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子どもの乗り物酔い対策|帰省・旅行前にできる予防と、酔ってしまったときの対処

対象の目安: 2〜6歳ごろ

カナデ発達・おでかけ担当
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子どもの乗り物酔い対策|帰省・旅行前にできる予防と、酔ってしまったときの対処

「お盆の帰省で長時間の車移動があるけれど、うちの子は酔いやすいから心配」「前回のドライブで気持ち悪くなって吐いてしまった」という声は、夏の移動シーズンにとても多く聞かれます。乗り物酔い(動揺病)は、子どもの体質やその日のコンディションによって出やすさが変わるため、「できることを少しずつ重ねて負担を減らす」という向き合い方がしっくりきます。

この記事では、乗り物酔いが起こる仕組みと、何歳ごろから起きやすいのかという目安を整理したうえで、帰省や旅行の前にできる予防、酔ってしまったときの対処、そして受診を考えたい目安までを、MSDマニュアル家庭版や小児科・耳鼻咽喉科の情報をもとにまとめました。出やすさには大きな個人差があるため、気になる症状があるときは早めに休憩・相談する姿勢を大切にしてください。

乗り物酔い(動揺病)はなぜ起こる?

乗り物酔いは、医学的には「動揺病」と呼ばれます。MSDマニュアル家庭版では、目・内耳の半規管・筋肉などの「動きを感じるさまざまな器官から脳が受け取る情報に矛盾がみられるとき」に起こると説明されています。

たとえば車の中で手元の絵本やタブレットを見ていると、体は車の揺れを感じているのに、目は「あまり動いていない」と感じます。この揺れ(内耳・前庭がとらえる情報)と見えている景色(視覚情報)のズレを脳がうまく処理できず、吐き気やめまい、頭痛、あくび、生あくび、冷や汗といった症状につながっていきます。

乗り物酔いが目・内耳・筋肉からの情報の矛盾で起こるという仕組みは、MSDマニュアル家庭版「乗り物酔い」を参考にしています。

何歳ごろから起きやすい?

とても小さい赤ちゃんは、揺れをとらえる内耳やバランスをつかさどる小脳がまだ十分に発達していないため、乗り物酔いは起こりにくいとされています。脳の発達が進むにつれて揺れに敏感になり、乗り物酔いを感じるようになっていきます。

小児科医監修の情報では、乗り物酔いは脳が発達を始める2歳ごろから見られるようになり、4〜5歳では約1割、その後の学童期では約3割ほどが経験するとされ、学童期がピークの目安と説明されています。耳鼻咽喉科の解説でも、三半規管や小脳の発達に伴って幼児期から増え、学童期をピークに、成長とともに次第に減っていく傾向が示されています。

ただしこれはあくまで目安で、同じ年齢でも酔いやすい子とそうでない子がいます。「うちの子は酔いやすい」と感じたら、年齢にかかわらず次の予防を組み合わせてみてください。

2歳ごろから見られ学童期がピークになりやすいという年齢の目安は、ミキハウス妊娠・出産・子育てマガジン(小児科医監修)を参考にしています。

「赤ちゃんのころは平気だったのに、幼稚園に入ったころから車で気持ち悪がるようになった」という声はよく聞きます。成長に伴って感覚が敏感になる時期があるのは自然なことなので、慌てず対策を重ねていきましょう。
4歳児を育てる保護者

予防と対処の早見表

まずは全体像を早見表で整理します。予防は「前日の準備」「車内での工夫」「服装や環境」の3つに分けて考えると準備しやすくなります。

場面できる工夫の例
前日〜出発前よく眠る/朝食などは空腹も満腹も避け適量に
車内での過ごし方進行方向を向き遠くの景色を見る/手元の本・動画で下を向かせない
環境・におい換気する/芳香剤やたばこなど強いにおいを避ける
休憩こまめに停まり外の空気を吸う・体を動かす
服装おなかや首元を締めつけないゆったりした服にする
年齢・用法を確認し、迷えば薬剤師や医師に相談
酔ったとき車を止める→風にあたる→楽な姿勢で休む→少しずつ水分

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出発前・車内でできる予防

乗り物酔いは「起きてから抑える」より「起こりにくい状態をつくっておく」ほうがずっと楽です。次の手順を、できるところから取り入れてみてください。

  1. 1

    前夜によく眠り、体調を整える

    寝不足や疲れ、体調不良は酔いやすさにつながるとされています。移動日の前はいつもより早めに休み、当日は無理のないスケジュールにしておきましょう。
  2. 2

    食事は空腹も満腹も避ける

    空腹でも満腹でも酔いやすくなるといわれます。出発前の食事は適量にとどめ、脂っこいものを詰め込みすぎないようにします。移動中は少量の水分や、さっぱりした軽い食べ物を少しずつが目安です。
  3. 3

