突発性発疹とは?高熱のあとに発疹が出たら|熱と発疹の経過、受診の目安、登園のめやす(0〜2歳)
対象の目安: 0〜2歳ごろ


「生まれて初めての高熱。でも、思ったより元気そう」「熱が下がってほっとしたら、今度は体じゅうに赤いぶつぶつが出てきた」——0〜2歳ごろの子どもによくある、こうした経過の代表が突発性発疹です。多くは自然に治る病気ですが、初めての高熱で不安になったり、発疹が出て「何か別の病気では」と心配になったりする保護者は少なくありません。この記事では、こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」、日本小児科学会「予防すべき感染症の解説」、東京都こども医療ガイドなどをもとに、熱と発疹の経過、家でのケア、すぐ受診したいサイン、登園のめやすをまとめます。診断は医師が行うものなので、気になるときはかかりつけの小児科や#8000に相談してください。
突発性発疹はどんな病気?
突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6(6B)型、またはヒトヘルペスウイルス7型の初めての感染で起こる病気です。資料によって少し幅がありますが、かかりやすい年齢は次のように説明されています。
| 資料 | かかりやすい年齢の説明 |
|---|---|
| こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」 | 生後6か月〜2歳によくみられる。7型の初感染の場合は2〜4歳ごろに多い |
| 日本小児科学会「予防すべき感染症の解説」 | 6〜24か月が最も多く、5歳までに75%の子どもが感染する |
| 東京都こども医療ガイド | 生後数か月以上の子に多く、通常4〜12か月の間にかかりやすい |
こども家庭庁のガイドラインによると、ウイルスは多くの子どもや大人の唾液などに常に出ていて、お母さんから受け取っていた抗体が減ってくる乳児期の後半以降に、保護者やきょうだいの唾液などからうつると考えられています。乳児同士でうつることは少なく、地域や季節での流行はみられず、一年を通してほぼ同じように起こるとされています。うつってから症状が出るまでの潜伏期間は、ガイドラインでは9〜10日とされ、日本小児科学会の解説では6型が9〜10日、7型は不明としています。
ガイドラインには、0歳児が保育園に入ってから初めて熱を出した場合、突発性発疹の可能性もある、という記載もあります。「初めての高熱が突発性発疹だった」というのは、よくある経過です。
メモ
原因のウイルスは2種類あります。ガイドラインでは、7型の初めての感染でも突発性発疹の特徴がみられることがあり、その場合は2〜4歳ごろに多いとしています。一度かかった子でも、もう一度似た経過をたどる可能性があると知っておくと、慌てずにすみます。
熱と発疹は、どんな経過をたどる?
典型的な経過は、次のとおりです。
| 時期 | 経過の目安 |
|---|---|
| 1日目 | 突然、高い熱が出る(38〜40℃前後。日本小児科学会の解説では39.5℃以上) |
| 1〜3日目ごろ | 高熱が続く。熱が高いわりに元気なことが多い。MSDマニュアルでは、熱のほかに体の特定の場所の症状がみられないまま続くとしている |
| 3〜4日目ごろ | 熱が下がる(資料により「3日間程度」〜「3〜5日間」と幅がある) |
| 熱が下がるころ | 胸やお腹を中心に赤い発疹が出る。顔や手足にも出ることがある |
| その後数日 | 発疹はかゆみがなく、数時間〜数日で消え、跡も残らないことが多い |
東京都こども医療ガイドでは、発疹は2〜3mmから1cmほどの赤いもので、かゆみはなく、3〜4日で治り跡も残らないとしています。典型的な症状が出ない子や、下痢になる子もいます。MSDマニュアルでは、首や耳の後ろのリンパ節が腫れることがしばしばあるとし、発疹がはっきりしない軽い例では気づかれないこともあるとしています。
注意
高熱が続いている間は、まだ突発性発疹かどうかわかりません。こども家庭庁のガイドラインにあるように、熱が下がって発疹が出るころに診断がつくのが一般的です。熱の間は「突発性発疹だろう」と決めつけず、水分がとれているか、機嫌や呼びかけへの反応はどうか、といった全身の様子を見て、気になるときは受診してください。
気をつけたい合併症
突発性発疹は比較的軽い病気で、自然に治るのが一般的です。特別な治療薬はなく、症状に合わせた治療(対症療法)が行われます。ワクチンもまだありません。
ただし、こども家庭庁のガイドラインでは、熱性けいれん、脳炎・脳症、肝炎などを合併することがあるとしています。日本小児神経学会は、けいれんが起きたときは、まず安全な場所で横向きに寝かせ、口にタオルや箸などを入れないこととしています。顔色が悪い場合はすぐに、そうでない場合も5分たってもけいれんが止まらないときは救急車を呼びます。けいれんが続いた時間や体の様子、体温などを観察して医師に伝えることも、診断のために大切です。くわしくは熱性けいれんの記事にまとめています。
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家でのケア
東京都こども医療ガイドでは、家での過ごし方として次のポイントを挙げています。
- 1
水分をこまめにとる
熱で脱水にならないよう、少しずつこまめに飲ませます。湯ざまし、麦茶、乳幼児用イオン飲料、経口補水液、薄めた果汁、野菜スープなどが例に挙げられています。母乳やミルクを飲んでいる子は、飲めているかも見ておきましょう。
- 2
食事は食べられるものを少しずつ
食欲がないときは、おかゆやうどん、市販の離乳食など、消化がよくのどごしのよいものを少しずつ。アイスクリームやプリン、ゼリーでも大丈夫とされています。無理に食べさせる必要はありません。
