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子どものぎんなん中毒と秋の毒きのこ|茶碗蒸しや公園の拾い食いから小さな子を守る、症状・受診の目安と予防

対象の目安: 1〜6歳ごろ(特に5歳以下)

カナデ・発達・おでかけ担当
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子どものぎんなん中毒と秋の毒きのこ|茶碗蒸しや公園の拾い食いから小さな子を守る、症状・受診の目安と予防

茶碗蒸しに入っていた、炒ったものを大人がおつまみにしていた、公園で黄色い実を拾ってきた——ぎんなんは、秋になると子どもの手の届くところに自然と現れる食べ物です。栄養のある秋の味覚ですが、食べすぎると嘔吐やけいれんを起こすことがあり、日本中毒情報センターの「中毒110番」には、秋になるとぎんなんの相談が増えます。同センターは、小さな子どもにはぎんなんを食べさせないよう呼びかけています。同じ季節、公園の芝生や植え込みには毒のあるきのこも顔を出します。この記事では、日本中毒情報センター、東京都保健医療局、厚生労働省、農林水産省などの資料をもとに、ぎんなん中毒の仕組みと症状、毒きのこへの備え、口に入れてしまったときの相談先を整理しました。怖がらせるための記事ではありません。知っていれば防げることがほとんどなので、秋の食卓とお散歩の前に一度目を通してみてください。

秋の自然毒、まずは全体像

秋に子どもの身近に現れる「自然の毒」は、ぎんなんときのこが代表です。どちらも「食べ物に見える」「子どもの目線の高さや足元にある」という共通点があります。ほかにも、道ばたの黒い実などが気になることがあります。

身近な自然毒子どもが出会う場面起こりうること家庭でできる予防
ぎんなん(イチョウの種子の中身)茶碗蒸し、炒りぎんなん、大人のおつまみ、祖父母の家の食卓嘔吐、下痢、けいれんなど(食べすぎで)小さな子には食べさせない。取り分けない。手の届く所に置かない
イチョウの実の外側(くさい果肉の部分)公園や街路樹の下で拾う触れるとかぶれ(アレルギー性皮膚炎)を起こすことがある素手で触らせない。触ったらよく手を洗う
公園・庭のきのこ芝生、植え込み、花壇、散歩道嘔吐・腹痛・下痢など。種類によっては触るだけで痛みや腫れ見分けようとしない。触らない・採らない・口に入れさせない
ヨウシュヤマゴボウなどの実道ばた、空き地、荒れ地吐き気、嘔吐、下痢など実をつぶしたり口に入れたりさせない

ぎんなんの症状と外果皮のかぶれは東京都保健医療局「食品衛生の窓」の「ギンナン」、きのこは農林水産省「『公園でキノコ』をみつけたよ!食べられる?」と東京都「オオシロカラカサタケ」、ヨウシュヤマゴボウは東京都「ヨウシュヤマゴボウ」によります。場面と予防の欄は編集部の整理です。

どんぐりや落ち葉を使った秋の遊び方は別の記事にまとめています。この記事は「口に入れると危ないもの」に絞ってお伝えします。

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ぎんなん中毒はなぜ起こるのか

ぎんなんはイチョウの種子で、日本中毒情報センターによると旬は9月から11月ごろ。でんぷん、カロテン、ビタミンCなどを含む栄養価の高い食材です。それでも中毒が起こるのは、ぎんなんに4'-O-メチルピリドキシン(4'-メトキシピリドキシンとも表記されます)という有毒成分が含まれているためです。

この成分はビタミンB6とよく似た形をしています。ビタミンB6は、脳の中で神経の信号を伝える物質をつくるのに欠かせない栄養素です。似た形の成分が入ってくるとビタミンB6のはたらきが邪魔され、東京都保健医療局の説明では、数時間のうちにビタミンB6が足りない状態になって中毒が起こると考えられています。日本中毒情報センターは、これによって中枢神経系(脳)が異常に興奮すると説明しています。けいれんが起こりやすいのは、このためです。

旬、栄養、有毒成分の名前と作用、中枢神経系の異常興奮は日本中毒情報センター「ギンナンの食べ過ぎに注意しましょう!」(2025年11月)の情報提供資料、ビタミンB6が脳内の神経伝達物質の生成に重要であること、数時間のうちにビタミンB6欠乏症となって中毒になると考えられていることは東京都保健医療局「食品衛生の窓」の「ギンナン」によります。

