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子どもの脱水症状の見分け方と経口補水液の使い方|夏の暑さ・発熱・嘔吐下痢のとき

対象の目安: 0〜6歳ごろ

カナデ発達・おでかけ担当
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子どもの脱水症状の見分け方と経口補水液の使い方|夏の暑さ・発熱・嘔吐下痢のとき

夏の暑い日、熱を出したとき、そして嘔吐や下痢が続くとき。子どもは大人が思う以上に、あっという間に体の水分が足りない状態になりやすいものです。とはいえ「これは脱水なの?」「経口補水液ってどう飲ませればいいの?」と迷う場面は少なくありません。この記事では、脱水のサインの見分け方と、経口補水液(ORS)の選び方・飲ませ方、そして受診や救急を考える目安を、こども家庭庁や日本小児科学会などの情報をふまえて整理しました。あわてず落ち着いて対応できるよう、家族で読んでおきたい内容です。

なぜ子どもは脱水になりやすいのか

同じ環境にいても、子どもは大人より脱水になりやすいと考えられています。これは体のつくりや発達の特徴によるものです。

  • 体が小さく、体重あたりの水分の出入りが多いため、環境の影響を受けやすい
  • 体温調節の機能が未熟で、こども家庭庁も乳幼児は体温調節機能が未発達だと説明しています
  • のどの渇きや体調の悪さを、自分で言葉にして訴えにくい
  • 発熱・嘔吐・下痢などで、体から失われる水分が急に増えやすい

こども(乳幼児)は体温調節機能が未発達で暑さの影響を受けやすい、という点は、こども家庭庁「みんなで見守り『こどもの熱中症』を防ぎましょう!」を参考にしています。

「元気がないな、と思っていたら、半日おむつがほとんど濡れていないことに気づいてハッとしました。自分から『のどかわいた』と言えない年齢だからこそ、大人が気づいてあげないといけないんだと実感しました」という声もあります。
2歳児の保護者

暑い時期だけでなく、冬の胃腸炎(嘔吐下痢)や発熱のときにも脱水は起こります。「夏だけのこと」と思わず、体調をくずしたときは水分の状態に目を向けておくと安心です。

脱水の見分け方|チェックしたいサイン

子どもは自分で不調を訴えにくいため、大人が様子を観察して気づくことが大切です。次のようなサインが、脱水を見分ける手がかりになります。

  • おしっこの量や回数が減る(半日ほどおむつが濡れない、色が濃い)
  • 唇や舌、口の中が乾いている
  • 泣いても涙が出ない、または少ない
  • 目が落ちくぼんで見える
  • 皮膚の張り(ハリ)が低下し、つまむと戻りにくい
  • 機嫌が悪い、ぐったりして元気がない、うとうとしがち
  • 乳児では、頭のやわらかい部分(大泉門)がくぼんで見える

これらは一つあれば必ず脱水というわけではなく、いくつか重なるほど注意が必要になります。判断の目安として、程度別に整理すると次のようになります。

程度の目安様子の例家庭での対応の方向性
軽度少し元気がない、口が乾き気味、おしっこがやや減る。水分は飲める経口補水液などで、少量ずつこまめに水分補給。様子を見る
中等度おしっこがかなり減る、涙が少ない、ぐずりが強い、目がくぼみ気味経口補水液で補給しつつ、改善しなければ早めに受診・相談
受診の目安半日〜1日おしっこが出ない、ぐったり、水分を受け付けない、繰り返し吐く家庭で様子を見ず、医療機関を受診(または救急)へ

メモ

この表はあくまで一般的な目安です。月齢や体調、持病の有無によって適切な対応は変わります。特に低月齢の赤ちゃんは状態が急に変わりやすいため、迷ったら早めに相談する姿勢が安心につながります。

脱水が起こりやすい場面

脱水は、次のような場面で起こりやすくなります。心当たりがあるときは、いつもより意識して水分の様子を見ておきましょう。

  • 夏の暑さ・炎天下での外遊びや、暑い室内で汗を多くかいたとき
  • 発熱しているとき(体温が高いと水分が失われやすい)
  • 嘔吐や下痢が続くとき(胃腸炎など)
  • 食欲や飲みが落ちて、いつもより水分・食事がとれていないとき