    進行方向を向き、遠くを見る

    後ろ向きや横向きより、進行方向を向いて座るほうが揺れと視覚のズレが小さくなります。手元ではなく、できるだけ遠くの景色を見るように声をかけましょう。
  4. 4

    下を向かせる遊びを控える

    走行中の絵本・シールブック・ゲームや動画は、下を向いて手元を凝視するため酔いを招きやすくなります。歌や、外の景色を使ったしりとりなど、顔を上げていられる遊びに切り替えると安心です。
  5. 5

    換気して、強いにおいを避ける

    窓を少し開けたり外気を入れたりして、車内にこもったにおいを和らげます。芳香剤やたばこ、食べ物の強いにおいは酔いの引き金になりやすいので控えめにします。
  6. 6

    こまめに休憩する

    長時間乗り続けると疲れて酔いやすくなります。休憩のたびに車外に出て外の空気を吸い、少し体を動かすと気分転換になります。
  7. 7

    締めつけない服装にする

    おなかや首元がきつい服は不快感を強めることがあります。ゆったりした服で、シートベルトやチャイルドシートのベルトがきつすぎないかも確認しましょう。

ヒント

座席の工夫も助けになります。車では揺れの少ない前寄りの席、電車や新幹線では進行方向を向いた席、船なら中央付近など、比較的揺れを感じにくい場所を選ぶとよいとされています。窓の外の景色が見える位置だと、遠くを見る対策とも相性がよいです。

遠くを見る・頭や体を動かしすぎない・換気する・さっぱりした食べ物を少量とるといった予防の考え方は、MSDマニュアル家庭版「乗り物酔い」を参考にしています。

新幹線や電車での移動を予定している場合の座席の選び方や過ごし方は、別の記事でも詳しく紹介しています。

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子どもと初めての新幹線|座席選びから車内の過ごし方まで完全ガイド

酔い止め薬は「年齢と用法」を必ず確認

市販の酔い止め薬には、乗る前に飲んで予防するタイプなどがあります。ただし、使える年齢や1回量、飲む間隔は製品によって異なり、低年齢では使えないものもあります。

注意

酔い止め薬は、子どもの年齢に合った製品か、用法・用量を必ずパッケージや説明書で確認してください。年齢や体質によって使えるものは異なり、眠気などの影響が出ることもあります。ほかに薬を使っている場合や、持病がある場合、使ってよいか迷う場合は、自己判断で使わず薬剤師や医師に相談すると安心です。

薬に頼りきりにするのではなく、これまで紹介した「睡眠・食事・遠くを見る・換気・休憩」といった生活の工夫と組み合わせることが基本です。薬を使う場合も、製品ごとに決められた飲むタイミング(乗車の何分前など)を守りましょう。

酔ってしまったときの対処

予防をしていても酔ってしまうことはあります。「気持ち悪い」「あくびが増える」「顔色が悪い」「急に静かになる」などのサインに気づいたら、早めに次の対応をとりましょう。

  1. 1

    安全な場所で車を止める

    自家用車なら、無理に走り続けず、安全な場所に停車します。揺れが止まるだけでも楽になることがあります。
  2. 2

    外の空気を吸わせる・風にあたる

    窓を開けたり車外に出たりして、新鮮な空気を吸わせます。締めつけている服やベルトをゆるめてあげましょう。
  3. 3

    楽な姿勢で休ませる

    シートを倒す、横になるなど楽な姿勢をとらせます。目を閉じて休むのも助けになります。まわりの大人が落ち着いて、やさしく声をかけて安心させてあげることが大切です。
  4. 4

    落ち着いたら少しずつ水分を

    吐いたあとは口をすすがせ、落ち着いてきたら少量ずつ水分をとらせます。一気に飲ませず、様子を見ながら進めます。

メモ

嘔吐に備えて、ビニール袋やエチケット袋、ウェットティッシュ、着替え、タオルを手の届く場所に用意しておくと、いざというときに落ち着いて対応できます。吐いたことを叱らず、「大丈夫だよ」と声をかけてあげてください。

酔ってしまったら車を止めて新鮮な空気を吸い、楽な姿勢で休んで水分をとる、まわりの大人が落ち着いて安心させるといった対処は、エーザイ「乗り物に酔ってしまったら」を参考にしています。

