子どものスクリーンタイム|年齢別の目安と上手な付き合い方
対象の目安: 0〜4歳ごろ

「動画を見せないと家事が回らない」「つい長い時間見せてしまって、これでいいのかな」。スマホやタブレットが当たり前にある今、スクリーンタイムの悩みはほとんどの家庭が抱えています。この記事では、WHOや日本小児科医会などが示している年齢別の目安と、その背景にある考え方、そして無理なく続けられる付き合い方を、できることに目を向けながら整理します。
年齢別・スクリーンタイムの目安(早見表)
公的機関や専門団体が示している目安を整理しました。いずれも「これを超えたらいけない」という線引きではなく、健やかな生活リズムを保つための参考値です。
| 年齢の目安 | 主な目安 | 出どころ |
|---|---|---|
| 1歳未満 | 画面(テレビ・動画など)の視聴は勧められていない | WHO |
| 1歳 | 画面を使った視聴は勧められていない | WHO |
| 2歳 | 画面の視聴は1日1時間以内、少ないほどよい | WHO |
| 3〜4歳 | 画面の視聴は1日1時間以内、少ないほどよい | WHO |
| 乳幼児全般 | メディアに触れる総時間は1日2時間までが目安。2歳までの長時間視聴は控える | 日本小児科医会 |
数字だけを見ると不安になるかもしれませんが、ここで大切なのは「少ないほどよい」「総量で考える」という方向性です。テレビ・動画・スマホ・タブレットを合わせた1日の合計でゆるやかに意識すれば十分で、1分単位で管理する必要はありません。
なぜ目安があるのか
目安が設けられているのは、画面を見ている時間が長くなると、その分だけほかの大切な体験の時間が減りやすいと考えられているためです。あくまで「関連が指摘されている」という段階の話で、見せたら必ず問題が起きるという意味ではありません。
- 言葉のやりとり:乳幼児期は、人と顔を合わせて声をかけ合う双方向のやりとりが言葉の土台になります。一方向に流れる映像だけでは、その経験を十分には補いにくいといわれています。
- 睡眠:就寝前の画面視聴は、寝つきや睡眠リズムに影響することが指摘されています。寝る前の時間帯はとくに控えめにするのが無難です。
- 運動・外遊び:座って画面を見る時間が長くなるほど、体を動かす遊びの時間は減りやすくなります。WHOのガイドラインも、座位時間を減らし体を動かすこととセットで目安を示しています。
- 目への負担:近い距離で長時間見続けることは目の負担になりやすいため、距離をとり、こまめに休けいをはさむことがすすめられています。
メモ
これらは「画面を見せると発達が遅れる」と決めつけるものではありません。あくまで、見る時間が増えるとほかの体験が押し出されやすいという関連が指摘されている、という受け止め方が適切です。過度に心配するより、生活全体のバランスを整える視点が役立ちます。
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上手な付き合い方
完全になくすことを目標にすると、かえって苦しくなります。ポイントは「だらだら見せない仕組み」を生活に組み込むことです。
時間と場所のルールを決める
「1日◯本まで」「リビングだけで見る」「ごはんの前に1本」など、家庭のルールをあらかじめ決めておくと、その都度の交渉が減って親も楽になります。こども家庭庁も、家庭でルールをつくり保護者が使い方を意識して管理することの大切さを啓発しています。
- 1
見る時間帯と場所を決める
「夕方の支度の間だけ」「リビングのソファで」など、見てよい場面を具体的に決めます。寝室やベビーカーの中など、習慣化しやすい場面は最初から外しておくと管理しやすくなります。 - 2
終わりの合図を先に伝える
「これが終わったらおしまいね」と始める前に約束します。タイマーや「あと1回」を見せる前に宣言しておくと、切り替えのトラブルが減ります。 - 3
食事中と就寝前は避ける
食事中は食べることや会話に集中でき、就寝前は寝つきを妨げにくくなります。この2つの場面を外すだけでも、全体の質がぐっと変わります。 - 4
できれば一緒に見て会話を足す
