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ことば遊びの年齢別の楽しみ方|しりとり・なぞなぞ・あたまとりで育つ「音に気づく力」

対象の目安: 1〜6歳ごろ

サキ知育・あそび担当
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ことば遊びの年齢別の楽しみ方|しりとり・なぞなぞ・あたまとりで育つ「音に気づく力」

「しりとりをしようとしても、すぐ『わかんない』で終わってしまう」「なぞなぞを出すと、答えより先に自分の好きな話を始める」。ことば遊びは道具も準備もいらない手軽な遊びですが、年齢によって楽しめる形がかなり違います。この記事では、しりとりができるようになる年齢を調べた研究や、幼稚園教育要領・保育所保育指針での言葉遊びの位置づけをもとに、1〜6歳の年齢別の楽しみ方と、つまずいたときの手助けの仕方を整理しました。文字を覚えることではなく、「ことばの音で遊ぶ」ことに焦点を当てています。

ことば遊びで育つ力

音韻意識とは

「音韻意識」は、ことばの意味ではなく、ことばの「音のまとまり」に注意を向けて、音を分けたり取り出したりする力のことです。たとえば「いぬ」が「い」と「ぬ」の2つの音でできていると気づく、「たいこ」から「た」を抜くと「いこ」になると分かる、といった力です。

日本語では、仮名1文字(「きゃ」のような拗音は2文字)で表される「拍(モーラ)」が音の最小の単位として扱われます。原恵子さんの研究では、この拍を単位に、音を抜く課題(音削除)や、ことばを逆から言う課題(逆唱)を年中児から小学3年生までに行い、就学前の1年間に3拍のことばの音削除・逆唱をこなす力が整ってくることが報告されています。

拍(モーラ)の定義、音削除・逆唱の課題例、就学前の1年間に3拍語の音削除・逆唱をこなす能力が整ってくることは、原恵子「健常児における音韻意識の発達」(聴能言語学研究18巻1号、2001年)を参照しています。

しりとりに必要な力

しりとりは、相手のことばの最後の音を取り出し、その音で始まることばを自分の頭の中から探す遊びです。高橋登さんの研究(1997年)では、しりとりをひとりでできるようになるには、語尾の音を抽出したり、その音を語頭に持つ単語を検索したりする種類の音韻意識が必要で、音をもとにことばを探すことは、単に語彙が豊富であることとは違うと述べられています。

また同じ研究では、しりとりと文字の読み、ある程度以上の音韻意識の間に密接な関係があること、そして、ひとりで正しく答えていけない子どもでも、周りの大人の援助があれば遊びに参加することは十分に可能であることが示されています。子どもはことば遊びに最初は周辺的に参加しながら音韻意識を高めていくのではないか、と考察されています。

しりとりに必要な音韻意識、文字の読みとの関係、大人の援助による参加については、高橋登「幼児のことば遊びの発達:"しりとり"を可能にする条件の分析」(発達心理学研究8巻1号、1997年)の要約を参照しています。

原さんの研究でも、音削除・逆唱の力とひらがな短文の読解との間に高い相関が認められています。ただし、これは「関係がある」という報告で、ことば遊びをすれば早く字が読めるようになる、という意味ではありません。文字そのものへの親しみ方は別の記事でまとめています。

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語彙とやりとり

ことば遊びは音の力だけでなく、知っていることばを思い出して使う機会にもなります。田中駿さんらの研究(2024年)で、年少から年長まで3回しりとりをした26人が使ったことばを分類すると、いちばん多かったのは「動物」で、年中・年長になると「おもちゃ・遊び」「食べ物・飲み物」「野菜・果物」といった分野にも広がっていました。

もうひとつ見逃せないのが「やりとり」です。相手のことばを聞いて、自分の番を待ち、ことばを返す。保育所保育指針は、1歳以上3歳未満児の領域「言葉」のねらいの最初に「言葉遊びや言葉で表現する楽しさを感じる」を挙げ、3歳以上児では幼稚園教育要領と同じく、言葉の響きやリズム、新しい言葉や表現に触れて使う楽しさを味わえるようにし、その際「絵本や物語に親しんだり、言葉遊びなどをしたりすることを通して、言葉が豊かになるようにすること」としています。

