子どもの秋の衣替え|時期は気温で決める・サイズ見直しと安全チェックの手順
対象の目安: 0〜6歳ごろ

朝は肌寒いのに昼間は半袖でちょうどいい。9月の子どもの服装は、大人でも毎朝迷います。しかも子どもの衣替えは、夏服と秋冬服を入れ替えるだけでは終わりません。去年の服が体に合うか、園の着替えをどう入れ替えるか、防虫剤をどこに置くか——季節の家事と成長と安全確認が同時にやってくる作業です。この記事では、0〜6歳の秋の衣替えを「いつ・何を・どの順番で」進めるかにしぼって整理しました。着替えを自分でできるようになる関わり方は別記事にゆずり、ここでは季節の入れ替え作業そのものを扱います。
衣替えの日付は「10月1日」でなくていい
学校の制服が切り替わる10月1日を目安にする家庭は多く、たしかにわかりやすい区切りです。ただ、0〜6歳の子どもの普段着は制服ではありません。日付を守ることより、その日の気温に合っているかのほうがずっと大事です。
参考になるのが、大人の服装をめぐる国の方針転換です。環境省は令和3年度のクールビズについて「これまでのように政府が全国一律の実施期間の設定を行うことはせず」と発表し、地域や個々の事情に応じた呼びかけへ切り替えました。全国一律の日付で衣服を切り替える考え方から離れた、という点がヒントになります。
地域と月で、こんなに違う(気温の早見表)
では何度を目安にすればいいのか。自分の地域の気温がどう動くかを知っておくと、判断がぶれません。下の表は気象庁の平年値(統計期間1991〜2020年)から、3都市の秋の気温をまとめたものです。
| 地点 | 9月(最高/最低) | 10月(最高/最低) | 11月(最高/最低) |
|---|---|---|---|
| 札幌 | 22.8℃/14.8℃ | 16.4℃/8.0℃ | 8.7℃/1.6℃ |
| 東京 | 27.5℃/20.3℃ | 22.0℃/14.8℃ | 16.7℃/8.8℃ |
| 福岡 | 28.6℃/21.6℃ | 23.7℃/16.0℃ | 18.2℃/10.6℃ |
数字は日最高気温の平均/日最低気温の平均です。この表からは、衣替えを考えるうえで大事なことが3つ読み取れます。
- 1か月で5℃前後下がる。東京の日最高気温の平均は9月27.5℃、10月22.0℃、11月16.7℃。「まだ暑いから」と手をつけずにいると、あっという間に手持ちが足りなくなります。
- 地域差が1か月分ある。札幌の9月(22.8℃)は東京の10月(22.0℃)とほぼ同じ水準。SNSで見た「今の服装」をそのまま真似すると、早すぎたり遅すぎたりします。
- 朝晩と日中の差が大きい。東京の10月は日最高22.0℃に対し日最低14.8℃。朝に合わせると日中は暑く、日中に合わせると夕方に冷えます。
ヒント
着手時期に迷ったら、「最高気温が25℃を下回りはじめたら準備、20℃前後になったら本格的に入れ替える」くらいのゆるい目安を自分の地域に当てはめて決めておくと、毎年迷いません。同じ目安でも札幌なら9月、東京・福岡なら10月と、時期は自然にずれます。
秋の衣替えを進める6ステップ
一気にやろうとすると、途中で子どもが飽き、部屋が服の山のまま夕方になります。1日1ステップでも構いません。
- 1
今の手持ちを全部出す
タンス・クローゼット・園バッグ・車の中まで、子どもの服を一か所に集めます。ここを飛ばすと同じサイズのトレーナーばかり増えます。 - 2
着られるかを体で確認する
去年の秋冬服を実際に着せてサイズを見ます(次の節で詳しく)。「たぶん入る」で判断せず、5分の試着タイムを取るのが結局いちばん早道です。 - 3
3つに仕分ける
「今シーズン着る」「サイズアウト」「傷んでいる」の3つへ。迷う服は保留の箱を1つ作り、そこに入れて先に進みます。 - 4
安全チェックをする
残す服のひも・フード・ボタン・ほつれを点検します。しまう前と出す前の年2回を点検の機会にしてしまうと効率的です。 - 5
秋の服を子どもの手が届く高さへ
今シーズン着る服だけを、子どもが自分で開けられる引き出しに。上の段には季節外の服と来年用のサイズを入れます。 - 6
夏服をしまう・園の服を入れ替える
洗って完全に乾かしてから収納します。同じ日に園の着替えストックも入れ替えると二度手間になりません。
メモ
夏物は、汗や食べこぼしの汚れが残っているとしまっている間に黄ばみや虫食いの原因になります。見た目にきれいでも一度洗うのが基本です。乾ききらないまま密閉すると、かびの原因にもなります。
去年の服、まだ着られる?サイズの見極め
