育児の時間
絵本・おもちゃ

英語絵本の選び方|0〜6歳、おうち英語の入り口は「英語の本」より「楽しい本」から

対象の目安: 0〜6歳

サキ知育・あそび担当
・ 約14分で読めます
英語絵本の選び方|0〜6歳、おうち英語の入り口は「英語の本」より「楽しい本」から

「そろそろ英語に触れさせたほうがいいのかな」と思ったとき、いちばん手を出しやすいのが英語絵本です。教材のように身構えなくていいし、失敗しても数百円から千円台。ただ、いざ売り場やネットで探すと、洋書のペーパーバックから日英併記の国内版、CD付き、アプリ連動まで種類が多くて、どれを買えば「読める」のか分からなくなります。この記事では、選ぶ前に決めておきたいこと、年齢別の選び方、比べるべき5つの軸、読み聞かせと「かけ流し」の位置づけまでを、公的資料と出版社の公開情報をもとに整理しました。家にある本を1冊増やす感覚で読んでもらえたらうれしいです。

英語絵本を選ぶ前に決めておきたいこと

最初に、家庭のなかでの位置づけを決めておくと迷いが減ります。おすすめは「英語の勉強」ではなく「絵本の棚のバリエーションを1つ増やす」という置き方です。

小学校の英語は、2017年告示の学習指導要領で第3学年からの外国語活動(年35単位時間)と高学年の教科化(年70単位時間)という形になりました。つまり就学前に何かを先取りしておかないと困る、という設計にはなっていません。

文部科学省「新学習指導要領全面実施に向けた小学校外国語に関する取組について」(令和元年9月4日・教育課程部会 資料2)の経緯欄に「小学校3年からの外国語活動(35単位時間/年)、高学年の教科化(70単位時間/年)」と記載されています。就学前の準備の要否については同資料に記述はなく、ここは編集部の解釈です。

英語絵本のゴールは「読めるようになる」ではなく「この絵がおもしろい」「この音が楽しい」で十分です。日本語の絵本を持ってきたらそれを読む、くらいの緩さで棚に混ぜておくのが長持ちします。

年齢別・英語絵本の選び方早見表

年齢の目安向いている絵本の特徴1ページの語数の目安ありがちなつまずき
0〜1歳擬音・リズム・同じ音の繰り返し。丈夫なボードブック0〜5語文が長い本を選んで親が疲れる
1〜3歳短い文+生活場面(食べ物・動物・おやすみ)。しかけつき5〜15語ストーリーが複雑で最後まで持たない
3〜6歳簡単な起承転結・歌・数や色の要素15〜40語訳しながら読んで話が途切れる

年齢は目安です。その子が繰り返し持ってくる本が「合っている本」。日本語の絵本の好みがはっきりしているなら、同じジャンル(乗り物・動物・食べ物)の英語版から入ると外しにくくなります。

あわせて読みたい

【月齢別】0〜1歳に読んであげたい絵本20選——はじめての1冊をどう選ぶ?

比べるべき5つの軸

  1. 1

    1ページの語数を数える

    まず1ページの語数を見ます。読み手が息継ぎなしで言い切れる長さかが基準。長いと親が先に飽きます。

  2. 2

    繰り返し構文があるか

    同じ文型が何度も出てくる本は、子どもが先に言えるようになります。「次のページ、言える!」という体験が続ける燃料になります。

  3. 3

    音源(CD・QRコード・アプリ)の有無

    発音に自信がないときの保険になります。ただし音源は「親の代わり」ではなく「親の補助」くらいの重みで考えます。

  4. 4

    日英併記にするかどうか

    併記版は意味が分かって安心な一方、子どもが日本語だけを聞きたがることもあります。最初の1冊は併記、慣れたら英語のみ、という順で試すのが無難です。

  5. 5

    絵だけで意味が推測できるか

    いちばん大事な軸。単語が分からなくても絵を見れば何が起きているか分かる本なら、訳さずに読めます。逆に絵と文が離れている本は難易度が跳ね上がります。

ヒント

迷ったら「絵だけで意味が推測できるか」を最優先にしてください。この1点を満たしていれば、語数が少し多くても読み聞かせは成立します。

最初の3冊に選ばれやすい定番

長く読まれている本ほど「繰り返し構文」「絵で分かる」を満たしていることが多く、最初の3冊に向いています。

Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?(Bill Martin Jr.文/Eric Carle絵)

