子どもが頭をぶつけた・頭を打ったとき|様子を見てよい場合と受診・救急車のサイン
対象の目安: 0〜6歳

目を離したすきにソファから転落。ゴンという音のあとに大泣き。抱き上げてしばらくすると機嫌が戻り、いつもどおり遊び始めた。ほっとする一方で「本当にこのまま様子を見ていいの?」と不安は残りますよね。子どもは頭が大きく重心が高いため、転んだり落ちたりして頭をぶつけることがとても多い年代です。この記事では、東京都こども医療ガイドなどの情報をもとに、ぶつけた直後の対応、すぐ救急車を呼ぶサイン、受診を考える目安、そして24時間の観察ポイントを整理します。この記事で診断はできません。迷ったら受診・#8000への相談が正解です。
ぶつけた直後にすること
東京都こども医療ガイドは、ぶつけた直後は「体を動かさないで」落ち着いて観察することが大切としています。あわてて抱き上げて揺さぶるのではなく、まず見ることからです。
- 1
意識・けいれん・泣き方を確認する
意識はあるか、けいれんはないか、ぶつけた後にすぐ泣いたかを確認します。呼びかけへの反応がない、けいれんしている場合は、この時点で救急車です。 - 2
出血があればガーゼで押さえる
すり傷程度の軽い出血は、きれいなガーゼなどで傷口を押さえて血を止めます。頭の皮膚は血管が多く、小さな傷でも血が目立ちやすい場所です。押さえても止まらない大量の出血は受診します。 - 3
こぶ(たんこぶ)は冷やす
こぶができたときは、保冷剤をタオルに包むなどして冷やします。保冷剤を直接肌に当て続けるのは避けてください。 - 4
状況をメモする
いつ・どこで・何に・どのようにぶつけたかを控えておきます。救急車を呼ぶときも受診するときも、この情報が判断の材料になります。 - 5
当日はお風呂を控えて安静に
頭をぶつけた当日の入浴はやめ、激しい遊びも控えて静かに過ごします。
すぐ救急車(119番)を呼ぶサイン
注意
東京都こども医療ガイドは、次のような緊急性を疑う症状のときは救急車を呼ぶとしています。
- 意識がない
- けいれんがある
- 顔色が青ざめている
- 何回も吐く
- 激しい頭痛がある
- 大泉門(頭の骨がまだくっついていないへこみの部分)が膨らんでいる
- 理由もないのに機嫌が悪い
呼んだら、ぶつけたときの状況(いつ・どこで・何に・どのようにして)をきちんと伝えます。到着までは子どもを揺さぶらず、静かに寝かせて待ちます。
上記の症状の一覧と、状況を伝えるという案内は、東京都こども医療ガイド「頭をぶつけた」によります。到着までの姿勢についての一文は編集部が添えた一般的な注意です。
受診を考える目安(打った状況と症状)
救急車を呼ぶほどではないけれど受診すべきか。ここが一番迷うところです。参考になるのが、東京ベイ・浦安市川医療センター救急外来の解説記事です。同記事は、約42,000人の子どもの頭部打撲を対象にした米国の研究に基づくPECARNルールを紹介し、危険因子として「90cm以上の高さから落下した(2歳未満)」「150cm以上の高さから落下した(2歳以上)」「繰り返し吐いた(3回以上)」「意識を失った(5秒以上)」「けいれんした」「おでこ以外のたんこぶ(2歳未満)」「眠りがちでいつもと比べて様子がおかしい」などを挙げています。大人用ベッドやおむつ交換台はちょうど90cm前後の高さになりうるので、「ベッドから落ちた」はそれだけで受診を相談してよい出来事と考えておくと安全です。
| 様子 | 対応の目安 |
|---|---|
| すぐに泣き、その後は機嫌よく遊び、嘔吐なし。低い場所で打った | 家で安静にして観察を続ける |
| 2歳未満で90cm以上・2歳以上で150cm以上の高さから落ちた | 症状がなくても受診を相談する |
| おでこ以外に大きなこぶがある(特に2歳未満)、3回以上吐いた、5秒以上意識を失った、眠りがちで様子がおかしい | 受診する |
| 意識がない、けいれん、何回も吐く、顔色が青ざめている、止まらない大量出血 | ためらわず救急車 |
24時間(特に最初の6時間)の観察ポイント
東京都こども医療ガイドは「泣いていたら意識があるということで安心と思われがちですが、後で具合が悪くなることもあります」と注意しています。元気そうに見えても状態が変わることがあるため、24時間は安静にして、手足の動きや表情をよく観察します。前述のとおり、受傷から4〜6時間程度は特に注意してみておきたい時間帯です。
次のような変化があれば、時間を問わず再び受診します。
- ぐったりしていてすぐ寝てしまう
