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子どものお金の教育・金銭感覚の育て方|幼児期からできる第一歩

対象の目安: 3〜6歳ごろ(幼児期中心)

ミナト編集長 / 生活リズム・時短担当
・ 約11分で読めます
子どものお金の教育・金銭感覚の育て方|幼児期からできる第一歩

「お金の教育っていつから始めればいいの?」「まだ小さいうちは早すぎる?」。キャッシュレスが当たり前になり、子どもがお金の使われる場面を目にしにくくなった今、そんな戸惑いの声をよく聞きます。この記事では、幼児期(おおむね3〜6歳が中心、1〜3歳の芽生えにも触れます)からできる金銭感覚の育て方を、遊びや日々の暮らしの中でできる小さな一歩に分けて整理しました。発達には大きな個人差があるので、「何歳で必ず」ではなく、今のわが子の様子に合わせて読んでみてください。

幼児期のお金の教育で大切にしたいこと

幼児期のお金の教育は、金額の計算や難しい知識を教えることではありません。「ほしいものと交換する道具」で「使えば減る、限りがあるもの」という、お金そのものの基本イメージを、遊びや暮らしの体験を通してゆっくり育てることが土台になります。

金融庁は、金融経済教育を通じて一人ひとりが「お金や金融・経済に関する知識と判断力(金融リテラシー)」を身につけることの重要性を示しており、2024年には官民一体で教育を進める金融経済教育推進機構(J-FLEC)が設立されました。子どもへの教育も生涯にわたる学びの出発点として位置づけられています。

金融リテラシーを身につけることの重要性、および2024年に金融経済教育推進機構(J-FLEC)が設立されたことは、金融庁「金融経済教育について」を参考にしています。J-FLECには、長く金融教育を担ってきた金融広報中央委員会(愛称:知るぽると)の事業も移管されています。

年齢ごとの「できることの目安」

下の表はあくまで目安です。同じ年齢でも興味や理解の進み方は大きく違うので、「早い・遅い」で焦らず、今できていることから広げてください。

時期芽生え・できることの目安家庭でできる関わり
1〜3歳ごろお金という「もの」に気づく。渡す・受け取るのやり取りを楽しむおままごとで「どうぞ」「ありがとう」のやり取り。硬貨は誤飲に注意
3〜4歳ごろお店では「お金を払うと物がもらえる」と気づき始めるお買い物ごっこ。実際の買い物で「1つだけ選ぶ」体験
4〜6歳ごろ「ほしい」と「今いる」を少しずつ区別。数える力も育つレジで自分で渡す、貯金箱で貯める、簡単なおこづかいの検討

メモ

金融リテラシー・マップ(J-FLEC)は、身につけたい金融リテラシーを年齢層別に整理しています。就学前は、こうした体系だった学習の前段階として、「お金に親しむ」「ものを大切にする」といった生活体験を積む時期ととらえると気楽です。

遊びと暮らしの中で育てる

お買い物ごっこ・おままごとで疑似体験

お金の第一歩は、遊びの中でつくれます。おままごとやお店やさんごっこで、「これください」「◯円です」「どうぞ」「ありがとう」といったやり取りを繰り返すと、お金が「ものと交換する道具」だと自然に感じられます。

  1. 1

    役を決めて始める

    お店の人とお客さんに分かれます。おもちゃのお金や紙で作った硬貨でOK。数の理解はあいまいでも問題ありません。
  2. 2

    やり取りの言葉を添える

    「120円です」「お金を渡してね」「おつりです」と、大人が流れを言葉にします。まねしながら順番を覚えていきます。
  3. 3

    少しずつ広げる

    慣れたら「50円しかないから、これは買えないね」など、限りがある感覚をそっと足していきます。

実際の買い物で「選ぶ」体験を

本物の買い物は、またとない学びの場です。ただし幼児には情報量が多いので、役割を小さく区切るのがコツです。「今日はおやつを1つだけ選んでいいよ」「これとこれ、どっちにする?」と選択肢を絞ると、選ぶ・あきらめるという体験がしやすくなります。

