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子どもの鼻のかみ方の練習|いつから・遊びで覚える教え方ステップと注意点

対象の目安: 2〜6歳ごろ

ミナト編集長 / 生活リズム・時短担当
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子どもの鼻のかみ方の練習|いつから・遊びで覚える教え方ステップと注意点

「かんで、と言ってもズズッとすすってしまう」「ティッシュを当てても口から息を出すだけ」——鼻をかむのは、大人には無意識の動作でも、子どもにとっては「口を閉じたまま鼻から息を出す」というかなり高度な技です。だからこそ、言葉で説明するより遊びの中で体感させるほうが早く身につきます。この記事では、練習を始める時期の目安と、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が紹介しているティッシュの短冊を使った練習法をもとに、家庭で無理なく進めるステップをまとめました。注意点やまだかめない時期の代わりのケア、受診の目安もあわせて整理します。

鼻をかめるようになる時期の目安(早見表)

「何歳でできて当たり前」という基準はありません。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の解説でも、鼻のかみ方の教え方は3歳児のケースとして紹介されています。下の表は見取り図として使ってください。

年齢の目安このころの様子家庭でできること
0〜1歳ごろ自分ではかめない。鼻がつまると授乳や睡眠が苦しくなりやすい鼻吸い器で吸い取る。拭き取りと保湿で鼻の下を守る
1〜2歳ごろ口で吹くことができ始める。鼻から息を出す感覚はまだ難しい吹く遊び(シャボン玉・紙を吹き飛ばす)で「息を出す」を楽しむ
2〜3歳ごろ片鼻を押さえて鼻息を出す練習が始めやすい時期ティッシュの短冊を鼻息で動かす遊びを取り入れる
3〜4歳ごろ遊びの延長で「かめた」経験が増えてくる実際にティッシュを当ててかむ。できた瞬間をことばで認める
4〜6歳ごろ自分で気づいてかめる子が増える。園でも自分で対応する場面が出てくる左右交互に・静かにかむ習慣づけ。ティッシュの始末まで一緒に

メモ

表より早い子も、ゆっくりな子もいます。かめないこと自体が心配な状態を意味するわけではないので、「今できないから遅れている」と受け取らないでください。

基本は「口を閉じて・片方ずつ・静かに」

鼻のかみ方には、おさえておきたい原則があります。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、幼児の鼻のケアについて「鼻はすすらずに、片方ずつ静かにかむことが大切です」と説明しています。ポイントは3つです。

  • 口を閉じる: 口が開いていると息が口から抜けてしまい、鼻から出ません。まず口を閉じることが出発点です。
  • 片方ずつ: 一方の小鼻を指で軽く押さえ、反対側から出します。終わったら左右を替えて、交互に繰り返します。
  • 静かに、何回かに分けて: 一気に力いっぱい出そうとせず、少しずつ出します。出しきれなくても、しばらくしてからもう一度で構いません。

「鼻はすすらずに、片方ずつ静かにかむことが大切です」という基本は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「幼児の鼻副鼻腔炎」の解説を参照しています。

遊びで覚える練習ステップ

いきなり「かんでごらん」と言っても、子どもは何を求められているのか分かりません。「鼻から息を出す」感覚を、遊びを通して切り分けて体験させるのが近道です。学会が紹介している短冊を使った方法を、家庭で進めやすい順に並べました。

  1. 1

    ティッシュで短冊を作る

    ティッシュペーパーを細く裂いて、ひらひらする短冊を作ります。子どもと一緒に作るところから始めると、それだけで遊びになります。
  2. 2

    口で吹いて動かす

    短冊を口の前に垂らし、口で吹いて動かします。「息を吐くと物が動く」ことを目で見て楽しむ段階です。シャボン玉など、吹く遊びと組み合わせても構いません。
  3. 3

