子どもの手洗い・うがいの習慣づけ|正しい洗い方と年齢別の教え方
対象の目安: 1〜6歳ごろ

「洗ったつもりで指先だけ濡らして終わり」「うがいをするとゴクンと飲んでしまう」。子どもの手洗い・うがいは、正しくできるまでに時間がかかるものです。大切なのは1回で完璧にすることより、毎日の流れの中で少しずつ身につけていくこと。この記事では、正しい手の洗い方から年齢別の教え方、楽しく続ける工夫、うがいの練習ステップまでをまとめました。
なぜ手洗い・うがいが大切なの?
手や指には目に見えない汚れや菌・ウイルスが付きやすく、その手で口や目をさわったり食べ物を持ったりすることで体に入り込みます。手洗いは、こうしたものを物理的に洗い流し、日常的な感染症予防の基本とされています。うがいについては、のどをうるおし洗い流す習慣として広く行われていますが、その効果には諸説あり、手洗いなど他の対策と組み合わせて取り入れるのが現実的です。
大人にとっては当たり前の動作でも、子どもにとっては「なぜやるのか」が分かりにくいもの。まずは親が一緒にやって見せながら、「バイキンさんバイバイしようね」と、その子に伝わる言葉で理由を添えてあげると取り組みやすくなります。
具体的な感染症(夏かぜ・胃腸炎など)の種類や対処については、こちらの記事も参考にしてください。
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いつ洗う?タイミングの早見表
「気づいたときに」では習慣になりにくいので、洗う場面を決めて生活に組み込むのが定着の近道です。まずは下の3つを家庭の合言葉にしてみましょう。
| タイミング | ねらい | 声かけの例 |
|---|---|---|
| 外から帰ったとき | 外で触れた汚れを持ち込まない | 「ただいましたら、手を洗おう」 |
| 食事・おやつの前 | 口に入る前に手をきれいに | 「いただきますの前に、あわあわ」 |
| トイレのあと | 排せつ後の衛生を保つ | 「シャーのあとは手を洗おうね」 |
| 遊んだあと・砂遊びのあと | 汚れた手のリセット | 「いっぱい遊んだ手、きれいにしよ」 |
| 動物にさわったあと | 動物由来の菌を落とす | 「なでなでしたら、手を洗おう」 |
手洗いのタイミングや大切さについては、日本ユニセフ協会「感染症予防に、正しい手洗いを」も参考になります。
正しい手の洗い方6ステップ
洗い残しが多いのは、指先・爪の間・指の間・親指・手首です。順番を決めてパーツごとに洗うと、こうした場所も忘れずに洗えます。石けんをよく泡立て、歌を1曲うたうくらいの時間をかけましょう。
- 1
手のひらをよくこする
水でぬらして石けんをつけ、手のひらどうしをよく泡立てながらこすります。 - 2
手の甲をのばすようにこする
反対の手のひらで手の甲をつつみ、のばすようにこすります。左右とも行います。 - 3
指先・爪の間を念入りにこする
指先を反対の手のひらに立て、爪の間をくるくると洗います。忘れやすい場所です。 - 4
指の間を洗う
両手の指を組むようにして、指と指の間を洗います。 - 5
親指をねじり洗いする
親指を反対の手でにぎり、ねじるようにして洗います。ここも洗い残しが多い場所です。 - 6
手首を洗って流す
最後に手首をにぎって洗い、流水でしっかりすすいで、清潔なタオルで水気をふきます。
ヒント
時間の目安は「歌1曲ぶん」。厚生労働省や公的機関の資料では、石けんでもみ洗いして流水ですすぐことで、手についた菌・ウイルスを大きく減らせるとされています。長さより「6か所を順番に」を意識すると洗い残しが減ります。
手の洗い方の手順は、国立成育医療研究センター「正しい手洗い(手指衛生)の方法」、厚生労働省の手洗い資料を参考にしています。爪が伸びていると汚れがたまりやすいため、短く整えておくのもポイントです。
年齢別の教え方
手洗いのゴールは年齢によって変わります。今の段階でできることに合わせて関わりましょう。
1〜3歳:一緒に・手を添えて
この時期は「自分で洗いきる」ことより、手洗いを毎日の流れとして体になじませるのが目標です。踏み台で高さを合わせ、親が後ろから手を添えて一緒に動かします。泡をさわる感触そのものを楽しめると、洗面所に向かうことが好きになります。全部きれいに洗えなくても、最後に親がサッと仕上げれば十分です。
3〜6歳:自分で+仕上げ確認