ヒント

レジで子ども自身にお金やカードを渡してもらうと、「払うと物がもらえる」という交換の流れを体で感じられます。うまくいったら「自分で払えたね」と過程を認めると、次への意欲につながります。

「ほしい」と言われたものを毎回買わないことも、大切な学びです。買わない理由を「今日はおやつの日じゃないからね」と短く伝え、我慢や優先順位の感覚を少しずつ育てていきます。お手伝いを通じて「暮らしにはいろいろなやり取りがある」と知ることも土台になります。

おこづかいはいつから・どう始める?

おこづかいに「この年齢から」という決まりはありません。お金を数えられ、「使うと減る」がなんとなく分かってきた頃(4〜6歳ごろが一つの目安)が、始めやすいタイミングと言われます。金額の多さより、「限りあるお金の中で自分で選ぶ」経験そのものが目的です。

定額制と報酬制の考え方

方式内容向いている点・注意点
定額制決まった額を定期的に渡す計画的に使う練習になる。幼児期は少額・短い間隔から
報酬制お手伝いなどの対価として渡す働いて得る感覚は育つが、「お金がないと動かない」になりやすい点に注意

注意

お手伝いのすべてを「やったらいくら」にするのは慎重に。家族の一員として行うお手伝いまで報酬にすると、「もらえないならやらない」につながりやすいと言われます。日々のお手伝いは「ありがとう、助かった」の感謝を土台にし、報酬は特別なときに留めるなど、家庭の方針を決めておくと迷いにくくなります。

始めるときは、金額・渡す間隔・使い道のルール(全部使ってもいい/一部は貯めるなど)を、子どもと一緒にシンプルに決めておくと続けやすくなります。失敗して早く使い切っても、そこから「次はどうする?」を一緒に考える機会になります。叱るより、選んだ結果を振り返る関わりが学びになります。ほめ方・叱り方の基本は

も参考にしてください。

キャッシュレス時代の「見えないお金」

電子マネーやスマホ決済が中心の家庭では、子どもが「お金が減る」場面を目にしにくくなっています。ピッとかざすだけで物が手に入るように見えるため、お金の実感が育ちにくいと指摘されることがあります。

  1. 1

    支払いを言葉で実況する

    「今、カードで◯円払ったよ」「これでお金が減ったんだよ」と、見えないやり取りを声に出して伝えます。
  2. 2

    現金にも触れる機会をつくる

    ときどき現金で買い物をして、硬貨やお札が手元から出ていく様子を見せると、「使うと減る」が伝わりやすくなります。
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    貯金箱で「見える化」する

    硬貨を入れて重くなる、いっぱいになる、という手ごたえは、貯める楽しさを実感させてくれます。

貯金箱は、幼児期におすすめの道具です。「これを貯めたら◯◯を買おうね」と小さな目標を決めると、貯める→買うという流れが体験でき、我慢や計画の芽が育ちます。中身が見えるタイプだと、貯まっていく変化が分かりやすくなります。

つまずき・困ったとき

「買って」の連呼で毎回もめてしまう

お店で「買って」が止まらない、というのはとても多い相談です。買い物の前に「今日は買わない日」「おやつを1つだけ」と約束を決めておくと、その場で押し問答になりにくくなります。約束を守れたときは「我慢できたね」と認めると、次につながります。

お金を渡してもすぐ使い切ってしまう

「おこづかいを渡すと、その日のうちに全部使ってしまう」という声もよく聞きます。

5歳児の保護者

幼児期は「あとで使うために取っておく」がまだ難しい時期です。使い切ること自体を責めず、「なくなっちゃったね、次はどうしようか」と一緒に振り返るだけで十分です。少額・短い間隔にすると、失敗のダメージも小さく、学びの回数を増やせます。

