ジョイントマット・プレイマットの選び方|厚み・防音・サイズと安全に使うコツ
対象の目安: 0〜3歳ごろ

ずりばいやつかまり立ちが始まると、フローリングに後頭部を打つ音にひやりとしたり、集合住宅で「階下に響いていないかな」と気になったりします。そこで検討したくなるのが、床に敷くジョイントマット・プレイマット。ただ、厚みもサイズもタイプもばらばらで、「厚ければいいの?」「大判と小判はどっち?」と迷いやすい買い物でもあります。この記事は、危険な場所に「入らせない」ベビーゲートや、家具の角などを個別につぶす事故防止グッズとは別の役割、つまり床そのものを整えるという視点で、マットの選び方と安全な使い方を整理しました。すべり台やジャングルジムといった遊具本体の選び方は別記事で扱っています。
タイプ別の早見表
まずは全体像です。同じ「赤ちゃん用の床マット」でも、得意なことがかなり違います。
| タイプ | 厚みの目安 | 得意なこと | 注意したい点 |
|---|---|---|---|
| EVAジョイントマット | 1〜2cm程度 | パズル状につなげて必要な広さだけ敷ける。安価で買い足しやすい。水拭きしやすい | つなぎ目が多くゴミが入りやすい。子どもが1枚ずつはがす。ふち材が外れやすい |
| コルクマット | 1cm前後 | 表面がコルクで見た目が落ち着き、さらっとして夏もべたつきにくい | 表面のコルク片が欠けることがある。水に長時間ぬれるのは苦手 |
| 大判の折りたたみプレイマット | 1.5〜4cm程度 | 一枚ものでつなぎ目が少なく、めくれにくい。厚手で衝撃をやわらげやすい。使わないときに畳める | 価格が上がりやすい。サイズが固定で部屋に合わせにくい |
| ラグ型(布)プレイマット | 数mm〜1cm程度 | 肌ざわりがよく、洗えるものが多い。インテリアになじむ | クッション性・防音性は控えめ。ほこりやダニの管理が必要 |
「まずは広く安く敷きたい」ならEVAジョイントマット、「つなぎ目のストレスを避けたい」なら大判の折りたたみタイプ、というのが分かれ道です。遊具を置く部屋なら、遊具の下に敷く前提でタイプを選ぶことになります。
あわせて読みたい
室内遊具の選び方|すべり台・ジャングルジム・トランポリンの比較と安全
選ぶときの6つの軸
1. 厚み(クッション性と段差はトレードオフ)
厚いほど衝撃と音をやわらげやすい一方、部屋の一部にだけ敷くと周囲との段差ができ、歩き始めの子がつまずく原因になります。ドアや引き戸の下に十分な隙間があるか、家具の脚が沈み込んでぐらつかないかも確認しましょう。迷ったら、生活動線に段差が出にくい1cm前後を基準にし、転倒が心配な場所だけ厚手を重ねる、という考え方が扱いやすいです。
2. サイズと敷き方
EVAジョイントマットは、1辺30cm前後の小判と60cm前後の大判が主流です。同じ面積なら大判のほうがつなぎ目が少なく、掃除もはがれも楽になります。一方、細かい形の部屋や柱の出っ張りには小判のほうが合わせやすく、フリーカット可能なものならカッターで調整できます。買う前に、敷きたい範囲の縦横を実測して必要枚数を出しておくと、足りない・余るを防げます。
3. 防音(集合住宅の階下対策)
床の衝撃音には、スプーンやおもちゃを落としたときの高く軽い音(軽量床衝撃音)と、飛び跳ねたときの重く鈍い音(重量床衝撃音)があります。床材そのものの低減性能を表す等級としてΔL等級があり、軽量側はΔLL等級、重量側はΔLH等級として、数字が大きいほど低減性能が高いことを示します。
実務的には、マットを敷いて手ごたえを感じやすいのは前者の軽い音のほうです。ジャンプやドタドタ走る音は床スラブなど建物側の要素が大きく、マットを敷けば消えるとは考えないほうが現実的です。時間帯の配慮や、遊ぶ場所を決めるといった生活面の工夫と組み合わせましょう。
4. 手入れのしやすさ
EVAやコルクは水拭きができ、飲みこぼしや食べこぼしをその場で拭き取れます。布のラグ型は洗えるかどうか、洗濯機に入るサイズかを必ず確認しましょう。離乳食のテーブル下に敷くなら、防水加工か水拭き対応かが実質的な決め手になります。
5. 床暖房対応と床の変色
床暖房の上で使うなら「床暖房対応」と明記された製品を選び、取扱説明書の耐熱の記載を確認します。非対応品を敷くと変形やにおいの原因になることがあります。また、長期間貼りっぱなしにすると、マットの下と外で日焼けの差が出たり、密着部分の色味が変わったりすることがあります。数か月に一度は端からめくって床の状態を見ておくと安心です。