こんなときは相談・受診を

多くの乗り物酔いは、休めば回復していきます。ただし、乗り物酔いだけでは説明しにくい症状や、いつもと違う様子があるときは、別の原因が隠れていないか確認するためにも相談・受診を検討してください。

  • 乗り物を降りて休んでも嘔吐が繰り返し続く、ぐったりして水分もとれない
  • 強い頭痛を訴える、意識がはっきりしない、けいれんがある
  • 乗り物に乗っていないのに、繰り返しめまいや吐き気、頭痛が起こる
  • 発熱や下痢など、乗り物酔い以外の症状を伴う

注意

繰り返す嘔吐で水分がとれないと脱水につながることがあります。ぐったりしている・水分を受けつけないといったときは早めに小児科を受診してください。意識がはっきりしない・けいれんがあるなどの場合は、迷わず119番を要請しましょう。

判断に迷うときは、日本小児科学会の「こどもの救急(ONLINE-QQ)」で家庭での対処や受診の目安を確認できます。夜間・休日で相談したいときは、小児救急電話相談(#8000)も利用できます。

受診の目安や家庭での対処に迷ったときの確認先として、日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」を参考にしています。

よくある質問

乗り物酔いは何歳ごろから起きますか?
脳の発達に伴い2歳ごろから見られるようになり、幼児期から学童期にかけて増える傾向があるとされています。とても小さい赤ちゃんは内耳や小脳の発達が未熟なため起こりにくいと説明されます。ただし個人差が大きい目安なので、酔いやすいと感じたら年齢にかかわらず予防を重ねてみてください。
どうして手元の絵本や動画を見ると酔いやすいのですか?
体は車の揺れを感じているのに、目は手元を見て「あまり動いていない」と感じるため、揺れと視覚の情報にズレが生まれます。このズレを脳がうまく処理できないと吐き気につながりやすくなります。走行中はできるだけ遠くの景色を見るのがおすすめです。
出発前の食事はどうすればいいですか?
空腹でも満腹でも酔いやすくなるといわれます。出発前は適量にとどめ、脂っこいものを詰め込みすぎないようにします。移動中は、さっぱりした軽い食べ物や水分を少量ずつとるのが目安です。
酔い止め薬は子どもに使ってもいいですか?
使える年齢や用量、飲む間隔は製品によって異なり、低年齢では使えないものもあります。年齢に合った製品か、用法・用量を必ず確認してください。ほかの薬や持病がある場合、迷う場合は自己判断せず薬剤師や医師に相談すると安心です。
酔って吐いてしまったら、まず何をすればいいですか?
安全な場所で車を止め、外の空気を吸わせて締めつけをゆるめ、楽な姿勢で休ませます。落ち着いたら口をすすがせ、少量ずつ水分をとらせましょう。まわりの大人が落ち着いて、やさしく安心させてあげることが大切です。
乗り物に乗っていないのにめまいや吐き気があるときは?
乗り物酔いだけでは説明しにくい症状です。繰り返す場合や、強い頭痛・意識の変化などを伴う場合は、別の原因が隠れていないか確認するためにも早めに小児科などに相談してください。

まとめ

子どもの乗り物酔いは、内耳が感じる揺れと目から入る情報のズレに脳が混乱して起こるもので、脳が発達する幼児期から増える傾向があります。完全に防ぐのは難しくても、前日の睡眠や食事、車内での過ごし方、換気やこまめな休憩といった工夫を重ねることで、負担はずいぶん和らぎます。酔ってしまっても、落ち着いて車を止め、風にあたって休ませれば回復に向かうことが多いものです。

帰省・旅行前の乗り物酔い対策チェック

  • 前夜によく眠り、当日は無理のないスケジュールにした
  • 食事は空腹も満腹も避け、適量にした
  • 進行方向を向き、遠くを見るよう声をかける準備をした
  • 走行中に下を向く遊び(手元の本・動画)の代わりを用意した
  • 換気の仕方を決め、強いにおいを避けるようにした
  • こまめに休憩を取る計画にした
  • ビニール袋・着替え・タオル・水分を手の届く場所に用意した
  • 薬を使うなら年齢・用法を確認し、迷えば薬剤師や医師に相談した

気負いすぎず、「よく寝て・食べすぎず・遠くを見て・こまめに休む」を合言葉に、親子で移動そのものを楽しめる時間にしていけたら十分です。気になる症状があるときは早めの休憩・相談を最優先に、緊急時は迷わず119番へ。

出典・参考

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