- けいれん
- 顔色が悪い
- 耳から血が出る、鼻から透明の液が出る
- 何回も吐く
- 激しい頭痛
眠ること自体を止める必要はありません。東京都こども医療ガイドは、就眠中も3〜4時間ごとに声をかけて、反応するか、目を開けるかを観察するとよいとしています。呼びかけても反応が鈍い、起こしても起きないという場合は受診です。また、ケガの後2〜3日は目を離さないようにし、頭の中の出血は直後や数日後、まれに2〜3か月たってから起こることもあると案内されています。打った後しばらくして歩き方や機嫌がいつもと違うと感じたら、日数がたっていても受診してかまいません。
24時間の安静と観察、再受診の目安、就眠中の3〜4時間ごとの声かけ、2〜3日は目を離さないこと、頭の中の出血の時期については、東京都こども医療ガイド「頭をぶつけた」によります。
迷ったときの相談先
「受診するほどか分からない」を家庭だけで抱え込む必要はありません。
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| #8000(子ども医療電話相談) | 夜間・休日に小児科医師・看護師へ電話相談。お住まいの都道府県の窓口に自動転送。実施時間帯は都道府県で異なる |
| #7119(救急安心センター事業) | 救急車を呼ぶべきか迷ったときの電話相談。医師・看護師・相談員が緊急性の助言や医療機関案内を行う。未実施の地域もある |
| こどもの救急(ONLINE-QQ) | 日本小児科学会のサイト。生後1か月〜6歳を対象に、「頭を強くぶつけた」などの症状から夜間・休日に受診すべきかの目安を確認できる |
繰り返さないための予防
頭の打撲は、同じ場所・同じ状況で繰り返されがちです。こども家庭庁の「こどもの事故防止ハンドブック」は、寝ている間も寝返りや動きでベッドから転落することがあるとして、2歳になるまではできるだけ大人用ベッドを使わず、ソファで寝かせないよう案内しています。転落防止のつもりでベッドの周りにクッションを置くことは、窒息の危険があるため勧められていません。消費者庁も、できるだけベビーベッドに寝かせて柵は常に上げること、一時的でもテーブルなど高さのある場所に寝かせないこと、抱っこやおんぶの乗せ降ろしは低い姿勢で行い、抱っこひものバックルやベルトの緩みを確認すること、窓には手の届かない位置に補助錠を付け、ベランダの手すり付近に足場になる物を置かないことを呼びかけています。
自転車に乗せる場合はヘルメットを。警察庁によると、改正道路交通法の施行により令和5年4月1日から全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務になっており、自転車乗用中の交通事故で亡くなった方の約5割が頭部に致命傷を負っています。
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よくある質問
泣いたあとすぐ機嫌が戻りました。様子見でよいですか?
たんこぶができました。大丈夫のサインですか?
打ったあと寝てしまいました。起こすべきですか?
1回だけ吐きました。すぐ受診すべきですか?
その日のお風呂はどうすればいいですか?
受診するなら何科ですか?
受診したらCTを必ず撮るのですか?
まとめ
子どもが頭をぶつけたときに親がすることは、診断ではなく観察です。直後に意識・けいれん・泣き方を確かめ、危険なサインがあれば救急車。なければ24時間、特に最初の4〜6時間は静かに過ごして様子をみる。この流れさえ押さえておけば、あわてずに動けます。
頭をぶつけたときの確認リスト
- 直後に意識・けいれん・すぐ泣いたかを確認した
- 救急車のサイン(意識がない・けいれん・何回も吐く等)に当てはまらないか確かめた
- 落ちた高さ・ぶつけた状況(いつ・どこで・何に・どのように)をメモした
- こぶはタオルに包んだ保冷剤で冷やした
- 当日はお風呂を控え、24時間は安静にして観察した
- 寝ている間は3〜4時間ごとに声をかけて反応を確認した
- 迷ったら#8000・#7119・こどもの救急(ONLINE-QQ)に相談した
繰り返しになりますが、「元気そうだけれど何か気になる」という感覚は、受診してよい十分な理由です。空振りに終わっても、それはよい空振りです。判断をひとりで抱え込まず、かかりつけ医や#8000を頼ってください。
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