6. ずれにくさ
裏面に滑り止め加工があるか、ジョイント同士がしっかりかみ合うかを見ます。ラグ型は市販の滑り止めシートを併用すると動きにくくなります。ずれて重なると段差ができ、そこにつま先が引っかかります。
大判(60cm)の厚手ジョイントマット
広告必要な広さだけつなげられる定番タイプ。60cm前後の大判はつなぎ目が少なく、掃除もはがれも小判より楽です。敷きたい範囲を実測して必要枚数を計算し、ふち材が付属するかも確認しましょう。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
表面がコルクのジョイントマット
広告表面がコルクで、樹脂そのままの見た目が気になる方に。さらっとした肌ざわりで、夏場もべたつきにくいのが特長です。コルク片が欠けていないか、ときどき表面を見ておきましょう。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
安全と衛生で押さえること
ふちのパーツ・かじり跡は誤飲のもと
ジョイントマットの周囲に付けるふち材(サイドパーツ)は外れやすく、子どもが引き抜いて口に入れることがあります。歯が生え始めるころには、角をかじって小さな欠片ができることも珍しくありません。こども家庭庁は、0〜6歳の事故として「おもちゃなど小さな物で窒息」を挙げ、年上の子のおもちゃには小さな部品が含まれていることがあるため、対象年齢になるまでは手の届かない所に保管して遊ばせないよう呼びかけています。マットも「外れた小片が床に落ちている家具」と考え、遊ばせる前に一度見渡す習慣をつけましょう。
誤飲しやすい大きさの目安や、家庭内の細かな対策は次の記事にまとめています。
あわせて読みたい
家庭内事故防止グッズの選び方|コンセントカバー・コーナークッション・ロック
寝かせる場所の周りを「やわらかく敷き詰める」のは避ける
転落が心配だからとベッドやソファの周囲をやわらかいもので埋めたくなりますが、こども家庭庁は、やわらかいクッションなどは窒息のおそれがあるため、転落防止のためであっても周りに置かないよう呼びかけています。マットも同じ発想で、就寝環境の周囲に厚みのあるやわらかいものを積み上げる使い方はしないでください。床マットは「床に平らに敷く」ものとして使うのが基本です。
やわらかいクッションなどは窒息のおそれがあるため、転落防止のためであっても周りに置かないよう呼びかけていることは、こども家庭庁「転落・転倒事故」より。
注意
すべり台やジャングルジムなど転落のおそれがある室内遊具を使う場合、消費者庁は遊具のまわりに緩衝材となるものを敷くなどするよう呼びかけています(マットはその一例です)。ただし、マットは「落ちても大丈夫」を約束するものではありません。対象年齢と取扱説明書を守り、大人が見守ることが前提です。
カビ・ダニと湿気
マットの下は湿気がこもりやすい場所です。東京都保健医療局の「東京都アレルギー情報navi.」は、ダニの増殖には60%以上の湿度が必要で、室内の湿度を60%以下に保つこと、じゅうたんなどには1平方メートルあたり20秒ほどかけてゆっくり掃除機をかけることを挙げています。また、ダニが潜りにくい環境として、床面を板張りやクッションフロアにすることも紹介されています。
裏を返せば、布のラグ型より水拭きできるEVA・コルクのほうが、この点では管理しやすいということになります。どのタイプでも、季節の変わり目に一度はがして床とマット裏を乾かす日をつくると安心です。
素材の安全性はどこを見るか
「赤ちゃんが直接触れて、なめるかもしれない床材」だけに、素材の安全性は気になるところです。ただし、ここは断定を避けて、公的な制度で言えることを押さえておくのが実際的です。
2025年12月25日から、乳幼児用玩具(3歳未満向けおもちゃ)と乳幼児用ベッド(ベビーベッド)を対象に「子供PSCマーク」の制度が始まりました。国の技術基準への適合に加え、対象年齢や使用上の注意の表示が義務づけられています。
