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首すわり・寝返り・ひとり歩きはいつ?|赤ちゃんの運動発達の目安と個人差の考え方(令和5年調査の通過率つき)

対象の目安: 生後2か月〜1歳半

カナデ発達・おでかけ担当
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首すわり・寝返り・ひとり歩きはいつ?|赤ちゃんの運動発達の目安と個人差の考え方(令和5年調査の通過率つき)

同じ月に生まれた子がもう歩いているのに、うちの子はまだ寝返りもしない。育児をしていると、こういう場面がどうしても訪れます。育児書や母子健康手帳には「◯か月ごろ」と書いてありますが、あの数字が何を意味しているのかはあまり説明されません。実は、日本の赤ちゃんの運動発達には10年ごとに行われている全国調査があり、月齢ごとに「何パーセントの子ができると回答したか」という実データが公表されています。この記事では、その数字を出発点に、各段階の目安と幅、健診で見ているポイント、相談したほうがよい場合の考え方を整理します。

全国調査で見る運動発達の通過率

まず数字を見てしまいましょう。下の表は、こども家庭庁が令和6年12月25日に公表した令和5年乳幼児身体発育調査の一般調査による運動機能通過率です。それぞれの動作が「できる」と回答された割合を月齢別に示しています。

月齢首のすわりねがえりひとりすわりはいはいつかまり立ちひとり歩き
2〜3か月未満5.6%1.6%
3〜4か月未満53.7%20.7%
4〜5か月未満93.5%56.9%
5〜6か月未満100.0%89.7%3.2%6.3%2.4%
6〜7か月未満97.6%30.1%19.5%7.3%
7〜8か月未満100.0%65.9%47.6%31.7%
8〜9か月未満84.4%67.4%61.2%2.3%
9〜10か月未満91.7%76.9%81.3%6.0%
10〜11か月未満98.5%91.0%88.1%9.0%
11〜12か月未満99.3%99.3%96.3%30.9%
1年0〜1か月未満100.0%99.0%99.0%47.9%
1年1〜2か月未満98.7%98.7%55.3%
1年2〜3か月未満100.0%100.0%83.0%
1年3〜4か月未満88.4%
1年4〜5か月未満96.9%
1年5〜6か月未満95.1%
1年6〜7か月未満97.5%

こども家庭庁「令和5年乳幼児身体発育調査 調査結果の概要」表9(一般調査による乳幼児の運動機能通過率)より。この調査は昭和25年から10年ごとに実施されているものです。

この調査をもとに、概要では次のようにまとめられています。首のすわりは生後4〜5か月未満、ねがえりは6〜7か月未満、ひとりすわりは9〜10か月未満、はいはいは10〜11か月未満、つかまり立ちは11〜12か月未満、ひとり歩きは1年4〜5か月未満で、それぞれ90%以上ができると回答された、というものです。

この数字の正しい読み方

大事なのは、90%という数字が並ぶ月齢が「締め切り」ではないという点です。表を縦に見てください。たとえばひとり歩きは、生後8〜9か月未満ですでに2.3%の子ができると回答されている一方、1年2〜3か月未満でもまだ83.0%です。同じ「ひとり歩き」という動作に、半年以上の幅があります。

この幅こそが個人差です。早い子は早く、ゆっくりな子はゆっくり進み、どちらも標準の範囲に入っています。「◯か月ごろ」という育児書の記述は、この分布のまんなかあたりを切り取ったものにすぎません。

メモ

表を見るときのコツは、「うちの子の月齢の行」ではなく「うちの子ができている動作の列」を見ることです。たとえば10か月でまだつかまり立ちをしないとき、10〜11か月未満の88.1%だけを見ると不安になりますが、その子がひとりすわりもはいはいもできているなら、順番としては次の段階に向かっている途中だとわかります。

もうひとつ。この調査は保護者が「できる」と回答した割合をまとめたものです。医師が診察して判定した数字ではないので、家庭ごとの判断の揺れも含まれています。細かい数字の1、2ポイントの差に意味を持たせず、大きな傾向として読むのが適切です。

それぞれの段階で、体は何を獲得しているのか

数字だけでは実感が湧かないので、各段階で赤ちゃんの体に何が起きているのかを補います。こども家庭庁の「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル(改訂2版)」が健診での診かたを示しているので、家庭で見るときの手がかりとしても使えます。

首のすわり(生後3〜4か月ごろ)