加熱しても毒は消えない

「火を通せば大丈夫」と考えたくなりますが、ぎんなんには当てはまりません。日本中毒情報センターは、この有毒成分は熱に強く、煮る、焼くなど加熱調理しても消失しないとしています。茶碗蒸しの中のぎんなんも、殻ごと炒ったぎんなんも、「火が通っているから安心」とはならないということです。

薬学雑誌に掲載された銀杏中毒の研究総説(2019年)にも、2歳1か月の男の子が、祖母と一緒にオーブンで加熱調理した銀杏を20〜30個食べ、10時間後に嘔吐、12時間後に全身のけいれんを起こした症例が紹介されています。家族で秋の味覚を楽しむ、ごくふつうの場面から起きている点が大切です。

「何個までなら安全」とは言えない理由

「子どもは何個まで?」という質問はとても多いのですが、日本中毒情報センターは、一度に何個までなら食べても大丈夫と一概には言えないとしています。そのうえで、5歳以下の小児では6〜7個、大人では約50個食べてけいれんが出現した例があると示しています。

一概に言えないのには理由があります。日本中毒情報センターによると、大人でも大量に食べると中毒を起こすことがあり、偏食や飲酒などでビタミンB6が足りない状態では、少ない量でも症状が出る可能性があります。つまり同じ個数でも、体の大きさやその時の栄養の状態で結果が変わるということです。体の小さい子どもほど、少ない個数で影響が出やすいと考えておくのが安全です。

資料に載っている例食べた量経過
5歳以下の小児(日本中毒情報センター)6〜7個けいれんが出現した例がある
1歳の男の子(東京都)約7時間でおよそ50個3時間後に全身性けいれん
2歳の女の子(東京都)50〜60個7時間後に嘔吐・下痢、9時間後に全身性けいれん
2歳1か月の男の子(薬学雑誌の総説)加熱調理したもの20〜30個10時間後に嘔吐、12時間後に全身のけいれん
41歳の女性(東京都)60個4時間後から嘔吐・下痢・両腕のふるえ

加熱しても消失しないこと、何個までなら大丈夫と一概に言えないこと、5歳以下で6〜7個・大人で約50個でけいれんの例があること、ビタミンB6欠乏状態では少量でも症状が出る可能性があることは日本中毒情報センターの前掲資料、1歳・2歳・41歳の例は東京都保健医療局「食品衛生の窓」の「ギンナン」、2歳1か月の症例は小林大祐「ビタミンB6欠乏症を引き起こす銀杏中毒に関する研究」(薬学雑誌139巻1号、2019年)によります。表の例は「この個数なら安全」という目安ではありません。

秋に相談が増え、小さな子には「食べさせない」

日本中毒情報センターによると、中毒110番には秋になるとぎんなんに関する相談が増えます。月別の相談件数や患者の年齢層といった詳しいデータは、同センターの情報提供資料(PDF)に載っているので、気になる方は記事末尾の「出典・参考」から確認してください。

そのうえで日本中毒情報センターは事故防止のために「小さな子どもにはギンナンを食べさせないようにしましょう」と呼びかけています。大人についても、一度に何十個も食べる、毎日たくさん食べるなどの食べすぎをしないよう注意しています。

メモ

「5歳以下の子どもには食べさせない」という言い回しを見かけることがありますが、これは消費者庁が硬い豆やナッツ類の窒息・誤嚥(ごえん)を防ぐために使っている表現で、ぎんなん中毒について日本中毒情報センターが使っている表現は「小さな子どもには食べさせない」です。消費者庁は、奥歯が生えそろわずかみ砕く力が弱い5歳以下の子どもには、豆やナッツ類など硬くてかみ砕く必要のある食品を食べさせないよう呼びかけています。ぎんなんは中毒と飲み込みの両面から、未就学のうちは「あえて食べさせなくてよい食べ物」と考えておくとシンプルです。

秋に相談が増えることと事故防止の呼びかけは日本中毒情報センター「ギンナンの食べ過ぎに注意しましょう!」(2025年11月)のページ、5歳以下に硬い豆やナッツ類を食べさせないという表現は消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故に注意!」によります。消費者庁の資料はぎんなんを名指ししたものではなく、両方をあわせて「未就学のうちは食べさせなくてよい」とまとめたのは編集部の考えです。

窒息・誤嚥を防ぐ食べ物の形や大きさ、詰まらせたときの応急手当は、別の記事で詳しく整理しています。

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症状と、出てくるまでの時間

東京都保健医療局は、ぎんなんを一度に多く食べると、嘔吐、下痢、呼吸困難、けいれんなどを起こすことがあるとしています。薬学雑誌の総説も、ぎんなん中毒の主な症状は全身のけいれんと嘔吐だとまとめています。