    鼻の前に垂らして、口を閉じる

    今度は短冊を鼻の前に垂らし、「お口はぎゅっと閉じてね」と伝えます。口を閉じることさえできれば半分は成功です。
  4. 4

    片方の鼻を押さえて鼻息を出す

    大人が子どもの片方の小鼻を指で軽く塞ぎ、もう片方の鼻から息を出して短冊を動かす練習をします。ふわっと揺れたら、すぐ一緒に喜びましょう。
  5. 5

    ろうそくを吹き消すまねっこ遊び

    紙に描いたろうそくや折り紙のケーキを用意し、鼻息で「ふーっ」と消すまねをして遊びます。実際の火はやけどの危険があるので絶対に使わず、絵やおもちゃで代用してください。
  6. 6

    実際にティッシュを当ててかむ

    鼻息が出せるようになったら、ティッシュを鼻に当てて同じことをします。左右を交互に、静かに。出たら大げさなくらい褒めて、捨てるところまで一緒にやると習慣になります。

ヒント

練習は、鼻水が出ていない機嫌のよいときに、短時間だけ行うのがおすすめです。鼻水でつらいときに練習させようとすると「鼻のかみ方=嫌なもの」になりやすいからです。1日1〜2分、遊びとして続けるほうが結果的に早く身につきます。

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強くかみすぎない・両鼻いっぺんにかまない

注意

鼻のかみ方で気をつけたいのは、力の入れすぎと両鼻同時です。次の点を大人も一緒に見直してみてください。

  • 両方の鼻を一度に、力いっぱいかむ
  • 出るまで何度も強くかみ続ける
  • 鼻水をズズッとすすって奥へ戻す

鼻の奥は、耳管という細い管で耳(中耳)とつながっています。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、急性中耳炎について「鼻の細菌やウイルスが、鼻の奥から中耳につながる耳管を通って中耳に入り、炎症を引き起こします」と説明しています。また、鼻副鼻腔炎が「鼻とつながっている中耳に影響をおよぼし、急性中耳炎、滲出性中耳炎をきたすこともあります」とも述べられています。だからこそ、鼻の中のものは奥へ戻さず、静かに外へ出すのが基本になります。

耳管を通じて鼻から中耳へ炎症が及ぶ経路は日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「耳の病気」、中耳への影響は同「小児の鼻副鼻腔炎」を参照しています。かみ方と中耳炎の関係を家庭で断定できるものではありませんが、鼻を良い状態に保つことは耳の負担を減らす方向に働きます。

鼻すすりの癖と、鼻づまりで眠れないときの家庭ケア

「かむのは面倒だから、すすって済ませる」——これは子どもによくある癖です。叱るより、鼻をかむハードルを下げるほうが効果的。手の届くところにティッシュを置く、捨てるゴミ箱を子どもの高さに用意するなど、動線を整えるだけでも「すする前にかむ」に変わっていきます。

鼻づまりで眠りにくい夜は、部屋の環境も影響します。東京都こども医療ガイドは、鼻水・鼻づまりへの対処として市販の鼻水吸引器を使うこと、部屋の湿度を保つことを挙げています。湯気で鼻の中がしっとりする入浴後は鼻水を出しやすいタイミングとしてよく挙げられるので、練習や吸引をお風呂上がりに設定するのも一つの手です。蒸しタオルを鼻の付け根にあてる方法もありますが、やけどを防ぐため必ず大人が温度を確かめ、子どもの顔に長く置いたままにしないでください。

鼻水吸引器の使用・室内の湿度を保つこと・鼻の下がかぶれたときのケアは、東京都保健医療局「東京都こども医療ガイド(鼻水、鼻づまり)」を参照しています。同ガイドは1歳以下では鼻づまりで呼吸が苦しくなりやすい点にも注意を促しています。

メモ

鼻うがい(生理食塩水による鼻の洗浄)は、後鼻漏などに効果的なことがある一方、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、洗浄液の温度・濃度・やり方を間違えると鼻の粘膜や耳を痛める可能性があるため、耳鼻咽喉科医の指導の下に行う必要があるとしています。自己判断で子どもに試さないでください。

