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上の子の赤ちゃん返り|原因と関わり方、保護者のケアまで

対象の目安: 1〜4歳ごろ(個人差あり)

カナデ発達・おでかけ担当
・ 約9分で読めます
上の子の赤ちゃん返り|原因と関わり方、保護者のケアまで

下の子が生まれた途端、上の子が急に甘えん坊になったり、できていたことをやらなくなったり。「赤ちゃん返り」と呼ばれるこの変化に、「どう接したらいいの」「私の関わり方が悪かったの」と戸惑う保護者は少なくありません。赤ちゃん返りは子どもが安心を取り戻そうとする自然な反応で、関わり方しだいで落ち着いていくことが多いものです。この記事では、起きる理由とよくあるサイン、関わり方のコツ、そして消耗しがちな保護者自身のケアまでを整理します。

赤ちゃん返りとは(よくあるサイン早見表)

赤ちゃん返りは、心理学では「退行」とも呼ばれ、できていたことが一時的にできなくなったり、より幼い行動に戻ったりする状態を指します。発達が後戻りしているわけではなく、不安なときに以前の安心できた状態に戻って気持ちを立て直そうとする、子どもなりの対処です。

よくあるサイン具体的な様子
甘え・くっつき「抱っこ」を頻繁に求める、後追いが増える、ひざに乗りたがる
生活面の退行おむつが外れていたのにおもらしが戻る、自分でできた着替え・食事をしたがらない
睡眠の乱れ夜泣きや寝ぐずりが増える、添い寝でないと眠れなくなる
言葉・態度赤ちゃん言葉に戻る、「いや」が増える、わざと困らせる行動
下の子への態度赤ちゃんを叩こうとする、近づくのを嫌がる/逆に過剰にかわいがる

これらは一つだけのこともあれば、いくつか重なって出ることもあります。どれも「困らせよう」としているのではなく、「自分を見てほしい」という気持ちの表れと捉えると、対応の糸口が見えてきます。

赤ちゃん返りの定義・主な行動・対応については、医師監修のベネッセ教育情報サイトの解説を参照しています。

なぜ起きるのか

下の子が生まれると、これまで自分に向いていた保護者の関心や時間が、どうしても赤ちゃんに割かれます。上の子にとっては、愛情を独り占めできていた状況が変わる大きな出来事です。「自分への愛情が減ったのではないか」という不安が、甘えや退行という形であらわれます。

ポイントは、これがしつけの失敗でも、上の子の性格の問題でもないということです。環境の変化に対して心が揺れるのはごく自然なことで、子どもが「それでも自分は愛されている」と確かめられれば、少しずつ落ち着いていきます。

「下の子が生まれてから上の子が急に手がかかるようになって、私の接し方が悪かったのかと落ち込んでしまう」という声はとてもよく聞かれます。多くの家庭で起こることで、あなただけではありません。
2人目を迎えた保護者

なお、引っ越しや入園など、出産以外の環境変化でも同じような退行が起こることがあります。赤ちゃん返りは「下の子の誕生」だけが原因とは限りません。

いつごろ・いつまで

起こりやすいのは、自我が育ちはじめる1〜3歳ごろが中心といわれますが、年齢の幅は広く、年中・年長の子に見られることもあります。程度も「少し甘えが増える」くらいから「生活全般が後戻りする」まで幅があり、個人差がとても大きいのが実際のところです。

期間も子どもによって異なり、数週間で落ち着く子もいれば、数か月続く子もいます。「何歳までに必ず終わる」とは言いきれませんが、気持ちが満たされ、新しい生活に慣れていくにつれて和らいでいくのが一般的です。きょうだいができたという変化を、その子なりに受け止めていく時間と考えると、少し気持ちが楽になるかもしれません。

関わり方のコツ

  1. 1

    まず気持ちを受け止める

    「抱っこしてほしかったんだね」「さみしかったね」と、要求の奥にある気持ちを言葉にして返します。要求そのものを全部かなえられなくても、気持ちを認めてもらえるだけで子どもは落ち着きやすくなります。
  2. 2

    「大好き」を言葉とスキンシップで伝える

    「赤ちゃんが来ても、あなたが大好きだよ」と、言葉にして繰り返し伝えます。抱っこやハグなど、肌のふれあいも安心につながります。1日のなかで上の子とふれあう時間を意識して確保しましょう。
  3. 3

    上の子を優先する場面をつくる

    「泣いてる赤ちゃんはちょっと待っててね、先にお兄ちゃんね」と、あえて上の子を先にする場面を意図的に作ります。下の子はまだ理由が分かりませんが、上の子は「自分が後回しではない」と感じられます。
  4. 4

    1対1の時間を持つ

    短時間でも、上の子だけと過ごす時間を作ります。パートナーや祖父母に下の子を見てもらい、絵本を読む・散歩に行くなど、「自分だけのママ・パパの時間」が心の安定につながります。
  5. 5

    お世話に参加してもらい、感謝する

    「おむつ持ってきてくれる?」など、できる範囲でお世話を手伝ってもらい、「ありがとう、助かった」と具体的に感謝を伝えます。役割を「強要」するのではなく、参加できたことを喜ぶのがコツです。

