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子どものじんましん|原因、家でできること、受診の目安と救急車を呼ぶサイン(0〜6歳)

対象の目安: 0〜6歳

ミナト・編集長 / 生活リズム・時短担当
・ 約14分で読めます
子どものじんましん|原因、家でできること、受診の目安と救急車を呼ぶサイン(0〜6歳)

「お風呂から上がったら、体に赤いぼこぼこが出ていた」「さっきまで腕にあった発疹が、病院に着いたら消えていた」——子どものじんましんは、急に出て、しばらくすると跡かたなく消えるのが特徴です。かゆがる姿を見ると心配になりますが、多くは一時的なもので、子どもではかぜなどの感染症に伴って出ることが多いとされています。一方で、じんましんと一緒に息苦しさやぐったりした様子があるときは、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。この記事では、日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」と「蕁麻疹診療ガイドライン2018」、日本小児アレルギー学会の資料などをもとに、じんましんの見分け方、原因、家でできること、受診の目安をまとめます。診断や治療は医師が行うものなので、迷うときはかかりつけ医や#8000に相談してください。

じんましんとはどんな発疹?

日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aによると、じんましん(蕁麻疹)は、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡かたなく消えてしまう病気です。たいていはかゆみを伴い、チクチクした感じや焼けるような感じのこともあります。

特徴内容
見た目赤く、くっきりと盛り上がる。大きさは1〜2mmから手足全体くらいまでさまざまで、つながって広い範囲を覆うこともある
形円形、楕円形、線状、地図状などさまざま
消えるまでひとつひとつは数十分〜数時間で消えるのが普通。半日〜1日くらい続くものもあり、蕁麻疹診療ガイドライン2018では2〜3日続く例もあるとしている
消えたあと跡かたなく消える。症状が強いと、次々に新しいものが出ては消える

一度出た発疹が何日も同じ場所に残る、あとに茶色い色が残る、表面がガサガサ・ポロポロしてくる、という場合は、じんましんとは別の病気が考えられるとされています。また、虫刺されに似ていますが、虫刺されは何日かしこりが残ったり、かいているうちにジクジクしたりするのに対し、じんましんは必ず跡かたなく消えるのが特徴です。じんましんは、ほかの人にうつることはありません。

じんましんの見た目と経過、別の病気が考えられる場合、虫刺されとの違い、うつらないことは、日本皮膚科学会「皮膚科Q&A(蕁麻疹)」のQ1・Q2・Q14によります。

子どものじんましんの主な原因

日本皮膚科学会の「蕁麻疹診療ガイドライン2018」では、特に小児の急性のじんましんは、上気道(鼻やのど)などの一時的な感染に伴うものが多く、その場合は感染症に続いてじんましんも消えることが多いとしています。かぜをひいているときや、かぜのあとに出るじんましんは、子どもでは珍しくありません。

このほか、皮膚科Q&Aでは、じんましんのきっかけとして次のようなものを挙げています。ただし、これらがあれば誰にでも出るわけではなく、体質と外からの要因が組み合わさったときに出るとされています。

きっかけ例特徴
感染症細菌、ウイルスなど子どもの急性のじんましんに多い
食べ物卵、牛乳、小麦、大豆、そば、魚介類、肉類などアレルギーによるものは、特定の食べ物を食べたときに出る
薬抗菌薬(抗生物質)、解熱鎮痛薬、せき止めなど薬を飲んだあとに出る
汗・温まること入浴、運動、緊張で汗をかいたとき「コリン性じんましん」。1〜4mmほどの小さなぶつぶつで、30分〜1時間ほどで消えることが多い。小児から20歳代に多い
物理的な刺激こすれ、圧迫、寒さ、日光、温熱など刺激を受けた場所に出る
植物・虫イラクサ、蜂など触れたり刺されたりして出る
疲れ・ストレス体や心の疲れ症状を悪くする要因になることがある

食べ物が原因のじんましんは、特定の食べ物を食べたときにだけ出ることが多いので、多くの場合は原因の食べ物を予想できるとされています。逆に、何週間も毎日のように繰り返し出るじんましんでは、食べ物が原因になっていることはほとんどないとしています。また、小麦やエビなど特定の食べ物を食べたあとすぐに運動すると、じんましんだけでなく、血圧低下や呼吸困難などの重い症状(アナフィラキシー)が出る例もあると紹介しています。

メモ

急性のじんましんや、何かのきっかけに一致して出るじんましんでは原因がわかることも多い一方で、原因がはっきりしないことも少なくありません。原因が見つからなくても、適切な治療で症状を抑えることはできます。

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小児では一時的な感染に伴うものが多い点は、日本皮膚科学会「蕁麻疹診療ガイドライン2018」によります。きっかけの一覧、食べ物による場合の特徴、コリン性じんましん、食べ物と運動によるアナフィラキシーは、同「皮膚科Q&A(蕁麻疹)」のQ5・Q6・Q7によります。