まだかめない時期の代わりのケア

自分でかめないうちは、大人が出してあげるのが基本です。学会の解説では、自分で鼻をかめない小さな子どもの場合は器具を使って鼻汁を吸い取ること、そして大人の口で子どもの鼻を直接吸うのはやめることが示されています。チューブ式・電動式など種類はいろいろですが、どれを使うにしても「短時間で切り上げる」「嫌がったら無理に続けない」を守ると、子どもが鼻ケアそのものを嫌いにならずに済みます。

拭き取りにもコツがあります。こすらず、やわらかいティッシュやガーゼで押さえるように取ること。鼻の下は皮膚が薄く、繰り返し拭くとかぶれやすい場所です。東京都こども医療ガイドも、鼻の下がかぶれたりただれたりしたときは、きれいなガーゼで拭いたり軟膏を塗って肌を保護したりするよう案内しています。ひどくなる前にワセリンなどで保護しておくと、拭くたびに痛がる悪循環を避けやすくなります。

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つまずき・困ったとき

「ティッシュを当てると口で息を出してしまう」「そもそも鼻を触られるのを嫌がって逃げる」「片鼻を押さえると怒る」——こうした声はとてもよく聞かれます。うまくいかない日があっても、練習をやめる必要はありません。
2〜4歳児の保護者

口から息が出てしまう子には、まず口を閉じることだけを課題にしてみてください。「ほっぺをふくらませて、お口はチャック」と伝え、鼻から息が出たかは短冊の動きで確認します。鼻を触られるのが嫌な子には、大人が自分の鼻でお手本を見せる、人形の鼻をかんであげるごっこ遊びを挟む、といった遠回りが有効です。

片鼻を押さえられるのを嫌がるなら、押さえずに両鼻から静かに息を出すところから始めても構いません。力を入れさせないことのほうが優先度は高く、「そっと、ふーっ」だけ守れていれば十分です。半年たってもできなくても、それ自体は珍しいことではありません。

受診の目安

鼻の症状は、家庭のケアだけで様子を見てよいものと、専門家に診てもらったほうがよいものがあります。次のようなときは、耳鼻咽喉科や小児科に相談してみてください。

  • 黄色や緑色のねばっこい鼻水が続く、鼻づまりが長引く
  • 耳を痛がる、耳を気にしてさわる、機嫌が悪い日が続く(乳幼児は痛みをうまく訴えられません)
  • 呼びかけへの反応が鈍い、テレビの音が大きい、聞こえにくそう
  • においが分かりにくそう、食欲が落ちている
  • 大きないびきや、寝ているときの口呼吸・息が止まるような様子が続く
  • 鼻血が繰り返し出る、片方の鼻だけ強くつまる・においがある

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、鼻づまりが続くと、においが分からなくなる、口呼吸になる、いびきや集中力の低下といった影響が出ることがあり、小児では学業や成長にも影響が出ることがあると説明しています。また、痛みを伴わない滲出性中耳炎は、子どもが聞こえの悪さに気づかないことがあるため注意が必要ともされています。気になるときは早めに相談するのが安心です。

鼻づまりが続いたときの影響については日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻の症状」、滲出性中耳炎の気づきにくさについては同「耳の病気」を参照しています。ここに挙げたのは受診を検討する目安であり、診断は医療機関が行うものです。