- 3
着せすぎ・暖めすぎに注意する
室温は大人が快適と感じる程度で十分です。厚着や布団のかけすぎは避けます。冷却シートや氷まくらに解熱の効果は期待できませんが、嫌がらなければ、保冷剤などで首すじやわきの下を冷やすと気持ちよく感じることもあります。
- 4
室内で静かに過ごす
無理に寝かせなくてもかまいません。症状がある間は外遊びを控えます。熱が下がったら、機嫌や食欲など全身の様子を見て、短い時間の散歩から始めます。
- 5
お風呂は様子を見て
熱があり、せきや鼻水などの症状がひどいときは入浴を控え、汗は蒸しタオルで拭きます。熱が下がって元気が戻ったら、シャワーで清潔にしましょう。
解熱剤を使うかどうか、どのくらいの間隔で使うかは、受診したときに医師の指示を確認してください。
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家でのケアは、東京都こども医療ガイド「突発性発疹」によります。
すぐ受診したいサイン
東京都こども医療ガイドでは、水分がとれない、ぐったりしているときは受診するよう案内しています。昼間は早めに受診し、夜間は元気があれば翌日でもよいが、元気がないときはかかりつけ医に連絡する、としています。また、受診したあとでも次のような様子があれば、すぐに再受診するよう挙げています。
| すぐ再受診したい様子 | 見るポイント |
|---|---|
| 全身の状態が悪くなった | 熱が続いてぐったりしてきた、など |
| おしっこが濃い・量が少ない | 脱水のサイン。おむつが濡れる回数も目安に |
| 呼吸が苦しそう | 肩で息をしている、ゼイゼイしている(激しく苦しそう、呼吸が弱いときは下の救急車の目安へ) |
| 呼びかけへの反応が弱い、異常にぼんやりしている | いつもと比べて反応がにぶい |
| 首がかたく、曲げにくい | |
| 泣きやまない | あやしても泣きやまない |
| 耳を痛がる | 耳をしきりにさわる、など |
注意
次のようなときは、受診を待たずに救急車(119番)を呼んでください。厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」では、子どもの場合、くちびるの色が紫色、顔色が明らかに悪い、激しいせきやゼーゼーして呼吸が苦しそう、呼吸が弱い、などを挙げています。けいれんは、顔色が悪いときはすぐに、そうでなくても5分たっても止まらないときが目安です(日本小児神経学会)。
また、生後3か月未満の赤ちゃんの発熱は、突発性発疹とは限りません(東京都こども医療ガイドでは、突発性発疹は生後数か月以上の子に多いとしています)。元気そうに見えても、夜間・休日を含め早めにかかりつけ医や#8000に相談してください。受診するか、救急車を呼ぶか迷うときは、#7119(実施している地域)や、夜間・休日の子ども医療電話相談#8000に相談できます。
ヒント
受診のときは、熱が出た日時と最高体温、解熱剤を使った時刻、水分や母乳・ミルクの量、おしっこの回数、発疹が出た時刻と場所をメモしておくと、医師に伝えやすくなります。発疹はスマートフォンで写真を撮っておくのもおすすめです。
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保育園・幼稚園にはいつから行ける?
こども家庭庁のガイドラインでは、熱が下がって発疹が出て診断がつくころにはウイルスの排出はなくなるため、登園のめやすは「解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと」としています。日本小児科学会の解説でも、「解熱し、機嫌がよく、全身状態が良ければ登校(園)可能」としています。
つまり、発疹が残っていても、熱が下がって機嫌よく過ごせていれば登園のめやすを満たします。ただし、園や自治体によっては独自の基準を設けていたり、登園届の提出を求めたりしていることがあります。通っている園のルールを確認しましょう。
家庭でできる予防として、日本小児科学会の解説では、食べ物を口移しで与えない、歯ブラシや食事用具を共用しない、といった唾液の接触を避ける工夫を挙げています。こども家庭庁のガイドラインでは、日ごろの手洗いを徹底することも挙げています。
よくある質問
高熱なのに元気です。突発性発疹でしょうか?
熱が下がったあとに発疹が出ました。もう一度受診したほうがいいですか?
発疹はかゆくなりますか?薬は必要ですか?
発疹が残っていても、保育園に行っていいですか?
突発性発疹に2回かかることはありますか?
きょうだいや大人にうつりますか?
まとめ
突発性発疹かな?と思ったときに確認したいこと
- 高熱の間は、水分がとれているか、おしっこが出ているか、反応はいつもどおりかを見る
- 熱の日時・最高体温・水分量・おしっこの回数をメモしておく
- ぐったりしている、呼吸が苦しそう、呼びかけへの反応が弱い、首がかたいときはすぐ受診
- けいれんしたら横向きに寝かせ、口に物を入れない。顔色が悪い、5分たっても止まらないときは119番
- 熱が下がって発疹が出たら、かゆみがないか、機嫌はどうかを見て、受診して確認してもらう
- 家では水分をこまめに、着せすぎない、静かに過ごす
- 登園は「熱が下がり、機嫌がよく、全身の状態がよい」がめやす。園のルールも確認する
突発性発疹は、多くの子が乳幼児期に経験する病気です。熱の間は不安になりますが、全身の様子をよく見て、迷ったら相談する。それが何よりの備えになります。
出典・参考
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