気をつけたいのは、症状がすぐに出るとは限らないことです。上の表のとおり、資料に載っている例では食べてから3時間後、7〜9時間後、10〜12時間後と幅があります。夕食の茶碗蒸しで食べた場合、症状が出るのが夜中や明け方になることもありえます。

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    食べた量と時刻をメモする

    「何個くらい」「何時ごろ」「生か加熱したものか」を書き留めます。はっきりしなくても、おおよそで構いません。残っているぎんなんや料理があれば、捨てずにとっておきます。
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    少量でも、その日は夜まで様子を見る

    吐き気、嘔吐、ぐったりする、いつもと違う興奮やふるえがないかを見ます。症状が遅れて出た例があるため、寝ている間も気にかけられるようにしておくと安心です。
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    迷ったら相談、重ければ119番

    受診すべきか判断に迷うときは、症状がなくても中毒110番に相談できます。けいれん、呼びかけへの反応が悪い、呼吸が苦しそうなときは、ためらわず救急車を呼びます(窓口は後述の早見表)。

症状は東京都保健医療局「食品衛生の窓」の「ギンナン」と小林大祐「ビタミンB6欠乏症を引き起こす銀杏中毒に関する研究」(薬学雑誌、2019年)、受診に迷ったら中毒110番へという案内は日本中毒情報センターの前掲資料によります。メモや様子の見方の手順は編集部の整理です。

薬学雑誌の総説は、治療ではビタミンB6製剤の投与が有用であることが示されてきたとし、日本の死亡例は1950年代をピークに減って1969年以降は報告されておらず、現在では予後は良好とされていると紹介しています。早めに相談・受診すれば、必要以上に怖がる病気ではありません。

注意

子どものけいれんを初めて見ると、誰でも動揺します。けいれんが起きたら、周りの危ないものをどけて、体の左右どちらかを下にして横向きに寝かせ、舌をかまないようにと割り箸などを口に入れることはせず、様子と時間を見ながら119番に電話してください。ぎんなんを食べたことは、救急隊と医師に必ず伝えます。

横向きに寝かせて観察すること、割り箸などを口に入れないことは日本医師会「白クマ先生の子ども診療所」の「けいれん」の案内、けいれんなど重篤な症状では直ちに救急車を呼ぶことは日本中毒情報センター「中毒事故が起こったら」によります。

けいれんが起きたときの見守り方や、救急車を呼ぶ目安は、熱性けいれんの記事でも詳しく整理しています(原因は違っても、その場での対応の基本は共通です)。

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食卓でうっかり、を防ぐ

ぎんなん中毒の多くは、特別な事故ではなく、ふつうの食卓で起こります。大人にとっては「ほんの数個」でも、小さな子どもの体にとっては違います。

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    茶碗蒸しは子どもの分からぎんなんを抜く

    取り分けるときに、子どもの器にはぎんなんを入れないか、入っていたら取り出してから出します。お店の茶碗蒸しやお弁当、お節料理にも入っていることがあります。
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    炒りぎんなんは大人だけの席で

    大人のおつまみとして食卓に出したぎんなんを、子どもが「ちょうだい」と手を伸ばすのはよくある場面です。子どもがいる時間は出さない、出すなら手の届かない位置に置きます。
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    買ったもの・拾ったものは高い場所へ

    殻つきのぎんなんや、下処理したものを台所に置いたままにしないようにします。殻をむいた後の実は、子どもから見るとおやつのように見えます。
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    祖父母や親戚にも一言伝える

    「少しなら大丈夫」と考える大人は少なくありません。帰省やお泊まりの前に「うちは小さいうちはぎんなんは食べさせないことにしている」と一言伝えておくと、行き違いを防げます。

小さな子どもに食べさせないという方針は日本中毒情報センターの前掲資料の呼びかけに沿ったもので、具体的な場面と工夫は編集部の整理です。日本中毒情報センターは、何個までなら大丈夫と一概には言えないとしています。

秋の旬の食材を子どもと楽しむ食育のアイデアは、別の記事でまとめています。ぎんなんは「見る・触る(殻つきのまま大人と一緒に)」で季節を感じる題材にとどめると安心です。