健診では「引き起こし反応」で確認します。あおむけの赤ちゃんの両手をもってゆっくり引き起こしたとき、頭と体幹が平行して動き、床から45度まで起こした時点で頭が後ろに倒れない状態が、首がすわっているという判定です。同マニュアルによれば、4か月では肘関節・肩関節に力が入り、上肢を屈曲させる様子も見られます。

家庭では、縦抱きにしたときに頭がぐらつかないか、うつぶせで顔を持ち上げていられるかが目安になります。

ねがえり(生後5〜6か月ごろ)

体をひねって背中側から腹側へ返る動作です。5〜6か月未満で89.7%、6〜7か月未満で97.6%と、通過率がいっきに上がる時期です。片方向だけ得意な子、返ってから戻れずに泣く子など、進み方には個性があります。

注意

寝返りができるようになると、ベッドやソファからの転落、寝具に顔が埋まるといったリスクが増えます。また、こども家庭庁は乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症リスクを低くするポイントとして、1歳になるまでは寝かせるときはあおむけに寝かせることを挙げています。自分で寝返りができるようになっても、寝かしつけの向きはあおむけを基本にしてください。

ひとりすわり(生後8〜10か月ごろ)

手をつかずに座位を保つ動作です。マニュアルは10か月では手放しで座位保持ができ、背中はまっすぐに伸ばし、下肢を前方に投げ出した姿勢が一般的だと説明しています。座ったまま手が自由になることで、遊びの幅が一段と広がります。

はいはい(生後9〜11か月ごろ)

両手で上体を支えて胸と腰を上げ、四つ這いで前に進む動作です。移動できるようになると、赤ちゃんの世界は一気に広がります。ここから先は、家の中の安全対策が追いつかなくなる時期でもあります。

つかまり立ち(生後10〜12か月ごろ)

自分から物につかまり、片膝立ちの姿勢から上肢で支えて立ち上がる動作です。つま先立ちになることもありますが、一時的で、足の裏をついて体を支えられるのが通常だとされています。

ひとり歩き(生後1年0か月〜1年5か月ごろ)

もっとも幅が大きいのがここです。1年0〜1か月未満で47.9%、1年2〜3か月未満で83.0%、1年4〜5か月未満で96.9%。1歳の誕生日に歩いている子は半分弱、という数字は覚えておくと気が楽になります。

1歳6か月児健診では、歩き方(歩容)も見られます。マニュアルは、手が肩よりも上に上がっている状態(ハイガード)、腰のあたりまで下がってきた状態(ミドルガード)、手が下に下りている状態(ローガード)の順に歩き方として成熟していくと説明しています。歩き始めの子が両手をあげてバランスを取るのは、途中経過として自然な姿です。

各段階の所見の取り方は、こども家庭庁「改訂2版 乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」の乳児期・1歳6か月児健診の各節によります。家庭での見方への言い換えは編集部によります。

早産・低出生体重で生まれた場合は「修正月齢」で見る

見落とされがちですが、とても大切な点です。低出生体重児や早産児では、出産予定日を出生日として換算した「修正月齢」を求め、身体発育や精神運動発達、離乳の進み方の評価に用いるのが原則です。

いつまで修正月齢を使うかについて確立した合意はないものの、マニュアルは一般的な目安として、極低出生体重児や在胎34週未満で生まれた早産児では2〜3歳まで、34週以降37週未満(late preterm)の早産児では1歳ごろまで修正年齢を用いるとしています。より未熟性の強い児では3歳以降も修正年齢での評価が必要な場合があります。

2か月早く生まれた子の生後8か月は、修正月齢では6か月です。この2か月の差は、この時期の発達にとっては大きな違いになります。育児書や上の表と見比べるときは、必ず修正月齢に置き換えてください。

順番どおりに進まない子もいる

「はいはいをしないまま歩き出した」「お尻をついたまま足で漕いで移動する」。こうした相談はよくあります。マニュアルも、四つ這いをしない場合のバリエーションとして、ずり這いのまま、背這いをする、腹臥位にされることをいやがりはいはいをしないシャッフリングベビーなどを挙げています。

そのうえで、これらについては脳性麻痺、知的障害、発達障害、先天性神経筋疾患等の除外が必要であるが、予後が正常な児の中にもみられる、と説明されています。つまり「よくあることだから気にしなくていい」でも「異常のサインだ」でもなく、他の所見とあわせて医師が判断する領域だということです。家庭で自己判断せず、健診の場で伝えるのが適切な扱い方になります。