幼稚園教育要領(平成29年3月告示、文部科学省)の領域「言葉」の「内容の取扱い」(4)を参照しています。

保育所保育指針(こども家庭庁掲載)の1歳以上3歳未満児の領域「言葉」のねらい(1)と、3歳以上児の領域「言葉」の「内容の取扱い」(4)を参照しています。

文部科学省「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」(令和8年7月8日、教育課程部会総則・評価特別部会参考資料3)では、幼稚園等の次の改訂は令和8年度末の予定とされています(今後変更の可能性ありと明記)。

年齢別の目安早見表

研究で年齢が確認できたものと、編集部が家庭での遊びやすさから考えた目安を分けて示します。どの年齢でも、前の段階の遊びを楽しんでかまいません。

年齢の目安楽しみやすいことば遊び大人の関わり方年齢の根拠
1〜2歳オノマトペ(わんわん、ぶーぶー)、手遊び歌、わらべうた同じフレーズを繰り返し、リズムに合わせて体を動かす編集部の目安
2〜3歳まねっこことば、答えが目の前にある「これなあに?」子どもの言ったことばを楽しそうにまねて返す編集部の目安
3〜4歳手をたたいて音を数える、あたまとり(「あ」のつくもの集め)大人が先に手拍子や答えの例を見せる編集部の目安(大人の手本を見ながら一緒に楽しむ段階)。論文では、日本語の基本音節を分解できるようになるのは4歳後半とする先行研究(天野、1970)が引かれている
4〜6歳しりとり最初は大人が手伝い、3往復を目標に研究あり。約半数ができる年齢は約4歳8か月と推定(田中ら、2024年)
5〜6歳さかさことば(ことばを逆から言う)2拍のことばから始める研究あり。3拍語の逆唱は就学前の1年間に整ってくる(原、2001年)
5〜6歳なぞなぞづくり、音の入れ替え遊び子どもが出す問題に答え手として付き合う編集部の目安

しりとりができる年齢の研究

田中さんらは、2017年4月から2020年3月にA市の保育園に在籍した3〜6歳の189人に、しりとりを実施しました。検査者が「ねこ」「うま」「とり」から始める3回のうち、1回でも3往復(1語を10秒以内に答える)続けば「できた」と判定する方法で、年齢別に「できた」子の割合は次のとおりでした。

年齢できた子の割合
3歳3.4%
4歳44.4%
5歳77.6%
6歳93.8%

この結果から、50%の子ができる年齢は56.2か月(約4歳8か月)、75%は64.4か月(約5歳4か月)、90%は71.8か月(約6歳0か月)と推定され、しりとりは5歳ごろにできるようになると考えられています。

対象・方法・年齢別の通過率・通過年齢、しりとりで使われたことばの分類、論文内での天野(1970)の引用は、田中駿・牛山道雄・清水里美・郷間英世「しりとりを通してみた幼児の言語発達」(LD研究33巻2号、2024年)を参照しています。

ひとつの市の保育園児を対象にした研究で、検査者と1対1で決まった手順で行った結果です。家庭でのしりとりとは条件が違うので、わが子が「いま何往復できるか」を判定する物差しとしてではなく、「4〜6歳にかけて少しずつできるようになる遊び」という幅のイメージとして受け止めてください。

しりとりが難しい子へのステップ

高橋さんの研究が示すように、ひとりでできなくても、大人の手助けがあれば遊びには参加できます。次の順番は、音韻意識の考え方をもとに編集部が組み立てた手助けの例です。できる段階から始め、子どもが楽しそうなら次へ進みましょう。

  1. 1

    手拍子で音を区切る

    「り・ん・ご」と言いながら3回手をたたく。「ことばはいくつかの音でできている」ことを、体で感じるところから始めます。子どもの名前や好きな食べ物だと乗ってきやすいです。
  2. 2

    最後の音を一緒に言う

    「りんごの、さいごの音は?」と聞き、「ご」と一緒に言います。答えを待つ時間は短めにして、分からなければ大人が言ってしまって大丈夫です。
  3. 3

    その音で始まることばを探す

    「『ご』がつくもの、なにがあるかな」。すぐ出てこなければ「ごりら?ごはん?」と選択肢を出したり、「森にいる大きな動物で…」とヒントを出したりします。
  4. 4

    ルールをゆるめて続ける

    「ん」で終わっても続行、同じことばを使ってもOK、つながらなくても大人がつなぎ直す。まず3往復を気持ちよく終えることを目標にします。
大人同士ならすぐ続くのに、子どもとだと2つ目で「わかんない」と言って寝転がってしまう。しりとりは向いていないのかな、という声はよく聞かれます。
4歳児の保護者