広告
Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?(Bill Martin Jr.文/Eric Carle絵)

「◯◯, ◯◯, what do you see?」という同じ問いかけが動物を替えて繰り返される構成。出版社の紹介文でもビル・マーティンの歌うような文(singsong text)とエリック・カールのコラージュの組み合わせが特徴とされています。出版社の書誌ページの対象年齢表記は2〜5歳ですが、ボードブック版なら音の反復として低月齢から楽しめる、というのが編集部の見方です。最初の1冊の定番。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

The Very Hungry Caterpillar(Eric Carle)

広告
The Very Hungry Caterpillar(Eric Carle)

「はらぺこあおむし」の原書。1969年刊で、公式サイトでは食べ物のページに開いた穴、曜日、数、いも虫からちょうへの変化といった要素が紹介されています。日本語版を知っている子ほど絵から筋を追えるので、英語のみの版でも入りやすいのが利点。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

Dear Zoo(Rod Campbell)

広告
Dear Zoo(Rod Campbell)

1982年刊のしかけ絵本。出版社ページでは対象年齢3〜5歳・24ページと案内され、フラップをめくると動物園から送られてきた動物が現れる構成です。「めくる」動作そのものが目的になるので、じっと座るのが苦手な時期でも成立します。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

メモ

同じタイトルでもボードブック(厚紙)・ペーパーバック・大型版など複数の版があります。低年齢ほど、噛んだり引っ張ったりに耐えるボードブックが安心です。

読み聞かせのコツは「訳さない・上手に読まない・途中でやめる」

英語絵本でいちばん多いつまずきは、1文読むごとに日本語訳を挟んでしまうことです。話のテンポが切れて、子どもの集中も切れます。

  1. 1

    訳さない

    絵を指差して「ほら、くまさん」くらいの日本語は入れてOK。文単位の逐語訳はしません。意味は絵が説明してくれます。

  2. 2

    完璧な発音を目指さない

    親の発音の良し悪しより、目を合わせてやりとりが起きていることのほうが影響は大きいと考えられます。気になるなら音源を1回流して、あとは自分の声で読みます。

  3. 3

    途中でやめてよい

    最後まで読み切る必要はありません。3ページで閉じても「読んだ」に数えます。次に開くハードルを下げるほうが大事です。

  4. 4

    同じ本を何度も読む

    新しい本を増やすより、同じ本を繰り返すほうが子どもは先の展開を覚え、自分から言い始めます。飽きたように見えても、しばらく置くと戻ってくることがよくあります。

「発音が下手だから、私が読むと変な癖がつくのでは」と心配して、結局CDだけ流していた——という声はよく聞きます。でも子どもが覚えているのは、たいてい親の声で読んだページのほうです。

3歳児の保護者

あわせて読みたい

読み聞かせの始め方|0〜3歳が夢中になる進め方とコツ

かけ流しはどう位置づけるか

英語の音声を家で流しておく「かけ流し」は手軽ですが、これだけで話せるようになるものではありません。生後9か月前後の乳児を対象にした研究では、外国語話者と対面でやりとりした群では、その言語の音の聞き分けが保たれた一方、同じ話者・同じ内容を録画(音声+映像)や音声のみで聞かせた群では効果が認められませんでした。

Kuhl PK, Tsao FM, Liu HM「Foreign-language experience in infancy: Effects of short-term exposure and social interaction on phonetic learning」(PNAS, 2003)より。乳児期の一時期を対象にした実験であり、年長児や成人の音声教材の効果を否定した研究ではありません。

つまり、かけ流しは「読み聞かせの前後に音を思い出させる補助」くらいの位置づけが現実的です。動画で流す場合は画面時間の考え方も関わってきます。

WHOが2019年に公表した5歳未満の身体活動・座位行動・睡眠に関するガイドラインでは、1歳未満と1歳ではスクリーンタイム(座ってテレビや動画を見る、コンピューターゲームをするなど)は推奨されず、2歳では1時間以内、3〜4歳でも1時間以内で「少ないほどよい」とされています。そして、座って過ごす時間には養育者と一緒に本を読んだり話を聞かせたりすることが推奨される、と明記されています。

WHO「To grow up healthy, children need to sit less and play more」(2019年4月24日)の年齢別推奨より。「When sedentary, engaging in reading and storytelling with a caregiver is encouraged.」という記述が各年齢区分に置かれています。