「ハイハイをとばして立っちゃったけど大丈夫でしょうか」という質問は、健診の現場でも定番です。心配なのは自然なことですが、その場で医師に伝えれば数分で確認してもらえます。ひとりで検索を続けるより、健診の問診票の余白にメモしておくほうが早道です。
0歳児を育てる保護者

相談したほうがよいのはどんなときか

発達には幅がある、を前提にしたうえで、専門家に見てもらったほうがよい場合の考え方を、マニュアルの記述に沿って整理します。以下は健診で医師が判断するための基準であり、家庭で診断するためのものではありません。当てはまるかどうか迷う場合こそ、相談する意味があります。

時期マニュアルが挙げる所見示されている対応
3〜4か月45度まで引き起こしても頭が後屈したまま(首すわり未完了)3か月から4か月前半であれば約1か月後の経過追跡
4か月後半首すわりが未完了、または明らかな姿勢・運動・筋緊張の異常を伴う運動発達遅滞、脳性麻痺などが疑われるため医療機関の受診をすすめる
9〜10か月ごろ座位をとれない運動発達に明らかに問題があるとされる
9〜10か月ごろつかまり立ちができない、できても両下肢伸展・つま先立ちのまま上肢のみで支える異常が疑われる
9〜10か月ごろ物をつかまない、握らせても落とす、明らかな左右差がある異常が疑われる
1歳6か月歩行が未開始で、理学所見や神経学的な異常所見を伴う医療機関を紹介
1歳6か月歩行開始の遅れのみで、言語理解がよく知的発達が良好追跡観察で粗大運動の発達を再評価

こども家庭庁「改訂2版 乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」の運動発達異常に関する判定基準と対応の記述を、編集部が表に整理したものです。実際の判定は、他の所見との重複や程度を踏まえて医師が行います。

注目したいのは、1歳6か月で歩いていない場合でも、他に所見がなく言語理解や知的発達が良好であれば追跡観察とされている点です。「歩けていない=すぐに問題」ではなく、他の育ちとあわせて見るという考え方が、公的なマニュアルにも書かれています。

相談先はいくつもあります。もっとも身近なのはかかりつけの小児科です。加えて、市町村の乳幼児健診があります。母子保健法第12条は、満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児と、満3歳を超え満4歳に達しない幼児への健康診査を市町村に義務づけており、これが1歳6か月児健診と3歳児健診にあたります。こども家庭庁によれば、3〜6か月児健診や9〜11か月児健診にも地方交付税措置が行われ、1か月児健診と5歳児健診には国庫補助が行われています。多くの自治体がこれらを実施しているので、健診の間隔は思ったより短いはずです。

ヒント

健診を待たずに相談してかまいません。市区町村の子育て世代の相談窓口(こども家庭センター、保健センターなど)は、健診の日程外でも発達の相談を受け付けています。「様子を見ましょう」と言われるかもしれませんが、そのひと言をもらうために相談する価値はあります。

健診全体の流れと持ち物は、こちらの記事にまとめています。

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乳幼児健診の内容と当日の流れ・準備|1歳6か月児健診・3歳児健診で見ていること

家庭でできること、しなくていいこと

運動発達は、練習させて早めるものではありません。それでも、体を動かしやすい環境を整えることはできます。

  1. 1

    起きているときのうつぶせ遊びを少しずつ

    首や背中の筋肉を使う機会になります。必ず目を離さず、起きているときだけにしてください。寝かしつけはあおむけが基本です。
  2. 2

    床で過ごす時間を確保する

    抱っこやバウンサーの時間が長いと、自分で姿勢を変える機会が減ります。安全を確保したうえで、床にマットを敷いて自由に動ける時間をつくります。
  3. 3

    手が届くところに興味の対象を置く

    少しだけ届かない位置におもちゃを置くと、手を伸ばす、体をひねる、前に進むという動きが自然に出ます。届かなすぎると諦めるので「あと少し」の距離が肝心です。
  4. 4

    動けるようになったら安全対策を先回りする

    寝返り、はいはい、つかまり立ちのそれぞれで、危険の種類が変わります。段差、家具の角、コンセント、階段を、その都度見直します。
  5. 5

    比べる相手を「先月のわが子」にする

    同じ月齢の子ではなく、1か月前のわが子と比べます。数字の上でも個人差は数か月に及ぶので、他人との比較は不安を増やすだけになりがちです。

逆に、しなくていいこともあります。無理に立たせる、歩行器で歩行を促す、毎日タイムを計るように「できたか」を確認する。こうしたことは発達を早める根拠がはっきりせず、親子の時間を消耗させます。

