育児の時間
生活習慣

子どもと備える防災|0〜6歳の家庭の備え方チェックリスト

対象の目安: 0〜6歳(乳児〜未就学児)

ミナト編集長 / 生活リズム・時短担当
・ 約12分で読めます
子どもと備える防災|0〜6歳の家庭の備え方チェックリスト

台風・大雨のシーズンや防災の日(9月1日)は、家庭の備えを見直すよい機会です。とくに0〜6歳の子がいる家庭では、大人だけの備えに「子ども用のもの」を足しておくことが欠かせません。この記事では、液体ミルク・おむつ・離乳食の備え方から、家具の転倒防止、避難時に子どもが不安にならない工夫まで、公的情報をもとに実践的に整理しました。まずは今ある備えに一つ足すところから始めましょう。

まず押さえたい全体像(早見表)

子どもの防災は、大きく「持ち出す備え」「家にとどまる備え」「家の中の安全」「心の備え」の4つに分けて考えると整理しやすくなります。

備えの種類ねらいおもな中身
非常持ち出し袋すぐ避難するとき最初に持ち出す液体ミルク・おむつ・着替え・母子健康手帳のコピー・抱っこ紐
在宅避難の備蓄家にとどまるとき数日〜1週間しのぐ水・食料・ミルク・離乳食・カセットコンロ・簡易トイレ
家の中の安全揺れによるけがを防ぐ家具の固定・配置の工夫・ガラス飛散防止
心の備え子どもの不安をやわらげる避難先の確認・連絡方法・日ごろの声かけ

水や食料の備蓄は、最低3日分、大規模な災害を想定するなら1週間分が望ましいとされています。

飲料水は1人1日3リットルを目安に3日分、大規模災害時は1週間分の備蓄が望ましい。首相官邸「災害が起きる前にできること」より

子連れ避難の備え(非常持ち出し袋に足すもの)

一般的な非常持ち出し袋には、飲料水や食料、懐中電灯、携帯ラジオ、救急用品、現金や保険証などを入れます。子どもがいる家庭では、ここに次のような「子ども用」を足しておきます。

子ども用に足したい持ち出し品

  • 液体ミルク・使い捨て哺乳ボトル(または紙コップ)
  • 紙おむつ・おしりふき・使用済みを入れる袋
  • 着替え一式・タオル・肌着
  • 母子健康手帳のコピー・保険証や医療証のコピー
  • 抱っこ紐(両手が空き、避難の移動に役立つ)
  • アレルギー対応食・食べ慣れたおやつ
  • お気に入りの絵本やおもちゃ・タオルなど安心グッズ

液体ミルクは「飲ませ慣れ」までがワンセット

乳児用液体ミルクは、お湯での調乳や哺乳びんの消毒がいらず、容器を開ければそのまま飲ませられます。水やお湯が使いにくい災害時にとても役立ちます。ただし、いざというときに赤ちゃんが飲んでくれないこともあるため、日ごろから少しずつ飲ませて慣らしておくと安心です。

「水などが不自由な災害時には、乳児用液体ミルクが有用」。ライフラインの復旧に1週間以上かかる場合もある。東京都福祉局「災害時に備えて 知っていますか?乳児用液体ミルク」より

ヒント

液体ミルクは製品ごとに使い方や賞味期限が異なります。パッケージの表示を確認し、そのまま飲ませるか付属・市販の使い捨て乳首を使うなど、あわてず使えるよう一度試しておきましょう。粉ミルク派の家庭も、非常用に液体ミルクを何本か持っておくと選択肢が増えます。

母子健康手帳のコピーと抱っこ紐

母子健康手帳には予防接種やアレルギー、既往歴などの情報がまとまっています。原本を持ち出せないときのために、必要なページのコピーを持ち出し袋に入れておくと、避難先での相談がスムーズです。抱っこ紐は、両手を空けて移動でき、ベビーカーが使えない道でも子どもを連れて歩けるため、避難時の心強い味方になります。

在宅避難の備え(ローリングストック)