子どもの体は1年で驚くほど変わります。サイズ表記が同じでも、着せてみるとつんつるてん、ということは珍しくありません。次の4点を実際に着せて見てください。
| 見るところ | 合っていないサイン | 判断 |
|---|---|---|
| 袖丈 | 手首の骨が大きく出る、腕を上げるとおへそが見える | 秋の羽織りなら可、真冬用は買い替え |
| 股上・丈 | しゃがむとお尻が出る、ゴム跡が濃く残る | 買い替え。トイレの自立にも影響する |
| 肩幅・胸まわり | 肩の縫い目が肩より内側、ボタンが引きつる | 動きが制限される。買い替え |
| 靴 | つま先を押すと指が当たる、かかとが浮く | 早めに実寸を測って買い替え |
とくに靴は、本人が「痛い」と言わないまま履き続けることがよくあります。衣替えのタイミングで一緒に確認しておくと安心です。
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ヒント
仕分けの手が止まるのは、たいてい「まだ着られるかも」の服です。迷ったら「明日この服を着せて出かけるか」で考えると決めやすくなります。答えがノーなら、今シーズンも出番はほとんど来ません。
寒暖差の秋は、厚い1枚より薄い重ね着
秋の服装で失敗しやすいのが、朝の寒さに合わせて厚手を1枚着せてしまうことです。日中に暑くなっても脱ぐものがなく、汗をかいて、その汗が冷えます。薄手を2〜3枚重ねておけば、園でも公園でも子ども自身が調整できます。
もうひとつ気をつけたいのが着せすぎです。こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」は、0〜1歳の乳幼児の発熱の特徴として「体温調節機能が未熟なために、外気温、室温、湿度、厚着、水分不足等による影響を受けやすく、体温が簡単に上昇する」と説明しています。小さい子ほど、厚着そのものが体温に影響しやすいということです。
具体的には、次のような組み合わせが調整しやすくなります。
- 肌着(吸湿性のよい綿など)+長袖トップス+前開きの羽織り。羽織りは自分で脱ぎ着できるものを
- 首・手首・足首を出すか覆うかで微調整する。真夏用のノースリーブ肌着も秋の室内なら1枚として使える
- 背中に手を入れて汗ばんでいたら1枚減らす。手足が少し冷たいだけで判断しない
- 外遊びの前に1枚脱がせておく。汗をかいてから脱ぐより冷えにくい
注意
汗をかいたまま過ごすと体が冷えます。園の連絡帳に一言添える、園バッグの着替えを1組多めにするなど、脱いだあとの受け皿も用意しておきましょう。発熱や体調の変化が続くときは、衣服の調整だけで様子を見ず、かかりつけの小児科に相談してください。
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しまう前・出す前に、ひもとフードの安全チェック
衣替えは、子ども服の安全を点検できる年2回のチャンスです。消費者庁は、ひもやフードが引っ掛かった事故として、木登りから降りるときにパーカーのフードが引っ掛かり首が絞まって失神した例(7歳)や、エスカレーターの手すりに寄りかかっていて吊り広告にフードが引っ掛かり首が絞まった例(10歳)を紹介しています。
13歳未満が着る子ども服のひもについては、日本産業規格JIS L 4129が平成27年(2015年)12月に制定され、年齢層別・身体部位別にひもの有無や長さなどが示されました。消費者庁の解説によれば、頭や首まわりから垂れ下がっているひも、背中から出るひも、上着やズボンなど股より下にすそがある場合の垂れ下がったひもは付けられないとされています。フードそのものは規格の対象ではありませんが、附属書に参考情報として危険性・留意事項が記載されています。
注意
このJIS規格は販売を規制するものではありません。消費者庁は「JIS規格に合っていない製品が現在でも販売される可能性があります。また、おさがりでもらう、フリマアプリで売られている子ども服は、規格外の場合があるかもしれません」と注意を促しています。お下がりを受け取ったとき・譲るときこそ、ひもの点検を。危険なひもは抜く、縫い付けるなどの加工をしてから使いましょう。
点検は、首まわりとフードの周囲、背中やすそから垂れるひも、ゆるんだボタン(外れると誤飲の危険があります)、縫い目のほつれ、そして頭がすんなり通るかの順に見ていくと漏れません。
園の服の入れ替えと、記名の見直し
