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夏に流行する子どもの感染症|手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱の見分け方とホームケア

対象の目安: 0〜6歳ごろ

カナデ発達・おでかけ担当
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夏に流行する子どもの感染症|手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱の見分け方とホームケア

「急に高い熱が出た」「口の中が痛そうで食べてくれない」「手のひらに発疹が出てきた」——夏になると保育園や幼稚園で広がりやすい感染症があります。なかでも代表的なのが、手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱(プール熱)の3つ。いわゆる「夏かぜ」の仲間で、どれも乳幼児を中心に夏に流行します。この記事では、国立健康危機管理研究機構(旧・国立感染症研究所)やこども家庭庁の情報をもとに、症状の見分け方・家庭でのケア・登園の目安・受診のサインを整理しました。症状の出方や経過には個人差が大きく、合併症が起こることもあるため、迷ったときは自己判断せず小児科・かかりつけ医に相談してください。

夏の三大感染症 見分け方の早見表

3つの病気はどれも発熱を伴い、症状が重なる部分もあります。まずは特徴を表で俯瞰しましょう。原因ウイルス・潜伏期間・主症状は国立健康危機管理研究機構の情報に沿っています。

病気主な原因ウイルス潜伏期間特徴的な症状見分けの手がかり
手足口病コクサッキーウイルスA群・エンテロウイルス71 など3〜5日程度口の中・手のひら・足の裏などに水疱性の発疹。発熱は軽いことも手・足・口に発疹が出る
ヘルパンギーナコクサッキーウイルスA群 など2〜4日程度突然の高熱と、のどの奥(軟口蓋付近)の水疱・潰瘍。のどの痛みが強い発疹はのどの奥が中心。手足には出にくい
咽頭結膜熱(プール熱)アデノウイルス(主に3型) など5〜7日程度発熱・のどの痛み(咽頭炎)・結膜炎(目の充血)の3つ目の充血・目やにを伴う

原因ウイルス・潜伏期間・主症状は、国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイトの各疾患ページ(手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱)を参考にしています。症状の出方には個人差があります。

メモ

3つとも「夏かぜ」と呼ばれるエンテロウイルス・アデノウイルスの仲間が中心です。症状が重なることもあり、見た目だけで確実に区別するのは難しい場合があります。診断や治療方針は医療機関で確認してください。

それぞれの病気を詳しく知る

手足口病

口の中、手のひら、足の裏などに水疱性の発疹が出るのが特徴です。ひじ・ひざ・おしりなどに出ることもあります。発熱は軽いか、出ないこともありますが、口の中の発疹が痛むと、食事や水分を嫌がりやすくなります。原因ウイルスは複数あり、一度かかっても別のウイルスでまたかかることがあります。多くは数日で回復しますが、まれに髄膜炎や脳炎などの重い症状を伴うことがあるため、ぐったりする・嘔吐を繰り返す・頭を痛がるなどがあれば受診してください。

手足口病は乳幼児を中心に夏季に流行し、まれに髄膜炎や脳炎などの重篤な症状を伴うことがあるとされています(国立健康危機管理研究機構)。

ヘルパンギーナ

突然の発熱と、のどの奥(軟口蓋付近)にできる小さな水疱・潰瘍が特徴です。のどの痛みが強く、つばを飲み込むのもつらそうにすることがあります。患者の多くは5歳以下で、1歳代が最も多いとされ、毎年夏にピークを迎えます。高熱でぐったりしたり、痛みで食べ物・飲み物を受けつけなかったりすると、脱水になりやすいので注意が必要です。

ヘルパンギーナは発熱・咽頭痛・口腔内の水疱を特徴とし、患者の90%以上が5歳以下、1歳代が最も多いとされています(国立健康危機管理研究機構)。

咽頭結膜熱(プール熱)

発熱・のどの痛み・結膜炎(目の充血や目やに)の3つがそろうのが典型です。アデノウイルスが原因で、潜伏期間は5〜7日程度。高熱が数日続くことがあり、目の充血を伴う点がほかの2つと見分ける手がかりになります。プールの水を介して広がることがあるため「プール熱」と呼ばれますが、プールに入らなくてもうつります。

咽頭結膜熱は発熱・咽頭痛・結膜充血などを主症状とし、特に夏期(6〜8月)に流行がみられ、5歳以下の小児で多く報告されています(国立健康危機管理研究機構)。

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家庭でのケア(水分・食事・熱への向き合い方)

3つの病気にはウイルスを直接やっつける特効薬はなく、家庭でのケアは症状をやわらげて回復を支えることが中心になります。

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    水分をこまめに補給する

    のどや口の痛みで飲みたがらないことがありますが、脱水を防ぐことが何より大切です。一度にたくさんではなく、少量を何度もが基本。低月齢の赤ちゃんは母乳・ミルクを基本にします。経口補水液を使う場合の可否や量は、心配なときに医療機関へ相談すると安心です。
  2. 2