ここで押さえておきたいのが、義務の対象は2025年12月25日以降に製造または輸入されるものだという点です。それより前に製造・輸入された乳幼児用玩具は、子供PSCマークが無くても販売でき、消費者庁はその場合にSTマークの付いた製品をすすめています。ベビーベッドについても、2027年3月24日までは従来のひし形PSCマークが表示された製品が販売されます。マークが無い在庫品が、そのまま基準未適合というわけではありません。
床マットそのものはこの対象製品ではありませんが、プレイマットにベビージムなどのおもちゃが付属する商品を選ぶときは、この表示の有無が判断材料のひとつになります。
おもちゃについては、玩具業界の自主基準であるST基準・STマーク制度もあります。機械的安全性・可燃安全性・化学的安全性の3分野からなり、第三者検査機関の適合検査に合格したおもちゃに表示できるマークです。
床マットについては、こうした公的・業界共通のマークが直接当てはまるとは限りません。そのため、商品ページや取扱説明書に、どの試験を、どの規格で、どこが実施したかが具体的に書かれているかを見るのが現実的な確認方法になります。「安心・安全」といった言葉だけで、試験名や規格名の記載がないものは、その分だけ情報が少ないと考えておきましょう。
メモ
新品を開封したときのにおいが気になる場合は、子どもを入れない部屋で数日陰干しし、換気してから使い始めると落ち着くことがあります。においや肌の様子で気になることが続くときは、使用を中断し、必要に応じてかかりつけ医に相談してください。
つなぎ目のない大判の折りたたみプレイマット
広告一枚ものでつなぎ目がなく、はがされる・ゴミが入るといったジョイント式の悩みが起きにくいタイプ。厚手のものが多く、使わないときは畳んで片づけられます。部屋の寸法に対して大きすぎないか、事前に測っておきましょう。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
敷く範囲の決め方
全面に敷き詰めるほど掃除は大変になります。優先順位をつけて、必要な場所から敷いていきましょう。
- 1
転びやすい場所を洗い出す
つかまり立ちをするソファ前、テーブルまわり、ハイハイの主動線、ベビーサークルの内側など、実際に子どもがいる時間の長い場所を書き出します。 - 2
家具の角と着地点を優先する
頭をぶつけそうな家具の周囲は、角のクッションとセットで考えます。マットは「落ちる先」を、コーナークッションは「ぶつかる物」をカバーする役割分担です。 - 3
寸法を測って枚数を出す
敷きたい範囲の縦横をメジャーで測り、選ぶマットの1枚のサイズで割って枚数を計算します。カットして使う分と、破損時の予備を1〜2枚見ておくと安心です。 - 4
1週間使って調整する
実際に敷いてみると、ドアが引っかかる、端がめくれる、思ったより範囲が足りないといった点が見えてきます。買い足しやすいタイプなら、様子を見てから広げれば無駄が出ません。
ベビーサークルの内側に敷く場合は、サークルの寸法に合うか、サークルの脚がマットに沈んで不安定にならないかもあわせて確認しましょう。
あわせて読みたい
ベビーサークルの選び方|素材タイプ別の比較と安全に囲うコツ
洗えるラグ型のプレイマット
広告リビングの雰囲気を大きく変えたくない家庭向けの布タイプ。丸洗いできるものなら、食べこぼしがあっても洗って清潔に保てます。クッション性は控えめなので、転倒が心配な時期は厚手のマットと使い分けを。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
つまずきと対処
よくある困りごとと、試しやすい対処をまとめました。
| 困りごと | 主な原因 | 試したい対処 |
|---|---|---|
| 子どもがはがして遊ぶ | 小判でつなぎ目が多い | 大判や一枚もののタイプに替える。家具の重みで端を押さえる |
| 端がめくれてつまずく | ふち材のかみ合わせが甘い | ふち材を付け直す。壁ぎわまで敷いて逃げ場をなくす |
| つなぎ目にゴミがたまる | 小判で目地が多い | 大判に替える。定期的にはがして拭き掃除をする |
| 下がじめじめする | 湿気がこもっている | 季節の変わり目にはがして乾かす。室内の湿度を下げる |
| 階下への音が気になる | 飛び跳ねる音は床構造側の要素が大きい | 遊ぶ場所と時間帯を決める。厚手のマットを重ねる |
| 床の色が変わってきた | 長期間の密着・日焼けの差 | 数か月に一度はがして点検し、位置を少しずらす |
よくある質問
厚みはどのくらいを選べばいいですか?