ヒント

赤ちゃん返りの最中は、保護者が「赤ちゃんより上の子をかわいがるくらい」を意識すると、ちょうどバランスが取れることが多いといわれます。下の子は手がかかる分つい中心になりがちなので、意識して上の子に天秤を傾けるくらいでよい、という考え方です。

避けたい関わり方

  • 「お兄ちゃん/お姉ちゃんなんだから」と役割を強要する:年上であることを理由に我慢を求めると、「自分は大事にされていない」という不安を強めてしまうことがあります。上の子もまだ甘えたい年齢だと捉えましょう。
  • 下の子と比べる・きょうだいで競わせる:「赤ちゃんはいい子なのに」といった比較は避けます。
  • 退行を強く叱る・無理にやめさせる:おもらしや赤ちゃん言葉を厳しく叱ると、不安が増して長引くことがあります。できないことを責めず、できたときに目を向けます。

子どもの心のケアや乳幼児期の親子関係については、国立成育医療研究センター「こころの診療科」の情報も参考になります。

保護者自身のしんどさへのケア

産後で体も心も回復途上のなか、赤ちゃんのお世話と上の子の赤ちゃん返りが重なる時期は、想像以上に消耗します。「上の子にやさしくできない」「イライラして怒ってしまう」と感じても、それは余裕がなくなっているサインで、保護者の弱さではありません。

  • 完璧を目指さない:毎回理想的に対応できなくても大丈夫です。「今日はこれで十分」と区切りましょう。
  • 一人で抱えない:パートナーや祖父母と状況を共有し、上の子の相手・下の子の世話を分担する。
  • 公的な支援を使う:自治体の一時預かりやファミリー・サポート・センターは、リフレッシュ目的でも利用できることがあります。お住まいの市区町村の子育て支援窓口で確認してみてください。
  • 怒りすぎたら「修復」する:強く叱ってしまったら、後から「さっきは怒りすぎてごめんね」と伝えるだけで関係は立て直せます。
「自分が限界になるまで我慢してから相談すると、もう相談する気力すら残っていない」という声もあります。「まだ大丈夫」のうちに頼ることが、早めの自分のケアになります。
2人目を迎えた保護者

気になることが続くときや、上の子・保護者自身のつらさが大きいときは、抱え込まずに地域の子育て相談窓口・保健センター・かかりつけ医に相談することができます。

よくある質問

赤ちゃん返りはいつまで続きますか?
個人差が大きく「何歳まで」とは言いきれませんが、数週間で落ち着く子もいれば数か月続く子もいます。気持ちが満たされ、新しい生活に慣れるにつれて和らいでいくことが多いです。
下の子を叩こうとします。どう対応すれば?
まず赤ちゃんの安全を確保しつつ、上の子を強く叱る前に「さみしかったんだね」と気持ちを受け止めます。叩くこと自体は「赤ちゃんは痛いよ」と短く伝え、上の子と過ごす時間を増やすことで落ち着いていくことが多いです。危険が続く・気になる場合は相談窓口へ。
おむつが外れていたのに、おもらしが戻りました
退行のよくあるサインの一つで、不安が落ち着けば自然と元に戻ることが多いです。失敗を強く叱らず、できたときにさりげなく認めるのが安心につながります。心配な場合はかかりつけ医に相談を。
上の子優先にすると、下の子の世話が後回しになり不安です
常に上の子優先という意味ではなく、「ときどき意図的に先にする場面を作る」という関わりです。下の子の安全が確保されている短い時間で構いません。きょうだいの月齢に応じて無理のない範囲で取り入れてください。
妊娠中から赤ちゃん返りが始まりました
出産前から環境の変化を感じ取って甘えが増えることもあります。生まれる前から「あなたのことが大好き」と伝え、スキンシップを意識しておくと、産後の移行がやわらかくなることがあります。
一人っ子でも赤ちゃん返りのようになることはありますか?
あります。引っ越しや入園など環境の変化、保護者の状況の変化などをきっかけに、甘えや退行が見られることがあります。背景にある不安に目を向けた関わりが基本です。

まとめ

赤ちゃん返りは、上の子が「それでも自分は愛されている」と確かめようとする、心の自然な動きです。叱って止めさせるものではなく、安心を満たすことで和らいでいきます。

上の子の赤ちゃん返り 関わり方チェックリスト

  • 要求の奥にある気持ちを言葉にして受け止めている
  • 「大好き」を言葉とスキンシップで意識的に伝えている
  • 上の子を先にする場面・1対1の時間を作っている
  • 「お兄ちゃん/お姉ちゃんだから」と役割を強要していない
  • お世話を手伝ってくれたら具体的に感謝を伝えている
  • 保護者自身も一人で抱えず、支援や相談先を確保している

完璧にできなくても大丈夫です。「今日も一緒に過ごせた」を積み重ねるうちに、きょうだいとの新しい毎日に、家族みんなが少しずつ慣れていきます。

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出典・参考

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