    のどにやさしい食べやすい食事にする

    口やのどが痛むときは、しみる物・熱い物・酸味や塩味の強い物を避けます。プリン、ゼリー、豆腐、おかゆ、冷ましたスープ、アイスやヨーグルトなど、つるんと飲み込めて刺激の少ない物が食べやすい傾向です。食べる量が減っても、水分が摂れていれば数日は様子を見られることが多いですが、不安なときは相談を。
  3. 3

    休養させ、室温も整える

    体力を消耗するので、無理に動かさず休ませます。夏場は脱水と暑さが重なりやすいため、エアコンなどで室温・湿度を心地よく保ちましょう。
  4. 4

    熱への対応は様子を見て

    発熱はウイルスと戦う体の反応でもあります。熱の高さよりも、機嫌・水分摂取・顔色などの全身の状態を見ます。解熱薬を使うかどうか、種類や量は自己判断せず、かかりつけ医や薬剤師に確認してください。

メモ

「熱が何度だから危険」と数字だけで判断するより、「水分が摂れているか」「ぐったりしていないか」「おしっこが出ているか」といった全身の様子を見ることが大切です。判断に迷うときは小児科に相談しましょう。

「のどが痛くて何も食べてくれず、このまま体力が落ちてしまうのではと不安になった」という声はよく聞かれます。食べられないときほど、まずは水分を少しずつ、が合言葉です。
保育園に通う子の保護者

登園の目安(病気によって扱いが違う)

「いつから登園してよいか」は、3つの病気で扱いが異なります。学校保健安全法施行規則では、咽頭結膜熱(プール熱)は第二種感染症に位置づけられ、出席停止の対象です。一方、手足口病とヘルパンギーナは「その他の感染症(第三種)」として扱われ、一律の出席停止期間は定められていません。

病気法令上の扱い登園・出席の目安
咽頭結膜熱(プール熱)第二種感染症主要な症状が消えた後2日を経過するまでが出席停止。病状により医師が感染のおそれがないと認めればこの限りでない
手足口病その他の感染症(第三種)一律の停止期間はない。発熱や口の中の発疹の影響がなく、普段の食事がとれることが登園のめやす
ヘルパンギーナその他の感染症(第三種)一律の停止期間はない。発熱や口の中の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれることが登園のめやす

登園のめやすは、こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」を参考にしています。出席停止の扱いは学校保健安全法施行規則に基づきます。

注意

発疹が残っていても、発熱がなく普段の食事がとれていれば登園できることが多いですが、最終的な可否は通っている施設のルールや医師の判断によります。登園許可証や意見書が必要かどうかも園によって異なるため、必ず園とかかりつけ医に確認してください。

回復してからも、便には2〜4週間ほどウイルスが排出されることがあるとされ、登園を再開した後も手洗いを続けることが大切です。

受診・救急のサインを見逃さない

夏かぜの多くは数日で回復に向かいますが、脱水や合併症のサインを見逃さないことが大切です。次のような様子があれば、ためらわず受診・相談してください。

注意

以下のいずれかがあるときは、緊急性が高い可能性があります。早めに医療機関を受診するか、#8000やかかりつけ医に相談し、意識がはっきりしない・けいれんが続く・呼吸が苦しそうといった場合は迷わず救急(119)を要請してください。

  • 水分をまったく受けつけず、半日以上おしっこが出ない(脱水のおそれ)
  • ぐったりして反応が鈍い、ずっと眠そう、起こしても目を覚ましにくい
  • 高熱が続く、いったん下がった熱が再び上がる
  • けいれんを起こした、頭を強く痛がる、嘔吐を繰り返す
  • 唇や舌が乾いている、涙が出ない、泣いても声がかすれる

熱性けいれんを起こしたときは、あわてず体を横向きにして、口の中に物を入れず、けいれんの様子(持続時間・左右差など)を観察します。数分以内におさまり意識が戻ることが多いとされますが、初めての場合や、けいれんが長引く・繰り返すときは受診してください。

「夜中に急に熱が上がって、#8000に電話したら看護師さんが落ち着いて聞いてくれて助かった」という声もあります。判断に迷ったときの相談先を、あらかじめ知っておくと安心です。
1歳児の保護者
  • 子ども医療電話相談(#8000):小児科医・看護師に相談できる窓口。受診の必要性に迷うときに(対応時間は都道府県により異なります)。
  • 日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」:気になる症状から、家庭での対応や受診の目安を確認できるウェブサービス。
  • 緊急時は迷わず119番:意識障害・けいれんが続く・呼吸の異常などがあるとき。

受診の目安の確認には、日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」が利用できます。実際の判断は個々の状態によって異なります。

予防の基本(手洗い・タオルを共用しない)

