の選択肢として鼓膜換気チューブ留置が推奨されているので、繰り返すときは耳鼻咽喉科でこれまでの回数を伝えて相談しましょう。
痛がっていないのに聞こえが悪そうです。中耳炎の可能性はありますか?
滲出性中耳炎の可能性があります。耳痛や発熱といった急性の炎症症状がないまま中耳に液体がたまる状態で、痛みがないため気づかれにくく、小児の難聴の最大の原因とされています。テレビの音量が大きい、呼びかけに反応しにくい、ことばが増えにくいといった様子が続くときは、耳鼻咽喉科で聞こえを確認してもらうと安心です。
耳を触るしぐさがあれば中耳炎ですか?
そうとは限りません。ガイドラインも、耳を押さえる・こする・ひっぱるといった動作や啼泣から耳痛を推測するが、いずれも急性中耳炎に特異的な症状ではないと明記しています。眠いとき、かゆいとき、耳あかが気になるときにも同じしぐさが出ます。診断は鼓膜を見て行うものなので、気になるときは受診して確認してもらうのが確実です。

まとめ

急性中耳炎は、かぜに続いて起こる中耳の感染症です。乳幼児は耳管が短く水平に近い角度で機能も未熟なため、鼻の菌が中耳へ届きやすく、中耳炎になりやすい時期にあります。言葉で伝えられない子は、耳を触る・機嫌が悪い・夜泣き・発熱・耳だれといったサインが手がかりです。

治療については、日本のガイドラインが早くから抗菌薬の適正使用を掲げており、鼓膜所見を含めた重症度判定で軽症とされた場合に限り、3日間の経過観察が推奨されています。これは放置ではなく、必ず再評価とセットの方針です。繰り返す場合や、痛みがないまま聞こえが気になる場合は、ことばの発達にも関わるため早めに耳鼻咽喉科へ相談してください。

子どもの中耳炎で押さえておきたいこと

  • かぜのあとの夜泣き・不機嫌・発熱は耳も候補に入れる
  • 耳だれ・強い痛み・耳の後ろのはれ・ぐったりは早めの受診サイン
  • 軽症の3日間経過観察は再受診とセット。悪化したらすぐ連絡する
  • 抗菌薬は自己判断で中断しない・使い回さない
  • 鼻のケアと受動喫煙を避けることが日常の予防につながる
  • 痛みがなくても聞こえが気になるときは滲出性中耳炎を疑って相談する

耳の中は家庭では見えません。「いつもと違う」と感じたら、様子見の期間を自分で決めてしまわず、かかりつけの小児科や耳鼻咽喉科に相談してください。夜間や休日で迷うときは#8000も頼りにしましょう。

出典・参考

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