言葉やまねが上手になるこの時期は、6ステップを1つずつ言いながら自分で洗う練習に移ります。「次はどこだっけ?」とクイズにすると、順番を覚えやすくなります。ただし指先や爪の間は洗い残しが出やすいので、しばらくは親が「ここ、もう1回いこうか」と確認・仕上げをする姿勢を続けましょう。
メモ
ここで示した年齢はあくまで目安で、できるようになる時期には大きな個人差があります。ゆっくりな子を「まだできないの」と比べず、その子のペースを尊重してください。
楽しく続ける工夫
手洗いを「やらされるもの」から「楽しい時間」に変えると、声をかけなくても向かうようになっていきます。
手洗いが好きになる工夫
- 手洗いの歌をうたいながら洗う(歌の長さ=洗う時間の目安になる)
- 砂時計や30秒のタイマーで『鳴るまで洗おう』とゲーム感覚にする
- 踏み台を置いて蛇口や洗面台に自分で届くようにする
- 泡で出るポンプ式ソープにして、自分で押す・泡をさわる楽しさをつくる
- 手洗いの手順を描いたイラストを洗面所に貼り、見ながら進められるようにする
- きれいに洗えたら『ピカピカだね』と具体的にほめる
うがいの練習ステップ
うがいは手洗いより難しく、口やのどの発達が必要です。あせらず段階を追って進めましょう。ブクブクうがい(口の中をすすぐ)は2歳ごろ、ガラガラうがい(のどをすすぐ)は3歳ごろからが一つの目安ですが、できる時期には個人差が大きいものです。
- 1
口に水を含んで出す
まずは少量の水を口に含み、飲まずにそのまま出す練習から。洗面台にペッと出せたら大成功です。 - 2
ブクブクうがい(口)
水を含んで、ほっぺたを左右に動かしブクブク。口の中を動かす感覚をつかみます。親がお手本を見せると覚えやすいです。 - 3
ガラガラうがい(のど)
上を向いて「あー」と声を出しながらガラガラ。最初は水なしで声を出す練習からでもOKです。
注意
うがいの水は飲み込まないのが基本です。最初はゴクンと飲んでしまう子も多いので、少量の水で・洗面台の前で・親が見ているときに練習しましょう。うまく吐き出せないうちは無理にのどのうがいへ進めず、「口に含んで出す」だけでも十分な一歩です。
うがいの練習ステップは、日本歯科医師会「うがいの練習・指導」を参考にしています。年齢が上がるほどできる子が増える傾向があります。
嫌がるとき・避けたいNG
水が苦手、洗面所に行きたがらない、うがいでむせる——うまくいかない時期は必ずあります。そんなときこそ、関わり方を見直すサインです。
- 叱らない・急かさない:「早く!」「なんでできないの」は手洗いを嫌な時間にします。できた部分に注目して声をかけましょう。
- 完璧を求めない:全部きれいに洗えなくてOK。「洗面所に向かえた」「泡をさわれた」も立派な一歩です。
- 洗いすぎ・こすりすぎに注意:頻回すぎる手洗いや強いこすり洗いは手荒れの原因になります。乾燥する季節は保湿ケアも取り入れましょう。
- 水温・環境を整える:冷たすぎる水や届かない蛇口は「やりたくない」の原因に。ぬるま湯や踏み台で、やりやすい環境をつくります。
よくある質問
手洗いは何秒くらいすればいい?
うがいは何歳からできますか?
うがいの水を飲み込んでしまいます
手洗いを嫌がって洗面所に行きたがりません
アルコール消毒だけでも大丈夫ですか?
まとめ
手洗い・うがいは、一度に完璧を目指すものではなく、毎日の生活の中で少しずつ育てていく習慣です。「外から帰ったら・ごはんの前・トイレのあと」を合言葉に、その子の年齢とペースに合わせて、楽しい体験として積み重ねていきましょう。叱るより、できたことを一緒に喜ぶ関わりが、いちばんの近道です。
手洗い・うがい習慣づけのチェックリスト
- 洗うタイミング(帰宅・食前・トイレ後)を家庭の合言葉にする
- 6ステップを順番に、歌1曲ぶんかけて洗う
- 1〜3歳は一緒に・手を添えて、3〜6歳は自分で+仕上げ確認
- 踏み台・泡ソープ・歌・イラストで楽しく続ける工夫を1つ足す
- うがいは『含んで出す→ブクブク→ガラガラ』の順で、水は飲み込まない
- 叱らない・急かさない・洗いすぎない。手荒れには保湿ケアを
毎日の生活習慣は、手洗いに限らず「一緒にやる」から少しずつ積み上がっていきます。お片づけの習慣づくりもあわせてどうぞ。
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