夏かぜのウイルスは、せきやくしゃみによる飛沫、ウイルスのついた手やもの、便を介して広がります。完全に防ぐのは難しいものの、基本の対策で感染の機会を減らせます。

家庭でできる予防の基本

  • 外出後・食事前・トイレ後・おむつ替えの後は石けんでしっかり手を洗う
  • タオルの共用を避け、家族それぞれ別のタオル(またはペーパータオル)を使う
  • おむつ替えのあとは特に念入りに手を洗う(便にウイルスが出るため)
  • せき・くしゃみが出るときはティッシュや肘で口を覆う(咳エチケット)
  • おもちゃ・ドアノブなど手がよく触れる場所をこまめに清潔にする

手洗いや咳エチケットなどの飛沫予防策・接触予防策が有効で、これら夏かぜには国内で承認されたワクチンはないとされています(国立健康危機管理研究機構)。

回復後もしばらく便からウイルスが出るため、症状が落ち着いてからも手洗いを続けることがポイントです。きょうだいがいる家庭では、タオルや食器の共用を避けるだけでも家庭内での広がりを抑えやすくなります。

つまずきやすいポイント

「発疹が手足にまだ残っているのに登園していいの?と不安で、結局休ませてしまった」という相談も少なくありません。
2歳児の保護者

発疹そのものよりも、熱が下がって普段の食事がとれているかが登園の目安になります。ただし園ごとのルールや医師の判断が優先されるため、見た目で自己判断せず確認するのが安心です。また「夏かぜは一度かかればもう安心」と思いがちですが、手足口病やヘルパンギーナは原因ウイルスが複数あり、同じ夏に何度かかかることもあります。予防の基本を続けましょう。

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よくある質問

手足口病とヘルパンギーナはどう見分けますか?
発疹の出る場所が手がかりです。手足口病は口の中に加えて手のひらや足の裏などに水疱性の発疹が出ます。ヘルパンギーナは発疹がのどの奥(軟口蓋付近)に集中し、手足にはあまり出ません。ただし症状が重なることもあり、確実な区別は医療機関での診断が安心です。
プール熱はプールに入らなくてもうつりますか?
うつります。咽頭結膜熱(プール熱)はアデノウイルスによる感染症で、飛沫感染や接触感染で広がります。プールの水を介して広がることもあるためこの名前ですが、プールに入らなくても、せきやくしゃみ、手やものを介してうつります。
熱が下がれば登園できますか?
病気によって扱いが異なります。プール熱は第二種感染症で、主要な症状が消えた後2日を経過するまでが出席停止の目安です。手足口病・ヘルパンギーナには一律の停止期間はなく、発熱や口の症状の影響がなく普段の食事がとれることがめやすとされます。最終的な可否は園のルールと医師の判断によります。
発疹が残っていても登園してよいですか?
発熱がなく普段どおり食事がとれていれば、発疹が残っていても登園できることが多いとされています。ただし園ごとにルールが異なり、登園許可証や意見書が必要な場合もあるため、園とかかりつけ医に確認してください。
食べてくれないときはどうすればいいですか?
まずは水分補給を優先します。のどが痛むときは、しみない・刺激の少ない物(プリン、ゼリー、豆腐、おかゆ、冷ましたスープなど)が食べやすい傾向です。食べる量が一時的に減っても、水分が摂れて元気があれば数日は様子を見られることが多いですが、不安なときは相談しましょう。
大人もうつりますか?
うつることがあります。手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱はいずれも大人が感染することもあり、子どもより症状が強く出る場合もあります。家庭内ではタオルの共用を避け、手洗いを徹底することが大切です。
予防接種で防げますか?
これら夏かぜの三大感染症には、国内で承認されたワクチンはないとされています。予防の基本は手洗い・咳エチケット・タオルを共用しないことです。

まとめ

夏に流行する手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱(プール熱)は、どれも特効薬がなく、家庭でのケアの中心は水分補給と休養です。発疹の場所や目の症状で見分けの手がかりはありますが、確実な区別や治療方針は医療機関で確認しましょう。

夏の感染症で押さえておきたいこと

  • 症状が重なることもあるので、見た目だけで決めつけず医療機関で相談する
  • 家庭では水分補給を最優先し、のどにやさしい食べやすい食事にする
  • 登園の扱いは病気で違う(プール熱は出席停止対象)。園と医師に確認する
  • 水分が摂れない・ぐったり・けいれんなどは受診や救急のサイン
  • 手洗いとタオルを共用しないことが予防の基本。回復後も手洗いを続ける

熱や発疹に直面すると不安になりますが、多くの夏かぜは適切なケアと休養で回復に向かいます。「水分が摂れているか」「いつもと様子が違わないか」を見守り、迷ったら#8000やかかりつけ医に早めに相談してください。

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出典・参考

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