暑さによる脱水・熱中症そのものの予防や応急処置については、別記事で詳しくまとめています。あわせて読んでみてください。

あわせて読みたい

乳幼児の熱中症対策|赤ちゃん・幼児に特有のリスクと予防・応急処置

経口補水液(ORS)とは

経口補水液(ORS=Oral Rehydration Solution)は、水分に加えてナトリウム(塩分)とブドウ糖(糖分)を適切なバランスで含んだ飲みものです。腸では、ナトリウムとブドウ糖がそろっていると水分の吸収が進みやすくなる仕組みがあり、この性質を利用して、失われた水分と電解質をおぎなうのが経口補水療法です。下痢や嘔吐による脱水への対応として、経口補水液を使う経口補水療法は、家庭でも取り入れやすい方法として広く用いられています。

軽い〜中くらいの脱水であれば、家庭での経口補水が役立つ場面が多いとされています。一方で、飲みものの選び方には少し注意が必要です。

  • スポーツドリンク: 糖分が多めで塩分は少なめの製品が多く、脱水時の補水には向かない場合があります
  • 水やお茶だけ: 水分はとれても電解質(ナトリウムなど)がおぎなえません
  • 経口補水液: 水分と電解質・糖分のバランスが補水向けに調整されています

ヒント

まずは、乳幼児向けの表示がある市販の経口補水液を用意しておくと安心です。製品によって対象月齢や飲ませ方の目安が異なるため、パッケージの表示を確認し、迷うときはかかりつけ医や薬剤師に相談しましょう。

嘔吐・下痢を伴う胃腸炎のときは水分補給に配慮する、という家庭での対応の考え方は、こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」の内容も参考にしています。個別の製品や量を推奨するものではありません。

経口補水液の飲ませ方

経口補水液は「一気にたくさん」ではなく、「少しずつ・こまめに」が基本です。特に吐き気があるときは、一度に多く飲むとまた吐いてしまうことがあります。

  1. 1

    少量から始める

    ティースプーン1杯〜ペットボトルのキャップ1杯くらいの少量を、数分おきに与えます。まずは飲めるかどうかを確かめながら、ゆっくり進めます。
  2. 2

    こまめに続ける

    吐かずに飲めるようなら、少量を数分おきに繰り返し、時間をかけて量をおぎなっていきます。「一度にたくさん」より「少しずつ何回も」が続けるコツです。
  3. 3

    吐いたら少し休んで再開

    飲んだあとに吐いてしまっても、あわてなくて大丈夫です。5〜10分ほど休ませてから、また少量から再開します。長時間中断しなくてよいとされています。
  4. 4

    落ち着いたら食事・ミルクを再開

    吐き気が落ち着き飲めるようになってきたら、無理のない範囲で普段の食事やミルク・母乳を早めに再開していきます。

量はあくまで一般的な目安で、月齢や体格、体調によって変わります。数字にこだわりすぎず、その子が飲める範囲でこまめに続けることを大切にしてください。

嘔吐・下痢のときは少量ずつこまめに水分をとり、落ち着いたら食事を戻していく、という家庭での基本的な考え方は、こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」の内容を参考にしています。具体的な量や製品は各家庭の状況・医療者の指示によります。

注意

経口補水液を家庭で手作りする方法も紹介されていますが、塩や砂糖の配合を正確にそろえるのは難しく、衛生面の心配もあります。日常的な常用は避け、基本は乳幼児向けの市販品を使うと安心です。もし手作りする場合でも、1歳未満の赤ちゃんにはちみつを使わないでください(乳児ボツリヌス症の危険があります)。

受診・救急を考える目安

家庭での経口補水でよくならないときや、次のようなサインがあるときは、様子を見続けずに医療機関へ相談・受診しましょう。

注意

半日〜1日おしっこがまったく出ない、ぐったりして元気がない・反応が鈍い、水分をまったく受け付けない・吐いてばかりで飲めない、繰り返し吐く、血が混じった便(血便)が出る、唇や舌がひどく乾く・目が落ちくぼむ・涙が出ない・手足が冷たい——こうしたサインがあるときは、早めの受診を検討してください。特に、意識がはっきりしない・けいれんがあるといった場合は、ためらわず救急(119)を要請してください。

判断に迷うときは、ひとりで抱え込まず相談窓口を活用しましょう。

  • 子ども医療電話相談(#8000): 小児科医・看護師に相談できる窓口(対応時間は都道府県により異なります)
  • 日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」: 気になる症状から家庭での対応や受診の目安を確認できるウェブサービス
  • かかりつけ医: 普段の様子を知ってもらっている医師への相談も心強い選択肢です

受診すべきか迷ったときの目安の確認には、日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」が利用できます。最終的な判断は個々の状態により、医療者への相談・受診を優先してください。

