育児の時間
発達・健康

子どものスクリーンタイム|年齢別の目安と上手な付き合い方

対象の目安: 0〜4歳ごろ

カナデ発達・おでかけ担当
・ 約10分で読めます
子どものスクリーンタイム|年齢別の目安と上手な付き合い方

「動画を見せないと家事が回らない」「つい長い時間見せてしまって、これでいいのかな」。スマホやタブレットが当たり前にある今、スクリーンタイムの悩みはほとんどの家庭が抱えています。この記事では、WHOや日本小児科医会などが示している年齢別の目安と、その背景にある考え方、そして無理なく続けられる付き合い方を、できることに目を向けながら整理します。

年齢別・スクリーンタイムの目安(早見表)

公的機関や専門団体が示している目安を整理しました。いずれも「これを超えたらいけない」という線引きではなく、健やかな生活リズムを保つための参考値です。

年齢の目安主な目安出どころ
1歳未満画面(テレビ・動画など)の視聴は勧められていないWHO
1歳画面を使った視聴は勧められていないWHO
2歳画面の視聴は1日1時間以内、少ないほどよいWHO
3〜4歳画面の視聴は1日1時間以内、少ないほどよいWHO
乳幼児全般メディアに触れる総時間は1日2時間までが目安。2歳までの長時間視聴は控える日本小児科医会

1歳未満・1歳には画面を使った座位時間(sedentary screen time)を勧めない、2〜4歳は1日1時間以内・少ないほどよいとする記述は、WHO「5歳未満の子どもの身体活動・座位行動・睡眠に関するガイドライン(2019年)」を参照しています。

数字だけを見ると不安になるかもしれませんが、ここで大切なのは「少ないほどよい」「総量で考える」という方向性です。テレビ・動画・スマホ・タブレットを合わせた1日の合計でゆるやかに意識すれば十分で、1分単位で管理する必要はありません。

なぜ目安があるのか

目安が設けられているのは、画面を見ている時間が長くなると、その分だけほかの大切な体験の時間が減りやすいと考えられているためです。あくまで「関連が指摘されている」という段階の話で、見せたら必ず問題が起きるという意味ではありません。

  • 言葉のやりとり:乳幼児期は、人と顔を合わせて声をかけ合う双方向のやりとりが言葉の土台になります。一方向に流れる映像だけでは、その経験を十分には補いにくいといわれています。
  • 睡眠:就寝前の画面視聴は、寝つきや睡眠リズムに影響することが指摘されています。寝る前の時間帯はとくに控えめにするのが無難です。
  • 運動・外遊び:座って画面を見る時間が長くなるほど、体を動かす遊びの時間は減りやすくなります。WHOのガイドラインも、座位時間を減らし体を動かすこととセットで目安を示しています。
  • 目への負担:近い距離で長時間見続けることは目の負担になりやすいため、距離をとり、こまめに休けいをはさむことがすすめられています。

メモ

これらは「画面を見せると発達が遅れる」と決めつけるものではありません。あくまで、見る時間が増えるとほかの体験が押し出されやすいという関連が指摘されている、という受け止め方が適切です。過度に心配するより、生活全体のバランスを整える視点が役立ちます。

あわせて読みたい

言葉が遅い?1〜2歳の言語発達の目安と家庭でできる関わり方

上手な付き合い方

完全になくすことを目標にすると、かえって苦しくなります。ポイントは「だらだら見せない仕組み」を生活に組み込むことです。

時間と場所のルールを決める

「1日◯本まで」「リビングだけで見る」「ごはんの前に1本」など、家庭のルールをあらかじめ決めておくと、その都度の交渉が減って親も楽になります。こども家庭庁も、家庭でルールをつくり保護者が使い方を意識して管理することの大切さを啓発しています。

  1. 1

    見る時間帯と場所を決める

    「夕方の支度の間だけ」「リビングのソファで」など、見てよい場面を具体的に決めます。寝室やベビーカーの中など、習慣化しやすい場面は最初から外しておくと管理しやすくなります。
  2. 2

    終わりの合図を先に伝える

    「これが終わったらおしまいね」と始める前に約束します。タイマーや「あと1回」を見せる前に宣言しておくと、切り替えのトラブルが減ります。
  3. 3

    食事中と就寝前は避ける

    食事中は食べることや会話に集中でき、就寝前は寝つきを妨げにくくなります。この2つの場面を外すだけでも、全体の質がぐっと変わります。
  4. 4

    できれば一緒に見て会話を足す

    隣で「わんわんいたね」「次はどうなるかな」と声をかけると、一方向の視聴が双方向のやりとりに変わります。これを共視聴(共に見る)といいます。

共視聴で「やりとり」を足す

同じ動画でも、親が隣で言葉をかけながら見る共視聴は、子どもにとって体験の質が変わります。画面に出てきたものについて話したり、見終わったあとに関連する絵本を読んだり、体を動かす遊びにつなげたりすると、画面の時間が孤立せず生活の流れに溶け込みます。

ヒント

内容は年齢に合ったものを選びましょう。展開がゆっくりで、歌や繰り返しが多いもの、暴力的でないものが乳幼児には向いています。広告や次の動画が自動で流れ続ける設定は、終わりを決めにくくするのでオフにしておくと管理が楽です。