よくある質問

鼻をかむ練習は何歳から始めればいいですか?
おおむね2〜3歳ごろが一つの目安です。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の解説でも、鼻のかみ方の教え方は3歳児のケースとして紹介されています。ただし身につく時期の個人差はとても大きく、4〜5歳でようやくできる子も珍しくありません。まずは口で吹く遊びから始め、できたときに一緒に喜ぶ形で進めてください。
口から息が出てしまい、鼻から出せません
口を閉じることだけを課題にしてみましょう。「ほっぺをふくらませて、お口はチャック」と伝え、鼻の前に垂らしたティッシュの短冊が動くかどうかで確認します。鼻から出す感覚がつかめれば、ティッシュを当ててかむのは自然にできるようになります。焦らず、1日数分の遊びとして続けるのがコツです。
鼻をすする癖はやめさせたほうがいいですか?
学会は「鼻はすすらずに、片方ずつ静かにかむことが大切」としています。鼻の奥は耳管で中耳とつながっており、鼻の状態は耳や副鼻腔にも影響しうる場所です。叱るよりも、ティッシュとゴミ箱を子どもの手の届く高さに置くなど、かむハードルを下げるほうが効果的です。すすったことを責めず、かめたときを認めてあげてください。
強くかむと中耳炎になりますか?
家庭で因果を断定することはできません。ただし学会は、急性中耳炎について鼻の細菌やウイルスが耳管を通って中耳に入り炎症を起こすと説明し、鼻副鼻腔炎が中耳に影響して急性中耳炎や滲出性中耳炎をきたすこともあるとしています。力いっぱい一度にかむのではなく、片方ずつ静かに、何回かに分けて出すことをおすすめします。耳を痛がるときは耳鼻咽喉科へ相談してください。
まだかめないのに鼻水がひどいときはどうすれば?
鼻吸い器などの器具で吸い取ってあげてください。学会は、自分でかめない小さな子どもには器具を使い、大人が口で直接吸うのはやめるよう案内しています。あわせて部屋の湿度を保つ、入浴後など鼻水がやわらかいタイミングを選ぶといった工夫も助けになります。苦しそうな様子が続くときは受診しましょう。
鼻の下が赤くただれてしまいました
こすらず押さえるように拭くことと、保護がポイントです。東京都こども医療ガイドは、鼻の下がかぶれたりただれたりしたときは、きれいなガーゼで拭いたり軟膏を塗って肌を保護したりするよう案内しています。やわらかいティッシュに替える、拭いたあとにワセリンなどを薄く塗るといった対応で、悪化を防ぎやすくなります。範囲が広がる・ジュクジュクするときは医療機関に相談してください。
園ではかめているのに家ではやりません
よくあることです。園ではみんながやっているので自然に流れに乗れる一方、家では甘えが出るのが理由と考えられます。無理に「園ではできるでしょう」と比べず、家でもティッシュの置き場所を決める、かんだら自分で捨てるところまでを一連の流れにするなど、環境を整えると定着しやすくなります。

まとめ

鼻をかむのは、口を閉じたまま鼻から息を出すという、子どもにとっては新しい体の使い方です。だからこそ、言葉で教え込むより、ティッシュの短冊を鼻息で動かす遊びのように、感覚をつかめる小さなステップに分けるのが近道になります。基本は「口を閉じて・片方ずつ・静かに」。強く一気にかまず、すすらず外へ出す。それだけ守れていれば十分です。

鼻のかみ方の練習チェックリスト

  • 口で吹く遊び(シャボン玉・紙を吹き飛ばす)を楽しめているか
  • ティッシュの短冊を鼻の前に垂らして、口を閉じられているか
  • 片方の小鼻を軽く押さえ、反対側から静かに息を出せているか
  • 一気に強くかまず、左右交互に何回かに分けて出しているか
  • ティッシュとゴミ箱が子どもの手の届く場所にあるか
  • 鼻の下の拭き方と保湿で、かぶれを防げているか
  • まだかめないときは器具で吸い取り、口で直接吸っていないか

うまくいかない日があっても、それは「練習中」というだけのことです。焦らずに、できた瞬間を一緒に喜びながら進めていきましょう。鼻水が長く続く、耳を痛がる、聞こえにくそうといった気がかりがあるときは、家庭で抱え込まず、かかりつけの小児科や耳鼻咽喉科に相談してください。

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