「こんなことで連絡してよいのか」とためらう必要はありません。子どもの状態は急に変わることがあるため、早めに相談するほうが安心です。

脱水を防ぐための予防

脱水は、日ごろの水分補給と暑さ対策である程度防げます。体調をくずしていないときも、次のような点を意識しておきましょう。

  • のどの渇きを感じる前に、こまめに水分をとる
  • 暑い時期は室温・湿度を管理し、外遊びは涼しい時間帯や短めに
  • 汗を多くかいたとき、発熱・下痢・嘔吐があるときは、いつもより意識して水分補給を
  • 低月齢の赤ちゃんは、母乳・ミルクが水分補給の基本

暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒アラートは、環境省の熱中症予防情報サイトで確認できます。暑い日のおでかけ前にチェックしておくと、無理のない計画を立てやすくなります。

暑さ指数(WBGT)や熱中症の危険度は、環境省熱中症予防情報サイトで確認できます。気温だけでなく湿度なども関係するため、同じ気温でも危険度は変わります。

夏の感染症や胃腸炎への備えについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。

あわせて読みたい

夏に流行する子どもの感染症|手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱の見分け方とホームケア

よくある質問

経口補水液とスポーツドリンクは同じように使えますか?
同じようには使いにくい場合があります。スポーツドリンクは糖分が多めで塩分は少なめの製品が多く、脱水時の補水には向かないことがあります。経口補水液は水分・電解質・糖分が補水向けに調整されているため、脱水が心配なときは乳幼児向けの表示がある経口補水液を用意しておくと安心です。選び方に迷うときはかかりつけ医や薬剤師に相談しましょう。
赤ちゃん(低月齢)にも経口補水液を飲ませていいですか?
月齢によって対応が異なります。低月齢の赤ちゃんは母乳・ミルクが水分補給の基本で、経口補水液を使うかどうかは製品の対象月齢の表示や医師の指示を優先してください。赤ちゃんは状態が急に変わりやすいので、飲みが悪い・おしっこが減るなど気になるときは、自己判断で進めず早めに相談すると安心です。
水やお茶だけではだめなのですか?
軽い状態で水分がとれているなら、水や麦茶でこまめに補給すること自体は悪くありません。ただし水やお茶だけでは、汗や下痢・嘔吐で失われるナトリウムなどの電解質はおぎなえません。発熱や嘔吐下痢が続くときは、水分と電解質をバランスよく含む経口補水液のほうが向いている場面があります。
吐いてしまったら、水分は飲ませないほうがいいですか?
吐いたあとも、少し休んでから少量ずつ再開して大丈夫なことが多いとされています。目安として5〜10分ほど休ませ、ティースプーン1杯程度のごく少量から、数分おきにゆっくり与えます。一度にたくさん飲ませると再び吐きやすいため、『少しずつ・こまめに』を意識しましょう。まったく飲めない・吐いてばかりのときは受診を検討してください。
どのくらいおしっこが出なかったら受診の目安ですか?
一般的には、半日ほどまったくおしっこが出ない状態が一つの目安とされています。それに加えて、ぐったりしている・涙が出ない・目がくぼむ・水分を受け付けないなどが重なるときは、より注意が必要です。数字だけで判断せず、全体の様子を見て、迷ったら#8000や日本小児科学会『こどもの救急』、かかりつけ医に相談しましょう。

まとめ

子どもは大人より脱水になりやすく、暑さだけでなく発熱や嘔吐下痢のときにも起こります。大切なのは、おしっこの減り・唇や舌の乾き・涙が出ない・目のくぼみ・元気のなさといったサインに早めに気づくこと、そして経口補水液を「少しずつ・こまめに」使うことです。

子どもの脱水対策チェックリスト

  • おしっこの量・回数、唇や舌の乾き、涙、目のくぼみ、機嫌をこまめに観察している
  • 乳幼児向けの経口補水液を家庭に用意している
  • 水分は『一度にたくさん』ではなく『少量ずつこまめに』与えている
  • 吐いたら5〜10分休んで、また少量から再開している
  • 落ち着いたら食事やミルク・母乳を早めに再開している
  • 半日おしっこが出ない・ぐったり・飲めないときは受診や#8000・こどもの救急に相談する

心配しすぎて気負う必要はありませんが、「子どもは脱水になりやすい」という前提を頭の片隅に置いておくだけで、いざというときに落ち着いて動けます。無理のない備えから、家族で取り入れてみてください。

あわせて読みたい

乳児の発熱、受診の目安と自宅でのケア方法

出典・参考

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