こうしたときは、しりとりのルールがまだ負担になっているのかもしれません。いったん手拍子の遊びや「あ」のつくもの集めに戻る、大人が2人分答えて子どもは1回だけ答える、といった形にすると続きやすくなります。

遊び別アイデア集

場面に合わせて選べるよう、編集部で遊び方を整理しました。どれも数分で終わり、途中でやめられるものです。

移動中

  • 見えたものしりとり: 窓の外に見えたものだけでつなぐ。見つからなければ「なんでもOK」に切り替え
  • 音数えクイズ: 「バス」は手拍子いくつ?と、見えたものの音を数える
  • 運転している大人は答え役に回らず、運転に集中しましょう。助手席や後部座席の大人が遊び相手になるのが安心です

待ち時間

  • あたまとり: 「『か』のつくもの、いくつ言えるかな」と交互に言う。病院や行列など、声の大きさを気にする場所でもひそひそ声でできます
  • 答えが目の前にあるなぞなぞ: 「赤くて、まるくて、テーブルの上にあるものなあに?」。2〜3歳は答えが見えているほうが楽しめます

お風呂

  • さかさことば: 「とまと」は逆から言っても「とまと」、「いか」は「かい」になる、など発見を楽しむ。最初は2拍のことばから
  • 音の数だけお湯をぱしゃ: 手拍子の代わりにお湯をたたくと、1〜2歳の子も一緒に楽しめます

寝る前

  • 静かななぞなぞ: 目を閉じたまま、今日あったことや好きなものを題材にする
  • ささやきしりとり: 声を小さくしていくルールにすると、気持ちが落ち着く方向に向かいやすくなります。盛り上がりすぎたら「最後の1個」で終わりにします

つまずきやすいポイントと家庭ルール

しりとりには、大人でも判断が分かれる音があります。「正しいルール」を決めるより、遊ぶ前に家族でそろえておくと、けんかや混乱が減ります。以下は編集部の提案例です。

つまずきやすい音家庭ルールの例
「ん」で終わるみかん幼児のうちは負けにせず「もう一回」。慣れてきたら「ん」で終わりにする
伸ばす音で終わるボール、ケーキ伸ばす前の音(「る」「き」)からつなぐ、と決めておく
小さい「ゃ・ゅ・ょ」で終わるきんぎょ、でんしゃきんぎょなら「よ」からでも「ぎょ」からでもOKにする
にごる音で終わるかば、りんご「ば」でも「は」でもOKにする
同じことばを言う何回も「ごりら」年少のうちは許す。慣れたら「同じことばは1回まで」

なお、田中さんらの研究の手順では、「ん」で終わる名詞を答えた時点でその回を終了としていました。家庭で遊ぶときは、研究の判定ルールに合わせる必要はありません。

やってはいけない関わり

間違いを正しすぎる

「りんご」の次に「ご」ではなく最初の音の「り」から「りす」と言った、「ぼうし」の次に「し」からではなく「うし」と言った。こうした答えには、子どもなりに音を聞き取ろうとした跡があります。毎回「違うよ」と止めると、ことば遊びそのものが「間違いを探される時間」になりがちです。

「そうか、りすもいいね。りんごの『ご』からだと、ごまもあるね」と受け止めてから、大人の番で正しい形をさりげなく見せるだけでも十分です。

競争させすぎる

きょうだいや友だちと勝ち負けを競うと盛り上がる一方で、年齢差があると、年下の子はいつも負けることになります。制限時間を設けない、年下の子はヒントありにする、「みんなで10個つなげたら成功」という協力型にする、といった工夫で、ことばを探す楽しさを守りましょう。

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テストのようにする

「5歳ならできるはず」と、できるかどうかを確かめる目的で繰り返すと、子どもは敏感に察します。研究で示された年齢はあくまで集団の傾向で、ひとりひとりの到達時期には幅があります。ルールのある遊び全般の始め方は、次の記事も参考になります。

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ことばの発達や発音が気になるとき

ことば遊びがうまくいかないことだけで、発達の問題を判断することはできません。一方で、「ことばの数が少ない」「言っていることが家族以外に伝わりにくい」「特定の音の言い間違いがずっと続いている」「呼んでも振り向かないことが多い」など、日常の様子で気になることがあれば、ひとりで抱え込まずに相談してみてください。

