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子どもの自己肯定感を育てる関わり方|安心の土台と毎日の声かけ(0〜6歳)

対象の目安: 0〜6歳ごろ

ミナト編集長 / 生活リズム・時短担当
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子どもの自己肯定感を育てる関わり方|安心の土台と毎日の声かけ(0〜6歳)

「うちの子の自己肯定感、ちゃんと育っているのかな」「ほめ方の本は読んだけれど、結局どう関わればいいの」——自己肯定感は子育てでよく聞く言葉ですが、つかみどころがなく不安になりやすいテーマです。この記事では、公的調査や専門機関の情報をもとに、自己肯定感とは何かをやさしく整理し、乳幼児期の安心の土台と、今日からできる関わりのヒントをまとめました。発達には大きな個人差があり、これをすれば必ず高まるという魔法はありません。肩の力を抜いて、できそうなところから読んでみてください。

自己肯定感とは(早わかり)

自己肯定感とは、ざっくり言えば「自分には価値があり、ここにいていいと思える感覚」のことです。よく似た言葉がいくつかあり、混ざりやすいので、まず全体像を整理しておきましょう。

言葉意味のイメージ育つきっかけの例
自尊感情自分に対して肯定的な評価を抱いている状態。自己評価が中心「できた」という実感、ありのままを受け止めてもらう経験
自己有用感人の役に立った・喜んでもらえたと感じる気持ち。相手の存在が前提お手伝いに「ありがとう」と言われる、誰かを助けられた経験
自己肯定感上のような感覚が重なり合った、自分を前向きに受け止める土台安心できる関わりと、認められる日々の積み重ね

国立教育政策研究所の資料では、「自尊感情」は自己に対して肯定的な評価を抱いている状態を指し、自己評価が中心であるのに対し、「自己有用感」は他人の役に立った・喜んでもらえたなど、相手の存在なしには生まれてこない点で異なる、と説明されています。子どもの場合、「ありがとう」と感謝される自己有用感の積み重ねが、自分を肯定する気持ちにもつながっていくと考えられます。

「自尊感情」は自己への肯定的な評価で自己評価が中心、「自己有用感」は相手の存在なしには生まれない、という違いは、国立教育政策研究所「生徒指導リーフ Leaf.18」を参考にしています。

日本の子どもの傾向(公的調査から)

「日本の子どもは自己肯定感が低い」とよく言われます。こども家庭庁が令和5年度に日本・アメリカ・ドイツ・フランス・スウェーデンの満13〜29歳を対象に行った調査でも、「私は、自分自身に満足している」に『そう思う(計)』と答えた割合は日本が57.4%で、アメリカ73.2%・ドイツ73.9%・フランス75.6%・スウェーデン72.3%と比べて低い結果でした。

メモ

一方で、同じ調査で日本は平成30年度調査と比べ(こちらは「そう思う」と答えた割合での経年比較)、「自分自身に満足している」が12.3ポイント上昇し、「自分は役に立たないと強く感じる」は5.7ポイント低下しています。「日本の子は低いまま」と決めつけず、関わり方の積み重ねで変わりうるものとして受け止めたいところです。なお、これは中高生以上を含む調査で、乳幼児そのものの数値ではありません。

国際比較の数値(自分自身に満足している:日本57.4%ほか)と、平成30年度比12.3ポイント上昇・「役に立たないと強く感じる」5.7ポイント低下は、こども家庭庁「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査(令和5年度)」を参考にしています。調査対象は各国満13〜29歳です。

土台は「安心」と「受け止め」

幼い子の自己肯定感をいきなり高めようとするより、まず大切にしたいのが「安心できる土台」です。乳幼児期は「困ったときに戻れる人がいる」「自分は受け止めてもらえる」という安心感が、心の発達の基礎になると考えられています。

この安心の土台があると、子どもは「ここまで離れても大丈夫」と外の世界へ探索に出て、不安になればまた戻ってくる——という行き来を繰り返しながら、少しずつ自分で世界を広げていきます。特別なことをしなくても、次のような日々の関わりが安心の土台を支えます。

  1. 1

    呼びかけや表情に応える

    泣いたら声をかけ抱っこする、笑いかけに笑い返す。「あなたの発信は届いているよ」という反応が安心になります。
  2. 2

    「見てるよ」を伝える

    遊んでいる子に時々目を向け、「楽しそうだね」とひと言。常にかまわなくても、見守られている実感が支えになります。
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    戻ってきたら受け止める