親自身の使い方も見直す

子どもは大人の様子をよく見ています。食事中や子どもと過ごす時間に親がスマホを見続けていると、それが子どもの基準になっていきます。完璧である必要はありませんが、「子どもと向き合う時間は親も画面を置く」と決めておくと、家庭全体のメリハリがつきやすくなります。

メディアに触れる総時間を1日2時間までを目安とすること、2歳までの長時間視聴や授乳中・食事中の視聴を控えること、保護者自身の使い方を意識することは、日本小児科医会「スマホに子守りをさせないで」リーフレットを参考にしています。

ゼロにできなくても大丈夫

ここまで目安を紹介してきましたが、現実の子育てでは、家事の合間や外出先、体調の悪い日など、動画に頼りたい場面は必ずあります。それは決して悪いことではありません。

「目安より見せてしまった日があると、自分を責めてしまう」「下の子の世話の間、つい長くなってしまう」という声はとても多いです。
2歳児の保護者

大切なのは1日単位での完璧さではなく、1週間や生活全体でゆるやかにバランスをとることです。見せた日があっても、別の時間に一緒に遊んだり外に出たりできていれば十分に整っています。目安はあくまで方向を示すもので、達成度を採点するものではありません。親が笑顔でいられることのほうが、子どもにとってずっと大切です。

注意

画面を見せること自体を強く心配する必要はありませんが、「呼びかけても反応が乏しい」「目が合いにくい」「言葉や関わりの育ちが気になる」といった点が続く場合は、スクリーンタイムだけの問題と決めつけず、1歳6か月健診・3歳児健診や、かかりつけの小児科、自治体の子育て・発達相談窓口へ相談してみてください。早めの相談が、適切なサポートにつながります。

あわせて読みたい

0歳から始める感覚遊び|月齢別おすすめ7選

よくある質問

目安の時間を超えてしまう日があります。問題ですか?
1日だけ超えたからといって、すぐに問題が起きるわけではありません。WHOや日本小児科医会の目安は「少ないほどよい」「総量で考える」という方向性を示すもので、1日単位の達成度を採点するものではありません。1週間や生活全体でゆるやかにバランスをとれていれば大丈夫です。
1歳未満には本当にまったく見せてはいけないのですか?
WHOは1歳未満には画面を使った視聴を勧めていません。ただし、これは禁止というより「この時期は人とのやりとりや体を動かす体験を優先したい」という考え方です。短時間ビデオ通話で祖父母と話すなどの双方向のやりとりは、一方向の視聴とは性質が異なります。神経質になりすぎず、長時間の見せっぱなしを避けることを意識しましょう。
教育的な動画やアプリならたくさん見せても大丈夫ですか?
内容が年齢に合っていることは大切ですが、教育的だからといって時間を無制限にしてよいわけではありません。乳幼児期は画面より、実際に手を動かす・人とやりとりする体験から学ぶことが多いとされています。見るときは親が一緒に声をかける共視聴にすると、学びにつながりやすくなります。
寝る前に動画を見せると寝つきが悪い気がします
就寝前の画面視聴は、寝つきや睡眠リズムに影響することが指摘されています。寝る前の30分〜1時間ほどは画面を避け、絵本やスキンシップなど穏やかな時間に切り替えると、寝つきやすくなることがあります。
見るのをやめさせると毎回ぐずります。どうすれば?
見始める前に「これが終わったらおしまい」と終わりを約束しておくのが効果的です。終わったあとに次の楽しみ(おやつ・外遊び・好きな遊び)を用意しておくと、切り替えがスムーズになります。広告や自動再生をオフにして、区切りを分かりやすくしておくのもおすすめです。
上の子に合わせて下の子も画面を見てしまいます
きょうだいがいると、下の子が早くから画面に触れるのはよくあることです。完全に分けるのは難しいので、できる範囲で下の子は近くで別の遊びをする、視聴時間を短めに区切るなど、無理のない工夫で十分です。一人で抱え込まず、現実的な落としどころを見つけましょう。

まとめ

スクリーンタイムは「ゼロか悪か」ではなく、生活の中でどうバランスをとるかという問題です。目安を知ったうえで、家庭に合ったルールをゆるやかに続けることが、いちばん長続きします。

スクリーンタイムと上手に付き合うチェックリスト

  • 見る時間帯と場所のルールを家庭で決めている
  • 食事中と就寝前は画面を避けている
  • 始める前に「終わり」を約束している
  • できるときは一緒に見て会話を足している(共視聴)
  • 年齢に合った内容を選び、自動再生はオフにしている
  • 親自身も子どもと向き合う時間は画面を置くようにしている
  • 気になることがあれば健診やかかりつけ医・相談窓口を調べている

目安はあくまで方向を示すもので、できなかった日を責めるためのものではありません。親子で笑顔でいられる時間を大切にしながら、無理のないペースで整えていきましょう。

出典・参考

この記事をシェア

関連する記事

発達・健康

乳幼児の窒息・誤嚥(ごえん)を防ぐ|危険な食べ物と、詰まらせたときの応急手当

乳幼児は食べ物やおもちゃで窒息・誤嚥を起こしやすいもの。豆やナッツ・ぶどう・ミニトマトなど注意したい食べ物と切り方、食べるときの環境づくり、誤飲を防ぐ家庭の工夫、詰まらせたときの背部叩打法・腹部突き上げ法・乳児の対応と119番のタイミングを、公的資料をもとにやさしくまとめました。