急性と慢性の違い

皮膚科Q&Aでは、最初に症状が出てから1か月以内のものを「急性じんましん」、それ以上続くものを「慢性じんましん」と呼んでいます。なお、より新しい蕁麻疹診療ガイドライン2018では、発症から6週間以内を急性、6週間を超えたものを慢性としています。受診するのに、この期間がたつのを待つ必要はありません。

  • 急性じんましん:ほとんどは一度だけ出るか、繰り返しても1か月以内に出なくなるとされています。細菌やウイルスの感染などが原因になっていることが多いとされます。
  • 慢性じんましん:原因を特定できないことが多く、夕方から夜にかけて出て、翌朝から午前中ごろには消える、という経過をとることが多いとされています。数か月〜数年続くこともありますが、薬で症状を抑えながら、やがて薬を減らしたり中止したりできることがほとんどとしています。

じんましんと一緒に、だるさ、関節の痛み、熱などの症状が続く場合は、ほかの病気がないか詳しく調べる必要があるとされています。

急性と慢性の区別と経過は、日本皮膚科学会「皮膚科Q&A(蕁麻疹)」のQ8・Q11・Q16と、「蕁麻疹診療ガイドライン2018」によります。

すぐに救急車を呼ぶサイン

じんましんそのものは皮膚の症状ですが、アレルギーによる強い反応(アナフィラキシー)の一部として出ることがあります。日本小児アレルギー学会は「一般向けエピペン®の適応」で、エピペン(アドレナリン自己注射薬)を処方されている子どもでアナフィラキシーショックが疑われるとき、次の症状が一つでもあれば使うべきだとしています。

分類症状
消化器の症状繰り返し吐き続ける、持続する強い(がまんできない)おなかの痛み
呼吸器の症状のどや胸が締め付けられる、声がかすれる、犬が吠えるような咳、持続する強い咳込み、ゼーゼーする呼吸、息がしにくい
全身の症状唇や爪が青白い、脈を触れにくい・不規則、意識がもうろうとしている、ぐったりしている、尿や便を漏らす

注意

上のような症状があるときは、じんましんが出ているか、すでに消えているかにかかわらず、またエピペンを持っていない子でも、迷わず119番に電話してください。厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」でも、子どもの場合、くちびるの色が紫色、顔色が明らかに悪い、激しいせきやゼーゼーして呼吸が苦しそう、呼吸が弱い、嘔吐が止まらないなどのときは、すぐに救急車を呼ぶよう案内しています。エピペンを処方されている子は、主治医の指示どおりに使い、使ったあとも必ず救急車を呼びます。救急車を待つ間は、日本アレルギー学会の説明では、原則としてあおむけに寝かせ、息苦しいときは座らせ、意識がないときは横向きにするとしています。119番の指令員の指示にも従ってください。

症状の一覧は、日本小児アレルギー学会「一般向けエピペン®の適応」(2013年7月24日)によります。救急車を呼ぶ目安は、厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」によります。待つ間の姿勢は、日本アレルギー学会「アナフィラキシー/Q&A」によります。

受診を考えたいとき

上の救急のサインがなく、皮膚の症状だけで機嫌もよい場合でも、次のようなときは受診して相談しましょう。

こんなとき理由
特定の食べ物を食べたあと、薬を飲んだあとに出たアレルギーによるものは、血液検査や皮膚の検査で原因を調べられることがある
まぶたや唇が腫れた皮膚の深いところが腫れる「血管性浮腫」の可能性がある。かゆみがなく、消えるまでに2〜3日かかることがある
同じ場所に何日も残る、あとに茶色い色が残る、ガサガサしてくるじんましんとは別の病気が考えられる
毎日のように繰り返す、何週間も続く長く続く慢性じんましんの可能性がある。薬で症状を抑えながら経過をみることが多い
かゆみが強く眠れない、かきこわしている飲み薬でかゆみを抑えられることがある
だるさ、関節の痛み、熱が続くほかの病気がないか詳しく調べる必要がある

夜間や休日で受診するか迷うときは、子ども医療電話相談#8000や、地域によっては#7119に相談できます。

原因の検査、血管性浮腫、別の病気が考えられる場合、慢性じんましん、全身の症状を伴う場合は、日本皮膚科学会「皮膚科Q&A(蕁麻疹)」のQ1・Q8・Q12・Q13・Q15・Q16によります。#8000は厚生労働省「子どもの症状は♯8000」、#7119は総務省消防庁「救急安心センター事業(♯7119)」によります。

家でできること

  1. 1

    まず全身の様子を確認する

    皮膚だけでなく、呼吸、声、顔色、機嫌、吐いていないかを見ます。上の救急のサインが一つでもあれば、ためらわず119番に電話します。

  2. 2

    出る前のできごとをメモする

    直前に食べたもの(初めて食べたものはないか)、飲んだ薬、運動や入浴、外遊び、かぜの症状などをメモしておきます。皮膚科Q&Aでは、食べ物によるじんましんは特定の食べ物を食べたときにだけ出ることが多いとしていて、原因を考える手がかりになります。