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公園で拾うとき:くさい果肉は「かぶれる」

秋の公園や街路樹の下には、黄色く熟したイチョウの実がたくさん落ちています。東京都保健医療局によると、この実には特有の悪臭があり、触れると外側の果肉(外果皮)に含まれるビロボールという成分が原因でアレルギー性皮膚炎を起こすことがあります。私たちが食べるぎんなんは、この果肉を取り除いた、かたい殻の中の淡い黄色の部分です。

子どもは珍しいものを拾って握りしめたり、つぶしてにおいをかいだりしがちです。拾うのは大人の役目にして、子どもには素手で触らせないのが基本。触ってしまったら、せっけんと流水で手をよく洗い、そのまま目や口をこすらないように声をかけます。赤み、かゆみ、ぶつぶつが出てきたら、かかりつけの小児科や皮膚科に相談してください。

ヒント

お散歩の途中ならウェットティッシュでふき取り、帰宅後にもう一度せっけんで洗うと安心です。家族でぎんなん拾いをするなら、大人は使い捨て手袋やポリ袋を用意しておくと扱いやすくなります。

外果皮の悪臭とビロボールによるアレルギー性皮膚炎、食用部分の説明は東京都保健医療局「食品衛生の窓」の「ギンナン」によります。手洗い・手袋などの具体的な対処は、皮膚に触れるとかぶれるという性質をふまえた編集部の提案です。

公園や庭の毒きのこ:「見分けない」が正解

雨が続いた後の秋の公園では、芝生や植え込みにきのこがよく生えます。食品安全委員会によると、きのこによる食中毒はほぼ9割が毎年秋(9月から11月)に集中して起きていて、発生場所はほとんどが家庭です。厚生労働省は、令和6年に毒きのこによる食中毒と思われる事件が19件発生し、1件で死亡者が出たとしています。厚生労働省の食中毒統計では、令和7年も毒きのこによる食中毒が16件(患者46人)起きていて、原因はツキヨタケが9件と最も多くなっています。多くは食用と間違えて採ったきのこを家庭で食べたケースですが、子どもにとっては、身近な公園のきのこが入り口になります。

農林水産省は子ども向けのページで、秋の公園には家で食べているきのこにそっくりなものや、赤や白のかわいらしいきのこも生えているとしたうえで、詳しい人が大丈夫だと判断できないきのこは「とったり」「食べたり」「だれかにあげたり」しないよう呼びかけています。さらに、さわっただけでも痛みを感じたり腫れたりするきのこが街中の公園でも見つかっているとして、見かけても絶対にさわらないよう注意しています。

都市の公園に多いオオシロカラカサタケ

東京都保健医療局は、公園の芝生や道路わきの草地に生えるオオシロカラカサタケを毒きのことして紹介しています。かさの表面は白く、その上に茶色いうろこ状のものがあり、ひだは成熟すると緑色から暗い緑褐色になります。熱帯から亜熱帯性のきのこですが、地球温暖化の影響で都内でもよく見られるようになったとされ、時期は春から秋、中毒症状は嘔吐、腹痛、下痢などです。

足立区は公園内のきのこについて、見慣れないきのこを見つけても絶対に触ったり食べたりしないこと、小さな子どもから目を離さずきのこに近づかないよう注意を促すこと、万が一食べたり触って体調に異変を感じたりしたらすぐに医療機関を受診することを呼びかけています。

見た目や言い伝えで判断しない

食品安全委員会は、外見で毒きのこを見分けることは困難だとしています。目黒区は、よく聞く見分け方の多くを「迷信」として次のように整理しています。

よく聞く言い伝え実際
柄が縦に裂けるものは食べられる迷信。ほとんどの毒きのこの柄も縦に裂ける
地味な色のきのこは食べられる迷信。毒きのこのほとんどは地味な色。色で判断はできない
虫が食べているきのこは食べられる迷信。毒きのこでも虫は食べる
ナスと一緒に料理すれば食べられる迷信。毒成分は減らない
干して乾燥すれば食べられる迷信。乾燥しても毒成分は分解されない

厚生労働省も、インターネットなどの画像検索の結果から食べられると判断するのは危険だとしています。子どもが「これ、しいたけ?」と聞いてきても、図鑑やスマートフォンで調べて答え合わせをする必要はありません。「公園のきのこは見るだけ。触らないし、食べない」とひとつのルールで伝えるほうが、子どもにも分かりやすく確実です。