園に置いている着替えのストックも、家と同じタイミングで入れ替えます。半袖・薄手だけだと、朝晩が冷える時期に困ります。園によって指定が違うので、まずは園だよりや持ち物リストを確認しましょう。フードやひも付きの服を禁止している園も多くあります。
あわせて見直したいのが記名です。洗濯で薄くなっていたり、去年書いた場所が今年の服では見にくかったり。新しく出した秋冬服は「出したその日」に記名まで終わらせるのがコツです。
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収納と、お下がりの保管(防虫剤の置き場所に注意)
しまう夏物は、洗って乾かしてから通気のよい場所へ。お下がりに回す服は「120・秋冬・上」のようなラベルを箱に貼っておくと、下の子のときに探す手間が消えます。
注意したいのが防虫剤です。日本中毒情報センターは、衣類の防虫剤は成分によって毒性や対応が大きく違うと説明しています。パラジクロルベンゼンは「小さなかけら程度ならあまり問題ありません」とされる一方、ナフタリンは「毒性が高く、かけら程度の量でも危険です」、樟脳(しょうのう)は「最も毒性が高く危険です」とされています。いずれの成分でも牛乳を飲ませてはいけないとされる点は共通です。
注意
防虫剤は子どもの手が届かない収納の中に入れ、袋から出したものを床や低い引き出しに置かないでください。万一口に入れてしまったときは、飲ませたり吐かせたりする前に、成分がわかる製品のパッケージを手元に用意して相談を。日本中毒情報センターの中毒110番(一般専用・無料)は大阪072-727-2499、つくば029-852-9999で、いずれも365日24時間受け付けています。
子どもと一緒にやると、衣替えは学びになる
それでも、少しだけ一緒にやる価値はあります。こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」は、「手洗いやうがい、歯磨き、衣服の調節、バランスのとれた食事、十分な睡眠や休息等の生活習慣が身に付くよう、毎日の生活を通して、子どもに丁寧に繰り返し伝え、自らが気付いて行えるよう援助します」としています。衣服の調節は、身につけたい生活習慣のひとつとして挙げられているわけです。
とはいえ全部を任せる必要はありません。子どもに渡すのは、こんな小さな役割で十分です。
- 「これ着られる?」の試着係。きつい・ちょうどいいを自分の言葉で言う
- 秋のかごに入れる服を3枚だけ自分で選ぶ(選択肢を絞ると決めやすい)
- タオルや靴下など、たたみやすいものだけをたたむ
- サイズアウトした服を「ありがとうの箱」に入れ、譲る相手を一緒に考える
大人が先に9割を仕分けておき、最後の1割だけ任せる形にすれば、時間の遅れはほとんど気になりません。「自分の服を自分で決めた」という記憶は、翌朝の身支度がスムーズになる形で返ってきます。
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よくある質問
秋の衣替えは何月にやるのが正解ですか?
一気に全部入れ替えて大丈夫ですか?
去年の服が着られるかどうか、どう判断すればいいですか?
朝は寒く昼は暑い日、どう着せればいいですか?
手足が冷たいときは寒がっていますか?
お下がりでもらった服で気をつけることは?
防虫剤はどこに置けばいいですか?
まとめ
秋の衣替えは、日付に追われる家事ではなく「今の子どもの体と、今の気温に合わせる」作業です。地域の平年値をひとつ知っておくだけで、毎年の迷いはぐっと減ります。しまう前と出す前にひも・フード・サイズを点検すれば、季節の入れ替えがそのまま安全チェックにもなります。
秋の衣替えチェックリスト
- 自分の地域の9月・10月の気温を確認し、着手時期の目安を決めた
- 手持ちの服を一か所に集め、着る・譲る・手放すの3つに仕分けた
- 袖丈・股上・肩幅・靴のサイズを実際に着せて確認した
- 首まわり・背中のひも、フード、ボタン、ほつれを点検した
- 薄手の重ね着で調整できる組み合わせを2〜3セット用意した
- 園の着替えストックを入れ替え、記名の消えかけを直した
- 夏物は洗って完全に乾かしてから収納した
- 防虫剤を子どもの手が届かない場所に置いた
- お下がりの箱にサイズ・季節・上下を書いたラベルを貼った
全部を1日で終わらせる必要はありません。今日は仕分けだけ、明日は記名だけ、で構いません。子どもが「これ、まだ着られる?」と自分から聞いてくるようになったら、身支度の力が育っている証拠です。
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