ことばの発達が気になる場合は、運動とは別のテーマとして考える必要があります。同じ令和5年調査では、一語以上の言葉を話すと回答された割合が生後1年6〜7か月未満で90%を超える一方、平成22年の調査に比べて特に生後1年前後で低くなっていることが報告されています。ことばについてはこちらの記事で詳しく扱っています。

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言葉が遅い?1〜2歳の言語発達の目安と家庭でできる関わり方

よくある質問

1歳になっても歩きません。遅いのでしょうか?
令和5年乳幼児身体発育調査では、ひとり歩きができると回答された割合は生後1年0〜1か月未満で47.9%、1年2〜3か月未満で83.0%、1年4〜5か月未満で96.9%です。1歳の誕生日時点で歩いている子は半分弱で、その後の数か月で大きく増えます。1歳6か月児健診の考え方としても、歩行開始の遅れのみで言語理解がよく知的発達が良好な場合は追跡観察とされています。ただし歩き方や姿勢に気になる点がある、他の発達も気になるという場合は、健診を待たずにかかりつけ医に相談してください。
はいはいをせずにつかまり立ちを始めました。飛ばして大丈夫ですか?
こども家庭庁の「乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」は、四つ這いをしない場合のバリエーションとして、ずり這いのまま、背這い、腹臥位をいやがりはいはいをしないシャッフリングベビーなどを挙げ、これらは脳性麻痺や知的障害などの除外が必要であるものの、予後が正常な児の中にもみられると説明しています。家庭で結論を出すのではなく、健診の際に「はいはいをせずに立ちました」と具体的に伝えるのが適切です。他に気になる所見がなければ経過観察になることが多い一方、確認してもらう意味は十分にあります。
早く生まれた子は、どの月齢と比べればよいですか?
出産予定日を出生日として数え直した修正月齢で見ます。同マニュアルは、いつまで修正年齢を使うかについて確立した合意はないとしつつ、一般には極低出生体重児や在胎34週未満で生まれた早産児では2〜3歳まで、34週以降37週未満(late preterm)の早産児では1歳ごろまで修正年齢を用いる、より未熟性の強い児は3歳以降も修正年齢での評価が必要な場合がある、としています。育児書や通過率の表と比べるときは、必ず修正月齢に置き換えてください。
首すわりが4か月でまだのようです。どうすればよいですか?
同マニュアルは、頚定が未完了の場合、3か月から4か月前半であれば約1か月後の経過追跡とし、4か月後半の場合や、明らかな姿勢・運動・筋緊張の異常を伴う場合には運動発達遅滞や脳性麻痺などが疑われるため医療機関への受診をすすめる、としています。判定は引き起こし反応など医師の診察によるので、家庭で自己判断せず、3〜4か月児健診の場で伝えるか、健診が先の場合はかかりつけの小児科に相談してください。
発達を早めるために、家でできる練習はありますか?
運動発達は練習で前倒しするものではなく、体を動かしやすい環境を整えることが中心になります。起きているときのうつぶせ遊び(必ず目を離さない)、床で自由に動ける時間の確保、少しだけ手が届かない位置におもちゃを置くといった工夫は自然な動きを引き出します。一方、無理に立たせる、歩行器で歩行を促すといった働きかけは勧められません。なお寝かしつけについては、こども家庭庁が乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症リスクを低くするポイントとして、1歳になるまではあおむけに寝かせることを挙げています。

まとめ

運動発達の目安は、達成すべき目標ではなく、たくさんの赤ちゃんを集計した結果できた分布の形です。同じ動作をできるようになる月齢に数か月の幅があるのは、調査の数字そのものが示しています。

覚えておきたいこと

  • 90%が通過する月齢は「上限の目安」であって、そこまでにできなければいけない期限ではない
  • 月齢の行ではなく、できている動作の列で見ると、次の段階が見えて落ち着ける
  • 早産・低出生体重で生まれた子は修正月齢で評価する
  • はいはいをしない、順番が違うといった経路の違いは、健診で伝えて確認してもらう
  • 首すわりが4か月後半で未完了、9〜10か月で座位をとれない、1歳6か月で歩行未開始かつ他の所見を伴う、といった場合は受診の目安になる
  • 健診は1歳6か月児と3歳児が市町村の義務。それ以外の時期でも相談窓口は使える
  • 比べる相手は、同じ月齢のよその子ではなく1か月前のわが子

心配になったときは、その気持ちごと健診や小児科に持っていってください。数分の確認で済むことがほとんどですし、そうでなかった場合も、早く動けたことが子どもにとっての利点になります。

出典・参考

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