国内でも、日本小児科医会「子どもとメディア」対策委員会の提言(2004年2月6日)が「2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう」「すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを目安と考えます」としています。英語だから例外、ということはありません。

日本小児科医会「子どもとメディア」対策委員会「『子どもとメディア』の問題に対する提言」(2004年2月6日)の具体的提言1・3より。同提言は英語教材について個別に述べたものではありません。

あわせて読みたい

子どものスクリーンタイム|年齢別の目安と上手な付き合い方

続かないときの立て直し方

英語絵本はたいてい2〜3週間で一度失速します。買い足すより、条件を下げるほうがうまくいきます。

  • 冊数を減らす:手元の1冊だけを寝る前の定位置に置き、他はしまう
  • 長さを減らす:見開き2ページだけ読む日を作る
  • 役割を変える:読むのをやめて、絵を見ながら日本語で好きなように話すだけの日にする
  • 時間帯を変える:寝る前がうまくいかないなら、朝の着替え待ちの3分に移す
  • 一度離れる:1か月しまってから出すと、新刊のように反応することがあります

注意

「毎日15分」のようなノルマは、達成できない日が続いた瞬間にやめる理由になります。目標を立てるなら「週に1回は英語の本を開く」くらいの、下振れしても崩れない設定にしてください。

どこで手に入れる?図書館・洋書店・中古

いきなり買わずに試せます。公共図書館の児童コーナーには英語絵本を置いているところが多く、国立国会図書館国際子ども図書館(東京・上野)でも国内外の児童書を閲覧できます。まず借りて、子どもが3回以上持ってきた本だけを買うと外れが減ります。定番タイトルは中古の流通量も多く、状態のよいものが見つかりやすい点も使えます。

買う前のチェックポイント

  • ボードブックかペーパーバックか(低年齢はボードブック)
  • 1ページの語数が、自分が声に出して読み切れる長さか
  • 絵だけで場面の意味が推測できるか
  • 繰り返しの文型があるか
  • 音源(CD・QRコード・アプリ)の有無と、その再生環境が家にあるか
  • 日英併記か英語のみか。併記なら日本語の分量が多すぎないか
  • 中古の場合、しかけ絵本はフラップの破れや欠けがないか
  • 同じタイトルの別サイズ(大型版)を重複して買っていないか

よくある質問

何歳から始めるのがいいですか?
「何歳から」という決まりはありません。日本語の絵本を読んでいるなら、その延長で棚に混ぜて大丈夫です。逆に、始める年齢が遅いから手遅れということもありません。
親が英語を話せなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。絵本の読み聞かせに必要なのは会話力ではなく、書いてある文を音にすることです。不安な語は音源で一度確認すれば十分で、読みながらの逐語訳はむしろ避けたほうがテンポが保てます。
子どもが日本語で意味を聞いてきたら?
答えてかまいません。ただし全文を訳すのではなく、聞かれた語だけ短く答えて読み進めます。毎回同じ語を聞いてくるなら、その本はまだ少し早い可能性があります。
日本語の絵本の時間が減ってしまいませんか?
英語絵本を増やすために日本語の絵本を削る必要はありません。母語での語りかけや読み聞かせが土台になるので、日本語の絵本を主、英語絵本を1冊足す形が現実的です。
英語の歌やアニメも見せていいですか?
画面を使うものは前述の画面時間の目安の中で判断したうえで、使い方を工夫すると無理がありません。歌はスマートスピーカーやCDなど画面を伴わない音源にすれば、着替えや朝食の時間に重ねられます。アニメを見るなら、親が横で「ねこが走ったね」「いまbyeって言ったよ」と場面を日本語で実況すると、一方通行になりにくくなります。見終わったあとに同じ歌やキャラクターが出てくる絵本を開くと、聞いた音とページが結びついて残りやすくなります。

まとめ

5つの軸(語数・繰り返し・音源・日英併記・絵で意味が分かるか)を押さえれば、そう外しません。選ぶことより続けるほうが難しいので、訳さない・上手に読まない・途中でやめてよい、という3つの許可を自分に出しておくと長持ちします。かけ流しや動画は補助で、主役は親の声とめくる手です。まずは図書館で1冊借りるところから。

あわせて読みたい

0〜2歳に人気の定番絵本3選|はじめての一冊・プレゼントにも

出典・参考

この記事をシェア

関連する記事