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子どもの近視予防|外遊びの時間・目と物の距離・スクリーンとの付き合い方

対象の目安: 幼児〜未就学児(3〜6歳中心)

ミナト編集長 / 生活リズム・時短担当
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子どもの近視予防|外遊びの時間・目と物の距離・スクリーンとの付き合い方

「テレビやタブレットを見せすぎて、目が悪くならないか心配」「まわりに眼鏡の子が増えてきた気がする」。子どもの近視(視力低下)が気になる保護者はとても多いものです。実際、国内の調査では裸眼視力が低い子どもの割合は増える傾向にあります。この記事では、近視が起こる一般的な仕組みと、予防に役立つとされる毎日の習慣を、日本眼科医会などの情報をもとに整理しました。スクリーンタイムの管理全般ではなく、あくまで「近視・目の健康」に軸足を置いて、できることをやさしくまとめています。効果を保証するものではありませんが、無理なく続けられる工夫から始めてみましょう。

子どもの近視は増えている|まず全体像から

近視とは、遠くのものがぼやけて見えにくくなる状態のことです。文部科学省の学校保健統計調査では、裸眼視力が1.0未満の子どもの割合は近年高い水準が続き、増える傾向にあると報告されています。背景として、スマートフォンや本を近い距離で見る機会が増えたことなどが指摘されています。

一方で、「近視=生活のせい」と決めつけて自分を責める必要はありません。近視には体質(遺伝)も関わり、生活習慣だけで決まるものではないからです。それでも、毎日の過ごし方を少し工夫することで、発症や進行を抑えやすくなるとされています。まずは全体像を押さえましょう。

気になることざっくりの考え方
近視は防げる?完全には防げないが、生活習慣で抑えやすくなるとされる
いちばん大事なのは?屋外で過ごす時間を増やすこと(1日2時間程度が目安)
気をつけたいこと近くを見続ける近業・暗さ・悪い姿勢・長時間の端末使用
気になったら?3歳児健診の視覚検査、見え方が心配なら眼科へ相談

裸眼視力1.0未満の子どもの割合が高い水準で推移していることは、文部科学省「学校保健統計調査」を参考にしています。数値は年度により変わるため、最新の公表値は同調査でご確認ください。ここでの割合はあくまで全体傾向の目安です。

近視が起こる仕組み|眼軸が伸びるとは

近視の多くは、目の奥行き(眼軸長=がんじくちょう)が伸びることで起こると考えられています。カメラでいうとレンズからフィルムまでの距離が長くなるイメージで、ピントが網膜より手前で合ってしまい、遠くがぼやけて見えます。子どもの目は成長とともに大きくなりますが、この眼軸が伸びすぎると近視が進みやすいとされています。

近くのものを長時間見続ける「近業(きんぎょう)」が続くと、眼軸が伸びる方向に影響しやすいと考えられています。逆に、屋外の明るい光を浴びると、目の中でドーパミンという物質が出て眼軸の伸びを抑えるはたらきがあるのではないか、と研究で注目されています。だからこそ、次に紹介する「外で過ごす時間」が予防のカギとして語られているのです。

メモ

近視そのものは眼鏡やコンタクトで矯正できますが、強い近視(強度近視)になると、大人になってから緑内障や網膜の病気などのリスクが高まることが指摘されています。日本眼科医会は、軽度の近視でも緑内障になるリスクが高まると説明しています。だからこそ、子どものうちから進みすぎないよう気を配る意味があるとされています。過度に不安になる必要はありませんが、「見えにくそう」と感じたら放置しないことが大切です。

近視が進むと将来的に緑内障などの目の病気のリスクが高まること、軽度の近視でも緑内障のリスクが上がるとされることは、日本眼科医会「気をつけよう!子どもの近視」を参考にしています。

予防に役立つとされる習慣1|1日2時間の外遊び

近視予防でいま最も注目されているのが、屋外で過ごす時間を増やすことです。日本眼科医会は、近視がある子もない子も、1日2時間は外にいることが有効だと紹介しています。屋外の強い光を浴びることが、眼軸の伸びを抑える方向にはたらくと考えられているためです。

ポイントは「特別な運動」でなくてよいこと。公園で遊ぶ、散歩する、外で過ごすだけでも屋外の光を浴びられます。屋外の明るさは、木陰や曇りの日でも室内よりずっと強いとされます。日本眼科医会は屋外で1000〜3000ルクス以上、室内での読書などは200ルクス以上の明るさを目安に挙げています。

  1. 1

    毎日の外時間を合計で確保する

    まとめて2時間でなくてよく、登園の徒歩・公園・夕方の散歩などを合計して2時間程度を目安にします。あくまで目安で、個人差や生活リズムに合わせて無理のない範囲で。
  2. 2