自宅が無事なら、避難所に行かず家にとどまる「在宅避難」も選択肢です。そのためには、ライフラインが止まっても数日〜1週間しのげる備蓄が必要になります。

農林水産省は、家庭の食品備蓄を最低3日分〜できれば1週間分×人数分そろえることをすすめています。特別な非常食だけでなく、普段の食品を少し多めに買い、使った分を買い足していく「ローリングストック」なら、賞味期限切れを防ぎながら無理なく続けられます。

家庭備蓄は最低3日分〜1週間分×人数分が望ましい。農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」より

乳幼児や食物アレルギーがある人など、配慮が必要な場合は、入手が難しくなることを見込んで多めに備えるのが目安です。使い慣れたミルク・離乳食・アレルギー対応食品は、災害時に手に入りにくくなります。

乳幼児や食物アレルギーのある人など配慮が必要な人は、少なくとも2週間分の備蓄が望ましい。農林水産省「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」より

  1. 1

    1週間分をイメージして数える

    ミルク・離乳食・おむつ・水を「1日に使う量 × 日数」でざっくり計算し、必要数を書き出します。
  2. 2

    普段より少し多めに買う

    いつも使う商品を1〜2セット多めにストック。特別なものより「食べ慣れたもの」を選ぶのがコツです。
  3. 3

    使ったら補充する

    古いものから使い、減った分を買い足します。月に一度、賞味期限やサイズ(おむつ)を見直します。

メモ

おむつは月齢とともにサイズが変わります。備蓄したまま忘れると、いざというときサイズが合わないことも。季節の変わり目や防災の日など、年に数回サイズと在庫を見直しましょう。離乳食も月齢が進むと段階が変わるため、同じように点検します。

家の中の安全(家具の転倒防止)

地震では、倒れてきた家具でけがをする危険があります。動きの読めない小さな子どもがいる家庭では、家の中の安全対策がとても大切です。首相官邸は、寝室や子ども部屋にはできるだけ家具を置かず、置く場合も背の低い家具にして、倒れても出入り口をふさがないよう向きや配置を工夫することをすすめています。

「家具が転倒しないよう、家具は壁に固定しましょう」「寝室や子ども部屋には、できるだけ家具を置かないように」。首相官邸「災害が起きる前にできること」より

家具の固定は、壁の下地(桟)と家具をL型の金具でネジ留めする方法が効果的とされています。ネジが使いにくい賃貸住宅などでは、ほかの器具を組み合わせて代用する方法もあります。

壁の桟と家具をL型金物で固定する方法など。総務省消防庁「地震による家具の転倒を防ぐには」より

家の中でやっておきたい安全対策

  • 背の高い家具・冷蔵庫・テレビを固定する
  • 寝る場所・子どもの遊び場の近くに倒れる家具を置かない
  • 窓や食器棚のガラスに飛散防止フィルムを貼る
  • 高い所に重いものやガラス製品を置かない
  • ベビーベッドや布団の位置を、落下物のない場所にする

安全・注意

注意

避難のときは、両手を空けられる抱っこ紐やリュックを使い、子どもの手をしっかりつなぎます。冠水した道路は、側溝やマンホールのふたが外れていても見えず危険です。長靴は水が入ると重く歩きにくいため、歩きやすい運動靴を選びましょう。増水した川や用水路には絶対に近づかないでください。台風・大雨のときは、暗くなる前・避難情報が出たら早めに動くのが安全です。

災害時は、備蓄していたミルクや離乳食に加えて、支援物資を使う場面もあります。食物アレルギーがある場合は、原材料表示やアレルギー表示を必ず確認しましょう。周囲に食物アレルギーがあることを伝えられるよう、ビブスやカードを用意しておくのも一つの方法です。

つまずき・困ったとき

何から備えればいいのか分からず、気になりつつ後回しにしてしまう…という声はとても多いです。
0歳児の保護者

完璧な備えを一度にそろえる必要はありません。まずは「水を1箱多めに買う」「液体ミルクを何本か置いておく」など、一つだけ足すところから始めれば十分です。おむつのサイズが変わって備蓄が合わなくなった、賞味期限が切れていた、というのもよくあること。だからこそ、防災の日や季節の変わり目に見直す習慣をつけておくと、少しずつ「使える備え」に育っていきます。