発生時期と場所、外見での見分けが困難なことは食品安全委員会「毒キノコによる食中毒にご注意ください」、令和6年の件数と画像検索での判断が危険なことは厚生労働省「食中毒予防:毒キノコに要注意!」、令和7年の件数と種類は厚生労働省「令和7年食中毒発生状況の概要」(食中毒統計調査)、子どもへの呼びかけと触るだけで痛みや腫れが出るきのこは農林水産省の子ども向けページ、オオシロカラカサタケは東京都保健医療局「オオシロカラカサタケ」、公園での注意は足立区「公園内のキノコにご注意ください」(2026年8月25日更新)、迷信の表は目黒区「ちょっと待って!それ毒キノコかも」によります。

メモ

きのこ以外にも、道ばたや空き地に生えるヨウシュヤマゴボウは、熟すと黒くなる実に濃い赤紫色の汁を含み、東京都保健医療局は果実や根の誤食で吐き気・嘔吐・下痢などが起こるとしています。色水遊びに使いたくなる見た目ですが、実をつぶしたり口に入れたりしないよう伝えておきましょう。

口に入れてしまったときの対応

ぎんなんでもきのこでも、「食べたかもしれない」と気づいたときの動き方は共通です。日本中毒情報センターの家庭での対応をもとに整理します。

  1. 1

    口の中に残っているものを取り除く

    あわてずに、口の中に残っているものがあれば取り除き、口をすすいでうがいをします。うがいが難しい年齢なら、ぬれたガーゼなどでふき取ります。
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    家で無理に吐かせない

    日本中毒情報センターは、家庭で吐かせることは勧められていないとしています。吐いたものが気管に入ってしまうことがあり危険だからです。指を入れる、塩水を飲ませるといった民間療法もしないでください。
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    何を、どれだけ、いつ食べたかを確かめる

    ぎんなんなら個数と時刻、きのこなら残りや同じ場所に生えていたものを、ポリ袋などに入れて持っていけるようにします。目黒区は、きのこを食べて受診するときは、残っていれば持参すると治療の参考になるとしています。
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    重い症状があれば、すぐ119番

    意識がない、けいれんを起こしているなど重篤な症状がある場合は、日本中毒情報センターも直ちに救急車を呼ぶよう案内しています。
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    症状がなく判断に迷うなら、中毒110番へ

    実際に口に入れた事故が起きていれば、症状がなくても相談できます。夜間・休日で、子どもの様子そのものが心配なときは#8000(子ども医療電話相談)も使えます。

口の中のものを取り除いて口をすすぐこと、家庭で吐かせることは勧められていないこととその理由、重篤な症状では直ちに救急車を呼ぶことは日本中毒情報センター「中毒事故が起こったら」、きのこの残りを持参することは目黒区「ちょっと待って!それ毒キノコかも」によります。

相談窓口の早見表

窓口電話番号受付こんなときに
救急車11924時間けいれん、意識がおかしい、呼吸が苦しそう
大阪中毒110番(一般専用)072-727-2499365日24時間口に入れたが受診すべきか判断に迷う
つくば中毒110番(一般専用)029-852-9999365日24時間同上(どちらにかけても構いません)
子ども医療電話相談#8000実施時間帯は都道府県により異なる夜間・休日に、子どもの症状を見て受診すべきか迷う

中毒110番(一般向け)の情報提供料は無料で、動植物の毒などによる急性中毒について、実際に事故が起きている場合に限って情報提供するサービスです。年齢・体重、食べたもの、量、時刻、今の様子を聞かれるので、残りを手元に用意してかけるとスムーズです。事故が起きていない段階の「何個まで食べさせていいか」といった質問は、かかりつけ医に相談しましょう。

#8000は全国共通の番号で、住んでいる都道府県の相談窓口につながり、小児科医師・看護師から症状に応じた対処の仕方や受診する病院などのアドバイスを受けられます。

中毒110番の電話番号、365日24時間対応、一般の情報提供料が無料であること、対象が実際に事故が発生している急性中毒であること、問い合わせ時に伝える内容は日本中毒情報センター「中毒110番・電話サービス(一般専用)」(2026年9月確認)、#8000の内容は厚生労働省「子どもの症状は♯8000」、実施時間帯が都道府県で異なることは同「子ども医療電話相談事業(#8000)について」によります。電話番号は変更されることがあるため、スマートフォンに登録する前に公式ページで確認してください。

困ったとき・迷ったとき

「お正月の茶碗蒸しで、祖母が子どもの分にもぎんなんを入れてくれていて、気づいたときには2個食べていました。すぐ吐かせたほうがいいのか、様子を見ていいのか分からず、ネットで検索して余計に不安になってしまった」という声はよく聞かれます。
2歳児の保護者