    曇りの日や木陰でもOK

    直射日光でなくても屋外は十分に明るいとされます。真夏は熱中症、強い日ざしには帽子や日陰・水分補給など、季節の安全対策とあわせて行いましょう。
  3. 3

    外遊びは近業の休憩にもなる

    外にいる間は自然と遠くを見て目を休められます。近くを見続けた後に外へ出る、という流れをつくると一石二鳥です。
「動画を見せる時間を減らさなきゃ、と考えると気が重かったのですが、『そのぶん外に出る』と発想を変えたら続けやすくなりました。公園で遊ぶだけでいいと知って、気持ちがラクになりました」という声はよく聞かれます。
4歳児を育てる保護者

1日2時間程度の屋外活動が近視予防に役立つとされること、屋外で1000〜3000ルクス以上・室内の読書などは200ルクス以上を目安とすることは、日本眼科医会「気をつけよう!子どもの近視」を参考にしています。効果には個人差があります。

予防に役立つとされる習慣2|近くを見続けたら遠くを見て休む

読書やお絵かき、ブロック遊び、タブレットなど、近くを見続ける作業を「近業」といいます。近業そのものは学びや遊びに大切ですが、長時間続けると目の負担になりやすいとされます。そこで役立つのが、近業の合間に遠くを見て目を休める習慣です。

日本眼科医会は、近くを見る作業では少なくとも30cm以上離すこと、30分に一度は遠くを見て連続させないことを目安に挙げています。海外では、20分ごとに20秒間、6メートル(20フィート)先を見て休む「20-20-20」という考え方も知られています。いずれも「近くを見続けない・こまめに遠くを見る」という同じ発想です。

目安内容ねらい
距離目と物は30cm以上離す近くを見すぎる負担をやわらげる
時間30分に一度は手を止める連続した近業を区切る
休憩20秒ほど遠くを見るピントを合わせる筋肉をゆるめる

ヒント

小さな子どもに「30分ごとに休憩」を自分で管理させるのは難しいものです。動画やゲームは1話・1回で区切る、遊びの合間に「お外の空を見てみよう」と声をかける、タイマーを活用するなど、大人がリズムをつくってあげると続けやすくなります。休憩のたびに窓の外や遠くを一緒に眺めるだけでも目を休められます。

近くを見る作業では30cm以上離す・30分に一度は遠くを見て連続させないという目安は、日本眼科医会「気をつけよう!子どもの近視」を参考にしています。

デジタル端末・ゲームとの付き合い方|姿勢・明るさ・時間

テレビ・タブレット・スマートフォン・ゲームは、近業のなかでも画面が近くなりやすく、夢中になって時間が長くなりがちです。完全にゼロにするのは現実的でない家庭も多いので、「やめさせる」より「目にやさしい使い方に整える」と考えると取り組みやすくなります。

  • 距離を保つ: 画面と目は離す。寝転がったり、顔を近づけて見たりしない
  • 明るさを整える: 部屋を暗くして画面だけ見ない。十分な明るさのなかで使う
  • 時間を区切る: 1回の視聴・プレイを短めに区切り、合間に遠くを見る・外に出る
  • 姿勢を整える: 背筋を伸ばして座り、机といすの高さを合わせる

デジタル機器の使い方全般や、年齢別のスクリーンタイムの目安については、別の記事でくわしく整理しています。あわせて読むと、家庭のルールづくりの参考になります。

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子どものスクリーンタイム|年齢別の目安と上手な付き合い方

注意

暗い場所での使用や、寝転がっての読書・動画視聴は、目と物の距離が近くなり姿勢もくずれやすいので避けたいところです。就寝前の強い画面の光は睡眠にも影響しやすいといわれます。近視予防と生活リズムの両面から、寝る前は画面を控える習慣にしておくと安心です。ルールは家庭ごとに無理のない形で決め、守れなくても責めすぎないことも長続きのコツです。

気づきと受診の目安|3歳児健診と眼科相談

近視や、放っておくと見る力が育ちにくくなる「弱視」などは、早めに気づいて対応することが大切です。多くの自治体では、3歳児健診で視覚検査(屈折検査を含む)を行っています。視力検査がまだ難しい年齢でも、機器を使った屈折検査で目の異常に気づける機会になります。案内が来たら、忘れずに受けておきましょう。

日本視能訓練士協会は、目の見る力(視覚)は8歳ごろに感受性期の終わりを迎え、それまでに弱視や斜視などの異常が見つからないと、十分な視力が得られなかったり治療に時間がかかったりすることがあると説明しています。だからこそ、幼児期の早めの気づきが重要とされています。