大判と小判はどちらがいいですか?
マンションの階下への音は、マットで解決しますか?
ふちのパーツを子どもが外してしまいます
床暖房の上に敷いても大丈夫ですか?
いつまで敷いておけばいいですか?
まとめ
床マットは、危険な場所に入らせないベビーゲートや、角をつぶすコーナークッションとは違い、「転んだ先」「落ちた先」を少しやわらかくする道具です。万能ではないぶん、厚み・サイズ・手入れ・段差といった生活のしやすさで選ぶと後悔が減ります。
ジョイントマット・プレイマット選びチェック
- タイプ(EVA/コルク/大判折りたたみ/ラグ型)を使い方に合わせて選んだ
- 敷きたい範囲を実測し、必要枚数と予備を計算した
- 厚みによる段差が、ドアの開閉や歩行の妨げにならないか確認した
- 水拭き・洗濯など手入れの方法が生活に合っているか確認した
- 床暖房で使うなら「床暖房対応」の表示と耐熱の記載を確認した
- ふち材やかじり跡など、外れた小片が落ちていないか点検する習慣をつくった
- 季節の変わり目にはがして、床とマット裏を乾かす予定を決めた
床が少しやわらかくなるだけで、大人の「ひやり」はかなり減ります。完璧に敷き詰めることを目指すより、子どもがいちばん長く過ごす場所から整えていきましょう。危険な場所そのものを仕切りたいときは、ゲートとの組み合わせも検討してみてください。
あわせて読みたい
ベビーゲートの選び方|設置場所別の比較と階段上の安全対策
出典・参考
関連する記事
室内遊具の選び方|すべり台・ジャングルジム・トランポリンの比較と安全
梅雨や夏に室内で体を動かせる室内遊具を、すべり台・折りたたみジャングルジム・室内トランポリン・プレイマットの4タイプで比較。対象年齢・耐荷重・折りたたみ収納・床や階下への配慮・組立のチェック点と、消費者庁などの情報をもとにした安全対策までまとめました。
ベビーサークルの選び方|素材タイプ別の比較と安全に囲うコツ
ねがえり・ずりばい・ハイハイが始まったら考えたいベビーサークル。プラスチック・木製・メッシュの素材タイプ別の特徴と、広さ・高さ・安定性・拡張性・折りたたみ・床マットの選び方を整理。いつから・いつまで使うかの目安と、つかまり立ちでの転倒・すき間・指はさみへの安全対策、囲う柵(サークル)と仕切るゲートの違いまで、消費者庁・こども家庭庁・製品安全協会の情報をもとにまとめました。
ベビーゲートの選び方|設置場所別の比較と階段上の安全対策
ずりばい・つかまり立ちが始まったら考えたいベビーゲート。階段の上は必ずネジ固定式、キッチンや廊下は突っ張り式、賃貸や移動は置くだけ自立式など、設置場所別の選び方を整理。対象月齢・ロック・開閉方向・幅調整のチェック点と、消費者庁・国民生活センターの情報をもとにした転落・乗り越え・指はさみの安全対策までまとめました。