隣で「わんわんいたね」「次はどうなるかな」と声をかけると、一方向の視聴が双方向のやりとりに変わります。これを共視聴(共に見る)といいます。
共視聴で「やりとり」を足す
同じ動画でも、親が隣で言葉をかけながら見る共視聴は、子どもにとって体験の質が変わります。画面に出てきたものについて話したり、見終わったあとに関連する絵本を読んだり、体を動かす遊びにつなげたりすると、画面の時間が孤立せず生活の流れに溶け込みます。
ヒント
内容は年齢に合ったものを選びましょう。展開がゆっくりで、歌や繰り返しが多いもの、暴力的でないものが乳幼児には向いています。広告や次の動画が自動で流れ続ける設定は、終わりを決めにくくするのでオフにしておくと管理が楽です。
親自身の使い方も見直す
子どもは大人の様子をよく見ています。食事中や子どもと過ごす時間に親がスマホを見続けていると、それが子どもの基準になっていきます。完璧である必要はありませんが、「子どもと向き合う時間は親も画面を置く」と決めておくと、家庭全体のメリハリがつきやすくなります。
ゼロにできなくても大丈夫
ここまで目安を紹介してきましたが、現実の子育てでは、家事の合間や外出先、体調の悪い日など、動画に頼りたい場面は必ずあります。それは決して悪いことではありません。
大切なのは1日単位での完璧さではなく、1週間や生活全体でゆるやかにバランスをとることです。見せた日があっても、別の時間に一緒に遊んだり外に出たりできていれば十分に整っています。目安はあくまで方向を示すもので、達成度を採点するものではありません。親が笑顔でいられることのほうが、子どもにとってずっと大切です。
注意
画面を見せること自体を強く心配する必要はありませんが、「呼びかけても反応が乏しい」「目が合いにくい」「言葉や関わりの育ちが気になる」といった点が続く場合は、スクリーンタイムだけの問題と決めつけず、1歳6か月健診・3歳児健診や、かかりつけの小児科、自治体の子育て・発達相談窓口へ相談してみてください。早めの相談が、適切なサポートにつながります。
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よくある質問
目安の時間を超えてしまう日があります。問題ですか?
1歳未満には本当にまったく見せてはいけないのですか?
教育的な動画やアプリならたくさん見せても大丈夫ですか?
寝る前に動画を見せると寝つきが悪い気がします
見るのをやめさせると毎回ぐずります。どうすれば?
上の子に合わせて下の子も画面を見てしまいます
まとめ
スクリーンタイムは「ゼロか悪か」ではなく、生活の中でどうバランスをとるかという問題です。目安を知ったうえで、家庭に合ったルールをゆるやかに続けることが、いちばん長続きします。
スクリーンタイムと上手に付き合うチェックリスト
- 見る時間帯と場所のルールを家庭で決めている
- 食事中と就寝前は画面を避けている
- 始める前に「終わり」を約束している
- できるときは一緒に見て会話を足している(共視聴)
- 年齢に合った内容を選び、自動再生はオフにしている
- 親自身も子どもと向き合う時間は画面を置くようにしている
- 気になることがあれば健診やかかりつけ医・相談窓口を調べている
目安はあくまで方向を示すもので、できなかった日を責めるためのものではありません。親子で笑顔でいられる時間を大切にしながら、無理のないペースで整えていきましょう。
出典・参考
- Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years of age/世界保健機関(WHO)
- Guidelines on Physical Activity, Sedentary Behaviour and Sleep for Children under 5 Years of Age(全文・NCBI Bookshelf)
- 「スマホに子守りをさせないで」リーフレット/日本小児科医会
- 子どもとメディア委員会/日本小児科医会
- インターネット利用に関する普及啓発コンテンツ/こども家庭庁
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