  • 乳幼児健診: 母子保健法にもとづき、1歳6か月児と3歳児の健診は市町村に実施が義務づけられています。5歳児健診は、こども家庭庁が費用の助成(国庫補助)を行い、就学前までの切れ目のない健診の体制づくりを進めています。お住まいの地域での実施状況は、市区町村の母子保健担当課などで確認できます。健診の場で、ふだんの様子を伝えられます
  • 自治体の子育て相談窓口や保健センター: 健診の時期以外でも相談できます
  • 言語聴覚士: 日本言語聴覚士協会によると、言語聴覚士は聞こえやことばの障害などを対象に、検査、訓練、指導・援助を行う専門職です。ことばが年齢相応に育たない「言語発達障害」や、発音の障害も対象に含まれます

1歳6か月児・3歳児健診の実施義務、5歳児健診への国庫補助と支援事業、実施状況の問い合わせ先は、こども家庭庁「乳幼児健診」を参照しています。

言語聴覚士の役割と、言語発達障害・発音の障害が対象に含まれることは、日本言語聴覚士協会「言語聴覚士に相談する」を参照しています。

1〜2歳のことばの発達の目安や、話し始めがゆっくりな子への関わり方は、次の記事で詳しくまとめています。話すときに音をくり返す、つまるといった様子が気になる場合は、吃音の記事もあわせてご覧ください。

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よくある質問

「る」攻めで毎回泣いてしまいます。
「る」「ぷ」などで終わることばを続けて出されると、答えが見つからず行き詰まりやすくなります。家庭ルールで「困ったら1回パスできる」「3秒考えて出なければヒントをもらえる」と決めておくと、泣く前に立て直せます。大人がわざと続けて出すのは、子どもが慣れて楽しめるようになってからにしましょう。
ひらがなが読めない子でもしりとりはできますか?
しりとりは耳で聞いて音を取り出す遊びなので、文字が読めなくても遊べます。研究でも、しりとりと文字の読みには密接な関係があるとされる一方、ひとりでできない子も大人の援助で遊びに参加できると示されています。文字を教えてから始める必要はありません。
きょうだいで年齢が離れていると一緒に遊べません。
年下の子は「あたまとり」、年上の子は「しりとり」と、同じ時間に別のルールで答える方法があります。年上の子に「ヒントを出す係」をお願いするのも、ことばを説明する練習になり、競争になりにくい形です。
なぞなぞは市販の本を使ったほうがいいですか?
本を使っても、使わなくてもかまいません。なぞなぞには、ことばの二つの意味をかけた問題もあり、年齢によっては答えを聞いても分からないことがあります。まずは「赤くて、まるくて、甘いものなあに?」のように特徴を並べる問題から始め、分かって楽しめる問題を選びましょう。
1日にどれくらい遊べばいいですか?
決まった時間の目安はありません。移動中や待ち時間などのすき間に数分ずつ、子どもが「もう1回」と言ううちに終えるくらいが続けやすいでしょう。練習のように時間を決めて毎日行う必要はありません。
動画やアプリのことば遊びでも同じ効果がありますか?
この記事で紹介した研究は、大人や検査者と対面で行うしりとりを扱ったもので、動画やアプリとの比較はしていません。相手のことばを聞いて返す「やりとり」はことば遊びの大切な要素なので、家庭では人と向き合って遊ぶ時間も大事にしましょう。

まとめ

ことば遊びは、ことばの音に気づき、知っていることばを思い出し、相手とやりとりする遊びです。しりとりは研究では4〜6歳にかけてできる子が増えていく遊びで、できる時期には幅があります。ひとりでできないうちは、大人が手拍子やヒントで支えれば十分に一緒に楽しめます。

今日からできることば遊び

  • 子どもの名前や好きな食べ物を、手拍子で区切って言ってみる
  • 「あ」のつくもの集めを、待ち時間にひそひそ声で
  • しりとりの「ん」や伸ばす音のルールを、始める前に家族で決める
  • 大人の番で正しい形をさりげなく見せ、間違いは止めない
  • 勝ち負けより「みんなで何個つなげたか」を数える
  • ことばや発音で気になることは、健診や自治体の窓口に相談する

絵本を通して文字への興味を育てたいときは、こちらもどうぞ。

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出典・参考

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