きょうだいで欲しがるものが違い、不公平になる

金額や機会をそろえることにこだわりすぎると、かえって比べ合いになりがちです。「その子が何にお金を使いたいか」に目を向け、それぞれの選択を尊重すると、比べる気持ちがやわらぎやすくなります。

よくある質問

お金の教育は何歳から始めればいいですか?
決まった年齢はありません。1〜3歳ごろはおままごとで「どうぞ・ありがとう」のやり取りを楽しむ芽生えの時期、3〜6歳ごろはお買い物ごっこや実際の買い物で「払うと物がもらえる」「使うと減る」を体験する時期、と考えると気楽です。理解の進み方には大きな個人差があるので、今できていることから少しずつ広げてください。
おこづかいはいつから、いくら渡せばいいですか?
「この年齢から」という決まりはありません。お金を数えられ、使うと減ると分かってきた4〜6歳ごろが一つの目安です。金額の多さより、限りある中で自分で選ぶ経験が目的なので、まずは少額・短い間隔から。金額・間隔・使い道のルールを子どもと一緒にシンプルに決めておくと続けやすくなります。
お手伝いのたびにお金を渡すのはよくないですか?
すべてを報酬制にするのは慎重にとよく言われます。家族の一員として行うお手伝いまでお金にすると、もらえないならやらない、につながりやすいためです。日々のお手伝いは感謝の言葉を土台にし、報酬は特別なときに留めるなど、家庭で方針を決めておくと迷いにくくなります。
キャッシュレスばかりで、お金の感覚が育つか心配です。
支払いのたびに「今カードで◯円払ったよ」「お金が減ったよ」と言葉で実況すると、見えないお金の動きが伝わりやすくなります。ときどき現金で買い物をして手元からお金が出ていく様子を見せたり、貯金箱で貯まる・減るを見える化したりするのも有効です。
おこづかいをすぐ使い切ってしまいます。止めるべき?
幼児期は「取っておく」がまだ難しい時期なので、使い切ること自体を責める必要はありません。なくなったね、次はどうしようか、と一緒に振り返るだけで学びになります。少額・短い間隔にすると失敗のダメージが小さく、経験の回数を増やせます。
無駄づかいを叱ったほうが身につきますか?
叱るより、選んだ結果を一緒に振り返る関わりのほうが身につきやすいと言われます。「これを買ったから、もう買えないね」と事実を確認し、次の使い方を一緒に考えると、自分で判断する力が育ちます。強く叱ると、お金の話題そのものを避けるようになることもあります。

まとめ

幼児期のお金の教育は、難しい知識を教え込むことではなく、遊びや日々の買い物の中で「お金は交換する道具」「限りがあるもの」という感覚を、体験として少しずつ育てることが土台です。焦らず、成功体験で終われるように小さく区切りながら、その子のペースで進めていきましょう。気になることがあれば、自治体の相談窓口や専門家に相談するのも一つの方法です。

幼児期のお金の教育チェックリスト

  • おままごと・お買い物ごっこで「渡す・受け取る」を遊びにする
  • 実際の買い物で「1つだけ選ぶ」「レジで渡す」など小さな役割を任せる
  • 「ほしい」と「今いる」を分けて考える声かけをする
  • おこづかいは少額・短い間隔から。金額・間隔・使い道を一緒に決める
  • お手伝いは感謝を土台に。報酬は特別なときに留める
  • キャッシュレスの支払いは言葉で実況し、貯金箱で見える化する
  • 使い切りや無駄づかいは叱るより一緒に振り返る
  • 硬貨などの誤飲に注意し、目安は個人差ありと考える

お金との付き合い方は、一度で身につくものではなく、暮らしの中で少しずつ育っていくものです。うまくいかない日があっても気にしすぎず、家族で楽しみながら、その子のペースで一歩ずつ進めていきましょう。

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