避難訓練の話をすると子どもが怖がってしまい、どう伝えればいいか迷う…という相談もよくあります。
3歳児の保護者

子どもには、こわい話としてではなく「おうちの安全ごっこ」のように、遊びの延長で伝えるのがおすすめです。避難先までの道を散歩がてら一緒に歩く、防災グッズを一緒に確認する、「地震が来たらここに集まろうね」と決めておく。日ごろの小さな積み重ねが、いざというときの子どもの安心につながります。

よくある質問

水や食料は何日分そろえればいいですか?
最低3日分、大規模な災害を想定するなら1週間分×人数分が目安です。乳幼児や食物アレルギーがある場合は、入手が難しくなることを見込んで、少なくとも2週間分など多めに備えると安心です。
粉ミルクではなく液体ミルクを備えたほうがいいですか?
液体ミルクは調乳や消毒がいらず、水が使えない災害時に役立ちます。粉ミルク派の家庭も、非常用に液体ミルクを何本か持っておくと選択肢が増えます。いざというとき飲んでくれるよう、日ごろから少しずつ飲ませ慣れておきましょう。
おむつは何枚くらい備えればいいですか?
1日の使用枚数から逆算し、数日〜1週間分を目安にストックします。サイズが変わると使えなくなるので、防災の日や季節の変わり目にサイズと在庫を見直しましょう。おしりふきや使用済みを入れる袋も忘れずに。
アレルギーがある子の食事はどう備えますか?
アレルギー対応食品は災害時に手に入りにくくなるため、普段食べ慣れているものを多めに備蓄します。支援物資を口にするときは原材料・アレルギー表示を必ず確認し、周囲に伝えられるカードなどを用意しておくと安心です。
非常持ち出し袋は子どもに持たせたほうがいいですか?
無理のない範囲でかまいません。飲み物やお気に入りのおもちゃなど軽いものを子ども用の小さなリュックに入れておくと、本人の安心にもつながります。重い荷物は大人が持ちましょう。
子どもが不安がらないよう、日ごろ何ができますか?
避難先までの道を一緒に歩く、防災グッズを一緒に確認する、集合場所を決めておくなど、遊びの延長で伝えるのがおすすめです。こわい話にせず、繰り返し軽く触れておくことで、いざというとき落ち着きやすくなります。
在宅避難と避難所、どちらを選べばいいですか?
自宅の安全が確認でき、危険がなければ在宅避難も選べます。ハザードマップで自宅の浸水・土砂災害のリスクを確認し、危険がある場合や避難情報が出たら早めに避難所などへ移動しましょう。判断に迷うときは自治体の情報に従ってください。

まとめ

子どもの防災は、特別なことをそろえるより「大人の備えに子ども用を足す」「普段のものを少し多めに持つ」ことから始まります。台風シーズンや防災の日を合図に、下のリストを一つずつ確認してみてください。

子ども用の備え 見直しチェック

  • 液体ミルク・おむつ・離乳食を数日〜2週間分ストックした
  • 使い慣れたミルク・食品でローリングストックを回している
  • 母子健康手帳のコピーと抱っこ紐を持ち出し袋に入れた
  • アレルギー対応食と、それを周囲に伝える手段を用意した
  • 背の高い家具を固定し、寝る場所の安全を確認した
  • 避難先までの道と集合場所を家族で話し合った

備えは一度で完成させるものではなく、子どもの成長に合わせて育てていくものです。気になったときに一つ足す、それを続けることがいちばんの防災になります。

あわせて読みたい

子どもの水の事故(溺水)を防ぐ|家庭の浴室から海・川・プールまでの安全の基本

あわせて読みたい

0歳赤ちゃんとの初おでかけ、持ち物リスト完全版|月齢別に整理

出典・参考

この記事をシェア

関連する記事

生活習慣

子ども用歯ブラシの選び方|年齢別のヘッド・毛の硬さ・仕上げ磨き用とフッ素ケア

0〜6歳の子ども用歯ブラシの選び方を「モノ選び」に絞って整理。年齢別のヘッドの大きさ・毛の硬さ・ハンドル、のどつき防止、自分磨き用と仕上げ磨き用の違い、360度・シリコンなどのタイプ、交換頻度・衛生管理、フッ素配合歯みがき剤の量の目安(年齢別)、歩き回りながら磨かない安全の注意までまとめました。