    転んで泣いて戻ってきたとき、「痛かったね」とまず気持ちを受け止める。安心して、また遊びに戻っていけます。

ヒント

ずっと相手をし続ける必要はありません。家事の合間に「ちゃんと見てるよ」が伝わる声かけや視線があれば十分です。完璧な応答より、「気にかけている」が日常的に伝わることが大切です。

具体的な関わり方(今日からできる5つ)

安心の土台のうえで、毎日の関わりに少しずつ取り入れたいポイントを5つにまとめました。どれも「特別なこと」ではなく、声のかけ方や向き合い方の小さな工夫です。

1. 結果より「過程・行動」を認める

「上手だね」と結果だけをほめるより、「最後まで集中して塗れたね」「自分でやろうとしたね」と、子どもがした具体的な行動や努力を言葉にします。こども家庭庁も、良い行動を具体的にほめることや結果だけでなく頑張りを認めることが、自己肯定感を育むことにつながるとしています。

2. ほかの子・きょうだいと比べない

「お姉ちゃんはできたのに」といった比較は、子どもに「自分はダメだ」という感覚を残しやすい関わりです。比べる相手は他人ではなく「昨日のその子」。「昨日より長く座れたね」と、その子自身の変化に注目します。

3. 失敗を責めず、挑戦を認める

うまくいかなかったときに「だから言ったでしょ」と責めると、子どもは失敗を怖がるようになりがちです。「やってみたんだね」「惜しかったね、もう一回やる?」と、挑戦そのものを認めると、また試そうという気持ちが育ちます。

4. 小さなことから「選ばせる」

「赤い服と青い服、どっちにする?」のように小さな選択を任せると、「自分で決めた」という実感が積み重なります。自分で選び、決める経験は、自己決定の感覚を支えます。

5. 手伝いに「ありがとう」と伝える

お皿を運ぶ、おもちゃを片付けるなど、できる範囲のお手伝いに「ありがとう、助かったよ」と伝えます。人の役に立てたという自己有用感は、相手からの感謝があってこそ育つもの。感謝の言葉は、自己肯定感の大切な栄養になります。

「良いこと・できていることを具体的にほめる」「結果だけでなく頑張りを認める」「子どもの気持ちや考えに耳を傾ける」という考え方は、こども家庭庁「体罰等によらない子育てを広げよう!」ガイドブックを参考にしています。

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やりがちなNGと言い換え(早見表)

良かれと思った声かけが、かえって自分を否定する感覚につながることもあります。完璧を目指す必要はありませんが、つい言いがちな言葉を、少し前向きな言い換えにするだけでも関わりは変わります。

つい言いがちな声かけなりやすい受け取られ方言い換えの例
「すごいね!」だけで終える何が良かったか伝わらない「最後までがんばって塗れたね」
「お兄ちゃんなのに」「○○ちゃんは…」自分は劣っていると感じる「昨日より上手にできたね」
「だから言ったでしょ」失敗が怖くなる「やってみたね。次はこうしてみる?」
「早くしなさい!」を繰り返す急かされて自信を失う「どっちを先にやる?」と選ばせる
「もう知らない」と突き放す見捨てられた不安が残る「困ったら戻っておいで」

注意

しつけのつもりでも、叩く・怒鳴る・「生まれてこなければよかった」のように存在を否定する言葉は、子どもの心を傷つけ、自己肯定感を大きく損ないます。体罰はどんなに軽いものでも法律で禁止されています(2019年成立の改正児童福祉法等、2020年4月施行)。きょうだいと比べてけなすことも避けたい関わりです。

体罰の法的位置づけや、存在を否定する言葉・きょうだいと比べてけなすことが心を傷つける行為であることは、こども家庭庁の啓発資料を参考にしています。

つまずき・困ったとき

「ほめているつもりなのに、子どもの自信がついている気がしない」「比べてはいけないと分かっていても、つい口に出てしまう」という相談はとても多く聞かれます。
未就学児を育てる保護者

理想どおりにいかないのは当たり前です。次のような視点で、肩の力を抜いてみてください。

  • すぐに変化は見えなくてよい:自己肯定感は一日で育つものではありません。今日の小さな声かけが効果としてすぐ表れなくても、積み重ねが土台になります。
  • 比べてしまったら言い直せばよい:つい比較してしまっても、「ごめん、あなたはあなたのペースでいいんだよ」と伝え直せば大丈夫。完璧な言葉より、向き合おうとする姿勢が伝わります。
  • 「気質」の違いを前提に:慎重な子・活発な子など、生まれ持った気質は一人ひとり違います。自信のつき方やペースも違って当然と考えると、焦りが和らぎます。
  • 発達が気になるときは抱え込まない:かんしゃくが極端に強い、言葉や関わりで気になることが続くなど、心配が大きいときは、かかりつけの小児科や自治体の相談窓口に相談すると安心です。