注意

次のような様子が見られたら、健診の時期でなくても早めに眼科(小児眼科)に相談しましょう。テレビや絵本にとても近づいて見る、目を細めて見る、しきりに目をこする、頭を傾けて見る、片目を隠すと嫌がる、まぶしがる、視線が合いにくい・目の位置が気になる、など。これらは近視だけでなく弱視・斜視などのサインのこともあります。あくまで目安で、当てはまっても心配ない場合もありますが、気になれば受診が安心です。

3歳児健診の視覚検査が視覚異常の早期発見に大切な機会であること、視覚の感受性期が8歳ごろに終わりを迎え、それを過ぎると十分な視力が得られない・治療に時間を要することがある点は、日本視能訓練士協会「3歳児健診の視覚検査」を参考にしています。

3歳児健診が母子保健の枠組みで各自治体により実施されていることは、こども家庭庁「母子保健」を参考にしています。健診の内容や時期は自治体により異なるため、お住まいの自治体の案内をご確認ください。

よくある質問

近視は生活習慣に気をつければ防げますか?
残念ながら、生活習慣だけで完全に防げるとは言えません。近視には体質(遺伝)も関わるためです。ただし、1日2時間程度の外遊びや、近くを見続けない工夫などは、発症や進行を抑えやすくするとされています。予防を保証するものではありませんが、無理のない範囲で毎日の習慣に取り入れる価値はあるとされています。心配なときは眼科に相談しましょう。
外遊びはどれくらいの時間が目安ですか?
日本眼科医会は、近視がある子もない子も1日2時間は外にいることが有効だと紹介しています。まとめて2時間でなく、登園の徒歩・公園・散歩などを合計して2時間程度が目安です。屋外は木陰や曇りの日でも室内より明るいとされます。あくまで目安で個人差があり、真夏は熱中症対策や日ざし対策とあわせて無理のない範囲で行いましょう。
スマホやタブレットは絶対に見せないほうがいいですか?
完全にゼロにする必要はありません。大切なのは使い方で、画面と目を離す・明るい場所で使う・1回を短めに区切って合間に遠くを見る、暗い場所や寝転がっての使用は避ける、といった工夫が役立つとされています。近くを見続けないことが近視予防では重要と考えられています。年齢別の目安は関連記事も参考にしてください。
目と物の距離や休憩の目安を教えてください。
日本眼科医会は、近くを見る作業では少なくとも30cm以上離すこと、30分に一度は遠くを見て連続させないことを目安に挙げています。海外では20分ごとに20秒ほど遠くを見る『20-20-20』も知られます。いずれも近くを見続けず、こまめに遠くを見て目を休める発想です。小さな子は大人が声かけやタイマーでリズムをつくると続けやすいです。
3歳児健診の視覚検査は受けたほうがいいですか?
受けることをおすすめします。3歳児健診では屈折検査を含む視覚検査を行う自治体が多く、視力検査がまだ難しい年齢でも目の異常に気づける大切な機会です。目の見る力は8歳ごろまでに育つとされ、弱視などは早期発見・早期治療が重要です。案内が来たら受け、見え方が気になるときは健診の時期でなくても眼科に相談しましょう。
テレビに近づいて見るのですが、もう近視でしょうか?
近づいて見るのは近視のサインのことがありますが、必ずしも近視とは限らず、集中しているだけの場合もあります。一方で、弱視や斜視などの可能性もあるため、繰り返し見られるときや、目を細める・しきりにこする・まぶしがるなどが重なるときは、眼科(小児眼科)で見てもらうと安心です。自己判断せず、気になれば専門家に相談しましょう。

まとめ|できることから、あせらず続ける

子どもの近視は増える傾向にありますが、必要以上に不安になることはありません。生活習慣で完全に防げるわけではないものの、1日2時間程度の外遊びや、近くを見続けない工夫、目と物の距離・明るさ・姿勢を整えることは、予防に役立つとされています。デジタル端末はゼロにするより、目にやさしい使い方に整えるのが現実的です。

子どもの近視予防 チェックリスト

  • 1日2時間程度を目安に、外で過ごす時間をつくっている(合計でOK)
  • 近くを見る作業は30cm以上離し、30分に一度は遠くを見て休んでいる
  • デジタル端末は明るい場所で・距離を保ち・時間を区切って使っている
  • 暗い場所や寝転がっての読書・視聴は避けている
  • 背筋を伸ばした姿勢と、机といすの高さを整えている
  • 3歳児健診の視覚検査を受け、見え方が気になれば眼科に相談すると決めている

大切なのは、完璧を目指すことより、家庭のペースで続けられることです。まずは「そのぶん外に出る」から始めてみてください。見え方に気になる様子があるときや、近視の進み方が心配なときは、ひとりで抱えずに小児眼科や自治体の相談窓口に気軽に相談しましょう。

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出典・参考

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