このような場面では、まず家で吐かせようとしないこと。食べた個数と時刻を確認し、その日は夜まで様子を見ます。「何個なら大丈夫」とは言えないので、心配なら遠慮せず中毒110番に電話して、その子の年齢と体重に合わせた判断を聞くのが近道です。「様子を見てよい」と言われた後でも、嘔吐やふるえ、けいれんが出たら受診・救急に切り替えます。

「公園できのこを触った手をなめたかもしれない」というときも同じで、口の中をすすぎ、手をよく洗い、そのきのこの写真か一部を持ち帰っておきます。嘔吐や腹痛が出たらすぐ受診し、迷う段階なら中毒110番や#8000へ。

よくある質問

子どもは、ぎんなんを何個までなら食べても大丈夫ですか?
日本中毒情報センターは、一度に何個までなら大丈夫と一概には言えないとしています。5歳以下の小児では6〜7個でけいれんが出現した例があり、体の大きさや栄養の状態によっても変わるため、同センターは小さな子どもにはギンナンを食べさせないよう呼びかけています。未就学のうちは、あえて食べさせなくてよい食べ物と考えておくと安心です。
茶碗蒸しに入っていた1〜2個を食べてしまいました。どうすればいいですか?
家で無理に吐かせず、食べた個数と時刻をメモして、その日は夜まで様子を見てください。症状が数時間から半日ほどたって出た例もあります。嘔吐、ぐったりする、ふるえやけいれんが出たら受診や119番を。症状がなくても心配なときは、中毒110番(大阪072-727-2499、つくば029-852-9999、365日24時間)に相談できます。
よく加熱すれば安全になりますか?
なりません。日本中毒情報センターは、有毒成分の4'-O-メチルピリドキシンは熱に強く、煮る、焼くなど加熱調理しても消失しないとしています。薬学雑誌の総説でも、オーブンで加熱調理したぎんなん20〜30個を食べた2歳の子がけいれんを起こした症例が紹介されています。
公園のきのこを触ってしまいました。大丈夫でしょうか?
すぐにせっけんと流水で手を洗い、口や目をこすらないようにしてください。農林水産省は、さわっただけで痛みを感じたり腫れたりするきのこが街中の公園でも見つかっているとしています。皮膚の赤みや痛み、体調の変化があれば医療機関を受診し、そのきのこの写真や一部を持っていくと参考になります。
きのこの種類が分かれば、食べられるかどうか判断できますか?
家庭で判断するのはやめましょう。食品安全委員会は外見で毒きのこを見分けることは困難だとしており、厚生労働省は画像検索の結果から食べられると判断するのも危険だとしています。柄が縦に裂ける、色が地味、虫が食べているといった見分け方は迷信です。公園のきのこは見るだけ、と決めておくのが確実です。

まとめ

ぎんなんは秋の味覚ですが、小さな子どもにとっては数個でも中毒が起こりうる食べ物です。有毒成分は加熱しても消えず、「何個まで」という安全な目安もありません。公園のきのこも、見た目や言い伝えで判断できるものではありません。どちらも「子どもには食べさせない、口に入れさせない」と決めてしまえば、防ぐのは難しくありません。

秋の自然毒から子どもを守るチェックリスト

  • 小さな子どもにはぎんなんを食べさせない。茶碗蒸しは子どもの分から抜いて取り分ける
  • 炒りぎんなんや殻つきのぎんなんは、子どもの手の届かない場所に置く
  • 祖父母や親戚にも、小さいうちはぎんなんを食べさせない方針を伝えておく
  • イチョウの実の果肉は素手で触らせない。触ったらせっけんで手を洗う
  • 公園や庭のきのこは見分けようとしない。触らない・採らない・口に入れさせない
  • 口に入れたら、口の中のものを取り除いてすすぐ。家で無理に吐かせない
  • 食べたもの・量・時刻を確認し、残りがあれば持って相談や受診へ
  • けいれん・意識の変化・呼吸が苦しそうなら119番。迷うときは中毒110番(24時間)、夜間・休日は#8000

秋のお散歩や行楽は、子どもにとってたくさんの発見がある時間です。大人がそばで見守りながら、「見て楽しむもの」と「口に入れないもの」を一緒に確かめていけば、秋の自然はもっと安心して楽しめます。気になることがあれば、ひとりで抱えず、かかりつけの小児科や相談窓口を頼ってください。

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出典・参考

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