  3. 3

    写真を撮っておく

    じんましんは受診するころには消えていることも多いので、出ているときにスマートフォンで写真を撮っておくと、医師に様子を伝えやすくなります。発疹が出た時刻と、消えた時刻も残しておきましょう。

  4. 4

    温めすぎない・こすらない

    汗や体が温まることで出るタイプや、こすれや圧迫で出るタイプもあります。症状が出ている間は、長風呂や激しい運動を控え、締めつけの少ない服で過ごします。かきこわさないよう、爪は短くしておきます。

  5. 5

    薬は医師の指示で

    皮膚科Q&Aでは、じんましんの治療の中心は抗ヒスタミン薬などの飲み薬で、塗り薬はかゆみを多少やわらげる程度としています。蕁麻疹診療ガイドライン2018では、小児も基本的には成人に準じて治療しますが、薬の安全性に十分配慮し、第2世代の眠くなりにくい抗ヒスタミン薬を基本とするとしています。家にある薬や大人用の薬を自己判断で使わず、医師や薬剤師に相談してください。

夕方、急に背中とお腹に赤いぼこぼこが出て慌てました。受診するころには薄くなっていましたが、出ているときに撮った写真と、その日に食べたもののメモを見せて説明できたので、落ち着いて相談できました。
3歳の子を持つ保護者

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治療の考え方は、日本皮膚科学会「皮膚科Q&A(蕁麻疹)」のQ13と、「蕁麻疹診療ガイドライン2018」(CQ6:小児にも成人と同様の治療を行って良いか)によります。きっかけになる刺激は、同Q&AのQ6・Q7によります。

よくある質問

じんましんは、ほかの子やきょうだいにうつりますか?
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、じんましんはほかの人にうつることはないとしています。ただし、かぜなどの感染症に伴って出ている場合は、その感染症自体がうつることがあります。保育園や幼稚園を休むかどうかは、熱やせきなどほかの症状と、園のルールをもとに判断してください。
お風呂上がりに小さなぶつぶつが出ます。じんましんですか?
入浴や運動で体が温まったときや汗をかいたときに出る「コリン性じんましん」というタイプがあります。皮膚科Q&Aによると、1〜4mmほどの小さなぶつぶつで、30分〜1時間ほどで消えることが多く、小児から20歳代に多いとされています。何日も続く場合は、あせもや湿疹など別の病気も考えられるので、受診して相談しましょう。
食べ物のアレルギーでしょうか?
食べ物がきっかけになることはありますが、子どもでは、かぜなどの感染症に伴うものが多いとされています。皮膚科Q&Aでは、何週間も毎日のように繰り返し出るじんましんで、食べ物が原因になっていることはほとんどないとしています。特定の食べ物を食べたあとに出たときは、その食べ物と食べた量、出るまでの時間をメモして受診し、相談してください。
まぶたや唇がぷっくり腫れました。これもじんましんですか?
皮膚科Q&Aでは、まぶたや唇などが突然腫れるものを「血管性浮腫」と呼び、じんましんの特殊なタイプとしています。かゆみがなく、消えるまで2〜3日かかることがあるとされています。受診して相談しましょう。息がしにくい、声がかすれるなどがあれば、すぐに119番に電話してください。
毎日のように出ます。いつまで続きますか?
皮膚科Q&Aでは、ほとんどのじんましんは一度だけか、繰り返しても1か月以内に出なくなるとしています。長く続くもの(蕁麻疹診療ガイドライン2018では発症から6週間を超えたもの)は慢性じんましんと呼ばれ、原因がはっきりしないことが多いですが、薬で症状を抑えながら、やがて薬を減らしたり中止したりできることがほとんどとされています。受診して、薬の飲み方や続ける期間を医師と相談してください。
病院に行ったら消えていました。受診した意味はありますか?
じんましんは数十分〜数時間で消えるのが特徴なので、受診のときに消えているのはよくあることです。出ていたときの写真や、出た時刻、直前に食べたもの・飲んだ薬などのメモがあると、医師が判断する手がかりになります。繰り返すときや、食べ物や薬のあとに出たときは、相談しておくと安心です。

まとめ

子どもにじんましんが出たときのチェックリスト

  • まず全身を確認。吐き続ける、声がかすれる、ゼーゼーする、息がしにくい、唇が青白い、ぐったりしているなら119番
  • エピペンを処方されている子は、主治医の指示どおりに使い、救急車を呼ぶ
  • 発疹が出ているうちに写真を撮り、出た時刻と消えた時刻をメモする
  • 直前に食べたもの、飲んだ薬、運動や入浴、かぜの症状を書き留めておく
  • 食べ物や薬のあとに出た、まぶたや唇が腫れた、同じ場所に何日も残るときは受診する
  • 症状が出ている間は、長風呂や激しい運動を控え、爪を短くしてかきこわしを防ぐ
  • 薬は自己判断で使わず、医師や薬剤師に相談する

子どものじんましんは、多くが一時的で、跡を残さずに消えていきます。皮膚だけでなく全身の様子を見ること、そして迷ったら相談すること。この2つを覚えておけば、慌てずに対応できます。

出典・参考

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