親自身が抱え込まないために

子どもの自己肯定感を支える土台は、親自身の心の余裕でもあります。「ちゃんと育てなければ」と気負いすぎると、かえって余裕がなくなりがちです。

  • 完璧な親を目指さない:完璧な声かけを毎回できる人はいません。「今日はひとつ良い関わりができた」で十分です。
  • 自分の機嫌も大切にする:親が安心して笑っていられることが、子どもにとっての安心にもつながります。休む・頼る・手を抜くは、悪いことではありません。
  • イライラしたときの工夫:こども家庭庁は、否定的な感情に気づいたうえで、深呼吸する・ゆっくり5秒数える・風にあたって気分転換する、などの工夫を紹介しています。

メモ

「子どもが言うことを聞かないのは親のせい」といった言葉に追い詰められる必要はありません。うまくいかない日があって当然、という前提で、自分を責めすぎないことも立派な工夫の一つです。

困ったときの相談先も覚えておくと安心です。市区町村の子育て相談窓口・保健センターは身近な相談先で、乳幼児健診の機会にも相談できます。子育ての悩みは児童相談所相談専用ダイヤル(0120-189-783)でも相談でき、虐待かもと感じたときは児童相談所虐待対応ダイヤル「189」につながります。

相談ダイヤル(189/児童相談所相談専用ダイヤル0120-189-783)の案内は、こども家庭庁の情報を参考にしています。対応時間や詳細は窓口により異なります。

よくある質問

甘やかすことと、自己肯定感を育てることは違いますか?
違うものとして考えられます。自己肯定感の土台は、要求を何でも通すことではなく「ありのままを受け止めてもらえる安心」と「できた・役に立てたという実感」です。気持ちは受け止めつつ、危ないことや人を傷つけることは穏やかに伝える、という両立が基本になります。
たくさんほめれば自己肯定感は高まりますか?
ほめる量より中身が大切です。結果や能力だけを大げさにほめ続けるより、できた行動や頑張りを具体的に認めるほめ方が基本とされています。国立教育政策研究所の資料でも、ほめる機会を増やしても必ずしも自尊感情が高まるとは限らないと指摘されています。
0歳のうちから何かした方がいいですか?
特別な働きかけは必要ありません。0歳期は、泣いたら応える・笑いかけに応えるといった、安心できる関わりそのものが土台になります。「あなたの発信は届いているよ」が伝わる日々のやりとりで十分です。
つい上の子に「お兄ちゃんなんだから」と言ってしまいます。
年齢や立場で我慢を求める言葉や、きょうだいとの比較は、自分が認められていないと感じさせやすい関わりです。言ってしまっても、その子自身のできたことに目を向け「あなたのこのがんばり、見てたよ」と伝え直せば大丈夫です。
失敗を嫌がって挑戦しなくなりました。どう関われば?
結果よりも挑戦したこと自体を認める関わりが助けになります。「やってみたんだね」「惜しかったね、もう一回やってみる?」と、できた・できないより取り組んだ過程に注目すると、また試そうという気持ちが戻りやすくなります。
発達が気になるとき、自己肯定感の関わりだけで様子を見て大丈夫?
発達には個人差がありますが、かんしゃくが極端、言葉や関わりで気になることが続くなど心配が大きいときは、関わりの工夫だけで抱え込まず、かかりつけの小児科や自治体の発達相談・乳幼児健診で相談すると安心です。早めの相談は不安の整理にも役立ちます。

まとめ

自己肯定感は、特別な教育で一気に高めるものではなく、「安心できる土台」と「日々の小さな関わり」の積み重ねで少しずつ育っていくものです。完璧な親である必要はありません。できそうなところから、ひとつずつ取り入れてみてください。

今日から試せる関わりチェックリスト

  • 泣いたら応える・笑いかけに応える、安心の土台を大切にする
  • 「見てるよ」「困ったら戻っておいで」を日常的に伝える
  • 結果より、過程やがんばった行動を具体的に認める
  • ほかの子ではなく「昨日のその子」と比べる
  • 失敗を責めず、挑戦したこと自体を認める
  • 小さなことから選ばせ、お手伝いには「ありがとう」を伝える
  • 親も完璧を目指さず、つらいときは相談先を頼る

子どもにとっての安心の土台は、親が笑顔でいられる余裕とも地続きです。ひとりで抱え込まず、周囲や相談先も頼りながら、その子のペースを一緒に見守っていきましょう。

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出典・参考

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